2025年4月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 187』の対戦カード発表記者会見が、2月24日(月・祝)都内にて行われた。
バンタム級(-55kg)3分3R延長1Rで、同級1位・鈴木真彦(TEAM 寿)vs.同級3位・大森隆之介(EX ARES)が決定。
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てた。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大に判定勝ち。那須川天心に2度、志朗に2度敗れた以外は連勝も、2023年3月にK-1のリングで玖村将史にダウンを奪われて敗れた。8月にイマッド・サヒをKOして再起したのもつかの間、12月に大﨑孔稀に敗れ王座を失い、2024年3月に金子にリベンジを許した。12月にジェイミー・ゲイマンを初回KOして再起。戦績は36勝(21KO)9敗。
大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は田渕神太、良星、京谷祐希ら格上を次々と撃破したが、2022年12月に加藤有吾に判定で敗れ連勝がストップ。しかし2024年3月、13戦全勝の山田虎矢太をバックハンドブローでKOする大番狂わせを起こした。8月にはバンタム級王者・大﨑孔稀に挑戦したが判定で敗れ王座戴冠ならず。2025年1月、フェザー級で同級5位・平野凌我を判定で破った。戦績は9勝(6KO)3敗。
会見で大森は「僕は22年前に格闘技を始めてRISEとスタートが一緒で運命を感じる。今回鈴木選手と組んでいただいて、ずっと追いかけていた選手で、僕がデビューした頃に良星選手とタイトルマッチをやっていました。前からやりたいと言っていて、ベルトを獲られた後もやりたいと言わせてもらいました。やっと組んでもらえたことで辿り着いたなって感じです。自分の中でひとつ形として勝ちたいので全力で挑戦させてもらいます」と意気込む。
迎え撃つ鈴木は「これからもRISEを盛り上げていく気持ちと、大森選手がずっと僕とやりたいと言っていたのは耳にしていたので、その中の相手の一人と決まったという感じです。僕の中で感情もありますが、それも全部試合で見せて叩き潰してやろうかなと思います」と迎撃宣言。
2人とも関西在住だが、「門口くんと鈴木選手は一緒に練習していて仲良いので、気まずそうにしていました。僕は挨拶程度でしたね」(大森)、「2人とも関西出身だけれどあまり接点はこれまでなかった」(鈴木)と、接点はほぼなかったという。
互いの印象を聞かれると大森は「RISEを代表する選手で、ベルトがなくなっても代表する選手だし、RISEと言えば…という時に1、2人目に名前が出て来る選手だと思っています。スタイルも僕に出来ない戦い方で、王道を突き進んでいる、RISEやなって感じです」と評し、鈴木は「バンタム級の中では背も高くてトリッキーな感じかなと思います」とした。
大森はなぜ鈴木と戦いたいと思ったのかを聞かれると「魅力…それが全然わからなくて出てこない。心の底でカッコいいと思っているんでしょうね」と、とにかく戦いたいんだと説明。
鈴木は下から上がってきた新鋭選手と戦う気持ちを聞かれ、「僕は誰と戦う時でも想いは変わらない。どの試合も特別やって気持ちで全力を出すだけです。だから今回も同じです」と、誰が相手でも戦う気持ちは変わらないとした。
するとここで、先に会見に出ていたバンタム級5位・伊東龍也(HAYATO GYM)が乱入。「俺と戦ってくれ」と直接アピールする。
鈴木は「僕は誰と試合したいというのはないですね。決めるのは伊藤さんだったり、RISEの人だし」と、RISEが決めれば誰とでも戦うと返答。伊東は「(同じ日に)良星、倒すからね。(鈴木が)良星を倒したのは4Rでしょ? 3R以内に倒したら俺とやってくれ」とアピールを続ける。
鈴木は「伊藤さんに任せます。僕は逃げも隠れもしないので」と答え、「俺の時間の無駄にはしないようにしてくれよ」と付け加えた。
前日の『RISE 186』で勝利した松下武蔵も鈴木との対戦を希望しており、鈴木は「モテてしゃーない。ほんまにしゃーないです」と苦笑するが「(対戦を希望されるのは)選手としては嬉しい事ですが、それなりに気合いを入れて来いよって思います」と忠告。
大森は「もちろん気合い入れて戦います」と約束すると「僕との試合、納得いってないですよね?」と質問。鈴木は「納得いってないけれど…そうですね、結果は残しているし、いずれは当たると思っていたけれど、もっと試合で魅せて欲しいと思う」と、プロファイターとしての魅力に欠けると指摘。
これに大森は「この間の試合が微妙で、試合後泣きたくなりました。でも、僕からしたら鈴木選手はベルトがなくなっていて1位と3位の選手なんですよ。だから言葉は悪くなりますが、いつまで王者ぶってんねんってのがあるので、今回勝って上からものを言わせてもらいます」と言い放った。
鈴木は「僕がもうちょっと若ければ一人ずつ潰してもいいけれど、もう時間がそんなにないし、最短でタイトルまで行きたい」と、若手の挑戦を受けるよりもタイトルへの再挑戦を優先させたいとし、「僕が言いたいのは、そう言うからには気持ちがこもった試合を見せろと思いますね、全員に。上からになってしまいますが、そんなハンパな気持ちで言ってくるなよと思います。心って試合に出るじゃないですか。全然、魂がこもってない選手が多いので」と、RISEをけん引してきた選手として若手選手たちに苦言を呈した。
大森はこの言葉に「その心を見せるのが鈴木くんは打ち合いだと思うけれど、スタミナが尽きるまで打ち続けるやつですよね。僕はそうじゃないので、自分の中で見せたい試合はあるので、そこを今回は見せたい。最高の相手なのでそこは意識したいと思います」と、自分なりの気持ちがこもった試合を今回はやると誓った。