僕から海人に伝えられることはたくさんある
【写真】8月は元GLORYライト級6位を2RでKOした海人
――キリアは顔面への攻撃で倒れたことがない非常にタフな選手です。ずばり海人選手はKO勝ちできると思いますか?
「それは難しい質問だね。海人は距離のマネジメントが非常に上手いので、キリアの間合いに入らず、自分の距離を保ちながらカーフキックを交えたコンビネーションで戦うことが必要だ。そのなかで海人自身もカーフキックで崩しきる、顔面にヒザを突き刺す…色んなKOのパターンをイメージしているだろう。
ただしキリア相手にそれが出来るかは実際にやってみるまでは分からない。さっきも話したようにキリアはとてもタフで経験も豊富だ。自分が試合中に何をすべきかを熟知している。一瞬でも海人が弱みや隙を見せれば、確実に突いてくるだろう。ただ自分は海人と同じシュートボクサーとして、海人の勝利を期待している」
――また海人選手はGLORY王者という目標に向けて試合を続けています。海人選手はGLORY王者になる素質・可能性があると思いますか?
「その可能性は十分にあると思う。海人にとってGLORYのベルトを獲るために必要なことは、色んな相手と戦ってスキルと経験値を上げていくことだ。実際に海人はGLORYの元王者やランカーと戦うことで、どんどん自分の能力を上げている。シュートボクシングがそういった相手を用意し、定期的に試合を組んでいることは、海人の成長に大きく影響していると思う。ほかに自分からアドバイスすることがあれば、海人は試合で経験を積むだけでなく、世界中を回って色々なコーチから技術や戦術を学ぶことも必要だと思う。きっと海人も同じことを思っていると思うよ」
――確かに海人選手は今年2月にペットモラコット・ペッティンディーアカデミーに敗れたあと、タイでスーパーボン・シンハ・マウインのもとで練習をして見違えるように成長し、ペットモラコットにリベンジしていました。
「まさにそういうことだよ。これからも海人は強い相手と戦い、そこで勝つための練習を続け、一歩一歩着実に自分自身を高めていくことがベルトにつながると思っている」
――ちなみに海人選手がサワー選手と一緒に練習したいと言ったら、それは大歓迎ですか?
「もちろん! いつでもウェルカムだよ。さっきも話したように今の海人は色んなトレーナーの指導を受けることも必要な時期だと思う。もし海人が僕と練習したいと言うなら、それには喜んで応じたい。僕から海人に伝えられることはたくさんあるし、間違いなく強くなるきっかけを掴んでくれると思う。僕と海人はシュートボクシングのファミリーだ。僕の家を自分の家だと思って、いつでも練習に来てくれて構わないよ」
――さてサワー選手の近況についても聞かせてください。2021年10月のマラット・グレゴリアン戦を最後に試合から遠ざかっていますが、もう試合をする予定はないのでしょうか?
「今は自分でジムを運営していて、その支部が世界中にある。そこでの指導であったり、各支部の管理など多くの業務に携わっている。また格闘技とは別で、精神疾患を抱えた人たちに向けたメンタルプログラム・コンサルティングをするグループのサポートもやっているんだ。そういった活動を続けているので、なかなか自分の試合のためにトレーニングや準備する時間を避くことが難しい、というのが現状だね。
もちろんこの数年の間に試合のオファーはあったんだけど実現はしなかった、ということだね。ただ2025年はシュートボクシングが創立40周年を迎えるということで、その時にはまた日本に行きたいと思っているし、日本のファンに会える日が来ることを待ち遠しく思っているよ!」