キックボクシング
レポート

【NJKF】108戦目でまさかの初体重オーバー…不調の国崇が合計4度のダウンを奪われTKO負け、MARIが3階級制覇

2024/11/04 15:11
NJKF拳之会主催興行「NJKF 2024 west 5th」2024年10月27日(日)岡山・マービーふれあいセンター ▼WメインイベントII 日韓国際戦 58kg契約 3分5R ※ヒジあり×国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)TKO 4R 2分15秒 ※レフェリーストップ〇ユン・ドクジェ(RAON/韓国/元KTK57kg級王者)※国崇は計量オーバーにより減点2、グローブハンデ  今回、大トリに組まれたのは、4月の復帰戦でKO勝利した国崇の国際戦。当初予定されていた対戦相手クァク・リョンピョの負傷により、RAONジムのユン・ドクジェとの対戦となった。ユンはこれまでにKTK57kg級、MAX FC55kg級のタイトルを獲得しており、昨年9月のNJKF大阪大会でJyoseiをハイキックでKOしている他、韓国では竹内賢一、MOMOTAROに勝利している強豪。2019年にはRISEにも参戦し、鈴木真彦と対戦している。セコンドには同門のチャンヒョン・リーがついた。  連勝が期待された国崇だったが、前日計量で760グラムオーバーとなり、計量をパスできず。競技の結果、2点減点及びグローブハンデのペナルティーが科された上での試合決行となった。国崇は2000年のデビューから108戦目で初の体重オーバー。拳之会の小川春彦会長によると、「アマチュアも合わせて200戦以上の中でも初めて」という。  その会長の「倒すしかないからな!」という声を背に試合に臨んだ国崇だったが、1R、右オーバーハンドと左フックで2つのダウンを食らい絶体絶命に。ローやカーフ、ボディストレートを中心に攻めてくるユンを相手に、やはり本調子でない様子が感じられる。  勝負は時間の問題かとも思われたが、2Rに入ると国崇はローを中心に攻め、得意の左ボディも繰り出す。ユンはボディストレート、ハイキックなどを出し、ややローを嫌がる場面も。  3Rもユンの攻めに対し、国崇はローから左ボディをヒット、ヒジを見せる場面も。3Rまでの判定は30-25、29-25、30-24でユン。  客席からは国崇の逆転勝利を願う声援が飛び交う中、4Rにはローからさらに左ボディを繰り出す国崇だが、ユンはその左ボディに右ヒジを合わせ、またダウンを奪う。さらに右ボディで国崇がうずくまると、レフェリーは試合をストップ。ユンのTKO勝ちとなった。  勝ったユンは、国崇の体重オーバーにも「選手としてはやってはいけないことですけど、あり得ることですし、自分もレジェンドの国崇選手と戦いたかったですし、日本で試合がしたかったので、試合を受けました」とのこと。試合については「レジェンドを相手に緊張しましたが、怯えることなく練習通りに技を出せました。同じRAONジムのイ・ソンヒョン選手やチャンヒョン・リー選手が12月にRISEの大きな大会に出るので、自分もそういう大会に出たいですし、これからも日本で戦いたいです」と語った。  国崇は4月の佐藤亮戦で拳を負傷し、練習できない期間に通常体重が増えたことがオーバーの要因で、そのための調整不足もあったという。2025年の拳之会主催興行はすでに4月20日の岡山コンベンションセンター、10月16日のマービーふれあいセンター大会が発表されているが、ここまで地元興行を引っ張ってきた国崇がどう再起を図るかにも注目される。 [nextpage] ▼WメインイベントI NJKFミネルヴァ ライトフライ級王座決定戦 3分3R×美斬帝(テツジム/同級1位)判定0-3 ※29-30×2、28-30○MARI(ナックルズGYM/同級2位)※MARIが新王座に就く。  Wメインイベント第1試合はNJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座決定戦で、過去にミネルヴァのアトム級、ピン級王座を獲得している同級2位のMARIが3階級制覇を目指して、同級1位の美斬帝と激突。MARIはこれが約1年ぶりの復帰戦でいきなりの大勝負となったが、これまで幾度も挑戦しつついまだベルトを巻けていない美斬帝も初戴冠に意欲を燃やしているだけに、両者には多くの声援が集まった。  1R、序盤から前に出てカーフやパンチを出してくる美斬帝に、MARIはパンチで応戦、組んでのヒザも繰り出す。その中で美斬帝も距離を取るとパンチを返していく。  2Rになると打ち合いの場面が増え、美斬帝のパンチがヒットする場面も。だが全体には上段前蹴りなども交えて攻めるMARIが優勢で、2R終了時の判定は3者とも20-19でMARIを支持。  3Rにはさらに打ち合い中心の展開となり、美斬帝も最後まで攻めの姿勢を見せたが、判定は30-29が2人、30-28が1人の3-0でMARIに。MARIが復帰戦で勝利し、3階級制覇を成し遂げた。  ベルトを巻いたMARIはマイクを持つと「ケガして1年ぶりの復帰戦で、しかもタイトルマッチになって不安な部分もけっこう大きかったんですけど、皆さんの応援のおかげで獲ることができました。3階級制覇することができて、同じベルトなんですけど、一番重さを感じます。打ち合いの中でも『絶対負けない』という気持ちで戦いました」とコメント。  さらに試合後には「久々の復帰戦で、力が入って疲れました。打ち合いの中では、自分の方が若干当てているかなという実感はありました。今後は、3階級制覇に実力が伴うようにしたいのと、まだ世界タイトルに挑戦したことがないので、そのチャンスを掴めるように頑張っていきたいです」と、早くも次の目標を掲げていた。 [nextpage] ▼セミファイナル 日泰国際戦 57kg契約 3分5R ※ヒジあり〇ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ/ウォーワンチャイプロモーション/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位)TKO 1R 1分32秒 ※ヒジ打ちによるカット→レフェリーストップ×庄司理玖斗(NJKF拳之会/NJKFスーパーバンタム級6位)  セミファイナルには拳之会のホープ、庄司理玖斗が登場。4月大会では初の国際戦で中国人ファイターに勝利し、「国崇越え」を掲げている庄司だが、今回は元ラジャダムナン・ランカーのダウサヤーム・ウォーワンチャイとヒジあり5回戦で激突。  初のタイ人との対戦に意気込んだが、開始早々からパンチを振るってくるダウサヤームにヒジを食らうと、おびただしく出血し、ドクターチェックを経てレフェリーがストップ。庄司はムエタイの壁の前に地元で初の敗北を喫する結果となった。  今大会では第4試合に出場した三宅美優を含め、拳之会から出場した3選手が全員KO負けという、23回目の同ジム主催興行の歴史の中でも初の事態となった。来年4月と10月の主催興行も含め、彼らの再起が期待される。 写真&レポート:高崎計三 [nextpage] ▼第8試合 交流戦 バンタム級 3分5R ※ヒジあり×則武知宏(テツジム/NKBフライ級1級)TKO 3R 2分33秒 ※ヒジ打ち〇山川敏弘(NJKF京都野口ジム) ▼第7試合 交流戦 62kg契約 3分3R〇平尾一真(Blaze)TKO 3R 2分10秒 ※頭部へのヒザ蹴り×平田大輔(平田道場)※平田は2Rにも2ダウン ▼第6試合 交流戦 72kg契約 3分3R〇本野有哉(照道会)TKO 2R 2分54秒 ※パンチ連打×磯村真言(グラップリングシュートボクサーズ) ▼第5試合 交流戦 スーパーバンタム級 3分3R×大村絆人(魂心舘)判定0-3 ※28-30、28-29、27-30○丹孔志狼(NJKF心将塾) ▼第4試合 NJKFミネルヴァ スーパーフライ級 2分3R〇上野hippo宣子 (ナックルズGYM/同級2位)TKO 3R 2分6秒 ※パンチ連打×三宅美優(NJKF拳之会) ▼第3試合 NJKFミネルヴァ ライトフライ級 2分3R○珠璃(闘神塾/NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級5位)判定3-0 ※30-29、30-28、29-28×MEGUMI☆KICK SPARK(KICK-SPARK) ▼第2試合 交流戦 60kg契約 3分3R○崇斗 (HAKUBI GYM)判定3-0 ※30-29、30-28、29-29×中川滉基(一神會館) ▼第1試合 NJKFミネルヴァ 59kg契約 2分3R○RIKI(VERSUS)判定3-0 ※30-28、30-27、30-26×日立(NJKF GRABS KICKBOXING)※日立は計量オーバーにより減点2 〈オープニングファイトNEXT☆LEVEL〉 ▼第2試合 一般 62kg 1分30秒3R〇宮地龍我(OU-BU GYM)TKO 2R 0分18秒 ※右フック×赤城 卓(FORCE GYM) ▼第1試合 ジュニア 55kg 1分30秒3R×梶原一晃(BOSS GYM)TKO 2R 1分15秒 ※ヒザ蹴りによる2ダウン〇村上剣心(闘神塾)
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