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【UFC】ヴォルカノフスキーがロペスに5R判定勝ちでベルト取り戻す「逆境は特権だ」。ピンブレットがチャンドラーに3R TKO勝ち、パトリシオ“ピットブル”がロドリゲスに判定負け、シウバがミッチェルを失神ニンジャチョーク葬! ジャンジローバがシャオナンに完勝、フーパーがミラーに組み勝つ、ス・ムダルジが連敗脱出=『UFC 314』

2025/04/13 09:04

『UFC 314: Volkanovski vs. Lopes』速報

▼UFC世界フェザー級選手権試合 5分5R
アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)27勝4敗(UFC14勝3敗)
[判定3-0] ※48-47、49-46×2

×ディエゴ・ロペス(ブラジル)26勝7敗(UFC5勝2敗)※UFC5連勝でストップ


 メインはイリア・トプリアがライト級転向でベルトを返上したフェザー級の王座を争う5R戦。

 前王者ヴォルカノフスキーは 、2024年2月に6度目の防衛戦でイリア・トプリアに敗れ王座から陥落して以来の試合。一昨年の2月には、階級上のイスラム・マカチェフのライト級王座に挑戦して敗れたが、マカチェフを追い込む場面も見せた。その後、暫定王者のヤイール・ロドリゲスを3R TKOに下して王座統一。10月に欠場したシャーウス・オリヴェイラの代わりに緊急参戦してマカチェフと再戦もKO負け。その4カ月後にトプリアに敗れ、フェザー級で初黒星を喫した。36歳。

 ブラジルのロペスは、19歳からメキシコに移住中。2024年5月に直前の代役出場で無敗のランカー・モフサル・エフロエフに判定負けだったが、パンチを効かせ、寝技でもサブミッションを仕掛けるなど追い込む場面も作ってみせた。

 そこから5連勝。ギャビン・タッカー、 パット・サバティーニを初回フィニュシュすると『UFC300』では、ランカーのソディック・ユサフを1R KOに下してランキング入りを果たしている。その後も2024年6月にダン・イゲに、2024年9月の前戦でブライアン・オルテガに、いずれも判定で競り勝っている。

 ブラジリアン柔術がバックボーンで26勝中、10のKO・TKOと12の一本勝ちを誇る。今回の試合前には、オクラホマ州立大学レスリング部に出稽古し、2020年東京五輪86kg級金メダリストのデビッド・モリス・テイラー率いるチームでトレーニングも行っている。29歳。

 1R、グローブタッチ。ともにオーソドックス構え。ひとまわり大きなロペス。左右ローを突くヴォルカノフスキーは左ミドルもガード上に突く。ロペスも左ジャブを見せて圧力。左ミドル「からバックフィストを空振りのヴォルカノフスキー。右カーフのロペスはヴォルカノフスキーのジャブの入りに右アッパー! 一瞬動きが止まったヴォルカノフスキーは右回り。ロペスはやはりその入りに右アッパーを狙う。

 左ジャブは遠いヴォルカノフスキーはいきなりの右を届かせる。左から右、さらに左を当てたヴォルカノフスキー! グラついたロペスも戻すと、ヴォルカノフスキーは左ジャブ、組んでボディロック&小外刈りで崩すも残すロペスになおもボディロックするヴォルカノフスキーは左のパンチ連打からテイクダウン! トップからパウンドに腕十字を狙うロペスも対応するヴォルカノフスキー。ホーン。ヴォルカノフスキーのラウンドに。

 2R、圧力をかけるヴォルカノフスキー。中央を取り返すロペスに前蹴り、左インロー。左ローを空ぶらせたロペス。右は伸びない。右から左で飛び込むヴォルカノフスキー。右ロー。そこにジャブを狙うロペス。右を見せると右を返してくるロペスをかわすヴォルカノフスキー。ダブルレッグから組むも差し上げるロペスに離れるヴォルカノフスキー。

 右前蹴りのロペス。右回りのヴォルカノフスキーに、左ジャブのダブル。バックステップのヴォルカノフスキーは左ジャブ、左ミドル、インロー、そして右! 下がったロペスに右で差して組んで押し込むも、右周りで離れるロペス。

 左ジャブのヴォルカノフスキーに右カーフ、左でヴォルカノフスキーの右目下から出血させるロペス。ヴォルカノフスキーの左から右フックに打ち返すロペスは左から右でダウンを奪い返す。すぐに立つヴォルカノフスキー。ホーン。拮抗したラウンドもダウンでロペスのラウンドか。

 3R、中央の取り合い。右前蹴り、左ジャブのヴォルカノフスキー。右回りのヴォルカノフスキー。入りにアッパーを狙うロペスをかわすヴォルカノフスキー。左インローを当てるヴォルカノフスキー。ロペスも右カーフ。ヴォルカノフスキーも蹴り返す。手数はヴォルカノフスキー。左ジャブを突き、前蹴りのヴォルカノフスキー。左フックにロペスも右を返す。ジャブから一気に詰めるロペスに右を当てるヴォルカノフスキー。ロペスも近づくと右アッパーを突き上げる。ヴォルカノフスキーも左フックを当てている。

 ロペスのジャブの前進をさばくヴォルカノフスキー。ヴォルカノフスキーは左を突いてシングルレッグも深追いせず。左ジャブを刺すヴォルカノフスキー。ロペスは右後ろ廻し蹴りも空振り。組むヴォルカノフスキーを切って右の蹴りで前に。ヴォルカノフスキーのラウンドか。

 4R、チャンピオンシップラウンド。左ジャブから右ローのヴォルカノフスキー。ワンツー、さらに右をスイングする。ロペスのジャブをパーリングするヴォルカノフスキーは左ハイ。ロペスが近づくと組んで離れる。

 ヴォルカノフスキーはロペスの右アッパー、左フックを右周りでかわすと、大外刈の足払い狙い。左から右で詰めるロペスに左ジャブを当てるヴォルカノフスキー。右を当てるも、ロペスは左を当てて前に! 右目を気にしたヴォルカノフスキー。右アッパーのロペス。サウスポー構えに変えたヴォルカノフスキーだが、オーソに戻す。右オーバーハンドを当てるヴォルカノフスキーは左ジャブ。右回りを追うロペス。ワンツーの右のヴォルカノフスキーに右を合わせに行くロペスは、右アッパーから詰めるがさばくヴォルカノフスキー。拮抗したラウンドに。

 5R、観客を煽るロペス。詰めて左から右アッパーを振るが、かわすヴォルカノフスキーは右回り。左にステップすると、ロペスは右ミドルで止める。後ろ廻し蹴りはかわしたヴォルカノフスキーは右の飛び込みから左ジャブをヒット。

 右カーフを返すロペスに、ワンツーの右を額で受けるロペス。ヴォルカノフスキーは組みを混ぜて離れる。右から左を突くヴォルカノフスキーは詰めにダブルレッグも切るロペス。右カーフをかわしたヴォルカノフスキー。右回りで左ジャブから右、組みヒザも。

 剥がすロペスは中央を取り圧力。左右に回るヴォルカノフスキーは左ジャブをヒット。ジャブから左ハイのロペスをさばくヴォルカノフスキーは左ジャブのダブル! 右を交錯させて左右で詰めるロペスだが、5Rの逃げ切り態勢に、ヴォルカノフスキーは大外刈の崩しを見せて、打ち合いを望むロペスに乗らずに、かわして刺してホーン。ヴォルカノフスキーのラウンド。

 判定3-0(48-47、49-46×2)でヴォルカノフスキーが勝利。ベルトを腰に戻すと、ひざまずいてからインタビューを受けた。

 王者は「戻れてよかった。こんなに愛を感じたことはないかもしれない。俺はこのファイトウィーク中から、入場するくらいまでの間まではずっとベルトを持ち帰ることを話してきて、娘たちにもベルトを持って帰ると約束していたから。でも、ベルトを持ち帰ることなんて、どうだってよくなった。そのとき思ったんだ。多くの人が二度のノックアウト負けを喫している俺のことを、もう終わったと思っていることを。

 35歳の呪い(※フェザー級以下では35歳以上の選手がタイトル戦で勝てないというジンクス)、36歳の大ブレイク、そして復活。ディエゴ・ロペスのような強豪を倒して戻ってきた。みんなが見ている前で戻ってこれてよかった。イジー(アデサニヤ ※練習仲間)もそうだっただろ、ヤツはここで大きな瞬間を迎えた。そんな奴にシャウトアウトしたい。『逆境はここでの特権だ』。みんないつもそう話している。本当にそうだ。この瞬間は信じられない。(逆境を乗り換えたのは)チャンスだよ。逆境に立たされたとしても自分を奮い立たせれば、たとえうまくいかなかったとしても、自分をより強くしてくれる。記録を塗り替える。これは人々が本を書くことになるだろう。映画にもなる。そういうことだ。そういうことなんだ。マイアミ、愛してるよ」と語った。

 また敗れたロペスは、「まず最初に、僕の故郷であるブラジルのみんなにエールを送ります。応援ありがとう。大好きです。メキシコのみんなもありがとう。本当にありがとう。アレクサンダーのような人とケージをシェアできて光栄でした。ヴォルカノフスキーとの試合のために頑張れた。でもまた戻ってくるよ。(驚いたことは?)無かった。彼はUFCでの経験が豊富で、素晴らしいキャリアを持っている。でも、自分もまた戻ってくることができる。僕はこの団体に2年しかいないし、もっといいトレーニングを積んでこれると思う。もっと良くなって、チャンピオンになるんだ。絶対にまた戻ってくるし、これまで以上に良くなって戻ってくると確信している。マイアミ、本当にありがとう」と復活を誓った。

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