2025年3月29日(土)東京・両国国技館『RISE ELDORADO 2025』の対戦カード発表記者会見が、1月29日(水)都内にて行われた。
「RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament」が今大会より開幕。その全出場選手とトーナメントの組み合わせが発表された。優勝賞金は1000万円。
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 3分3R延長1R中村寛(BK GYM/第8代ライト級王者)チャンヒョン・リー(韓国/RAON/第5代RISEスーパーフェザー級王者)
中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも称される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取。2024年3月のK-1との対抗戦で与座優貴に負傷判定で敗れたが、6月にタリソン“Crazy Cyclone”フェレイラをKOして再起。9月にはエン・ペンジェーから延長戦で勝利をもぎ取った。戦績は17勝(13KO)6敗1無効試合。
“韓国の鉄拳”リーは強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破してきた。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。2023年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。しかし、2024年1月、3度目の防衛戦で大雅に判定で敗れ王座を手放している。12月にはパヌワットと延長戦判定2-1の僅差で敗れた。戦績は30勝(16KO)15敗2分。
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 3分3R延長1R笠原友希(シーザージム/第16代シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者)パヌワット・TGT(タイ/TARGET/2024年スーパーフェザー級 漢気トーナメント優勝)
笠原は2019年6月に国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じ、2020年7月に那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就き、2021年12月にはスーパーフェザー級王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。
2022年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りで初回TKO勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではKrush王者の中島千博から勝利を奪った。9月にRISEの常陸飛雄馬に敗れて連勝が「7」でストップしたが、その後は再び6連勝。2024年4月には『ONE Friday Fights』に初参戦し、OFGムエタイでペットシーモックを初回KOに沈めた。8月のSBではペットモラコットを1Rにヒザ蹴りでマットに沈めタイ人選手相手に7戦全勝していたが、10月のONEでソンラックに判定で敗れた。12月にはGUMPに判定勝ちでトーナメント出場権を得た。戦績は31勝(15KO)4敗のサウスポー。
パヌワットは11歳でムエタイの試合を始め、来日後はトレーナーと選手を兼任。TARGETとTEAM TEPPENで練習を積み、タイ人特有のミドルキックとテンカオを得意とする。2019年の直樹戦以来約5年ぶりのRISE参戦となった2024年4月、「スーパーフェザー級(-60kg)漢気トーナメント」の準決勝で高橋亮を左フックで初回KOすると、決勝では岩郷泰成を右ハイキックで2RにKOして優勝を果たした。12月にはチャンヒョン・リーに延長戦判定2-1の僅差で勝利。戦績は50勝(8KO)7敗2分。
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 3分3R延長1R常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/スーパーフェザー級3位)シャクリヨール・ユラエフ(ウズベキスタン/Temur Kurbanov team/WMF-63.5kg王者)
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに8連勝を飾り、2023年1月にはRISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーに挑戦したが、延長Rで敗れタイトル奪取ならず。8月には大雅に延長戦で敗れた。12月に勝次をKOして再起するも2024年3月にK-1との対抗戦で江川優生に延長Rで惜敗。9月にはアリシェル・カルメノフに勝利、2025年1月にエン・ペンジェーに判定勝ちして出場権を得た。。YA-MANと同門の強打の持ち主。戦績は12勝(8KO)5敗1分。
ユラエフは22歳にして戦績は42勝(20KO)4敗のサウスポー。WMF-63.5kg王座に就いたことがある。今回が初来日。
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 3分3R延長1Rエン・ペンジェー(中国/仏山温拿拳館)レダ・ベラーセン(モロッコ/オランダ/fight team Ringer/ENFUSION世界バンタム級王者)
ペンジェーは39戦無敗の触れ込みで9月の横浜大会に参戦し、中村寛を苦しめるも判定負けを喫し初黒星を喫した。2025年1月には常陸飛雄馬に判定で敗れたが、試合内容が評価されてトーナメント出場権を獲得。戦績は39勝2敗。
ベラーセンはENFUSION世界バンタム級王者で、Big gamer欧州-62kg級王座も獲得。戦績は14勝(1KO)3敗のオーソドックス。
■準決勝 6月21日(土)神奈川・横浜BUNTAI
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament準決勝1 3分3R延長1R中村vs.リーの勝者笠原vs.パヌワットの勝者
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament準決勝2 3分3R延長1R常陸vs.ユラエフの勝者ペンジェーvs.ベラーセンの勝者
■決勝戦 8月2日(土)東京・大田区総合体育館▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament決勝 3分3R延長1R準決勝1の勝者準決勝2の勝者
▼RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournamentリザーブマッチ 3分3R延長1R細越竜之介(team AKATSUKI/スーパーフェザー級4位)GUMP(TEAM TEPPEN/スーパーフェザー級7位)
伊藤隆RISE代表は「中村とチャンヒョン・リーは2020年10月に戦っており、中村が2RでKO負けしていてリマッチになります。笠原は蹴りと蹴りが交差する試合になるのではないか。シャクリヨールは非常にフィジカルが強く、サウスポーで左ストレートが武器でゴリゴリ押してくる選手で常陸と相性がいい。レダはモロッコ出身でオランダ在住。オランダ軽量級で期待されている。激しい試合になるのでは」とそれぞれの試合を紹介した。
なお、伊藤隆RISE代表は「ガチで王道なカードをピックアップ。サプライズ的な交渉中のビックリするカードもある」と予告。なお、今大会はABEMA PPVにて有料放送(3200円)となる。
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記者会見での質疑応答
――トーナメント出場が決まった意気込みを。
中村「まず初めにこのトーナメント開催まで確定してくださって感謝しています。僕のことを倒したい人は来てない人も含めていてると思いますし、PPVってことでみんな死ぬ気で仕上げてくると思うのでPPVの価値にふさわしいと思いますが、僕の一戦だけで元が取れるような試合をします」
リー「今回の試合は2019年にやったWORLD SERIES以来6年ぶりに参加するトーナメントなので必ず優勝したい。自分の最後のチャンスと思って最善を尽くす」
笠原「このトーナメントに参加できて嬉しく感謝しています。メンバー全員強くて1回戦から誰でもも良かったんですけれど、面白い試合が出来ると思いますし、勝って2回戦、3回戦と優勝に突き進みます」
パヌワット「トーナメントに参加できてとても嬉しい。笠原と試合が出来て嬉しく思う」
常陸「3月29日の1回戦はサクッと…サクッととはいかないかもしれないけれど、必ず会場を盛り上げて最高のパフォーマンスを見せて1回戦を突破して、必ずこのトーナメントで見つかって世界のベルトを獲ります」
ペンジェー「RISEのトーナメントに参加させてもらえてありがとうございます。この前の試合は実力が発揮できなかったので今回頑張りたいです」
細越「年に一度のビッグマッチに出られることを嬉しく思います。リザーブですが本戦の選手よりいい試合を見せます」
GUNP「前回負けたにも関わらずリザーブに選んでいただきありがとうございます。求められているものは分かっているのでノーダメージで戦い抜きたい」
ユラエフ(コメントのみ)「日本での試合へ向けてしっかり仕上げていくよ」
ベラーセン(コメントのみ)「参戦出来るのを嬉しく思う。トップ団体で自分の技術を披露できるのを楽しみにしている。相手がハードに練習してくることを祈っている。俺はしっかり仕上げる。最高に盛り上げるから俺の試合を絶対に見逃さないでくれ」
――対戦相手の印象は?
中村「やったことがあるので試合は見てないが、今までは強いと思っていました。でも今の俺が強すぎるので相手にならないです。それは全員に言える。出場する全員相手にならないので結果で証明します」
リー「中村とは2022年に対決したことがある。そこからもっと成長していると思うし、もっと強くなったと思うので、それを念頭に入れて準備して試合をしたい」
笠原「勢いあるし、相手を倒すパワーを持っているし、動物みたいな動きをしてくる印象」
パヌワット「笠原の印象はもちろん強いと思うが、弱点もあると思っている。自分もいつも通り頑張って試合したい」
常陸「パワーがある印象。サウスポーで体幹も強くて蹴りもパンチもどっちも使える。ムエタイベースなのか、でもパンチで倒しているのでバチバチになるんじゃないかなと楽しみです」
ペンジェー「ヨーロッパスタイルになると思うので、僕が得意とするマジックスタイルで勝ちたい」
細越「プレッシャーが強くて3分3Rずっと前に出てくる印象」
GUNP「ここ数戦KOして勢いあると思うけれどノーダメージですね」
――中村選手はリーに負けた時のトラウマは?
「記憶力悪いので忘れてますね。これと言ってというのはないです。次の試合へ向けて全力でやるので他のことも忘れるので。何で負けたかは3月見てもらえれば結果で分かると思います」
――その自信の根拠は?
中村「出来る限り1日1日 自分を良くしています。皆さんの力でここまで中村寛を作っているので。センスとかじゃなく努力した中村寛を、努力し続けて格闘技に本気で向き合う1年になるので、その環境を作っている所で今までのような根拠のない自信ではなく根拠があります。内から出てくる自信があります」
――リー選手は最後のチャンスと言っていたが、その意味は?
リー「トーナメントは6年ぶりの機会なので、もしこのような試合がまた6年後に訪れたら選手生活を続けているのかなって思ってからです」
――中村選手は自宅にホームジムを作ったということですが?
中村「着々と完成しています。いい感じですよ。理想が現実になっている。自信満々の発言はしているけれどリスペクトしてないわけではないので、愛を持って初めてのKO負けをしてもらうので楽しみにしてください。新しいことも取り入れている。強くなるために、自分の家にジムがあるのでいつでも練習できるじゃないですか」