Prime Video Boxing 112025年2月24日(月・祝)東京・有明アリーナ▼119ポンド契約 3分10R〇那須川天心(帝拳ジム/WBOアジアパシフィックバンタム級王者)[判定3-0] ※97-93×2, 98-92×ジェーソン・モロニー(オーストラリア/元WBO世界バンタム級王者) 那須川は2023年4月にプロボクサーとしてデビュー、2024年1月の第3戦、7月の第4戦で世界ランカーを連続KO・TKOし、10月の第5戦では判定勝ちでWBOアジアパシフィック・バンタム級王座に就いた。5戦全勝(2KO)。
モロニーは元WBO世界バンタム級王者で、2020年10月に井上尚弥(KO負け)、2024年5月に武居由樹(判定負け)と対戦している。今回の試合は武居にWBO王座を奪われて以来の再起戦。戦績は27勝(19KO)3敗。
那須川にとっては2025年中の世界タイトル挑戦を見据えた査定試合となる。バンタム級から1ポンド重い119ポンドでの契約体重での10回戦。
1回、サウスポー構えの那須川、オーソのモロニー。中央を取る那須川に、モロニーは先に左ジャブで牽制。右前手フックを見せる那須川は右ジャブも。
右フックから左ストレートを突く那須川。かわすモロニーは前手をはたいて右ボディ。那須川は右前手フック、左ボディを外から回す。モロニーの右ストレートに足が揃った那須川! さらにモロニーは右フック。カウンターを狙う那須川も左フックを返す。モロニーのラウンドに。
2回、左回りのモロニーに、右回りで外を取る那須川。右から左ボディを当てる。左のカウンターはモロニー。右ジャブダブルからワンツー。ブロックするモロニーに左ボディを突く。
右にステップして左ボディを突く那須川。モロニーの入りに左カウンターを狙う。ジャブをブロッキングのモロニーは左から右をガード上に。那須川も右アッパー。ワンツーの右はモロニー。那須川は左を返す。
3回、右前手を伸ばして間合いを掴む那須川、サイドにステップしてワンツーの左を突く。追うモロニーは左回り、入り際に左ストレート! 当てる那須川。右に回って右ボディから左も。左ボディから右のモロニーにカウンターの左フックを狙う那須川。喧嘩四つのジャブの刺し合い。那須川は左ボディを当てると前に詰めるのはモロニー。そこに左ボディを突く那須川。
4回、左ジャブで先に詰めるモロニー。体を入れ替え回る那須川。左フックをひっかけて右に回ると左ボディアッパーでステップ。追うモロニーに左の大振りも。左ボディを当てる那須川。左ストレートも。モロニーは右を返すと那須川は左のカウンター。ジャブを軸にワンツーの左の那須川に、詰めるモロニー。右回りでさばく那須川は一転左右に動いて右を当てる。
5回、モロニーの左の入りに左を当てる那須川。右から左ボディ。モロニーの左右をダックしてクリンチ。左フェイントから右アッパー、左ボディ。左アッパー、右フックも。追うモロニーに左ボディを突く。
さらに右フックのダブル。左ボディ。圧倒的な手数の那須川は前に出るも手が出ないモロニーをクリンチから崩す。右ジャブ、コーナーに詰まり大きな左はかわしたモロニー。しかしコーナーを出て左を当てて、マタドールのようにモロニーの詰めをさばく。
6回、ここも先に詰めるモロニーは左ジャブから右で那須川に尻餅をつかせずともバランスを崩すと、一気に左右。クリンチに那須川は左ボディも、モロニーは接近戦に持ち込み左フック。那須川も頭をつけるがモロニーは右ボディ。那須川も左の打ち降ろし、右から左ボディ。モロニーの押し込みを受け止めて返す。
那須川の左アッパーにモロニーの左がかすめる。左ボディを突く那須川にモロニーは右ショート! 「来い」と鼓舞する那須川にモロニーは右フック。両手を広げる那須川は左を返す。ビッグラウンドに。
7回、ジャブから右を当てるのはモロニー。那須川も左ボディも鼻血。詰めるモロニーにクリンチで押し戻す那須川。ワンツーの左をかわすモロニーに右前手フックで右回りの那須川は右アッパー!
左ストレート、左ボディ、モロニーの打ち返しに左のカウンター。ワンツーの右を突くモロニー。那須川の左アッパーをかわして前に。しかし那須川も左を顔面、ボディと打ち分ける。クリンチで押し込むモロニー。
8回、詰めるモロニー。左から右、、モロニーの左の打ち終わりに右をかぶせに行く那須川。右回りの那須川に右を狙うモロニー。左を打って右に回る那須川。左ボディも。ワンツーのモロニーは前に出続ける。さばく那須川。いきなりの右を突く那須川。左をダックして右に。モロニーは左右で前進。那須川はジャブを突いて左右にステップ。左を見せてゴング。
9回、出るモロニーは近い距離で右。ワンツーから右ボディ。那須川は右を返す。ワンツースリーフォーまでまとめる那須川。ブロッキングのモロニーの入りにクリンチの那須川。右フックから右ステップに、右を返すモロニー。しかし回る那須川も追うモロニーに左!
入りに左ボディも。右アッパーは大きい那須川。かわしたモロニーは前進。そこに右オーバーハンド、右アッパー。猛追するモロニーを走って回してかわす。
最終10R、観衆を煽る那須川。左右から右ボディを突くモロニー。ガードしブロッキングの那須川に右アッパーも。さらに右のカウンターをかすめるモロニー。那須川は左を突くとクリンチ。左フックをガード上から当て互いに右フックの相打ち。さらに那須川は左ストレート! モロニーは打ち合いの中で右のカウンターを入れる。さらに追うモロニーは右! 那須川は左を突くが、モロニーは頭から押し込み間合いを潰す。それを那須川は剥がして右を突いて左ボディも。ゴング。判定へ。
判定3-0(97-93×2, 98-92)で那須川が勝利。ボクシング6戦目で、10カ月前まで王者だったモロニーに判定勝ちした那須川は、試合後、リングインした第2代K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王者にして、現WBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)に「僕も必ず世界王者になるので、いつかどこかで、ボクシングルールで戦いましょう」と語り、武居も「僕もやらなきゃいけないことをクリアしたら、またこのリングで会いましょう」と答えた。
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中谷がダウン未経験・無敗のクエジャルを3R KOで「西田選手やりましょう」
▼WBC世界バンタム級タイトルマッチ 3分12R〇中谷潤人(M.Tボクシングジム/王者)[3R 3分04秒 KO]×ダビド・クエジャル(メキシコ/挑戦者・同級6位)
中谷は2015年4月にプロデビュー。2016年12月に全日本フライ級新人王となり、2019年2月には日本フライ級王座に就いた。2020年11月にWBO世界フライ級王座、2023年5月に同世界スーパーフライ級王座、2024年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得して三階級制覇。今回は3度目の防衛戦となる。戦績は29勝(22KO)無敗。
挑戦者クエジャルは28勝(18KO)無敗。2023年10月には世界2階級制覇王者のルイス・コンセプション(パナマ)に8RでTKO勝利を収めている。
1回、サウスポー構えの中谷、左回りに詰めるクエジャルはミドルレンジ。中谷は低い姿勢から右から左をヒット。クエジャルも得意の左フックを返すが、パンチの的確さは中谷。
2回、前手のガード高く一瞬外に出て左ストレート、左ボディを突く中谷。さらに右フック。前に出るクエジャルに丁寧に右ジャブ。さらに左から右。クエジャルの左ボディから左フックをブロッキングして回る。クエジャルも右を入れるが、中谷の左ストレートが伸びる。
3回、左目を腫らしているクエジャル。左足を外に踏んで右を伸ばす。中谷の右から左に左を返すクエジャル。前かがみに詰める。
左ボディから右フックのクエジャルをさばいた中谷は、左ボディを効かせると、近い距離で右ショートの打ち降ろしをヒット。さらに左ボディ、右フック、左ストレートとラッシュでダウンを奪った。
立ち上がったクエジャルに大きくふりかぶった左フック、さらに右左と繋ぐと、クエジャルは2度目のダウン。ロープ背に座り込んだクエジャルは立ち上がれず。中谷が3R KO勝ちした。
28戦無敗だった同級6位のクエジャルの挑戦を受け、プロ30戦目で自身9度目の世界戦を3回3分04秒、KO勝ち、30連勝を飾った中谷は、「あのクエジャル選手、すごく背が高い選手なので、そこらへんで不安要素があったかなっていう風には思ったんですけど、まあ、しっかり倒せてよかったです。(フィニッシュは)あんま覚えてないんですけど、皆さん“ビッグバン”見れましたか? まあ、最初当たるかなっていう風にはすごく思ったんですけど、案外こう、うまく当てさせてくれない部分もあったんで。そういったところはさすが無敗でキャリアを重ねている選手だなっていう思いがありました。(リングインした西田凌佑に)前のインタビューでは『フーズ・ネクスト』って言ったんですけど、今回は西田選手やりましょう」とマイク。
IBF世界バンタム級王者の西田凌佑は「いや、もう自分はずっと中谷選手とやりたいと思ったんで、ぜひお願いします」と返答した。
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WBA王者・堤聖也が流血ドローで初防衛、比嘉に「最高だよ、お前」
▼WBA世界バンタム級(53.5kg)タイトルマッチ 3分12R〇堤 聖也(角海老宝石)王者[判定0-0] ※114-114×3×比嘉大吾(志成)挑戦者・同級4位※堤がドロー防衛、9Rともにダウン
高校時代からライバルの両者。4回、比嘉が左ボディで踏み込んでバッティング。堤が右瞼をカットし出血。比嘉も左の攻撃。6回は比嘉が右フック、堤も手数止まらず左ストレートをヒット。
9回には、比嘉の左フックに堤が尻餅をついてダウン。苦笑して立つ堤に比嘉が前に。そこに堤は右のクロスでカウンターをヒット。ダウンを奪い返した。11回、12回は堤がが驚異的なスタミナを発揮し追うと、比嘉も強打を狙いゴング。堤は比嘉とハグをかわし「最高だよ、お前」と言葉をかけた。
堤「比嘉選手が強かったというのが前提ですけど、自分自身情けないなという気持ちです。やっぱり振り切って取られたラウンドや慎重になり過ぎたり、自分の心の弱さが現れた試合でした。もっと強い自分を信じて1R目から本気の比嘉が伝わって来ました。大吾ありがとう、強かったよ。(今後は)今日の試合内容でコイツだの、そんな器じゃないだろうと言われそうなので。でも目指すところはそこなんで口に出せるよう、勝ってないので、大きいこと言えるように強くなります。今日はありがとうございました」
バンタム級王者たち
WBA王者 堤 聖也(29=角海老宝石)WBC王者 中谷潤人(27=M・T)WBO王者 武居由樹(28=大橋)IBF王者 西田凌佑(28=六島)
WBOアジアパシフィック王者 那須川天心(26=帝拳)