2025年2月9日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2025 vol.1』にて、丹羽圭介(TEAMニワールド)のラストマッチの対戦相手を務める般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。
般若は、かつてGLADIATOR武士道キックフェザー級王座の獲得歴を持ち、『RIZIN』にはキックルールで参戦、『巌流島』やラウェイルールにも挑戦したこともある異能派ファイター。2018年11月の『Krush.95』では伊藤健人から得意の左ストレートでダウンを奪い、判定勝利を飾っている。2021年9月のKNOCK OUTではApollo中山と大会ベストバウト級の激闘を演じた。2023年7月にはK-1グループとの対抗戦で山浦迅也を初回KO。2024年12月、KROSS×OVER認定KICKライト級タイトルマッチでテレカ∞に3RでTKO勝ちし、王座を奪取した。戦績は10勝(6KO)9敗5分。
朝久道場のやり方がすごく好き
──12月に他団体のチャンピオンになったそうで、おめでとうございます!
「ありがとうございます! 12月ですよね。東京に来て、ベルトを獲るっていうのが自分の一番最低限の目標だったので、ホッとしました。自分は今、32歳なんですけど、30歳で引退がどうのこうのって、よくいうじゃないすか。だから自分もラストチャンスだなと思ってたんですよ。たぶん、「もうこれで最後にしよう」と思いながらずっとやってきて、8年ぐらい経つんですけど、あれで負けてたら、もうやめるにやめられないっすね。そういう感じだったんで、いったん、自分の中での最低ラインをクリアしたっていうのはあって、清々しい気分っす。あとはもう、行けるとこまで行ってやろうという気持ちになりましたね」
──チャンピオンになって、気持ちの面でも変化がありますか?
「だいぶ違いますね。自分、3連敗から2連続KO勝ちでベルトを獲ったんで。3連敗で、切羽詰まった状況で他団体に参戦したので、その一発目とかで負けてたら、たぶんやめちゃってたと思うんですけど、でもそれもやめられたかは何とも言えないですよね。モヤモヤした気持ちがありながら、たぶんまた復帰したり復帰をやめたりとかの繰り返しで、亡霊みたいな感じになってたと思うんで、自分の中でちょっと大きいっすね」
──そこから2ヵ月弱で次の試合に出場というのは、その気持ちの表れでもある?
「そうですね。本当は他団体で3月にという話もしてたんですけど、ちょっと間隔が短かったんで、ちょっと休もうかと思ってたんですよ。まあちょっとゆっくりできるなって少し思ってたら、丹羽圭介選手が引退試合に自分を指名したって聞いて、それは面白いと思って。そもそも3年前(2021年9月)に対戦する予定だったんですけど、丹羽選手が欠場になったので、自分はApollo中山選手とやったんですよね」
──ああ、そうでした!
「今のこのいい流れもあるし、丹羽選手は昔の『REBELS』チャンピオンなので超えなければいけない壁かなと思ったのもあるし、丹羽選手が41歳で、引退試合に自分を選んでくれるっていうのは、それはそれでありがたいことなんで。しっかりと引導を渡してやろうかなと思って、「もう大丈夫ですよ」って伝えようと思って、受けました。これで丹羽選手が勝つと、『俺、まだやれるじゃん』って思うじゃないですか。だから自分がしっかり勝つことによって、しっかり終わらせてあげようと。丹羽選手も40歳を越えてやってるってことは、やめようにもうやめられないっていうか、そういう格闘技あるあるな感じがあったんじゃないかと思うんすけど、最後の試合で自分がバッチリ勝って、引導を渡したいと考えてます」
──なるほど。丹羽選手の印象は?
「印象……本当に何もなくて、分かんないっすね。何だろう、別に、人間的にムカつくとかそういうのも全然ないし、かと言ってファイトスタイルがすごく面白いわけでもないし……何だろう? まあでも、長く現役をやってるんで、リスペクトはあります」
──実はこの直前に丹羽選手にも同じようにお話を聞いてたんですが、丹羽選手は「般若選手に僕の印象を聞いたら、たぶん『よく分からない』って言うと思いますよ」って言ってたんですが、バッチリ当たりましたね。
「いや、ホントにそうなんですよ! 自分も『REBELS』時代からバンバン出てたわけじゃなくて、1回しか出たことないし、ちょっとよく分からないって感じなんすよね、正直。接点がないっていうか」
──引導を渡すということは、殴り倒すつもりということですか。
「そうっすね! 今、自分はパンチにすっごい自信を持ってるんで、たぶん今の自分のパンチが当たったら、立っちゃいられないっすね」
──おお!
「今、ボクシングジムに行ってて、渡辺雄二さんっていう25勝中23KOの、もう本当に攻撃力に振り切ったような人に習ってるんすけど、この1年間やってきて、パンチがメチャクチャいいんですよ。自分はもともとパンチャーですけど、それに磨きがかかってて。渡辺さんからも『このパンチをもらったら、立っちゃいられないな』って言ってもらって、ちょっと今自信ついてるんで、たぶんバッチリ当たったら立っちゃいられないですよ」
──マジすか!
「この前の相手も、もうバッチリ当たってそのまま倒れたんで、自信持ってますね」
──それを今回は『KNOCK OUT』の後楽園のリングで見せると。後楽園ホールもけっこう久しぶりですよね?
「メチャクチャ久しぶりですね。2022年9月の庄司啓馬戦以来なんで、2年半ぐらいですかね。はい。それから1年近く離れて、山浦迅也戦で復活というか、戻ってきたんで」
──そして『『KNOCK OUT』への参戦は昨年6月の代々木第二大会、小森玲哉以来ですね。これからは、タイトルを獲ったKROSS×OVERを主戦場に?
「そう考えたんですけど、以前に出た中国の武林風から、また話が来て。自分がこの前、武林風で戦った試合がメチャクチャ評価高かったみたいで、また登場してほしいと言われてるので、それも入ると思います」
──そうなんですか。
「自分は、やはり武林風で活躍している朝久道場のやり方がすごく好きなんですよ。武林風でチャンピオンになって、日本に戻ってくるっていうのが、格闘技の本質っていうか。力だけで相手の陣地に行って王座を奪い取ってくるっていうのが、すごい格闘技の本質だと自分は思うんですよ。ただ主戦場のリングで人気者になろうとするんじゃなくて、ジョーカーみたいな感じじゃないすか。そこが自分的にはカッコよさを感じるっていうか」
──ではその方面でも、けっこうモチベーションが高いんですね。
「武林風って、日本人はほとんど勝てない“魔境”じゃないすか。だからそこで勝ちたいんすよね。KROSS×OVERでチャンピオンになって、勝ちグセ、勝ち運をつけてきてるので、中国でも勝ちたいっすね。そうやっていく中で、『KNOCK OUT』のベルトも虎視眈々と狙っていければって感じで」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「ちょっと自分の流れが来てるんで、貪欲に勝ちを掴み取りに行く姿を見てほしいっすね。もちろんKOも狙ってるんすけど、正直自分って、『KOで勝ちます!』って言ってる時よりも、狙わないでやった時の方がKOになるんすよ」
──なるほど。
「なので、言霊的な意味でも『KOで』って言った方がいいんですけど、正直、自分的には当たったら倒れると思ってるんで。ナックルをしっかりバチッと当てれば、絶対立っちゃいられないと思うんで。観客の皆さんが熱狂するような、みんなが見たいような試合をします!」