元GLORY世界王者のキリアをも寄せ付けなかった海人 撮影/安村発
SHOOT BOXING 2024 act.5
2024年10月13日(日)東京・後楽園ホール
※U-NEXT配信
▼メインイベント(第10試合)71.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
〇海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)
判定3-0 ※30-28×2、30-29
×ダビッド・キリア(ジョージア/初代GLORYライト級王者/Kunlun Fight-70kg World Maxトーナメント優勝)
SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王座、RISEミドル級王座を奪取した。2022年6月の『THE MATCH 2022』では野杁正明をも破っている。
驚異の18連勝をマークしていたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。その後は連勝で再び勢いに乗ったが、2024年2月に元ONE世界王者ペットモラコットに惜敗。4月のダイレクトリマッチでリベンジを果たした。ベスタティへのリベンジ&GLORY世界王座奪取を目標に掲げ、6月には元GLORY世界ライト級9位アルマン・ハンバリアンを2RでTKO、8月に元GLORY世界ライト級6位ラゴミール・ペトロフをKOで撃破。戦績は57勝(26KO)7敗1無効試合。
キリアは芦原空手出身のファイターで、GLORYには旗揚げ当初から参戦。2014年にはアンディ・リスティにKO勝ちして初代GLORYライト級王者に。2019年には中国の「Kunlun Fight-70kg World Maxトーナメント」で優勝、2021年からは『ONE Championship』に参戦し、GLORYライト級1位のエリンコ・ケールに1R TKO勝利。そして、ONEではジョルジオ・ペトロシアン、シッティチャイ・シッソンピーノン、タワンチャイ・PK・センチャイ、また中国ではスーパーボンと対戦して鎬を削ってきた紛れもなく世界トップレベルの実力者といえる。
2022年11月にフランスの大会『Nuit Des Champions』に出場すると-72kg王座をTKOで獲得。2023年8月の試合を最後にONEから離れると、その後は中国の『武林風』イタリアの『Oktagon』と世界を股にかけて活躍している。36歳。戦績は40勝(18KO)22敗1分。
1R、キリアはジャブ、オーソドックスに構える海人もジャブを返し、キリアは前蹴りから突進してボディを打つ。ガードが堅いキリアはジャブから速い右ストレート。自分のパンチを当てて密着してしまい、海人に攻撃を返させないキリアであったが、海人は密着してきたところに右ヒザをアゴに突き上げ、下がるキリアにヒザで追撃。
海人がジャブから右ロー、前蹴り。キリアがプッシュしてくると左ボディ。キリアも右フックを返す。キリアの左フックには海人が左ボディを合わせる。キリアが顔面前蹴りをヒットさせると、海人も負けじとカーフキックの3連打から右ストレート。海人が左三日月からの右ストレートでキリアを下がらせたところで1R終了。
2R、ガードを固めて前に出てくるキリアに海人はジャブと左三日月。さらにヒザを突き上げていく。右カーフを蹴られると前に出て左フックを打ってくるキリア。接近戦になると海人はヒザを突き上げる。左三日月から左ボディ、右カーフ。海人のスピードある攻撃にキリアはクリンチが多い。海人の攻撃をもらっても前に出て来て左ボディを打つキリアに、海人は再び右ヒザを突き上げる。
3R、ジャブから左右のヒザを突き上げる海人は右カーフも蹴る。キリアはジャブ連打から右ストレート。組んでくるキリアに左ボディとヒザ。キリアも強烈な右フックで海人をガードの上からでもグラつかせる。さらに顔面前蹴り。海人は右ストレートで反撃。キリアの右フックがガードの上から強烈に決まる。下がる海人だがジャブから左の三日月三連発でキリアを下がらせて飛びヒザ蹴り。前に出るキリアに左ボディ、キリアはクリンチ。
タフでクリンチが多かったキリアを倒すことは出来なかったが、攻撃が目立った海人が判定で元GLORY王者を破った。
海人はマイクを持つと「今日は絶対に倒してマイクもって皆さんにお会いしようと思っていたんですけれど、判定で勝っちゃって今は反省しています。でも元GLORYの王者に勝ったので次はもうベスタティだけかなと思っています。ベスタティ選手とやる時は皆さんの力が必要やし、今はまだまだなのでもっともっと強くなってリングに戻ってきます」と、次はGLORY世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティとのリベンジ戦を実現させたいとアピールした。