武尊がロッタン戦について語る
2024年9月27日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE FRIDAY FIGHTS 81』のフライ級キックボクシングで、タン・ジン(ミャンマー)をKO勝利した武尊(team VASILEUS)。ONE初勝利の振り返りと共に今後の展望、そして対戦が期待される宿敵ロッタン・ジットムアンノンについての心境を語った。
自分の強さに色々な格闘技の良い部分のエッセンスを加えて
――改めて前回のタン・ジン戦を振り返るといかがですか。
「1R目は、相手が結構一発がある選手だったので、色々攻撃を警戒していました。特にローキックでその前の試合で足を怪我したので、そのイメージが強くあって、結構下に意識が行ってしまいました。最初のダウンもやはり、下に意識が行き過ぎて、パンチをもらったというのがあります。でもそこからはいつも通りの戦いに戻れた感覚で。2Rからは、倒し返さないと勝てない状況だったので、もう倒しに行くしかない感じで戦えていました。気持ちを切り替えて上手く勝てた感じです」
――そのパフォーマンを自身ではどう評価し、何点をつけますか。
「ダウンを取られているので、そんなに自分では評価はできないですが、2R以降は自分の戦いができたと思うので2R以降で言ったら70点ぐらいという感じですね」
――対戦したタン・ジン選手のパフォーマンスはいかがでしたか?試合前と試合後で印象は変わりましたか。
「一撃が強い選手というイメージがありましたので、実際に試合の時にもらってしまい、思っていた以上にパンチ力はあったかなと感じました。オープンフィンガーだから倒せてきたパンチなのかなって思っていましたが、グローブでもしっかり効くパンチを打ってきたし、パンチを受けても一発一発が重かったので、これからドンドン成長する選手だと言う風に思っています」
――ルンピニースタジアムの雰囲気はいかがでしたか。
「お客さんの熱がすごい伝わる会場だし歓声も凄くて、戦っていて気持ちがいい会場だなっていう風に思いました」
「そうですね。新鮮だし、お客さんの盛り上がり方も日本と全然違う盛り上がり方をしていました。選手は戦い甲斐がある会場だと思いますね」
――最近の練習状況を教えてください。所属するteam VASILEUSは全員好調だと思いますが、メンバーとどの様な練習を行なっていますか。
「練習内容はそんなに今までと変わらないですが、今ジムを新しく作って、皆で一緒に練習できることが結構多くなって、他の選手の技術を盗んだりとか、教え合ったりみたいな事は前よりは増えたと思います」
――その中で現在、技術面やメンタル面などの新しい発見や手応えがあれば教えてください。
「自分がこれまでやってきた戦い方とか、練習方法とか、そういうものを信じてずっとやってきて、それで勝ち続けてきたので、それを続けて来たのはあるのですが、前々回のスーパーレック戦で負けてその事で色々考えさせられることがありました。怪我もありましたし、試合前も本当にオーバーワークで動けなくなったりとか体調を崩したり色々とありました。今まではそれでも勝ってきたので、変えてこなかったのですが、前回の負けで『これじゃダメなんだな』っていうのが分かって。今回の試合はいつもと違う調整方法にしたりしました。ちょっとずつですが、自分に合うやり方が作れてきたのかなと思っています」
――今後ですが、海外トレーニングなども予定していますか。
「そうですね。次の試合が決まったら、また合宿に入ろうと思っています。最近はラドウィックさんのジムではなくてLAのジムで練習しています。アメリカのムエタイジムなので、MMAの選手やボクシングの選手も来るし、もちろんムエタイファイターもいて、様々なジャンルの良いところを掻い摘んでやれる。タイに行くと本当にムエタイの練習ばっかりになるし、それこそムエタイ選手を相手にムエタイの練習をしても経験値が違うし、同じ戦いをして勝てる相手ではないと思う。自分の強さに色々な格闘技の良い部分のエッセンスを加えて自分のスタイルを作り上げていくのがここ数年の自分のやり方で、行っているジムはそういうことができる場所です」