自分は1回死んだ身だなと思っている
――もしロッタンがまた計量をミスれば試合にケチがついてしまうが。
「さすがにロッタン選手もこれだけ言われてて、前回もけっこう言われてメンタルに来ていたっぽいので僕は絶対に仕上げてくると思っています。ルールはルールですけれど、僕は例えオーバーしたとしても男と男の戦いには変わりないので、関係なくやろうと思います」
――以前、五味隆典が「(計量は)男と男のたったひとつの約束なので守ってほしい」と言ったことがあるが、それと同じ?
「僕はそんなことないです(笑)。人間と人間の戦いなので。ちゃんとルールは守ってほしいですけれど、例えオーバーしたとしても僕はやります。減点なしで。グローブもそのままで。だからと言ってオーバーはされたくないですけれど(笑)。僕はそういう気持ちです。何が何でもやります」
――チャトリ代表が武尊選手は大谷翔平選手と並んでと表現していたが、格闘技をやっている子供たちや、若い子たちに届けたいものや見せたいものはある?
「大谷選手は世界中の野球をやっている子供たちに夢を与えたと思うし、僕も格闘技でそういう戦いがしたいし、そういう選手になりたいと思っているので、この試合が世界中に届いてくれたら嬉しいし、最高の試合を世界中に届けたいなと思っています」
――さいたまスーパーアリーナでの試合が、2020年3月のコロナで大騒動になった時の試合以来。そういういろいろあった会場での試合で思うことは?
「僕はさいたまスーパーアリーナが好きで。今までさいたまスーパーアリーナでやった試合は全勝でほとんどKO勝ちなんです。9割くらいはKOしている会場というものあって、今回の試合がさいたまスーパーアリーナとなって“よっしゃ”って気持ちはありました。しかも(さいたまスーパーアリーナが)25周年で。いい区切りの大会になると思うので最高のKOで倒せるんじゃないかなと思います」
――タイ人を2人KOしている。
「全て相性がいいです(笑)」
――自身の試合前に、今週のONE Friday Fightsで野杁選手の試合がある。まずはそこで勝たせるようにサポートしたい?
「そうですね。明日からタイに入ってサポートしたいと思います」
――3月大会にも出られるなら一緒に出たい?
「もちろんそうですね。この試合に一緒に出て、日本の格闘技をまた一緒に盛り上げたいので。まずは、僕のteam VASILEUSが連勝が続いているので、今年の締めを正明にしっかりしてもらって3月につなげたい」
――激動の1年だったと思うが、自身を漢字一字で表現すると?
「難しいですね(笑)。“喜”でしたね。喜びを再認識した。格闘技が出来る喜びを。1月に足を骨折して負けたし、引退かなと思っていたのが試合が出来て復活して。久々に勝って、ただ純粋に嬉しかったんですね、前回の試合が。そういう喜びを感じたのが久々だったので。ONEの舞台に立ったのもそうだし、試合が決まったのもそうだし、喜びですね」
――1月の負けが武尊選手を相当大きくしてくれた?
「そうですね。あの経験はすごくいい経験になったし、言い方は悪いけれど、1回死んだ身だなと思っているので。あれで格闘家としてもファイターとしても死んだと思っています。失うものがなくて、今は毎日格闘技が楽しくて、やれること、戦えることが喜びしかないです。次の試合が楽しみでしょうがないです」