セフード「これはMMAファイター vs MMAファイターの戦いだ」
──今回のトレーニングキャンプはどのくらいの期間でしたか?
「ファイトキャンプはいい感じだったよ。元々、僕とドミニクの試合になると思っていたからね。彼が怪我をしたのは残念だけど。数カ月間、毎日ソン・ヤドンを研究してきた。部屋に彼の写真を貼って、ダーツを投げていたよ(笑)」
──2024年2月の前回の試合、メラブ・ドバリシビリ戦では、後半のラウンドでスタミナ切れを起こしているように見えました。今回はスタミナ強化に重点を置きましたか?
「ああ。前回の試合では負傷していて、十分なレスリングの練習ができなかったんだ。でも今回は違う。しっかり準備ができている。ソン・ヤドンが戦争を求めているなら、私もそれに応じる準備はできているよ」
──今回、ソン・ヤドン選手との試合が決まってどんなことを考えましたか。
「今回の試合は特別だということ。私は相手を敵としてではなく、より親しみのある競争相手として見ている。なぜなら、私は中国との深い関係を持っているから。200b年の北京五輪で金メダル(フリースタイル55kg級)を獲得し、多くの素晴らしい選手たちを指導してきた。たった2週間前にも、私の技術を使って素晴らしい勝利を収めた選手がいた。私が世界で一番好きな都市は北京だ。オリンピックで優勝した思い出があるからね。子供の頃から万里の長城に行きたいと思っていて、実際に訪れ、そしてオリンピックで勝利したことは特別な経験だった。中国の人々は本当に良くしてくれた。私が日本人選手(松永共広)と戦ったときも、中国の観客が私を応援してくれていたのを覚えているよ」
──ファイター、ソン・ヤドンの印象は?
「彼は危険な選手だ。私はUFCに『最も手強い相手をくれ』と頼んだ。そしてUFCは『じゃあ、この選手だ』とソン・ヤドンを提示してきた。
私は彼の11歳年上だ。もちろん、私はUFCが大好きだけど、“伝説対伝説”なんてクソみたいなことをやっているわけじゃない。ハンター・キャンベルとは、もう1年ぐらいになるけど、かなりひどい関係になったんだ。でも、その後、彼に電話したんだ。もし俺がまた世界一になろうとするのなら、お前の一番の犬を俺によこせ、と。そして、彼らはもともと私にソンとスフィアで戦ってほしかったんだ。しかし、そのとき私は怪我をしていた。私はトランプ大統領の政治的な手伝いをたくさんしていた。ミシガン州に行ったり、アリゾナ州で仕事をしたり。それは私にとって重要なことなんだ。そして、大統領が当選したら、こう言ったんだ。『次の日に電話するよ』。その通りになった。すべてが終わって、選挙が終わって、僕はこう言ったんだ。『ソンが欲しい』と。私は自分自身を証明したい。この男を倒せれば、次のタイトル挑戦にも近づくだろう。私はただUFCのファイターでいるために戻ってきたわけではない。世界一になるために戻ってきたんだ」
──ヤドンは非常に速く、爆発的なノックアウト力を持っています。
「そうだね。彼は爆発力のあるファイターで、カウンターも本当に上手いし、ワンパンチでライトを消すことができる男だ。でも、彼の長所は時に短所にもなる。彼は確かに強いが、それが彼のプレッシャーにもなるだろう」
──ソン・ヤドンはあなたに対してどんな戦略を取ると思いますか?
「彼は攻めてくるだろう。試合を早く終わらせようとするはず。でも、それは私が望む展開でもある。彼が私を止めることができなければ、彼が苦しむことになるよ」
──ファンの間では「レスラーvs.ストライカー」の戦いだと簡単に捉えられていますが、ヤドンはレスリングの進化が著しいし、あなたも伝統派空手を採り入れたストライキングが得意ですよね?
「その通り。これは“MMAファイターvs.MMAファイター”の戦いだ。確かに彼はストライキングが強いが、私には試合の流れを変える能力がある。彼がどんな手を使おうとも、私はそれに対応する準備ができている」
──もしソン・ヤドンが負けたら、中国のあなたのファンが減りそうですね。
「それは仕方ないね(苦笑)。私も世界的に有名な選手だが、私のことを好きな人もいれば、嫌う人もいる。でも、それがスポーツというものだ」
──過去にフライ級とバンタム級の二階級で王者になったあなたにとって、今回の試合に勝てば、再びタイトル戦に挑むことになる?
「もちろん。私はこのスポーツの歴史を作りたい。そして、再びベルトを手に入れるつもりだ。
前回のメラブ戦前に怪我で5週間もレスリングができなかったんだ。大きな間違いだった。でも、僕の中の頑固な頭は、それでも証明したかったんだ。これは戦いであり、時にはリスクもある。その報酬に見合うだけの価値があることを証明したかったんだ。
あいつは本物で世界最高だ。彼がショーン・オマリーにしたことには驚かない。彼はオマリーを打ち負かしたんだ。観客を巻き込んで。それは、1パーセントの人たちだけが知っているような厳しさなんだ。僕がデメトリアス・ジョンソンに勝ったのと同じ理由さ。僕の顔を殴ることで、彼が後退するように仕向けるんだ。
判定に持ち込まれた場合、ジャッジを動かせるのは誰なのか、観客を動かせるのは誰なのか。メラブはよくやったよ。それは経験を積んだからこそできることなんだ。
彼は古い世代でもあり、新しい世代でもあるという事実。でも彼をトップに置くだろう。ジョゼ・アルドからピョートル・ヤン、自分、ショーン・オマリー、ウマル・ヌルマゴメドフまで──彼が全員を排除しているという事実がある。でも格闘家は、“おい、ナンバーワンは私だ”というものさ。
数週間前、私たちはちょっとおしゃべりしたばかりなんだ。ただ“頑張れ、兄弟““分かってるよ、そうするよ”って。ライバル同士が友達になるのはとてもクールなことだ。試合後にはきっとリアクションビデオが出てくると思うよ。彼はきっとそうするだろう」
──再びフライ級で戦う可能性については?
「また体重を落とす可能性もある。フライ級を売り出せる選手はいないと思う。この階級には、ドライな選手が多すぎると思う。復活の可能性はあるよ。パントージャが大好きだし、それも理由のひとつだ。パントージャとは年越しも一緒に過ごしたし、すごく仲がいいんだ。
彼は素晴らしいファイターだけど、時々、彼はもっとストーリーラインを作れるんじゃないかと思うんだ。フライ級ではみんなちょっと味気ないからね。争いがない。ストーリーラインがない。僕がチャンピオンになったとき、それは僕の責任だった。彼らはフライ級を廃止しようとしていた。彼は僕にこう言ったんだ。『おい、君の決断を認めるつもりだということを知らせたいんだ』と。
階級を上げてダブルチャンピオンになりたかった。『こいつを倒して、コーディ(ガーブラント)とTJの勝者に挑戦する』って言った。まさにその通りになった。ダナは『お前の要求は認めるが、階級は廃止する』って言った。心が沈んだのを覚えている。何かが間違っているような気がした。だから125ポンドで倒して、135に上げて、またやろうって思ったんだ」
──ところで、あなたが以前指導したジャン・ウェイリーが2月に世界クラスのレスラーのタチアナ・スアレスに判定勝ちしました。彼女の最近の試合についてはどう見ていますか。
「彼女は階級を上げるべきだと思う。もし彼女がレスリングを活かせば、ワレンチナ・ シェフチェンコにも勝てるかもしれない彼女は現在、世界で最も優れた女子ファイターの一人であることは間違いないね」
──ファンにメッセージを。
「今回の試合は中国のファンも多く見てくれると思う。私は17年前から中国に対して特別な思いを持っている。子供の頃から『オリンピックチャンピオンになる』と夢見て、それを中国で実現することができた。私は中国の文化、建築、オリンピックでの成功を尊敬している。でも、今週の土曜日はソン・ヤドンを倒す。また、家族を連れて中国に行って、万里の長城を見せてあげたいよ。ウェイリーとも会いたいし」





