2025年2月14日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 97』(U-NEXT配信)に、今週は日本人選手2名が出場する。
第1試合のストロー級MMA5分3Rで、畠山隆弥(THE BLACKBELT JAPAN)がジェイソン・ミラルペス(フィリピン/Warriors MMA Academy)と対戦。
畠山はアマチュア修斗を経て2020年11月にプロ修斗でデビュー。そのデビュー戦はドローだったものの、2023年5月に泰斗とドローになるまで4連勝(2勝はリアネイキドチョークによる一本勝ち)。その後も3連勝を飾り、2024年11月にはマッチョ ザ バタフライをKOして修斗世界ストロー級1位となった。戦績は7勝無敗2分。
ミラルペスは2024年11月の『ONE Friday Fights 85』でONEに初参戦。ホビソン・ジ・オリベイラに判定3-0で敗れ、今回が2戦目となる21歳。
第2試合のキャッチウェイト(58.51kg)ムエタイ3分3Rでは、富岡勇成(FormedGYM)がグランプリノーイ(タイ)と対戦。
富岡(日本でのリングネームは勇成)はジャパンキックボクシング協会所属で、2023年新人賞。2024年11月に皆川裕哉を破り19歳でジャパンキック協会フェザー級王者となった。現在7連勝中と勢いに乗ってONEに初参戦する。
自身のSNSでは「骨の1本や2本は要らない。これ食ったらほんとにでかいぞ。人生懸けて勝ちに行く。失神するかさせるかもちろん失神させる」との意気込みを綴った。
同大会のメインイベントでは、コンスック・フェアテックス(タイ)とラムナムムーンレック・オーアチャリア(タイ)がキャッチウェイト(62.59kg)ムエタイ3分3Rで対戦。
コンスックは2017年にルンピニースタジアム認定バンタム級王座を奪取し、その年のスタジアム・ファイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。2019年にはスーパーバンタム級王座も奪取してヨードレックペット同様2階級制覇を達成している。また、プロムエタイ協会でも2017年にスーパーフライ級王座、2018年にバンタム級王座に就いた。2022年にも7チャンネルのライト級王座を獲得している。
ONEには2023年6月から参戦し、デッドゥアンレックとペットンローには敗れているが、ジャオスアヤイ、パイダン、ペットスクンビット、ジョアキン・オラギに勝利。2024年8月にヨードレックペットに完封勝利して実力を見せつけたが、10月にムアンタイにKO負けを喫した。ONE戦績5勝3敗。
ラムナムムーンレックは7歳でムエタイを始めた。2019年9月にS-1スーパーフェザー級王座を獲得し、2022年にはWMC世界ライト級王座も獲得。さらに2022・2023年にラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)ライト級リーグ戦で2年連続優勝した。2021年にはタイのスポーツ局が選定するファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)にも選ばれている。2023年2月に初来日し、笠原弘希とシュートボクシングルールで対戦。延長3回の大接戦となったが最後はバックドロップで笠原がシュートポイントを奪い勝利した。2024年2月の再来日では体重超過したが、レンタ・ウォーワンチャイに勝利。RWSからONEに移籍しての第一戦となる。
セミファイナル(第11試合)ではドミトリー・メンシコフ(ロシア/Empire Club/Kuzbass Muay Thai)vs.テングヌンのライト級ムエタイ3分3R。
メンシコフはアラゾフと同門。ロシア国内で7戦を経験した後、2018年9月からGLORYに参戦。3戦全勝をマークしたが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻に対する抗議としてGLORYがロシア戦士全員との契約を解除したため、その後はムエタイファクトリーやフェアファイトなどロシア国内の大会で試合を行っていた。11連勝で2023年6月にONEに初参戦し、いきなりライト級ムエタイ世界王者レギン・アーセルに挑戦したが46秒でKO負けを喫した。その後はルンラーウィー、ムーシネ・チャフィ、シンサムットに3連続KO勝ちを収めている。戦績は28勝(20KO)3敗。
テングヌンは左の強打を武器に2014年オムノーイスタジアム154ポンドトーナメントで優勝、2014年キングスカップチャレンジャートーナメント優勝などの実績を上げ、2015年からは『THAI FIGHT』に参戦。KOを連発してTHAI FIGHTのメインイベンターとなり、2015年THAI FIGHT 70kg級キングスカップで優勝。2020年と2023年には72.5kgでキングスカップを制覇している。
驚くべきはその戦績で102勝14敗4分、2015年4月以降は15連勝(12KOで11連続KO)のあとに3連敗も、その後は現在まで33連勝(27KO)。そのうち29KOが1R、10KOが2Rという怪物的なKO記録を持っている。キャリアのほとんどは外国人選手との試合。
KO必至の一戦となりそうだ。
また、第6試合の女子アトム級ムエタイ3分3Rでフランシスカ・ベラ(チリ)と対戦するベロ・ニカ(ミャンマー)も注目選手。
ベロはボクシングで全国選手権優勝を収め、2017年からはラウェイに参戦。2017年7月に日本で開催された『ラウェイ・イン・ジャパン』にて高橋奈七永と対戦してドロー、2017年11月の再来日ではユリア・ストレンコにKO負け。2019年1月にミャンマー王者になり、2020年1月までラウェイで戦って9勝(9KO)1敗8分。2022年からはムエタイに転向し、タイの『ムエハードコア』と『THAI FIGHT』で活躍。17連勝を収め、THAI FIGHTロイヤルカップ53kgと54kgのタイトル戦を制した。2024年2月に判定負けを喫するも、8月の再起戦で勝利し、今回ONE初参戦を果たす。
また、ベロはミャンマーのアイドルオーディション番組(リアリティーショー)『ミャンマーアイドル』のシーズン3に出場したことから“ファイティングアイドル”のニックネームを持つ。