2025年4月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 187』の対戦カード発表記者会見が、2月24日(月・祝)都内にて行われた。
フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1Rで、同級4位・梅井泰成(Mouton)vs.バンタム級14位・有井渚海(team VASILEUS)が決定。
梅井は、柔道とレスリングをバックボーンに持ちTEAM TEPPENに移籍してからは4連勝を飾り、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代フェザー級王座に就いた。同年8月の防衛戦で現王者・門口佳佑に敗れて以降は、ノーコンテストを挟み3連敗と約2年勝利から遠ざかっていたが、2024年6月の翔戦で判定勝ち。しかし、9月の國枝悠太戦で判定負け。戦績は14勝(3KO)10敗1無効試合。
有井は2019年7月にRISEでプロデビューすると10戦無敗の快進撃を続けていたが、2021年7月の「ケージキックチャンピオンシップ(CKC)-54kgトーナメント~新世代王者決定戦」決勝戦で寺山遼冴にプロ初黒星。その後は京介、彪司に連勝も2022年12月に山田虎矢太にKO負け。2023年12月の再起戦も加藤有吾に判定負けし、所属を変えて階級も上げて1年4カ月ぶりの再起戦に臨む。戦績は11勝(3KO)3敗1分。
会見で有井は「1年ぶりの試合が決まりました。試合が無かった時も格闘技に対しては誰よりも考えて生活をしていました。今の自分はめちゃくちゃ強いと思います。4月19日は自分の生き方とか気持ちのこもった試合を見せられると思うので楽しみに」と挨拶。
梅井は「9月ぶりの再起戦が決まりました。相手も有井選手で強い選手ですが、何回再起戦というねんと自分でも腹が立つ。元王者なんて何年前の話をしてるのかと腹が立つ。その肩書きを捨てて、一選手として王者を目指して今年はやっていきます。強い有井選手に勝っていい年にしていく」と、逆襲の年にしたいと意気込む。
有井は「梅井選手は試合を見ていて上手い選手。距離感をとって上手い選手だと思っているけれど、僕が上手く戦えたら勝てると思う。けれど僕は倒しに行く試合を見せたいので、上手く戦うよりは倒しに行きます。上手く戦っても勝てますが倒しに行きます」と、上手さで勝つのではなく倒しに行って勝つと宣言。
これに梅井は「僕のことを上手いと言ってくれましたが、大してみんなが思うほど上手いタイプでも器用でもない。泥な部分も結構あるので。でも、つまらん試合にはしたくない。人前で試合させてもらうし、4月は意味のある後楽園ホール(RISE初の後楽園ホール大会は2007年4月に開催された)なのかなと思うので、おもろい試合にしたいですね。倒すチャンスがあったら倒したいと思います」と、盛り上がる試合をすると話す。
武尊率いるteam VASILEUSに移籍した理由を聞かれた有井は「もっと自分のいいところを出せるかなと思って環境を変えて。矢口さんにも強くしてもらったし、感謝しているけれど、もっと自分のいいところを出せると思っていて。そこに所属することも迷って、迷った結果試合が出来なかったこともあって。練習してみて自分に合っていたのでさらに強くなったところを見せられると思います」と答える。
「ジムの雰囲気が、選手みんなアツくてみんなで話し合ったり、トレーナーもそうですが身体を張ってくれている。それを感じていてそれが自分に合っていました」と言い、「僕は元々、武尊選手を3年前に生で試合を見て『こんな選手になりたい』と刺激を受けたので。練習も凄くて、これだけ努力していたらここまで来れるなと思ったので、僕も続いて見習って背中を見ていくと思います」と、武尊の背中を追いかけたいという。
この1年4カ月でどの部分が変わった手応えがあるか、との質問には「自分で言うのもアレですが、人間として強くなったと思っているんです。だからこそ強いってのはあります。普段から人より格闘技に対して考えています。弱いからこそ強いのがあると思います」と返答。
階級を上げた理由は「55kgでも余裕だと思うけれど、フルパワーでやってみたいと思ったので」と、減量幅を少なくしてフルパワーで戦いたいからとした。
梅井はフェザー級で迎え撃つことに「僕はフェザー級の偉い人間でもないので。ただ、フェザー級は55kg(バンタム級)が上におってフェザー級は下と見られてきたじゃないですか。有井選手も強い選手なので、ここで勝つことによってフェザー級は甘くないでしょうというのは見せられると思います」と、盛り上がっていない階級と言われたフェザー級の意地を見せたいとする。
さらに「有井選手は試合が出来ない期間があったと言っていたが、彼は去年エルドラドで一戦飛ばしている中で、エルドラドって誰でも出られる大会ちゃうし、RISEで一番の大きな大会でそれを飛ばしていて。逆に今回組んでくれているのは、試合が出来るのは当たり前だと思って欲しくない。後楽園であっても。僕は思い切り仕上げていくので、有井くんにも仕上げてきて欲しい」と、有井が甘えた気持ちでいるんじゃないかと喝。
この言葉に有井は「ぶっ倒します」と返答し、「階級を上げたことで練習していることが全て出せると思っています。パワー、スピード、一番いい動きが出来ると思っていますね」とフェザー級の自分に自信があるとする。
では、バンタム級に比べられて盛り上がっていないとされるフェザー級をどう盛り上げるつもりか、と聞かれると有井は「フェザー級での試合は初めてですが、僕が王者になればRISEをもっと盛り上げられると思います。どの階級でも。今のRISEは強い選手はいっぱいいるけれど、何か足りないなと思っているので、もっと僕が盛り上げられる自信があります」と、自分が王者になればさらに盛り上げられると話す。
その“何か”とはどんなものかと問われると「何か、ですね。なんか感じるけれど、自分が王者になったら盛り上げられると思います。その何かがあるので」という。
梅井は「でも、フェザー級をかばうわけじゃないけれど一時よりは盛り上がって層も厚くなっている。フェザー級のランキングは何人おんねんって感じです(現在22位まで)。手っ取り早い話、16人でも8人でも後楽園ホールでワンデートーナメントをやる。これが一番盛り上がる。ランキングが下の強いヤツも文句ないでしょう。そこで優勝すれば(現王者の)安本晴翔くんも文句ない形で挑戦者を決められるし、RISEにとってもいいし、選手も評価上がるし、どうですか」と、大規模なフェザー級王座挑戦者決定戦をやったらどうかとぶち上げた。
有井も「トーナメントお願いします。やりたいです」と同調し、梅井は「これはやりたい」と、同席した伊藤隆RISE代表に呼びかける。
伊藤代表は「予選をやって最終的ワンデーがいいと思いますね。賞金も懸けて、前後の階級の選手も入れるような形で。フェザー級の層が厚くなっているので面白い。DoA(DEAD or ALIVE(RISEで行っていたワンデートーナメントの総称)的なことは考えられますね」と、開催を検討したいと答えた。
会見の最後に「一個だけ」と自ら手を挙げてマイクを握った梅井は「フェザーで戦っている安本選手とか門口選手もそうですが、みんなで作ってきたフェザー級で、ちょっとずつ盛り上がってきました。有井選手は何かが足りないと言ったけれど、それは試合の土俵に立ってから言ってくれと言いたい。今の彼は言える立場じゃない。だから僕はその想いを試合で見せたい」と、フェザー級を支えてきた意地を見せたいとする。
有井も「それを僕も4月19日に見せます」と答え、アツい試合を約束した。