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レポート

【GRACHAN】荒東”怪獣キラー”英貴が大場慎之助をヒザ&パウンドでTKO「何が何でもRIZINに出たい」、青木忠秀が宇土冬真をヴォンフルーで極める、有田一貴が前田海をパウンド葬、八木匠が大搗汰晟に延長判定勝利、藤田大地が竹下登にギロチン極める

2025/02/02 15:02
 2025年2月2日(日)大阪・176BOXにて『GRACHAN72』が開催された。前日計量は出場全選手がパス。試合の模様は、GRACHAN放送局およびGRACHAN公式YouTubeメンバーシップにて生配信された。 ▼第10試合 無差別級 5分2R・延長1R〇荒東”怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組/王者)130.2kg[2R 3分06秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド×大場慎之助(パラエストラ東京)101.2kg 当初、12月22日の『GRACHAN HELIOS』でマッチアップされていたが、大場がインフルエンザで試合延期に。荒東の地元・大阪大会で実現となった。  荒東は、2023年10月のRIZINで貴賢神にKO勝ちを収めるも、2024年7月のフランス『Hexagone MMA 19』で同ヘビー級王者プリンス・アウナラの右を被弾し、MMA初黒星、10勝1敗とした。  対する大場は、MMA5勝9敗。8年ぶりのGRACHAN参戦となる。2023年1月の前戦『GLADIATOR 020 in OSAKA』では、韓国のチョン・ホチョルに1R 首固めで勝利している。  荒東は持ち前のパワーと打撃の圧力に加え、組み技を強化している。一方の大場は巧みなグラウンドコントロールを武器としており、長期戦で勝機を掴むか。地元・大阪のホームケージで荒東が存在感を見せつけるか、それとも大場が復帰戦で波乱を起こすか。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローから入る大場。じりじり圧力をかける荒東は左ジャブの刺し合い。大場は左の前蹴りも、荒東は右カーフを返す。  左ジャブを刺す大場に、荒東は右カーフから左右で詰めると右で差してケージに押し込み、左でクリンチボクシングを連打。左小手巻くも頭をアゴ下に着けられ動けない大場は、顔をずらして正対しヒザを打つが、四つで再び押し込まれる。頭をアゴにつけて左クリンチボクシングをボディに突く荒東。  半身から正対する大場に、離れ際に右ヒジ、左右を連打した荒東に、大場はダブルレッグもがぶり切ろうとする荒東。しかし大場も足を手繰り、荒東をテイクダウンしてホーン。  2R、詰める荒東に左ジャブを突く大場は、荒東の前進に首相撲ヒザを突く。しかしケージまで押し込むのは荒東。金網背にヴァレリーキックでかかとを荒東の左足に落とす大場。  荒東も押し込みながらヒザ。大場は金網背に右の鉄槌を荒東の腿上に落とす。左小手巻く大場をケージに釘づけにする荒東は右で差してクラッチして崩すが、すぐに立つ大場が左で差してケージに押し込み。  しかし右手で大場の左手を絞った荒東は、脇を差していた左手で大場の頭を下げて左ヒザ! 崩れて亀になる大場に左右パウンドを連打し、レフェリーが間に入った。  フィニュシュ勝利した荒東は、「応援、ありがとうございます。試合を受けてくれた大場選手、ありがとうございます。2024年、立ちでキック、フランスでMMAと勝てず、やっとチャンスが回ってきて勝ってただただホッとしています」と再起に感謝の言葉を述べた。  続けて、「ただ僕、RIZIN、何がなんでも出たい。誰が相手でも出たいです。岩﨑代表、僕にチャンスをお願いします。(どんなルールでも?)僕はファイターなんで何でもやります」とRIZIN参戦をアピールした。  2023年10月の『RIZIN LANDMARK 6』で貴賢神を2R TKOに下している荒東。約2年ぶりの参戦なるか。RIZINでは、貴賢神を1R TKOに下したエドポロキング、キム・テインを2R KOに下した極真出身の上田幹雄、加藤久輝に3R TKO勝ちしたスダリオ剛らが、ヘビー級王座制定をアピールしている。その王座戦線に荒東も加わるか。 [nextpage] ▼第9試合 ウェルター級 5分2R・延長1R〇青木忠秀(総合格闘技道場コブラ会/ウェルター級1位)77.3kg[2R 4分34秒 ヴォンフルーチョーク]×宇土冬真(TURNING POINT)77.2kg  ウェルター級ランキング1位の青木忠秀と新鋭・宇土冬真が激突。  コブラ会に所属する青木忠秀は、野球出身のフィジカルアスリートでMMA4勝1敗1分。3勝1分けの負け無しで臨んだ2024年3月の桜井隆多戦で判定負けを喫したものの、2024年8月の前戦では能登崇のギロチンにヴォンフルーチョークを極めて一本勝ち。34歳。グラウンドコントロール力を軸としつつ、スタンドでも的確な打撃を繰り出せるバランスの取れたMMAの完成度の高さを見せるか。  一方、TURNING POINT所属の宇土冬真は、2023年2月のFighting NEXUS vol.30で趙大貴に1R TKO勝ちも、9月のDEEP TOKYOでマッスル岩倉に1R TKO負け。2024年9月のGRACHAN71で山田哲也に1R TKO負けと2連敗中。若さを活かしたスタンドでのスピーディーかつアグレッシブな攻撃で主導権を握れるか。21歳。  1R、オーソの青木が圧力をかけるとサウスポー構えの宇土はダブルレッグテイクダウン。立つ青木のバック狙いも正対する青木が逆にシングルレッグでテイクダウン。宇土の立ち際にダブルレッグで持ち上げテイクダウンを奪うが、宇土も足を引いて立ち上がる。  左ハイの宇土。ブロッキングの青木は左右連打も、そこにカウンターのダブルレッグでテイクダウンは宇土。ハーフから左で脇差しパウンド狙いも、フルガードに戻した青木が下から細かい打撃。宇土のインサイドガードから左で足を越えると、そこでスクランブルで青木が立ち上がり、シングルレッグで宇土を崩してホーン。  2R、先に中央を取る青木は右前蹴り、そこに左を合わせに行く宇土。圧力をかけるとケージ背にした宇土がシングルレッグからドライブしてダブルレッグでケージに押し込み。  ネルソンで差し上げる青木に、左差しで小外がけを合わせてテイクダウンを奪うと青木の立ち際にバッククリンチ。正対した青木が小外がけで倒すも右小手巻きでスイープした宇土が、青木の立ち際にバック狙い。ここも正対した青木が立とうとする宇土を2度、ボディロックテイクダウン!  左腕を頭に巻いて下になった宇土にトップの青木がヴォンフルーチョークを極めて、宇土を失神させた。青木は2試合連続、ヴォンフルーチョークでの一本勝ち。 [nextpage] ▼第8試合 フェザー級 5分2R・延長1R×大搗汰晟(POLAR GYM大阪/フェザー級6位)66.2kg[延長判定0-3]〇八木 匠(パンクラス大阪稲垣組)66.2kg 関西を代表する実力派同士のフェザー級戦。ともにサウスポー構えのグラップラー。 “ハチミツボーイ”こと八木は左構えを活かした打撃からケージレスリングでのテイクダウンを武器に試合をコントロールする堅実なグラウンド技術を持つ。藤田大地に一本勝ちするなどGRACHAN3連勝から2024年10月の『POUNDOUT 1』で岡田達磨に2R 肩固めを極められ初黒星を喫した。  一方、大搗は柔道をベースにした組み技で一気に仕留める爆発力を持つオールラウンダーだ。2023年10月に中村京一郎に1R TKO負けしたもののダブルレッグテイクダウンから即マウント、袈裟固めアームバーであわやの場面を作っており、投げ技・寝技の強さが際立つものの、後半のスタミナ切れに課題を抱える。  2024年10月のWardogでそのまんまたなかに2R TKO勝ちで再起を遂げると、12月の前戦ではDEEP OSAKAで三井俊希に2R 右ストレートでTKO勝ちし、2連勝中。ともにグラップラーながら堅実な寝技の八木に、1発の極めを持つ大搗、序盤から注目のフェザー級戦だ。  1R、ともにサウスポー構えからインロー。中央を取る大搗に、八木は左ハイ。圧力をかける大搗は左右ロー、右ジャブワンツーで詰めるがサークリングの八木は左ロー。その打ち終わりに大搗は左右で詰める。左カーフを打つ八木、続けて左カーフにワンツーで詰める大搗。左ハイをダックでかわす八木は、左右で詰めてきた大搗の脇を潜りバッククリンチ。回して引き込んでバック狙いも大搗もすぐに立つ。  2R、左ローの八木のダブルレッグを切った大搗。右ジャブ、左ロー。八木は再びダブルレッグからケージに押し込むも、大搗のヒザがローブローとなり中断。再開。八木の右前手フックをかわした大搗は右インロー。左カーフを突く八木に、大搗も左カーフ。八木のローの打ち返しに左右で詰めるが、回る八木は距離を取り、左ローをヒット。  続けてローシングルも切る大搗が離れ際に右ハイ。ブロッキングの八木に左右で詰める大搗は、再び八木の組みを差し上げて突き放して右で飛び込み。そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンは八木! 腰を抱く八木を大搗も下からヒジ打つがホーン。  29-28で1者が八木を支持も、2者がドローで延長へ。  延長R、左ローの八木の打ち終わりにパンチで詰める大搗。それをかいくぐりダブルレッグからケージに押し込む八木は細からヒザ。大搗も右小手巻き、金網背にヒザでブレーク。  左ローを当てて対角の右フックの八木に、ワンツーで詰める大搗。そこをまたも潜って左で差して押し込む八木もブレーク。  八木の遠間からのシングルレッグを切る大搗。八木は左カーフを2発。しかしその打ち終わりに大搗は右を返すと連打へ。ガード固める八木の再びの入りに右ヒットさせた大搗! 崩れた八木はダブルレッグからテイクダウンを奪い上に。左で差してハーフから細かいパウンド狙いも大搗も下から抱き寄せスペースを作らせない。  延長判定は3-0で左カーフから右、さらにテイクダウン&パウンドを続けた八木が勝利した。 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 5分2R・延長1R〇有田一貴(MIBURO)61.6kg[2R 4分57秒 TKO] ※右小手巻き払い腰テイクダウン→パウンド×前田 海(総合格闘技道場コブラ会)61.6kg  アマチュア時代に「GRACHANチャレンジ」で切磋琢磨してきたバンタム級の有田一貴と前田海。  MIBUROの有田は、破壊力あるパンチとローキックを武器とするストライカー。対するコブラ会の前田は、2023年全日本アマチュア修斗選手権フェザー級を制したスピードとテクニックは精度が高く、スタンドでもグラウンドでも隙を見せないバランスの取れたスタイルが特徴だ。異なるキャリアを歩んできた二人がGRACHANマットで交錯する。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級 5分2R・延長1R〇藤田大地(闇愚羅)65.7kg[1R 0分42秒 ギロチンチョーク] ※ハイエルボーのノーアームギロチン×竹下 登(U-FILE CAMP登戸)65.7kg※櫻庭泰裕(ANSWER FIGHT)は負傷欠場 [nextpage] ▼第5試合 バンタム級 5分2R・延長1R×中嶋紳乃介(皇子山MMA)61.7kg → 61.6kg[判定0-2]〇脇田 仁(COMRADE)61.0kg [nextpage] ▼第4試合 フライ級 5分2R・延長1R〇村松竜眞(MIBURO)57.1kg[判定3-0]×佐藤利空(パンクラス大阪稲垣組)56.5kg [nextpage] ▼第3試合 ライト級 5分2R・延長1R〇水杉泰誠(blooM)70.8kg → 70.3kg[2R 4分27秒 TKO] ※マウントからパウンド×加々田優人(闇愚羅)70.3kg [nextpage] ▼第2試合 フェザー級 5分2R・延長1R×DAIGO(KYOTO SEIKENKAI)65.9kg[1R 2分51秒 TKO] ※DAIGOの左に右を合わせて右連打パウンド〇長光雄平(TURNING POINT)65.9kg [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 5分2R・延長1R×高松 愁(パラエストラ加古川)61.5kg[判定0-3]〇田中 仁(Blaze)60.6kg [nextpage] ▼OP第02試合 70kg以下契約 kckルール 2分2R〇林奏良(淀川清流高等学校)[判定2-0]×尾崎刀万(大阪偖星学園高等学校) [nextpage] ▼OP第01試合 70kg以下契約 Kckルール 2分2R〇玉水來輝(淀川清流高校)[2R 1分59秒 KO]×寺西裕大(春日丘高等学校)
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