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2024年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN DECADE』の第2部『RIZIN.49』で、12戦無敗のラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)と対戦し、2R TKO負けした元K-1&GLORY王者・久保優太(Re-RAISE TOKYO/BRAVE)が2日、病院での検査結果を報告。鼻骨骨折したものの、脳に異常は無かったことを報告した。また、物議を醸したセコンドのタオル投入が無かったことについて、「僕はタップしないので最後までやらせてほしい」と弟の久保賢司にバトンを託していた理由をあらためて明かした。
試合後、病院へ向かった久保は、自身のYouTubeチャンネルで、セコンドのタオル投入が無かったことについて、「僕的には最後まで試合をどうしても……打撃が入ったら逆転するチャンスが少しでもあるわけじゃないですか。それに賭けたいというか、最後の最後まで勝負を投げたくなかったということで、『僕はタップしないので最後までやらせてほしい』と最後の1分1秒まで可能性に賭けるということで、その思いで(セコンドに)お願いしました」と、事前に伝えていたことを明かした。
試合は、左の蹴りを当てて、シェイドゥラエフの組みをさばこうとした久保だが、テイクダウンプレッシャーもかけるシェイドゥラエフは右のオーバーハンドをヒット。久保の左ミドル、ヒザ蹴りを掴んだシェイデュラエフはテイクダウンに成功し、ガードのなかからのパウンド、ヒジも効かせて、1Rの時点で久保の顔面を大きく腫らさせていた。リアネイキドチョークでは、一瞬気が落ちかけている。
2Rに向かうときに笑みを見せた久保。インターバル中にセコンドのゲキと、会場からの大歓声に勇気づけられたという。
「サラちゃんの応援も聞こえたからさ『最後まで諦めんな』って言ったからさ、すごいパワーになったし、僕が(1Rと2Rの)インターバル中に会場がすごい声援をくれた。それにすごい感化された。“やってやる”と思って。頑張ったんですけど……力及ばずで申し訳ないです」と、試合を振り返った。
バトン(タオル)を託された弟は、「僕も途中で(気持ちが)揺らいで……目が死んでなかったじゃないですか。諦めないというテーマがあって、挑戦する意志が強くて、僕もあそこで決意固めて、宮田(和幸)先生の制止を振り切って、“僕はこれは絶対投げません”と言ってああいう結果になりましたけど……ずっとバトンを握りしめていて、でもジムの会長という立場だとダメな判断でした。選手を守るという意味でも、ジムの会員さんだったらもちろん(バトンを)投げてましたけど……」と逡巡があったことを吐露する。
兄は、「俺以外の選手だったら投げていたでしょう? 二人三脚でずっとやって来て、それで負けたら納得しないというのが分かっていて、1分1秒まで、ストップされるまで、自分が力尽きるまで諦めたくない、という思いを分かっていると思ったから、たぶん投げないでいてくれて、ほんとうの意味で完膚なきまでに叩きのめされたから、この試合に関しては悔いが無い」と、パウンドアウトによるTKO負けは本望だったと語った。
挑戦に悔いは無いが、試合内容には悔しさが残っているという。
「ただ、あのとき2R、蹴りに全然力が無くて、もっとパンチで打ち合い行くべきだったのかなとか、いろいろ悔しい気持ちはあるので、負けたけど負けてないというか、まだ自分は格闘家というものを諦めてないなって感じたので、負けてすぐ復活とか言える立場ではないんですけど、これからも観てくれたら嬉しいんで、応援、よろしくお願いします」と前を向いた。
【追記】検査後のSNSで久保は「脳には全く異常なく出血とか見られず。鼻の骨折だけで済みました。あとは症状として首のヘルニア、古傷が結構パウンド、ヒジをかなり受けて悪化したっていうのが今の怪我の現状。あと腰とかは 結構ずっと痛み止めとかを注射しながらごまかしごまかしやってたんで、そこが本当に今回、首と腰が破壊されたって感じだった。とどめ刺されたみたいなとこはあります。症状としては大きな怪我がなかったっていうか、まあ鼻の骨折は僕、怪我だと思ってないんで。古傷は傷めたけど、だからそういう意味では怪我なく終えられたかな」と報告している。
試合直後の会見での一問一答全文も合わせて下記に紹介したい。