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2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN DECADE』コメインのフライ級タイトルマッチで、王者・堀口恭司(ATT)が、南アフリカEFC二階級王者のエンカジムーロ・ズールーの挑戦を受け、判定3-0で勝利。あらためて今後の目標をUFCと明言するなかで、榊原CEOもそれを後押ししながらも「圧倒的な存在感を示す必要がある」と今夏開催のフライ級GPへの参加をうながした。
試合は、初回から長い左の打撃で攻めるズールーに、堀口が組み技で差を見せる展開に。開始早々に中央にリフトして運んでのテイクダウン&コントロール、そして相手をマットに磔にしてのパウンドで削っていった。
試合後、ズールーは「予想通りの展開でした。動きは予想通り」と、堀口が打撃から組んでくることを想定していたといい、「ただ予想以上に堀口選手の身体が強かったです」と、そこからのスクランブルを許さない堀口の組み力が予想外だったという。
戦前に指摘した通り、ズールーの打撃は堀口を苦しめるものだった。2Rにはクリンチ際でズールーが左アッパーを効かせるなど、左の打撃は堀口の死角から突いたもの。その後のズールーのテイクダウンに堀口が踏ん張れず尻を着いたことからも、堀口にダメージがあったことは明らかだった。
スタンドで被弾したことについて堀口は、試合後すぐにコーナーマンのマイク・ブラウンらと映像を見返して反省会を行ったという。
「試合のなかですごい課題ができた試合だなと思いましたね。なので、ちょっと気分が落ち込んでます」と、冷静に試合をとらえると、「マイク・ブラウンと映像を見て“ここダメだったね”と話しています。ズールーは思ったよりもいい選手で、打撃の反応がいいし、寝技も対応できた。すごくいい選手でした」とズールーの評価と、自身の課題を語る。
「やり辛かったというより、自分の動きがすごく悪かった。言い訳になっちゃうけど、ちょっと(マットが)滑ったりして足があまり使えなかった」と得意の出入りに躊躇があったこと、そして「“何でもらったんだろう”とか、あのパンチは見えなかったので、“何で俺がフラフラしているんだろう”とか、意識の外からもらうとフラフラしちゃうので、そこは直そうと思いました」と、ズールーの左が見えていなかったために効かされたと吐露した。
一方のズールーは、試合前から寝技のディフェンスの自信と、バックボーンの極真空手のみならず、キックボクシング、ムエタイを強化してきたことを明かしており、試合でも「何度かいい拳の交錯のやりとりはできて3回くらい効かせた」と手応えを感じていたとしたが、「攻め急ぎ過ぎた。もう少し観察してフィニュシュすべきだった」と、前ががりになったところを堀口に組まれて勝機を逃したと悔やんだ。
早くも再戦を望むズールーは、「試合後に堀口から『君、強いよ』と言われた。もしリマッチの機会があれば、ぜひ戦いたい。みんな堀口がああいう風に苦戦する姿を見ていないだろうし、5Rだったらフィニュシュできていたと思う。堀口は3Rが終わったときに肩で息をしていたから」と、逆転の芽があったとした。