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2024年12月7日(日本時間8日)米国ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催される『UFC 310: Pantoja vs. Asakura』(U-NEXT配信)で、7年半ぶりにフライ級に落とし、王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル・ATT)に、挑戦する前RIZINバンタム級王者の朝倉海(日本・JTT)が11月28日、同地での減量が順調であることを報告した。
メインイベントの「UFC世界フライ級選手権試合」(5分5R)で、同級王者のパントージャに、UFCデビュー戦でいきなり挑戦する朝倉海。もっとも懸念されるのが、2017年6月以来のフライ級への減量とその動きだ。
11月17日のRIZIN名古屋大会で秋元強真らのセコンドにつき、翌日に渡米した朝倉は、自身のYouTubeを更新し、試合17日前の「チートミールデイ」を紹介。フライ級への体重調整の様子を公開した。
チートデーとは、減量中の脳を“騙して”代謝を元に戻すこと。減量中の身体は、一定の状態に維持しようとするホメオスターシスが働くとされており、いったんカロリー制限を解除し、省エネモードの身体を通常運転モードに切り替え基礎代謝を上げるもの。
日本滞在中から、トップアスリートの体調を管理するスポーツトレーナーのパウリナ氏から指示を得ていた朝倉は、現地で同氏と合流。
「ラスベガスさんの栄養士さんが朝昼晩の栄養食を作ってくれている。体重の管理もしてくれていてメッチャ美味い。体重の心配を一切しなくていいのがデカい。試合で相手を倒すことだけに集中できる」と、ストレスなく調整に集中できているという。
この日のラスベガスの日本食レストランでは、石焼牛肉や串焼き、海鮮どんぶりなどを食し、「節制は大事、ありがたみが分かる。いつでも何でも食べれる状態は当たり前じゃないっていうことを教えてくれる」と、久しぶりのご馳走に舌鼓を打った。
JTTのビリー・ビゲロウ、エリー・ケーリッシュ、通訳のタリック・マリクらとラスベガス入りしている朝倉は、もう3度目となるラスベガスでのトレーニングに「標高が高いから来たばかりのときは、思いっきりダッシュとかスプリントすると、このへん(のど)が痛くなる。焼ける感じというか。まあでもすぐ慣れる。日本でもその標高差があることが前提で練習してきたから」と、余裕の表情。
タリック氏から「最近の動きは全然違う」と評されると、「最後に試合をしたのがアーチュレッタ戦で1年くらい前で、みんなそこで記憶が止まっている。その期間にすごい練習があったから。タイにもラスベガスにも行った。そしてビリーとエリーが毎日ジムにいる環境になって、ほんとうに滅茶苦茶やっているから。普通のクラスだけじゃなく、2人とのプライベート練習も一番やっているから一番吸収している。(アーチュレッタ戦前の練習)とは全然、違う。そこも含めて楽しみだね。それが見せられるのが。UFCファンに初めて見せるのも楽しみだけど、自分を今までずっと応援してきてくれている日本人に見せるのも楽しみ。魅せるよ」と、フライ級での進化した動きに自信を見せた。
すでに試合会場であるTモバイルアリーナも視察。
「デカいし、あそこで戦うわけですよ。楽しみだな」と目を輝かせた朝倉は、現地では夜帯になるメインイベントに向け、JTTでのMMAの朝練習をラスベガスでは夜練習に変更した。
「今回、試合の時間が夜になるから、それに合わせて夜の時間に激しい練習をするようにしている。1日2回、3回ってするんだけど、メインのMMAスパーは夜8時からにしている」と、さまざまな環境を本番に向けて合わせている。
赤坂のフルケージでスパーリングし、いずれ試合するであろうラスベガスで出稽古を繰り返し、ラスベガスからコーチを勧誘、JTTというチームを作ってきた朝倉。
ファンに向けて「この試合を見てくれれば、格闘技の魅力を絶対に伝える自信があるから。1人でも多くの人に見てもらいたいし、ほんとうに歴史を変える瞬間だと思うので。友達にどんどんこの試合を教えてほしい」という
「メインイベントになったことは光栄だし、それだけUFCに期待してもらっているので、それ以上のものを見せるつもりだし、“ほかの選手とは違うんだぞ”というところを僕は試合で見せるつもりです」──決戦まであと10日、朝倉海はラスベガスを“ホーム”にして戦う。