2025年3月29日(土)東京・両国国技館『RISE ELDORADO 2025』の対戦カード発表記者会見が、1月29日(水)都内にて行われた。
Superfight!が2試合。-52kg契約3分3R延長1RでRISEフライ級王者・那須川龍心(TEAM TEPPEN)vs.元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王者クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー)、バンタム級(-55kg) 3分3R延長1RでRISE世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)vs.ユン・ドクジェ(韓国/RAON)が決定。
那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れるも、その後は6連勝。2024年6月には塚本へのリベンジを果たした。また、2023年大晦日の『RIZIN』でMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンにパウンドでTKO勝ち。2024年11月、数島大陸を初回KOで破り、RISEスーパーフライ級王座を奪取すると、12月にはペットマイもKOして3連続KO勝ち中。戦績は12勝(5KO)2敗。
クマンドーイは2020年大晦日に『RIZIN.26』で那須川天心に判定で敗れるも思い切りのよいパンチと重いミドルキックで場内を沸かせた。過去にはロッタン・ジットムアンノンに勝利している。これまでオムノーイスタジアム認定フライ級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、True4Uスーパーフライ級王座、ラジャダムナンスタジアム認定同級王座&バンタム級王座を獲得。2023年4月の来日では福田海斗にダウンを奪われて敗れたが、「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では志朗らを破り決勝へ進出。田丸辰に敗れ優勝は逃した。直近の試合では3連勝している。
会見に出席した那須川は「凄いめちゃくちゃ強い相手で、今まで戦ってきた中で過去一強い相手。RISEがドSすぎるなっていうところもあります。天心とか志朗くんともやっているので、しっかりKOして革命を起こそうと思っています」との意気込み。
クマンドーイからは「かつて戦った天心の弟に必ず勝ちます」とのコメントが寄せられた。
対戦相手の印象を聞かれると「全てが堅そう。スネもパンチも顔も。堅そうな顔をしているなと思いました」と評した。
会見に同席した志朗は、リベンジマッチを望んでいたクマンドーイと那須川の試合が決まったことで「クマンドーイは龍心に獲られてしまったのでクマンドーイ頑張れって気持ちです(笑)」と冗談交じりに話し、この試合の予想を聞かれると「クマンドーイはサウスポー相手に弱いけれど、オーソドックスだと話が変わってくる。1Rがカギになる。1Rでクマンドーイがポイントを取ったら遠い距離で前に入らなくなるので1Rを龍心が取れば勝ちもあり得ると思う。あとクマンドーイが52kgに落として減量苦ならチャンスだし、減量苦ではなければさらにスピードがあると思うので1Rが始まってみないと分からないと思います」と予想。
これを聞いた那須川は「珍しく真面目に答えてくれて嬉しいです(笑)。自分も1Rが勝負だと思っていますし、カギだと思ってそこを攻める練習をしています」と、やはり1Rがカギになるとする。
クマンドーイと戦ったことがある兄・天心からアドバイスはあるのかと聞かれると「天心が自分より前に試合があるので、それが終わったら稽古つけてあげるよと言われたので天心の試合が終わったら練習する予定です」という。
【写真】2020年大晦日のRIZINで那須川天心と対戦したクマンドーイ キャリアを考えるとかなり厳しい相手では、と問われた伊藤隆RISE代表は「龍心だけじゃない。全選手が試練の強い相手とやって勝つのが王道、RISEです。今年から王道を貫く話をしていますが、まさに龍心vs.クマンドーイ、原口vs.ソンヒョンはそのテーマにふさわしい。だからこそリングに上がる意味がある。RISEのテーマのガチを今年も打って行きたい。龍心には天心が倒せなかった相手を倒してキックボクシングの中心に来てもらいたい」とエールを送った。
この言葉を受けて那須川は「ここはKOしないといけないし、KOを狙っていますし、ここでKO出来ればキック界の先頭に立てると思うので、KOしてRISEに革命を起こしたいと思います」と力強く宣言した。
志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。
「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝でクマンドーイに敗れ、12月にブンロンを初回KOして再起。2024年3月は田丸辰の挑戦を受けて世界王座の初防衛戦に臨んだが、偶発的なバッティングで無効試合となった。6月にクリスティアン・マンゾに判定勝ちすると9月に田丸との再戦を判定勝ちで制し、試合後にボクサーズナックルで手術を受けることを明かしていた。戦績は32勝(13KO)6敗4分1無効試合(タイの試合は除く)。
ドクジェはイ・ソンヒョン、チャンヒョン・リーと同門で2019年に初来日して鈴木真彦に初回KO負け。しかし、その後は竹内賢一、MOMOTARO、Jyosei、国崇ら日本人選手を相手に全勝(3KO)している。元MAX FC 55kg王者、元KTK -57kg王者。戦績は36勝(7KO)15敗1分。
会見に出席した志朗は「怪我に悩まされて練習もできない状態で戦っていたので、今年は万全な状態で試合できる状態になった。今のキックボクシングはボクシングキックになりつつあるので、時代を戻してキックボクシングを体現できると思うのでKOで2025年初戦を飾りたいと思います」と、パンチ主体の今のキックボクシング界に一石を投じるとコメント。
対戦相手の印象を聞かれると「身長が高い(173cm、志朗は165cm)のと、イ・ソンヒョンやチャンヒョン・リーと同じジムですが戦い方はムエタイベース。身長が高いのが武器だなと。練習相手を探すのが大変ですし、ハイキックも当てづらいと思うので、試合までに武器を増やしているのでそれを見せられると思っています。強いは強いが普通にやれば勝てる相手」と評する。
手術後は「年明けからサンドバッグを殴って最近は軽くマスを始めて。2月からはスパーを入れていく状態です」と順調な回復を見せているとし、今年については「防衛戦をしたいんですけれど、クマンドーイは龍心に獲られてしまったので、クマンドーイ頑張れって気持ちです(笑)。もう一人、リベンジしたい相手がいるので、その選手の方が現実的なのでRISEの55kgは自分だとリベンジできる年にしたいと思います」と、リベンジマッチに挑みたいとした。
志朗が近年敗れた相手は那須川天心、風音、玖村将史、クマンドーイの4名で、那須川はボクシングに転向、風音は引退したためリベンジしたい相手とは玖村であることが濃厚。
「RISEと国内も55kgが盛り上がっているところで、トップは志朗だぞってところを見せるのがテーマ。前回は見せられなかった攻撃パターンもあるので、KOは狙っていかないといけない立場なので今回も狙っていきます」とKOで2025年をスタートさせたいと語った。