堀口「自分の気持ちはUFCに挑戦したい」
2024年をフライ級王座初防衛で締めた34歳の堀口にとっては、2025年は挑戦の年になる。すでにRIZINとは単発契約になっていることを明かしている王者は、「自分は世界で一番を目指しているので、UFCに挑戦したいと思っています。まだ本当に行けるかも分かっていないしですが、自分の気持ちは挑戦したいと思っています」と、あらためて世界最高峰に挑む意向を示した。
セコンドのマイク・ブラウンは、堀口のUFC再挑戦についてYouTubeでの対談で、それに値するファイターであることを語っている。
「僕はUFCでの君の戦いを見たい。それが僕の望みだ。もっと外の世界で見たい。僕は恭司が過小評価されていると思うし、世界はいかに君が強いのかを知らない。日本人は知っているのかもしれない。だけどまだ世界の人は知らない。フライ級で負けたのは、24歳のときにDJ(2015年のUFC世界フライ級王座戦で王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦)に負けた試合だけだろう? 当時君はまだ若かった。アメリカに来たことが無かったし……君の打撃のレベルはずっと高いままだけど、グラップリングに関しては、あれからずっとレベルアップしたよね。レスリングも。あのときから1000倍は良くなっている。
君は世界で一番のファイターだ。間違いなくそう思う。特にフライ級では……UFCチャンプが(同じATTに)いるから難しい状況だけど、僕は君たち(堀口とアレッシャンドリ・パントージャ)チームメイト同士が戦うのを見たくない。君たちのレベルはとてもとても高い。でもビッグタイトルを賭けるのなら、それはよく起こりうることだ。トーナメントだったり世界タイトルマッチだったりね、そういうときだけは仕方ないと思う。僕は誰に対しても自信を持っている、恭司が世界一を獲ることに」(マイク・ブラウン)
堀口は会見で、今回がRIZIN最後の試合になる可能性について、「もしかしたらそうかもしれないですね。やっぱりファンの方も自分の挑戦をすごく後押ししてくれるので、UFCに挑戦したほうがファンの方のためになるんじゃないかと思います」と語り、「言わせましたね!」とおどけてみせた。
一方、RIZINの榊原信行CEOは、堀口の今回の試合が王座戦になった理由をズールーの実力を評価してのものだったとし、2025年夏以降に開催予定のフライ級GPで堀口には世界への存在感を示してほしいという。
「恭司は盛んに『しょっぱい試合をして』と言っていましたけど、RIZINのなかではズールーって1回しか試合をしてないので、よくファンの皆さんには実力が見えにくかったというか、彼の実力というのが分かりにくかった選手だったと思いますが、前評判から非常にレベルの高い強敵でした。それは恭司もしっかり認めて『このタイトルマッチは簡単ではないです』ということで、フライ級のタイトル防衛戦を受けたわけです。
今後の恭司の目標としては、明確にUFCということを声高に叫んでいます。ただ一足飛びに多分UFCってないと思うんですね。だからRIZINの中で圧的に──今も存在感はありますけれども、勝ちっぷりも含めて、UFCのダナ・ホワイト、ハンター(キャンベル)あたりが、『(朝倉)海に続いて恭司欲しいよね』っていうところまで、彼は2025年にRIZINのフライ級で圧倒的な強さをまた見せつける必要があると思います。
だから堀口恭司を中心にフライ級も外国勢も含めていっぱいいい選手いますんで、グランプリということも夏ぐらいから現実的に考えていきたいなという風に思っています」(榊原CEO)
果たして、堀口恭司の次なるステップは、どこに向かうか。その登攀ルートは世界最高峰に向かっていることだけはたしかだ。