アンディ・サワーが注目の一戦を占った(C)SHOOTBOXING
2024年10月13日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.5』(U-NEXT配信)のメインイベントで、SB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)と初代GLORYライト級王者ダビッド・キリア(ジョージア)が対戦する。
この一戦を初代SB世界スーパーウェルター級王者、S-cup2002・2004・2008・2012優勝、K-1 WORLD MAX2005・2007世界王者のアンディ・サワー(オランダ)が占った。
海人はコンプリートファイターに近づいている
――サワー選手、お久しぶりです。今回、海人選手と初代GLORYライト級王者のダビッド・キリアの試合が決まったということで、ぜひサワー選手にお話を聞きたいと思って連絡しました。
「(日本語で)ヨロシクオネガイシマス!」
――早速ですがサワー選手は海人VSキリアはどんな試合になると予想していますか?
「今の海人は精神的にもテクニック的にも非常に充実している。しかも海人は年齢も若いし、勝利に向けたハングリーな気持ちを持ち続けている。本当に今、とてもいい状態にいると思う。一方のキリアも空手魂を持っていて、とても強いローキックと頑丈な身体を持っている。年齢・キャリア的にはベテランだけど、自分自身、キリアのことはリスペクトしているんだ。ただ、今の勢いや仕上がりを見ていると、海人の方に少し分があると思うよ」
――サワー選手から見て、最近の海人選手はどういった部分が成長していると思いますか?
「最近の海人の試合を見ていると、彼はどんどんコンプリートファイターに近づいていると思う。まず海人の強みは相手の攻撃を被弾しないところ、そして相手がディフェンスに徹していても攻撃を当てるスキルが上がっているところだ。特に彼のボディムーブメント・動きは非常に研ぎ澄まされてきていると思う。海人自身、昔と比べるとアグレッシブさが増していて技術も上がり、技の引き出しもかなり増えている印象がある。色々な相手と試合をして経験を積んでいるし、去年ティジャニ・ベスタティに負けたことも彼にとって大きな経験になったのではないかと思う。
色んなタイプの相手と戦い、その相手にアダプトすることで、新たな戦術も広がっていくんだ。こうした経験は海人をさらに強くすることになるし、元GLORY王者のキリアと戦うことで、さらに海人の能力が引き上げられると思う。シュートボクシングも海人にどんどん経験を積ませているので、そういったところで彼の成長を感じているよ。
もし海人に課題があるとすればパワーの部分だね。海人はスピードがあるから、パワー不足をスピードで補うことが出来る。だから今でも十分強い選手と戦えている。ただし海人がよりコンプリートになるためには、今のボディムーブメントの中にいかにパワーを取り込んで、それを出力できるようになるか。そこが重要になってくるだろうね」
――逆にサワー選手から見たキリアの強さはどこですか?
「キリアは昔からずっと変わらず自分のスタイルを貫いている。技術的には至近距離での攻撃、自分の間合い・制空圏に入ったときの戦いがとても強い。特に彼のベースにある空手式の蹴り技は強くて多彩だ」
――最近のキリアはONE Championshipでタワンチャイ、シッティチャイ、ジョルジオ・ペトロシアンには敗れていますが、エンリコ・ケールにKO勝ちしています。サワー選手から見て、現在のキリアは世界トップレベルの選手と言ってもいい選手でしょうか?
「時代が変わればトップ選手の顔ぶれも変わる。海人をはじめニュージェネレーションがどんどん台頭してきているので、そういう意味ではキリアはオールドジェネレーションに入るのかもしれない。でもオールドジェネレーションにはニュージェネレーションにはない経験がある。キリアは経験豊富なウォーリアーであり、その強さが変わることはないよ」