宮原華音(左)との対談形式で行われた小林愛三インタビュー。2人はスパーリングも行った(C)RISE
2025年2月23日(日)東京・後楽園ホール『RISE 186』に出場する、小林愛三と登島優音が所属するNEXT LEVEL渋谷にRISEアンバサダー宮原華音が訪問した。
何の連絡の行き違いか、インタビューに訪れるはずが練習(出稽古)に来ると思っていた小林愛三をはじめとしたジムメンバー。宮原は急遽インタビューからスパーリングを行うことになり、その模様がRISEの公式YouTubeチャンネルにて公開されている。
宮原はRISEで2022年から2023年までラウンドガールを務め、2023年にはプロ格闘家として後楽園ホールのリングに上がり、わずか39秒で対戦相手をリングに沈め話題を集めた。
スパーリングを終えた宮原は、当初の目的である取材に戻り、小林と対談を行った。
やっぱりもう一度あのベルトを手に入れたい
――日本の女子キッボクシング界を牽引してきている小林愛三選手と今日実際に拳を交えてみていかがでしたか?
宮原 正直にいうと怖かったです(笑)。怖いというか、軽くやってくれているのは伝わるのに、ローを当てられただけで足が飛んでいっちゃいそうになるんですよ。「うっ!」って何回かなりました。52kgの同じ階級で試合に出ましたけど、全然違うなと正直思っちゃいますね。
――それほど力強さが伝わったんですね。
「そうですね。あとは私が攻撃をしている間に1発入れられているので、なぜか自分が攻撃しているのに当たってる事が多々ありました」
――宮原さんと実際に手を合わせてみて小林選手はいかがでしたか?
小林 最後まで目が強いというか、「あ、(修羅場を)くぐってきてやってきてるんだな」って勝手に思ってしまいました(笑)。やっぱり目から人の感じは出ると思うので、そこが力強かったですね。
――それは空手の試合をずっとやってきている経験もあるんですかね?
小林 そうだと思います。
宮原 めちゃくちゃ嬉しいですね。
――こうやってお二人がお話しすることは初めてですか?
宮原 RISE STUDIOに来ていただいた時に、私が個人的に好きなので担当の回じゃなかったのに生で聞きに行きました。
――普段はRISEの会場で会うくらいですか?
宮原 会場で会ったらご挨拶させていただくという感じです。
――宮原さんは今RISEでアンバサダーを務めていただいていますが、普段試合を見ている小林選手と話してみていかがですか?
宮原 SNSでもそうですけど、言葉遣いがすごく丁寧でお話しの仕方とかも柔らかいのに、やっぱり試合になるとキリッと変わりますよね。オープンフィンガーグローブマッチ(以下OFGM)をしていた時、めちゃめちゃびっくりして、戦い方もそうですけどトップ戦線をずっと走っている選手なんだなっていうのを感じました。だから話してみてギャップがすごいです。
――OFGMでの小林愛理奈選手との激闘はみんな印象に残っていると思います。
宮原 すごくカッコ良かったですし、これだけ頑張っている人たちがいるなら、私ももっと仕事とか頑張らなければなって素直に思いました。
小林 私は宮原さんのSNSを見ると、いろんな分野で活躍されていて、格闘技では1RKOという衝撃的な結果を出していて、そういう所で格闘家としても負けられないなっていう気持ちが強くなっていて、良い意味で刺激になっています。
――お話に出たOFGMでの小林愛理奈選手との試合以降、約9カ月ぶりの試合になりますが、この間の期間はどんな9カ月間でしたか?
小林 絶対に勝たなければいけない試合だったからこそ、52kgで今後どういう方向で挑んでいくかを考えた期間でした。あとは格闘技と自分自身に向き合ってきた期間だと思います。
――試合の後、顔が腫れたまますぐに合宿に向かっていましたよね。あれが結構衝撃的でしたけど、前を向いて次に向かっているんだなという印象も受けました。落ち込むというよりは「練習しなければ」という感覚だったんですか?
小林 そうですね。負けた瞬間はやってやるって、負けたら絶対にどんな状態でも行こうと決めていたので、「これからどうしていこうか」って考えるようにもなっていました。やっぱりキーポイントとなったのは、小林愛理奈選手とテッサ選手の試合で、それを見た時にさらに火が付いたというか。やっぱりもう一度あのベルトを手に入れたいという思いがあります。
――2人のタイトルマッチを見て、「テッサ選手とやり合えるのは私しかいない」という気持ちが出た?
小林 小林愛理奈選手とテッサ選手の試合もすごく盛り上がって、また違う盛り上がり方ですごく熱かったんですけど、やっぱりあそこを越えていきたいと思いました。この先の選手たちにとっても、自分がこのまま終わっていたら示しが付かないですし、稼げるようなトーナメントを開催してもらいたいからこそ、自分がベルトを巻き取って発言権を得てから、女子でもファイトマネーとトーナメントの賞金で稼げるような道を作れたら良いなと思っています。
――トーナメントというお話がありましたが、去年の年末は-65kgの世界トーナメントが開催されてすごく盛り上がった大会になりました。あれを見て選手としては悔しいという気持ちになりましたか?
小林 男子の選手でできている事は、女子の選手たちでも体現したいと思っています。女子選手ならではの表現の仕方もあると思いますし、刺さる層も男子選手とは違うと思うので、そういう方達に届けたいですね。