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インタビュー

【ONE】青木真也と対戦するホノリオ・バナリオ「ミスは許されない。僕がアオキを動かす必要がある」10月13日(日)両国

2019/10/03 12:10
10月13日(日)に東京・両国国技館で開かれる「ONE:CENTURY 世紀」の第2部で、青木真也と対戦するホノリオ・バナリオ(フィリピン)。 この格闘技史上最大級のイベントでバナリオは、全44選手中、最も開催地の日本で著名な選手と対戦する。青木は格闘技界のレジェンドだ。2019年3月に東京で開催された「ONE:NEW ERA 新時代」では、母国の声援を背に、バナリオのチームメイト、エドゥアルド・フォラヤンを相手にほぼ完璧な一本勝ちを決めていた。 青木は再び両国国技館で、フィリピンの名門ジム「チーム・ラカイ」の選手を相手に、同様の、あるいはそれ以上の結果を挙げるつもりだ。だがバナリオも負けてはいない。もし青木に弱点があるとすれば、それは強力な打撃だ。元ONE世界フェザー級王者(2013年2月2日 - 2013年5月31日)はその拳で数々のノックアウトを積み重ねてきた。 待ち受けるキャリア最大の試練に先立ち、バナリオが青木の組み技やサブミッションへの対策や勝利へのプランを語る。 ──青木真也選手は前回の日本での試合でチームメイトのフォラヤン選手を破っています。モチベーションには影響しましたか? 「伝説的存在であるシンヤ・アオキと対戦するのは、今回が初めて。僕が格闘技を始めた時には既に、彼は世界チャンピオンになっていたんだ。彼と対戦すること自体が、僕にとってはひとつの成果と言える。アオキを倒すために全力を尽くすが、それはチームメイトを倒されたからではない。自分のスキルがアオキのような選手と戦えるほどに高まっていて、自分も世界一流の選手の一人だということを証明したいからだ」 ──青木選手の母国で戦うことの影響は? 観客の声援は今回は相手への自信になる。 「リングに上がればそんなことは何も関係がないよ。もう何年も格闘家として戦ってきているから、どうやって対処するかわかっているし、普段と同じさ。フィリピンで戦うときは観客が試合中ずっと、自分たちを応援してくれる。彼も同様に、日本での試合であれば日本のファンのサポートを受けて戦う。それは当たり前のことだよ。だから観客のことはあまり考えないようにして、ゲームプランを着実に実行することに集中したい」 ──この試合で注意すべき点は? 「アオキのような選手と対戦するには、ミスは許されない。ゲームプランをしっかり実行しなければいけない。彼はあっという間に試合を終わらせることで知られているからね。彼の思い通りにさせるのではなく、自分のゲームプランの中で僕がアオキを動かす必要がある」 ──試合が近づくにつれ、プレッシャーを感じている? 「むしろ興奮しているよ。試合がどういう風に始まるか、向かってくるアオキにどう対応するか、自分の最初の動きは何か、ということを頭の中で視覚化して何度もイメージしている。もちろん、実際に東京に行ったときはプレッシャーを感じるかもしれない。でもそんなこと誰にわかる? たいてい試合がある週になるとプレッシャーを感じるが、リングに上がれば関係ないよ」 ──どうやってそのプレッシャーを乗り越えるのですか。 「ただ無視するだけ。やるべきことに集中する。練習してきたことやゲームプラン、どうやって彼を倒すかに集中する。そのことに集中することで、どんなにプレッシャーを感じたとしても大丈夫だという自信を深めることができるんだ」 ──試合に向けたトレーニングの調子はいかがですか? 何か変えたことや、集中的に取り組んでいることは? 「対戦相手のスキルが分かっているから、トレーニングはいつもより激しくなっているし、試合で全力を出せるように頑張っている。前回の試合(2019年8月パク・デソン戦)の時、もっといいコンディションで臨めたんじゃないかと感じたんだ。だから最適な状態に持っていくため、少なくとも、以前より2倍くらいはハードに練習している。ゲームプラン通りに戦ってなんとか勝ちたいと思っているよ。アオキが相手では、ちょっとしたミスも許されないと分かっている。それが命取りになって、彼の得意な寝技に持ち込まるから」 ──青木選手は特にグラップリングを得意としますが、他に気を付けるべきことは? 「彼は打撃を磨いてきているんじゃないかと思う。前回の試合でもクリスチャン・リーを相手に立ち技で接近戦を仕掛けていたからね。もちろんフォラヤンとの試合も研究している。彼をただのグラップラーだと見るつもりはなくて、むしろ完璧な格闘家だと思っている。そういう前提で対戦に臨むつもりだ。試合が始まってから驚いたりしたくないからね」 ──では青木選手のウィークポイントをどう見ていますか? 「アオキはグラウンドでの戦いぶりから伝説的存在と言われている。でも僕は立ち技の試合が強い。自然とお互いの強みで勝負することになるんじゃないかな。この別々のストロングポイントを持つ者同士がぶつかるというのは、誰もが想定していることだ。だからどちらが先に攻撃し試合の勝負を握るか、あらゆるシミュレーションは重ねたけど、実際は当日まで待つしかないんじゃないかと思う」 ──青木選手と2度対戦しているフォラヤン選手から何かアドバイスは? 「フォラヤンはこの試合に向けた準備を、本当によく手伝ってくれているよ。アオキの強みを指摘して、どうやったら彼のゲームプランに対抗できるか教えてくれている。試合ではどういう風に動くべきだったか、何度もシミュレーションするのを手伝ってくれる。何度もやっているから身体が覚えてしまっているんだ」 ──バナリオ選手にとってはグラウンドが弱点だという声もあります。 「いつだって批判する要素はあるものだし、それに対してもっと上手くなって改善したところを見せたいと思っているよ。批評を書いている人のために戦っているわけじゃない。強くなるためにやっている。だから、僕たちはトレーニングを続けて、自分の試合をするだけさ。試合を通じて見返してやればいい。でもそういうコメントは発奮させてくれるからありがたいと思っているよ」 ──どうやって試合を決めようと考えていますか。 「できればゲームプラン通りに試合を進め、フィニッシュで終わらせたい。アオキのような選手と対戦するには、何か対抗できるものをもっていないといけない。そうでなければ、彼の強みに引きずられて圧倒されるだけだから」 ──今回のイベントでは著名な選手が多く参戦します。どのようにして青木選手との試合を印象付けたいですか。 「彼にとっての試合を台無しにすることができれば、ショックを受ける人は多いだろうね。アオキは間違いなく総合格闘技で最も偉大な選手の一人だ。だから彼からフィニッシュをもぎ取れるとすれば信じられないような成果と言える。ファンの人たちにはよく見ていてもらわないとね」 【関連リンク】ONE Championship公式サイトイシゲ・リカ、知られざる日泰ハーフの両国大会への想い
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