2025年3月15日(日本時間16日)米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXにて、『UFC Fight Night: Vettori vs. Dolidze 2』(U-NEXT配信)が開催された。
『UFC Fight Night: Vettori vs. Dolidze 2』速報
2025年3月15日(日本時間16日)米国ネヴァダ州ラスベガス UFC APEXU-NEXT配信/UFC Fight Pass配信
▼ミドル級 5分5R〇ロマン・ドリッゼ(ジョージア)15勝3敗(UFC9勝3敗)12位 ※インタビュー[判定3-0] ※49-46×3×マービン・ヴェットーリ(イタリア)19勝8敗(UFC9勝6敗)8位
メインイベントはミドル級の5分5Rで、8位のマービン・ヴェットーリと12位のロマン・ドリッゼ(ジョージア)が、2023年3月以来、2年ぶりの再戦に臨む。
前戦では圧力をかけるドリッゼの右の強打にヴェットーリが苦しむも、アウトキックボクシングの手数で上回り、ヴェットーリが判定勝利を収めている。
ヴェットーリは2021年6月にアデサニヤのタイトルに挑戦。タックルを切られる展開で、一度だけテイクダウンからチャンスを掴んだ場面もあったが、それ以外勝機がなく判定負け。次戦のパウロ・コスタ戦はコスタが体重を落とせずライトヘビー級になるというエクスキューズがあったものの判定勝ち。が、再びタイトルを目指すために負けられなかったロバート・ウィテカー戦ではまたも判定負け。
23年3月にロマン・ドリッゼとの接戦を制し、上位ランクに踏みとどまった。23年6月の前戦では、ジャレッド・キャノニアに判定負け。10月にはグラップリングのAbu Dhabi Extreme Championship(ADXC1)に出場し、QUINTET 2にも出場したタレック・スレイマンに判定勝ちしている。今回の試合に向け、ATTで練習を積んできた。1年9カ月ぶり復帰戦。
ドリッゼはミドル級に落としてから4連勝後、ヴェットーリとナッソーディン・イマボフに連敗も、マジョリティ判定で敗れたイマボフは、その後4連勝でイズラエル・アデサニヤもTKOに下しており、ドリッゼがトップ戦線の力を持つことは確かだ。
2024年6月には対戦相手が欠場したライトヘビー級のアンソニー・スミスの相手に名乗りを上げ、階級上でも判定勝ち。10月にはケビン・ホランドの腕十字に担ぎパスを合わせてホランドを負傷TKOに追い込んでいる。米国ではエクストリーム・クートゥアーでショーン・ストリックランドらとトレーニングしている。
UFC世界バンタム級王者メラブ・ドバリシビリ、フェザー級王座を返上したイリア・トプリアと同じジョージア出身のドリッゼと、アデサニヤ、コスタ、ウィテカーらトップ勢と戦ってきたヴェットーリ、トップ戦線に上がるのは?(※ドリッゼのインタビュー)
入場したヴェットーリだが、レフェリーのチェックの際にファールカップをつけ忘れたことが分かり、一旦退場してつけ直すハプニングも。
1R、サウスポーのヴェットーリにドリッゼはオーソドックス。パンチで出たヴェットーリにドリッゼのワンツーがヒット。さらに右オーバーハンド。ヴェットーリが出たところでお互いの頭が当たりタイムストップ。再開。飛び込んできたヴェットーリにワンツーを入れるドリッゼ。ドリッゼが右オーバーハンドを空振りしたが、そのまま回転してバックヒジを放つ。ブロックしたヴェットーリ。右を打ち込んでいくドリッゼ。さらに右ハイ。ニータップを狙ったが切ったヴェットーリ。1R終了。
1Rのスタッツはヴェットーリの有効打22に対しドリッゼは14と、ヴェットーリが手数で上回る展開に。
2R、ロー、ジャブで手数を出すヴェットーリに対し、ドリッゼは右を単発で打ち込む。ドリッゼの指がヴェットーリの目に入りタイムストップ。再開。ヴェットーリの打ち終わりにワンツーを入れるドリッゼ。ドリッゼは左のパンチから左の裏拳を入れる。ジャブが増えてきたドリッゼ。また左の裏拳を入れる。サウスポーにスイッチしてのワンツー。スイッチを繰り返しながら手を出すドリッゼ。2R終了。ややドリッゼがギアを上げてきた。
3R、右の蹴りを入れるドリッゼ。ミドル、前蹴り。お互いのパンチが交錯したが効いたのはドリッゼ。ヴェットーリがすぐに間合いを詰めてパンチのラッシュを打ち込むが、ドリッゼは首相撲ヒザで凌いだ。ラッシュで消耗したのか、息が荒くなっているヴェットーリ。ドリッゼカーフキック。ワンツーを入れたヴェットーリ。ドリッゼがプレッシャーを掛けるとケージを背負ったヴェットーリ。組みに行くドリッゼだがヴェットーリが受け止めた。ケージに押し込むドリッゼ。3R終了。
4R、ドリッゼ右オーバーハンド。ヒットして後退するヴェットーリ。詰めていくドリッゼだが追撃には行かず様子見。ヴェットーリがカウンター狙いで待ちの態勢に。お互い手数が減っている。ケージに詰めたドリッゼが連打を打ち込んだが、ヴェットーリはサークリングしてかわす。ドリッゼ左のパンチから右のバックヒジのコンボをヒット。かかと落としを見せるドリッゼ。アゴに前蹴りをヒット。ドリッゼ右オーバーハンド。ホーン。
4Rはドリッゼが手数で上回ったラウンドに。
5R、ドリッゼが右ハイ。左右のパンチを入れるヴェットーリ。右オーバーハンドを入れたドリッゼ。ドリッゼが間合いを詰めるとケージ際をサークリングするヴェットーリ。ドリッゼの右ハイはブロックしたヴェットーリ。ドリッゼのローブローがありタイムストップ。再開後に右ハイを入れるドリッゼ。さらにまた右ハイ。首相撲ヒザ。ヴェットーリが出てくると首を抱えてパンチを入れるドリッゼ。最終ラウンドがもっとも有効打が多くなっている。手を出し続けたままタイムアップ。
判定3-0(49-46×3)で3R以外はすべて取っていたドリッゼが勝利。リベンジを果たした。
勝ったドリッゼは「まずマーヴィンが僕との対戦を承諾してくれたことに大きな感謝を言いたい。とても感謝している。次に、この試合は僕にとって大きくて重要なテストだった。レベルが高いから5Rはハードだった。キラーやモンスターが相手だから、何が起きてもいいように準備しておかないとね。精神的にとても重要な試合だった。最初の試合では、自分の攻撃性だけでハードに攻めていた。自分の攻撃性をコントロールすることは、僕にとってとても重要なことなんだ。ハードに攻めて1Rで死ぬこともできないし、5Rもハードに攻め続けることはできない。そう、5R目は本当にペースを上げるんだ。次? 俺はトップ5を狙える相手だ。100%、僕にとって現実的な試合は2つある。ウィテカーかアデサニヤだ。行こう。5日だけでいい。それ以上何もいらない。5日あれば戦える。体重を増やすのに少し時間をくれ、それだけだ」と語った。
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【コメインイベント】
▼ウェルター級→キャッチウェイト 5分3R〇チディ・エンジョクアニ(米国)25勝10敗(UFC5勝3敗)※3連勝172.5lbs/78.24kg ※体重超過[2R 2分19秒 TKO]×エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントス(ブラジル)25勝9敗(UFC11勝5敗)171lbs/77.56kg※エンジョクアニは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のドイス・サントスに報奨金の一部を支払う
ウェルター級だったが、エンジョクアニが1.25ポンドオーバー。
ストライカーのエンジョクアニはUFCではミドル級でデビューし2試合連続KO勝ちでボーナスを獲得したが、そこから3連敗。階級をウェルターに落とすと、UFC0勝3敗のリース・マッキーにスプリット判定勝ち、前戦はUFC2勝4敗のジャレッド・グッデンとの対戦で、ケージに押し込んでヒザを入れる展開での判定勝ち。ウェルター転向後の2戦で2連勝としたが、ミドル級でUFCと契約した当初と比べて、スタンドで倒せるパンチがなくなり、怖さがなくなってしまっている。36歳。
ベテランのザレスキはUFC11勝4敗1分。一時はランキングに入っていたこともあった。ニックネームのカポエイラが示す通り、カポエイラの経験があり、スピードのある蹴りを武器にしている他、柔術黒帯で寝技の強さもある。前戦は過去に敗れているニコラス・ダルビーとのリマッチが組まれていたが、直前でダルビーが欠場。代役で急遽UFCデビューが決まったスクロギンとの対戦となったが、腹回りが緩く明らかに準備不足のスクロギンを問題にせず1RでKO勝ち。38歳。
両者とも、若くはないのでランキング入りに向けては1つも落とせない。
1R、両者オーソドックス。前蹴りで牽制するエンジョクアニ。ザレスキに距離を詰めさせない。エンジョクアニがプレッシャーを掛けるとケージ際まで下がるザレスキ。前に出て両者の前蹴りが交錯したところでエンジョクアニに前蹴りがローブローに。インターバルが取られるが再開。前蹴りを入れたエンジョクアニだが、ザレスキが飛び込んで右をヒット。一瞬ぐらついたエンジョクアニに組み付いたザレスキ。
引き込むように下になり足関を狙ったザレスキだが、取れないと見て立った。また前蹴りを入れるエンジョクアニだが、ザレスキは蹴り足をキャッチするとテイクダウン狙い。こらえるエンジョクアニのスタンドバックに回る。ケージで正対したエンジョクアニ。ザレスキ離れた。また左右の前蹴りを打ち込むエンジョクアニ。パンチで飛び込んだザレスキ。組んだが振りほどくエンジョクアニ。1R終了。
1Rはリーチで上回るエンジョクアニが自分の距離で前蹴りをヒットさせていく展開に。
2R、ミドル、前蹴りを入れるエンジョクアニ。蹴り足の戻り際にタックルで飛び込んだザレスキだが切られる。エンジョクアニの左ハイがヒット。ザレスキがパンチで飛び込んだが、前に出したエンジョクアニの指が目に入りタイムストップ。すぐに再開。ザレスキは蹴り足の戻り際に飛び込みを狙っていく。飛び込んだザレスキだが、エンジョクアニが首相撲ヒザ! ヒットしダウンしたザレスキにすかさずヒジの連打、防戦一方となったザレスキを見てレフェリーが間に入った。
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▼ライト級 5分3R〇アレクサンダー・ヘルナンデス(米国)16勝8敗(UFC8勝7敗)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※30-27、29-28×2×カート・ホロボー(米国)21勝9敗(UFC2勝6敗)155.5lbs/70.53kg
ライト級。ヘルナンデスはUFC7勝7敗(ライト級では7勝4敗)。UFCデビュー戦でいきなりランカーのベニール・ダリウシュにKO勝ちしてランキング入りするが、その後はランカー相手に星を落としランク外に。一度階級をフェザー級に落としていたこともあったが、力を出しきれず3戦全敗。再びライト級に階級を上げた。前戦はTUF31準優勝のオースチン・ハバードと対戦。僅差の内容だったが、タックルを切って打撃を入れる展開で判定勝ち。32歳。
ホロボーは2013年にStrikeforceからUFCへと契約移管されたが1敗でリリース。2017年にはDWCSに出場してUFCとの再契約を果たすも、3戦全敗で2度目のリリースに。2023年のTUF31に出場すると、全試合フィニッシュ勝利で優勝。しかしTUF後の本戦デビュー戦では、トレイ・オグデン相手にテイクダウンから固められる展開で判定負け。前戦はUFC0勝1敗のクルシェウスキーと対戦し、ギロチンから引き込んで攻めるクルシェウスキーの極めを凌いで打撃を入れる展開での判定勝ち。TUF決勝戦以外のUFC本戦での初勝利となった。38歳。
1R、両者オーソドックス。ホロボーが蹴りからパンチを入れるが、ヘルナンデスもワンツーを返す。ヘルナンデスのローキックに対しワンツーを打ち込むホロボー。左のトリプルから右を入れたヘルナンデス。ヘルナンデスはスイッチしてサウスポーに構える。パンチでケージに詰めるヘルナンデス。ワンツー。打ち終わりに右を返すホロボー。右がヒットしヘルナンデスフラッシュダウン。すぐに立ち上がる。残り30秒でタックルで飛び込むヘルナンデスだが、ホロボーはギロチンに捕らえると引き込んで絞める。終了直前に首を抜いたヘルナンデスがパウンドを入れたが1R終了のホーン。
2R、ホロボーがパンチ・前蹴りの連打で前に出て行く。ケージに詰めてボディから顔面にパンチを打ち込む。アッパーを返すヘルナンデス。組んだホロボーがボディにヒザを連打し離れた。右オーバーハンドがヒット。ケージを背負うヘルナンデスに組んで押し込む。両者ヒザを入れ合い離れた。ハイペースな攻めを続けるホロボーに対し、消耗が見えるヘルナンデス。ホロボーのパンチをかいくぐってタックルに入ったヘルナンデスがテイクダウン成功。下から足をすくいながらスイープを狙うホロボー。Kガードの体勢に。ヘルナンデスはこらえてパウンドを入れた。インサイドからパウンドを入れるヘルナンデス。ヒジ。2R終了。
3R、打撃で出るホロボーにヘルナンデスがタックル。テイクダウン。起き上がろうとするホロボーを寝かせてハーフで押さえ込んだ。下からバタフライガードで浮かせて返そうとしたホロボーだが、足をまたいでマウントに入るヘルナンデス。ホロボー下から変形カーフスライサーに捕らえる。決まってはいないが動けないヘルナンデス。外れるが、押さえ込みが解除されたところで立ち上がるホロボー。左右のパンチで出るホロボーだがヘルナンデスがタックルに入りテイクダウン。ハーフガードからキムラを狙うホロボー。しかし外れた。残り時間わずかでパウンドを連打するヘルナンデス。タイムアップ。
判定30-27、29-28、29-28の3-0でヘルナンデスが勝利。試合後のインタビューでは、「ホロボーは素晴らしいグラウンドのスキルを持っている。グラウンドで勝負できて嬉しい」とコメントした。
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▼バンタム級 5分3R〇ダモン・ブラックシア(米国)16勝7敗(UFC4勝3敗)136lbs/61.69kg[2R 4分9秒 キムラロック]×コーディ・ギブソン(米国)21勝11敗(UFC3勝6敗)136lbs/61.69kg
バンタム級。ブラックシアはUFC戦績は3勝3敗1分の5割だが、3勝はすべてフィニッシュしての勝利。寝技での極めも強く、UFC3人目となるツイスターでの一本勝ちも飾っている。前戦はレスラーのステーマンとの対戦で、飛びヒザを効かせると、ステーマンのタックルを切ってバックに回ってのチョークで一本勝ち。30歳。
ギブソンはUFCを一度リリースされ、一時はMMAを引退し高校教師をしていた。復帰後、「元UFC経験者vsプロスペクト」がテーマのTUF31に元UFCチームとして出場。一回戦・準決勝を1Rフィニッシュ勝利で飾り、決勝は同じ元UFC勢で2度目のTUF出場となるブラッド・カトーナ相手に判定負け。しかし激闘でファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞している。再契約後、UFCでは2勝1敗。タックルでテイクダウンを奪い、ポジションを取って攻めるスタイル。37歳。
1R、両者オーソドックス。ギブソンが間合いを詰めるとボディブローからタックルに。ケージに押し込んで視座を入れるとシングルレッグでテイクダウンを狙う。こらえたブラックシアだが、すぐにまた詰めたギブソンが右ボディを連打。さらに頭部にもパンチを打ち込む。ダブルレッグに入るギブソン。差された腕を小手に巻いて凌いだブラックシア。
ギブソンは離れるとカーフキック、関節蹴り。左ボディ。インローを放つギブソン。お互いスリップしたがすぐに立ち上がる。ギブソンがシングルレッグに入るとブラックシアはギロチンで引き込んだ。サイドに出てディフェンスするギブソン。しかしブラックシアがギロチンで絞め続けると、自ら下になるギブソン。ブラックシアダースチョークの体勢から仰向けになったギブソンにノースサウスチョークで絞める。外れた瞬間に腕十字を狙ったギブソンだが1R終了。
2R、ジャブで出るギブソン。クリンチから右フックを連打するとまたタックルに切り替えた。テイクダウン。ケージに上半身をつけて立ち上がろうとするブラックシア。上から圧を掛けて立たせないようにしているギブソンだが、ブラックシアがスイッチで返して上を取る。サイドに出て押さえ込んだブラックシア。押さえ込みながら頭部にヒジを入れるブラックシア。ギブソンの頭をまたいだブラックシアがギブソンの右腕にキムラ! がっちりと入り、ギブソンがタップ。
2R4分9秒、キムラロックでブラックシアがUFC4度目のフィニッシュ勝利。
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▼ライトヘビー級→キャッチウェイト 5分3R〇ブレンドソン・ヒベイロ(ブラジル)17勝7敗(UFC2勝2敗)205.5lbs/93.21kg[2R 1分28秒 キムラロック]×ディヤル・ヌルゴジェイ(カザフスタン)10勝1敗(UFC0勝1敗)210.5lbs/95.48kg ※体重超過※ヌルゴジェイは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のヒベイロに報奨金の一部を支払う
ライトヘビー級だったが、ヌルゴジェイが4.5ポンドの大幅オーバーでキャッチウェイトに。
ヌルゴジェイはUFCだけでなく世界中のMMAシーンを席巻しつつある中央アジア(カザフスタン)の選手だが、中央アジア勢では珍しい重量級ファイター。ローカル全勝で昨年10月のDWCSに出場し、2RKO勝ちしてUFCと契約。今回がUFCデビュー戦となるが、ローカル時代の相手のレベルが不明のため、UFCでどこまで出来るかもまだ不透明。キャリア10戦全勝(6KO・2一本勝ち)の27歳。
ブラジルのヒベイロはUFC1勝2敗。初戦はUFCデビュー戦対決となった中国のジャン・ミンヤンに1RKO負け。2戦目もやはりUFCデビュー戦のダゲスタン出身マゴメド・ガジヤスロフにテイクダウンから押さえ込まれる展開で判定負け。連敗で後がなくなった前戦は、カナダ在住ブラジル人のカイオ・マシャドと対戦。サークリングして距離を取り続けるマシャド相手に凡戦となったものの、判定勝ちでUFC初勝利。28歳。
1R、サウスポーのヌルゴジェイにヒベイロはオーソドックス。ヌルゴジェイがプレッシャーを掛ける。ケージに詰まってきたヒベイロだがパンチで出た。ヌルゴジェイの左オーバーハンドがヒット。ボディストレートを打ち込むヌルゴジェイ。また詰めるとケージ際まで下がるヒベイロ。ヌルゴジェイ前蹴り。ヒベイロの蹴りをキャッチしてワンツーを入れたヌルゴジェイ。インローを蹴るヒベイロ。ヒベイロのワンツーがヒットしヌルゴジェイダウン!追撃に来るヒベイロを足で阻むと立ち上がった。スタンドに。左を放つヌルゴジェイだが空振り。ヒベイロケージに詰めてヒザを打ち込む。ヌルゴジェイのバックブローをかわしてシングルレッグに入るが1R終了のホーン。
1Rは打撃で下がり気味だったヒベイロがダウンを奪い形勢逆転。
2R、インローを入れていくヒベイロだが、ヌルゴジェイがタックルで飛び込んでテイクダウン。背中を向けて立ち上がるヒベイロを再度テイクダウン。押さえ込んだヌルゴジェイに下からキムラロックを仕掛ける。極めながらリバーサルして上になるとヌルゴジェイタップ!
2R1分28秒、ヒベイロがキムラロックで一本勝ち。オッズでは支持されていたヌルゴジェイだが、UFCデビュー戦は一本負けでキャリア初黒星。
ヒベイロはキャリア16勝で7度目、UFCでは初となる一本勝ち。「俺がグラウンドに行ったらフィニッシュで終わる。俺の実績が示しているだろう」とコメントした。
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▼フェザー級 5分3R〇ケビン・ヴァレホス(アルゼンチン)15勝1敗(UFC1勝0敗)145.5lbs/66.00kg[1R 3分09秒 TKO]×チェ・スンウ(韓国)11勝8敗(UFC4勝7敗)146lbs/66.22kg
スンウはUFC4勝6敗。ムエタイベースで、189cmのリーチを持つストライカー。3連敗で後がないところで、UFC0勝1敗のヤルノ・エレンスにカーフキックを効かせて判定勝ちしたが、続くスティーブ・ガルシア戦では、3連続KO勝ちで波に乗っていたガルシアに1Rにパンチを効かされてKO負けした。32歳。
アルゼンチンのヴァシェホスはUFCデビュー戦。2023年のDWCSでは、UFCデビューから4連続フィニッシュ勝利中のジェアン・シウバに判定負けしたが、それがキャリア唯一の黒星。昨年9月、2度目のDWCS出場で1RKO勝ちして契約を決めた。14勝(10OK・2一本勝ち)1敗。UFCフェザー級では2番目に若い23歳。
1R、両者オーソドックス。リーチに勝るスンウが蹴りを入れていく。カーフ、左ハイ。間合いに入れないヴァシェホスだが、じわじわと詰めてきた。前蹴りで離そうとするスンウ。さらにカーフキック。ヴァシェホスの足が流れる。右ボディから左フックを入れたヴァシェホス。
スンウのカーフキックに合わせて詰めたヴァシェホスが左ボディから右を入れる。スンウのカーフキックに合わせた右でフラッシュ気味にダウンしたスンウ。すぐに立ち上がるが、スンウの右をかいくぐって放ったヴァシェホスの右フックがクリーンヒット!スンウ再度ダウン!バックからパウンドを連打しレフェリーストップ!
1R3分9秒、TKOでヴァシェホス勝利。
勝ったヴァシェホスは試合後のインタビューで1度目のDWCSで敗れているジェアン・シウバとの再戦をアピールした。
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【プレリム】
▼ヘビー級 5分3R〇ワルド・コルテス・アコスタ(ドミニカ)13勝1敗(UFC6勝1敗)261.5lbs/118.61kg[2R 4分48秒 TKO]×ライアン・スパン(米国)22勝11敗(UFC8勝6敗)249lbs/112.95kg
ヘビー級戦。アコスタは12位。元プロ野球選手(マイナーリーガー)で投手だったアコスタ。肘を負傷して野球を断念しMMAに転向した。UFCではここまで5勝1敗と、前座~中堅クラスながら大きく勝ち越している。ストライカーだが、組みとグラウンドに穴がある。前戦は五輪テコンドー銅メダリストで、MMAデビューから全試合1RKO勝ちのロベリス・デスパイネと対戦。しかしデスパイネの未知数だったテイクダウンディフェンスとグラウンドでのリカバリー能力が著しく低レベルであることが判明し、アコスタがテイクダウンすると一方的な展開となり判定勝ち。デスパイネの能力に問題があるというだけの試合で、アコスタの評価が上がる試合ではなかった。33歳。
スパンはライトヘビー級では8勝5敗。一時はランカーだったが、3連敗でランク外に。昨年10月、同じく元ランカーのOSPと対戦。41歳で打たれ弱くなっているOSPに対し、右を打ち込んで効かせると、苦し紛れのタックルに来たところに得意のギロチンを仕掛けてタップを奪い、連敗を止めた。デビュー当時はウェルター級で、その後ミドル→ライトヘビーと上げてきたが、今回はキャリア初のヘビー級での試合となる。前日計量では249ポンド(112.9kg)と、ほぼヘビー級の標準体重でクリア。33歳。
1R、両者オーソドックス。ロー、前蹴りで牽制するスパン。アコスタは振りかぶるような右オーバーハンドを打ち込む。アコスタのカーフキックにワンツーを合わせたスパン。アコスタの右フックがヒットし、バランスを崩したスパン。組んでケージに押し込んだアコスタだが、スパンが引き剥がし離れる。パンチを振って出るアコスタ。飛び込んで右オーバーハンドから左フックを振っていく。スパンの蹴り足を取りながら右オーバーハンドをヒットさせるアコスタ。スパンが組み付くが、アコスタがケージに押し込むと離れ際に左右のフックを打ち込む。残り1分。圧に押されて下がるスパン。右オーバーハンドを打ち込むアコスタ。組んだスパンが投げを狙ったが、スッポ抜けて倒れた。パウンドを落とすアコスタ。足で阻んだスパン。猪木アリ状態で見合ったまま1R終了。
アコスタの大振りのパンチの圧に押され気味になっているスパン。
2R、ジャブを入れたアコスタだが、ボディブローが低く入りローブローに。再開。直後にパンチが交錯すると、今度はアイポークをアピールするスパン。再開。左フックをヒットさせたアコスタだが、スパンはアコスタの手が開いているとアピール。パンチを出すスパンに今度はアコスタのローキックがローブローとなり3度目のタイムストップがかかる。インターバルが取られて再開。右オーバーハンドを打ち込むアコスタ。スパンも手を出していくが、距離があり届いていない。左右のフックを振っていくアコスタ。左がヒットし顔を歪めるスパン。アコスタがパンチで出るとシングルレッグに入るが、こらえながら鉄槌連打を入れるアコスタ。立って離れるが左フックが入りスパンダウン!パウンド連打。アゴに連続で入りスパンの意識が飛んでレフェリーストップ!
2R4分48秒、TKOでアコスタが勝利。
勝ったアコスタはデイナ・ホワイトにボーナスを要求すると、次に対戦したい相手としてタイ・トゥイバサの名前を挙げた。
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▼フェザー級 5分3R〇ユ・スヨン(韓国)15勝3敗(UFC2勝0敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27×3AJ・カニンガム(米国)11勝5敗(UFC0勝2敗) 136lbs/61.69kg
『Road To UFC』シーズン3バンタム級優勝のスヨン。韓国最年少の24歳でBJJ黒帯を巻いたグラップラーだ。DEEP&ブラックコンバットのバンタム級王者で、Road To UFC出場を機に返上した。DEEPでは2023年に当時の王者・石司晃一と、DEPP&ブラックコンバットのダブルタイトル戦で対戦し、1RパウンドでKO勝ちして2団体の王座を獲得。BlackCombatでのキム・ミンウ戦のNCを経て、Road to UFCでは一回戦で野瀬翔平と対戦。RIZINでは瀧澤謙太を圧倒した野瀬相手にグラップリングゲームで上回っての判定勝ち。決勝ではパンクラス王者・透暉鷹を下して勝ち上がってきた中国のバーエゴン・ジェライスーにテイクダウンから攻めて判定勝ち。UFCとの契約を決めた。29歳でMMA14勝3敗2NC。
カニングハムは2024年3月に、ファイトウィークに入ってからの欠場選手の代役として緊急UFCデビュー。いきなり階級上のライト級でUFC3勝0敗1分けのルドビド・クラインと対戦することになり、打撃で果敢に攻めるも、腹を効かされて前蹴りで嫌倒れして判定負け。昨年、本来のフェザー級で試合が組まれていたが負傷欠場。今回はさらに階級を落としてキャリア初のバンタムでの試合となる。30歳。
1R、両者オーソドックス。カニングハムが前蹴り、ジャブで牽制するが、まだ間合いが遠い。インローを蹴ったスヨンにカニングハムがワンツーを返す。詰めてきたカニングハムに右オーバーハンドをヒットさせるスヨン。カニングハムがローをヒットさせるが、スヨンの右オーバーハンドがヒットし一瞬バランスを崩す。スイッチして間合いを詰めるカニングハム。ケージに詰めてパンチの3連打をヒット。スヨンタックル。ダブルレッグで抱え上げてテイクダウン成功。バタフライガードから体を起こすカニングハム。ガードに入るスヨンに三角を狙ったが、スヨンが足をサバいてハーフに。また上体を起こしたカニングハム。立ち上がるが、スヨンシングルレッグで倒すと、起き上がろうとするカニングハムを押し倒してマウントに。ハーフに戻したカニングハム。バックに回りパウンドを入れるスヨン。カニングハムが背中を向けて立ち上がるとまたテイクダウンを狙う。カニングハムが再び立ち上がったところで1R終了。
1Rはスヨンがグラウンドでコントロールする展開に。
2R、カニングハムが右ハイ。かわしたスヨン。パンチからシングルレッグを狙ったスヨンだが切られた。詰めるカニングハム。ケージを背負うスヨン。パンチで出て組み付くと足をかけて倒そうとする。倒せず離れた。スヨンの右オーバーハンドがカニングハムの顔面にヒット。カニングハムのバックスピンキックはかいくぐってかわしたスヨン。組み付いていくスヨンを引き剥がしパンチを入れたカニングハム。スヨンシングルレッグへ。倒されたがすぐに立ち上がるカニングハム。しかしスヨンはクラッチを放さず小外で足をかけてテイクダウンすると押さえ込む。ガードを取るカニングハム。下から三角。クラッチしたが手が抜けかけている。極まっていないと右手を振ってから鉄槌を落として抵抗すると首を抜いて外したスヨン。また下から三角を狙うカニングハム。2R終了。
2Rもグラウンドでコントロールしたスヨンだが、三角絞めが入りかける危ない場面もあった。
3R、間合いを詰めるカニングハムにスヨンの右がヒット。前に出ているカニングハムだが手が出ていない。ステップで距離を取るスヨン。飛び込んで左を打ち込んだ。スヨンシングルレッグへ。軸足を刈って倒すと、倒れ込みながらサイドに出る。すぐにマウントに移行したスヨン。ハーフに戻したカニングハム。体を起こすカニングハムのバックに回るスヨン。向き直ろうとしたカニングハムに肩固め。ポイントをずらして外したカニングハムだが、スヨンが上をキープ。カニングハムは三角からオモプラッタを狙うが、逆サイドに出て解除するスヨン。背中を向けて立ったカニングハム。スイッチで返そうとするカニングハムだがスヨンが変えさせずに押さえ込んだ。タイムアップ。
判定3-0(30-27×3)でスヨンがフルマークの勝利。「ほとんどすべて戦略通りだった」と語った。
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▼バンタム級 5分3R〇カルロス・ヴェラ(エクアドル)12勝4敗(UFC1勝1敗)136lbs/61.69kg[1R 3分16秒 リアネイキドチョーク]×ジョシアス・ムササ(コンゴ)8勝1敗(UFC0勝1敗)136.5lbs/61.92kg ※体重超過※ムササは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のヴェラに報奨金の一部を支払う
バンタム級。ヴェラはTUF31に出場したもののUFCとの契約ならず。昨年2月に代役でUFCデビューし中村倫也と対戦。レスラーの中村に対し、引き込んで下から仕掛ける展開を続け、仕掛けをすべて潰されて判定負けしたものの、圧倒的アンダードッグながらフィニッシュを許さず判定まで持ち込んでいる。スタンドではカポエイラ仕込みのトリッキーな蹴り技を見せる。今回は中村戦以来、1年1ヶ月ぶりの試合となる。37歳。
コンゴのムササは昨年9月のDWCSでスプリット判定勝ちし、今回がUFCデビュー戦。DWCSまでのローカルでの試合では7連勝で、すべてKO勝ちしたものの、相手のレベルが不明。DWCSでの試合を見る限りは、荒々しい打撃が武器だったが、すぐに組みつかれてしまい、思うように戦えていなかった。26歳。
1R、オーソドックスのヴェラにムササはサウスポー。タックルに入ったヴェラ。切られると引き込むが、ムササは付き合わず立たせる。ワンツーを打ち込んだムササ。パンチで飛び込んだところで組み付いたヴェラだが引き剥がされる。バックスピンキックを見せるヴェラ。ヒットしたが蹴り足をキャッチするムササ。ヴェラ自ら下になるが、ムササはグラウンドには付き合わない。スタンドに。ムササのローをキャッチしようとしたヴェラだが切られる。ヴェラが右ストレートを空振りするが、そのまま右ハイにつなげてヒット!ムササダウン!すかさずバックに回ったヴェラがリアネイキドチョーク!タップアウト!
1R3分16秒、ヴェラがリアネイキドチョークで一本勝ち。2戦続けて無敗のプロスペクトとの対戦が組まれたヴェラだったが、37歳でUFC初勝利。
オッズではフェイバリットで支持されていたムササだが、UFCデビュー戦で敗れキャリア初黒星。
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▼女子ストロー級 5分3R〇サム・ヒューズ(米国)10勝6敗(UFC5勝5敗)116lbs/52.62kg[判定2-1] ※29-28、28-29、29-27×ステファニー・ルシアーノ(ブラジル)6勝2敗(UFC1勝1敗)116lbs/52.62kg
女子ストロー級。ルシアーノは2023年のDWCSで柔術&ノーギの世界王者アレンカーと対戦。2Rまでテイクダウンされて下で封じ込まれる展開から、3Rになり打撃で猛攻を仕掛け、3Rに10-8がついてのドロー。しかし試合後の契約タイムでは、ルシアーノのみがUFCとの契約を果たしている。その後、UFCデビュー戦をデング熱で欠場すると、仕切り直しのデビュー戦では、先にUFCデビューを果たしていたアレンカーとのリマッチが組まれた。再戦ではルシアーノが自分から積極的に打撃で攻め、アレンカーのタックルを切って打撃で削る展開で判定勝ちしている。25歳。
ヒュースはUFC4勝5敗。デビューから3連敗していたが、そこから3勝2敗と持ち直している。大卒後にMMAを始めたため、プロデビューが26歳と遅い。MMAを始めるまでは陸上競技をしていた。前戦はキャリア無敗・UFCでの2連勝中だったロシアのドゥダコバと対戦。ドゥダコバのタックルからの攻めを凌いで僅差判定勝ち。32歳。
1R、両者オーソドックス。ヒュースが右を打ち込みパンチで出る。下がり気味のルシアーノ。前蹴りで止めようとするが、キャッチしたヒュースが軸足を刈ってテイクダウン。ルシアーノが下から蹴り離して立ち上がる。立ち際にまた組み付いたヒュース。離れ際にヒジを入れる。積極的に手を出しながら出ていくヒュース。左がヒットしバランスを崩すルシアーノ。飛びヒザを出したルシアーノだが右のカウンターを入れるヒュース。一転してタックルに入りテイクダウン。ルシアーノは押さえ込ませずにすぐに立ち上がる。序盤からハイペースで手を出してきたヒュースだが、やや勢いが落ちて手数が減っている。ルシアーノが逆に手数を出してきた。右をヒット。左のダブル。1R終了のホーン。
1R前半はヒュース優勢だったが、後半ルシアーノが盛り返した。
2R、また前に出ていくヒュースだが、ルシアーノは距離を取りながら出てきたヒュースにパンチ・ヒザをヒットさせていく。ステップで距離をキープして打撃をヒットさせていくルシアーノだが、ヒュースがタックルで飛び込んでテイクダウン。マウント!背中を向けたルシアーノに対しリアネイキドチョーク。向き直って解除したルシアーノだが、ヒュースなおもマウント。ヒジを頭部に打ち込むヒュース。ルシアーノはケージを蹴って返そうとするがマウントをキープするヒュース。ブリッジしたルシアーノだがヒュース四の字バックに。ルシアーノが向き直りながら足を絡めてハーフに戻すが、ヒュースはヒジを頭部に連打。2R終了。
テイクダウン後はヒュースが圧倒したラウンドに。
3R、すぐにタックルに入ったヒュースだが、ルシアーノが切ってバックに回った。スタンドバックからテイクダウンを狙う。ケージ際で向き直り正対したヒュース。ルシアーノ離れる。ヒュースがまたタックルで組みに行くが、ルシアーノが受け止めるとケージに押し込みヒザを入れる。引き剥がしたヒュース。またタックルに行くヒュース。切ったルシアーノ。ケージに押し込むヒュースだが、ルシアーノが入れ替えて離れる。残り1分。右を打ち込むルシアーノ。ヒュースがまたタックルを仕掛けたがルシアーノ切った。両者消耗しているが手を出し続ける。ルシアーノがバックヒジをヒット。タイムアップと同時に両者ともに手を上げて勝利をアピールする。
判定29-28ヒュース、29-28ルシアーノ、29-27ヒュース。2-1のスプリット判定でヒュース勝利。1Rの判断が分かれた試合となったが、二者がヒュースを支持した。
勝ったヒュースは「反省点はいくつかあるが最高の気分だ。成長を助けてくれているチームに感謝している」とコメントを残した。
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▼フライ級 5分3R〇アンドレ・リマ(ブラジル)11勝0敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝 126lbs/57.15kg[3R 3分05秒 リアネイキドチョーク]×ダニエル・バレス(スペイン)17勝7敗(UFC1勝2敗)126lbs/57.15kg
フライ級。スペインのバレスはUFC1勝1敗。2023年7月のUFCデビュー戦は昨年9月にジャフェル・フィーリョと対戦。ムハンマド・モカエフ相手にも健闘したフィーリョ相手に肩固めで一本負け。その後、柔術の大会に出た際に、メダルで顔面を殴られて頭蓋骨を負傷。その影響で、次の試合まで1年以上のブランクが開いている。ブランク明けの前戦はビクトル・アルタミラノに対し常に前に出てパンチを出し続ける展開で、ダウン気味に倒した場面もあり判定勝ちでUFC初勝利を挙げた。36歳。
ブラジルのリマはUFCデビューから3連勝中で、キャリアでも10戦全勝。昨年3月のデビュー戦ではイーゴル・セベリーノに上腕を噛みつかれて反則勝ち。試合後には唯一となるバイト・オブ・ザ・ナイトボーナスを受賞した。一方、自身もケージつかみなどのダーティテクニックを使うこともある。バックボーンのキックでは南米王者になっている。前戦はマネル・ケイプ相手のUFCデビュー戦で健闘し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞したフェリペ・ドス・サントスとの対戦で、テイクダウンからポジションをキープしての判定勝ち。26歳。
1R、両者オーソドックス。カーフキックを蹴り合う両者。間合いが近い。ワンツーを入れたバレスにリマはまたカーフキック。ジャブを打ち込むリマ。右オーバーハンドがヒットしバレス後退。追うリマ。出てきたところにバレスがタックルでテイクダウン。すぐに立とうとしたリマの背中に飛びついて乗るが、リマがバレスの左腕をツーオンワンで掴みディフェンス。降りて離れるバレス。リマがまたパンチで出ていく。ジャブ、右ボディ。さらに縦ヒジ。バレスは手数が減る。ジャブを被弾し鼻血を出すバレス。リマジャブからカーフキック。足が流れるバレス。右ボディ。ケージに詰められたバレスがテンカオを出してヒットするが、リマ下がらずまた右ボディ。リマが出した手の親指がバレスの目に入りタイムストップ。再開。また出るリマにバレスがタックルに入るが、受け止めてケージに押し込んだリマ。ホーン。
1Rはリマが打撃の手数で押し気味の展開に。
2R、リマはサウスポーにスイッチ。左ハイ。またオーソドックスに戻すとカーフキック。バレスがパンチからタックルに入るが止めたリマ。またカーフを蹴られて足が流れたバレス。右ボディを打ち込むリマ。ジャブのダブルから右ストレート。さらにカーフキック。ケージに詰まって右を打ち込まれたバレス。リマさらに詰めて左ボディ。サークリングで距離を取り、出てきたリマにタックルに入るがまた切られたバレス。ケージに詰めたリマが縦ヒジ、ボディの連打。バレス防戦一方。ケージに押し込んだリマが足払いでテイクダウン。ガードのバレスにパウンドを打ち込む。パウンドで削り続けるリマ。2R終了。
リマがカーフとパンチでダメージを与え一方的な展開に。
3R、バレスが逆転を狙いパンチを打ち込むとタックルへ。しかし受け止めたリマが逆にサバ折りでテイクダウン。ガードからパウンドを入れる。バレスがケージ際に移動して上半身を起こすが、リマバックに回り両足をフックしてバックマウント。パームトゥパームチョーク。体を反らせて絞めるとバレスタップ!
3R3分5秒、リアネイキドチョークでリマ一本勝ち。リマはUFCデビューから4連勝で無敗をキープ。フライ級ランキング入りが見えてきた。
キャリア初の一本勝ちとなったリマにセコンドから黒帯が授与される。試合後のオクタゴンインタビューでは「この階級で一番のストライカーを用意してくれ。誰が相手でも準備はできている」と語った。
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▼女子フライ級マッチ 5分3R〇プリシラ・カショエイラ(ブラジル)13勝6敗(UFC5勝6敗)135lbs/61.24kg[1R 2分46秒 KO]×ジョジアニ・ヌネス(ブラジル)10勝4敗(UFC3勝3敗)136lbs/61.69kg
女子バンタム級。ブラジル人対決。ヌニスはUFCデビューから3連勝していたが、その後2連敗中。3勝のうち2勝はフェザー級での試合だったが、王者アマンダ・ヌネスの引退・タイトル返上後は女子フェザー級の試合が組まれなくなってからはバンタムに戻している。左右のオーバーハンドのパンチが武器のストライカーで、10勝中7KO。31歳。
“ゾンビガール”のニックネームを持つカショエイラはUFC4勝6敗。こちらは逆に、UFC参戦当初は女子フライだったが、前戦から階級を上げている(フライ級では3度の体重オーバーがある)。ゾンビのニックネーム通り、打たれ強さを強みとしているが、反面打撃の被弾が多く、前戦ではジャスミン・ジャスダビシアスにテイクダウンから一方的に殴られ続けた上にダースチョークで一本負け。UFCでの6敗のうち、4つの一本負けがあり、グラウンドにも穴がある。こちらも2連敗中の36歳。
1R、サウスポーのヌニスにオーソドックスのカショエイラ。すぐに間合いを詰めた両者。両者がパンチを振ってヒットしている。お互い打たれながら打ち返す打撃戦。ヌニスは左オーバーハンドから右ボディ、左ストレートまでコンビネーションを打ち込む。
カショエイラのパンチをブロッキングで防いだヌニスだが、カショエイラがガードの隙間からアッパーを打ち込みヒット!意識が飛んだヌニスが前のめりにダウン!KO!
1R2分46秒、カショエイラKO勝ち。
お互い攻撃に全振りしていたが、カショエイラが一撃で決めた。ヌニスはキャリア初のKO負けで3連勝の後3連敗に。
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▼女子フライ級 5分3R〇カーリ・ジュディス(米国)4勝2敗(UFC1勝1敗)125lbs/56.70kg[1R 1分40秒 TKO]×ジュネイジー・ドゥベン(ベネズエラ)6勝1敗(UFC0勝1敗)125.5lbs/56.93kg
女子フライ級。ベネズエラのドゥベンはMMAデビュー戦でノーコンテストになってから6連勝中。昨年9月にDWCS出場。圧倒的アンダードッグながら、1Rオーバーハンドの右で相手の意識を飛ばしてKO勝ち。UFCとの契約を決めた。バックボーンはテコンドー、散打のストライカーで、6勝中5KO・1一本勝ち。しかしDWCSでの試合を除くと相手の戦績も不明で、どこまでのレベルかは未知数。28歳。
ジュディスはキャリアわずか3戦でDWCSに出場。判定負けしたがUFCとの契約を果たした。昨年6月にUFCデビュー。長いリーチからの打撃を武器とするストライカー。大学までソフトボールの選手で、ソフト引退後にムエタイ・MMAを始め、21歳でアマチュアデビュー。
UFC初戦は同じストライカーで寝技に穴のあるガブリエラ・フェルナンデスとの対戦で、打撃中心の展開となり、3Rは両者スタミナが切れた攻防でスプリット判定負けを喫した。26歳。
1R、ドゥベンがオーソドックス、ジュディスがサウスポーに構える。ジュディスが前に出てプレスしていく。パンチを打ち込みながら出てドゥベンにケージを背負わせる。左ハイ!ヒットしダウンしたドゥベンにパウンド連打!KO!
1R1分40秒、TKOでジュディスがUFC初勝利。デビュー戦のドゥベンは何もさせてもらえないまま敗れる。