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【修斗】岡見勇信がキム・ジェヨンに5R判定勝ちで第6代修斗世界ミドル級王者に。エフェヴィガがマックスにRNCで一本勝ちで環太平洋王者に、シモンが中池を鉄槌TKO、杉野が平川下す、須藤がIFリーグフライ級優勝、たておが島村に判定勝ち

2024/11/30 18:11

プロ修斗公式戦 2024 Vol.8 速報

2024年11月30日(土)後楽園ホール
[開場]17:00[開始]18:00

▼メインイベント 第6試合 修斗世界ミドル級チャンピオン決定戦 5分5R
〇岡見勇信(日本/同級世界2位/EXFIGHT)39勝15敗 83.8kg
[判定3-0] ※48-47×3

×キム・ジェヨン(韓国/同級世界3位/NOVA MMA)27勝17敗 83.6kg
※岡見が第6代修斗世界ミドル級王者に

 修斗世界ミドル級では岡見勇信と、AFC、TFCミドル級王者のキム・ジェヨンが再戦で王座を巡り戦う。

 同王座はUFCでも活躍し、長きに渡り王者に君臨したシアー・バハドゥルダザが引退の意向を表明した為、今回の王座決定戦を行うこととなった。
 
 
 その岡見の対戦相手は因縁のキム・ジェヨン。両者は昨年12月に豊洲PITで開催された『FIGHT&MOSH』で対戦。序盤は岡見が優勢に試合を進めるも、後半キムが脅威の粘りを見せて岡見を猛追。スプリットデシジョンで辛くも岡見が勝利したが、その激闘を物語るかの様に全てを出し切った岡見は勝利のコールが叫ばれるとマットに倒れ込んでいた。
 
 
 あれから約1年、今回は世界ミドル級のタイトルを賭け両者が再び激突する。カード発表となった後楽園ホールのケージに立った岡見は「43歳、最後のチャンス。ここまで来たらやるしかない」と己を奮い立たせている。
 

 UFC、ONEと世界のトップ団体で活躍し、世界が認める岡見だが、これまでタイトルには恵まれなかった。2011年8月27日ブラジル・リオデジャネイロで開催されたUFC 134のアンデウソン・シウバ戦、2014年11月15日米国で行われたデヴィッド・ブランチとのWSOF世界ミドル級タイトルマッチとともに敗れており、まさに“無冠の帝王”。宿敵キム・ジェヨンに打ち勝ち、悲願の初戴冠を果たすことが出来るのか⁉ 岡見勇信、最後の挑戦に注目だ。



岡見「ようやくここに辿り着くことができました。着地できました。この歳(43歳)でこのタイミングでチャンピオンシップを戦えるころが幸せで光栄です。キム・ジェヨン選手とは、去年戦って強さが分かりました。リスペクトしていますし、だからこそしっかり倒して、修斗のベルトを獲る。これがチャンピオンシップはラスト、最後の挑戦です。その姿をぜひ見ていただきたいです」

ジェヨン「昨年の岡見選手との試合で、自信と不足な点も分かりました。この1年強くなったことを証明する試合になります。あと、どうしても言いたいことがあります。去年も今年も、岡見選手と試合ができて光栄です」

 1R、サウスポー構えの岡見にオーソのジェヨンは右を伸ばし左ロー。岡見は右ジャブ。ジェヨンの右ローをかわす。左ローを当てるジェヨンに右ジャブを当てる岡見。圧力をかけるジェヨンに左回りで左ミドルを打つ岡見。

 喧嘩四つの前手争いから左回りのジェヨンは左ロー。右インロー。岡見から圧力をかけて左ジャブ。ジェヨンの右がかすめるが組む岡見は右差しで押し込みも離れる。ジェヨンの入り際に右ジャブ、左ストレートを突く岡見。三日月蹴りも。

 2R、左ローで前足を突くジェヨンはワンツーの右で金網に詰める。回る岡見に右インローのジェヨン。岡見も左の蹴り。ジェヨンの入りに左ヒザ! 右ボデイを突くジェヨン。岡見もジェヨンの詰めに右ジャブ! 左は空振り。右ジャブを突く岡見。追うジェヨンは右を振るがまだ遠い。左ローを当てるジェヨン。右ミドルも。

 左ストレートで押し戻す岡見。ジェヨンは右のジャンピングミドル。ブロッキングの岡見は左の三日月蹴りを返してホーン。両者、5R戦で慎重な展開。

 3R、ワンツーで詰めて来たジェヨン。しかし岡見も右ジャブで押し戻し、ジェヨンの入りに左テンカオ! ジェヨンの詰めに初めて組んだ岡見だが、突き放すジェヨン。岡見も深追いせず左ミドル! 右ミドルのジェヨンにジャブ、左ヒザの岡見。

 互いに中央の取り合いで譲らない岡見はさらに左ミドル! 岡見のジャブの連打を被弾しながらも前に出るジェヨン。しかし中央を取る岡見はジェヨンの連打からのシングルレッグを切り、押し戻して左を打ち返す。

 4R、チャンピオンシップラウンド。中央取り左ローも、中央を取り返す岡見はワンツー。右ジャブを突き、左ストレートを伸ばす。詰めるジェヨンに左ヒザを突く岡見。ジャブを額で受けながら前に出るジェヨン。さばく岡見はノーモーションの左を突く。

 ジャブをこつこつ突く岡見は左前蹴りも。バックフィストは空振り。そこに詰めるジェヨンは右を突くが、岡見はカウンターの左ヒザを突いてジェヨンを簡単には中に入らせない。

 5R、最終回。中央を取る岡見。右ジャブを突くが、ジェヨンも被弾しながら前に。サークリングの岡見はワンツーから組みも混ぜて押し戻す。ジャブ、左ヒザを突く岡見。左ローのジェヨンにワンツーから詰めて金網に追い込む。

 追うジェヨン。岡見は常に左の蹴りを用意しながらジャブ、左。追い足を止めないジェヨンにワンツーは岡見。サークリングしながらジャブ。ホーンに岡見は笑顔を見せる。

 判定は、48-47×3の3者1P差で岡見が勝利。岡見が第6代修斗世界ミドル級王者に輝いた。岡見はジェヨンと健闘を称えあった。

 試合後、家族をケージの中に招き入れた岡見は、「息子上げてしまってすみません。苦しい戦いでした。そして練習でした。怪我が多く、自分の(いつもの組み技主体の)ファイトスタイルを貫こうと思えなかったです。その中でどうしたらいいか、勝たなきゃいけない。こういう(スタンドでの)戦いを選択しました。賛否両論あると思いますが、キム・ジェヨン選手に勝って、修斗のベルトを巻く、そのことだけが僕の使命でした。家族、練習仲間にサポートしていただきました。何だろうな……UFCでチャンピオンに挑戦して失敗して、ほかの団体でも失敗して、ほんとうに苦しい時間はいっぱいあったんですけど、この修斗のベルトを巻けてほんとうに嬉しいです! 今日の僕の精一杯の戦いでした。ありがとうございました」と語った。

 また、バックステージで岡見は、首を傷めていて組みが出来なかったこと、そのなかでムエタイで戦う作戦に切り替え、前半3Rをしっかり取る作戦だったことなどを語り、自分に打ち勝つこと、家族やEXジム、練習仲間のためにもベルトを獲りたかったと言い、「次の試合のこととかは全く考えてなかった。本当に夢みたいです。ベルトを取ることが夢でした」と語っている。

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