ブアカーオとのボクシング対決に燃える皇治
2024年10月19日(土)神奈川・横浜BUNTAIにて開催の『能登半島地震チャリティ・イベント『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』の対戦カード発表会見が8日(火)都内で行われた。
「ボクシング特別ルール」(3分3R・判定無し)として、70kg契約で、ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)と皇治(日本/TEAM ONE)が対戦することが発表された。両者はケージで戦う。
会見に出席した大会実行委員の谷川貞治・巌流島プロデューサーは「とにかく出てくれ、凄く一緒に仕事したいなと思った選手。僕は芸歴40年ですが、こんな選手は見たことないくらい男芸者というか、スポンサーもめちゃくちゃつけているし、チケットもめちゃくちゃ売る。RIZINの榊原さんとこの選手とたまに飲みに行ったりするんですけれど、お姉ちゃんにもめちゃくちゃモテて、本当にモテるんだなって。今までモテる人は魔裟斗ってやつがいたけれど、どちらかというと矢沢心一本みたいな感じでしたけれど、この選手は凄いモテる。最初は嫌がっていたけれど何回もRIZIN事務所で口説いたら来ていただけました」と、皇治を紹介。
その対戦相手に決まったブアカーオについては「ブアカーオも私が魔裟斗のライバルになるタイ人はいないのかと思って探していたら、ムエタイらしいミドルキックをバンバン蹴るので、こいつはいいやって思って。派手な戦いをするので選んだらMAXで2回王者になって、魔裟斗やクラウスやサワーと激闘を繰り広げてタイでも一番稼ぐ選手になって、いまだ現役で強いという。皇治選手を口説く上で芦澤選手との試合が終わった後、調整も出来ていない、ヒザを痛めているとのことで無理だと言っていたんですが、ブアカーオにそれを言ったらじゃあボクシングルールでやろうと言ってくれて。皇治選手もブアカーオの漢気に漢気を見せてくれてやろうと。ついこの間、決心してくれた試合です」と説明した。
ブアカーオからのビデオメッセージも上映され、「私は今まで世界中で戦ってきたので各国に多くのプロモーターがいます。再び多くのビッグイベントに招待してもらえてとても感謝しています。私が国際的なキャリアを始めた頃、大きなイベントを開催していたのは日本だけでした。当時K-1は唯一無二の存在でした。日本は間違いなく世界一のプロモーターでした。私の階級K-1 WORLD MAXでは世界で最も強いファイターたちが集まっていました。ですが今では状況が大きく変わった。多くのことが変わってしまった。
私の国際的なキャリアの始まりは日本でした。日本の格闘技イベントが私というファイターを作り上げたと信じています。もし私が日本の格闘技の価値を再び世界に伝える手助けができるなら喜んで協力したいと思います。今回は皇治選手とのボクシングマッチが予定されています。ムエタイであれK-1であれ、どんなルールでも私は戦う準備ができています。どんな条件でも誰とでも戦います。それが日本で学んだファイティングスピリットです。日本で皆さんに会えるのを本当に楽しみにしています。またお会いしましょう」とアツく語った。
会見に出席した皇治は「ブアカーオがおったら盛り上げようと思ったけれど来てないんですか。いまだに強いし、RIZINでステロイダーの卑怯なヤツを倒すのも見たし。でも心は鍛えられるものじゃないので不屈の心、日本の魂を全国のみんなに見てもらえればいいなと。俺は倒しに行くし、ボクシングは好きなのでしっかり殴り合おうと思っています」と意気込み。
ブアカーオについては「子供の頃はアンパンマンみたいな存在でしたね。でも今は金の亡者。それが顔に出ている、金が好きなんだろうと思っている。俺も金が好きだから好きだと言ってるけれど、彼は隠してるでしょう。タイ人がごっつい嫌いだと言っていました。タイの英雄とか言われているけれど、タイでタクシーの運ちゃんに聞いたら大嫌いだと言っていました。アンパンマンからバイキンマンになったようなものです。強いな、凄いなと思うし、ステロイド使ってヤツも倒すとか、カッコいなと思っている」と、昔はヒーローだったが今は違うと言い放つ。
70kg契約については「芦澤くんに負けて、寝技をあれだけ練習したの1個もせんと、めちゃめちゃ拗ねてたんですよ。メイウェザーも瑠輝也に行くし、ふて寝していました。でもこのお話をいただいて、自分は戦いたい相手にはリスペクトしているので体重は関係ないですよ。マルコメも重いし、僕は体重にはこだわっていません」と言い、ケージでの試合についても「ケージはHEATでやっていたので違和感ないと思います。ケージに電流が流れるようにしてください」と問題なし。
谷川Pにはどんな印象を持っているかと問われると「僕はずっとK-1を見ていたので、魔裟斗さんがカッコいいなと思っていてバンナが好きで。この前のK-1にもバンナだけ観に行ったくらい好きでした。それくらい憧れていて。K-1は館長と谷川さんが作ったと思うので、カッコいい昭和の男って好きだなと思っていました。僕と仕事がしたいって昔から言ってくれていてこのタイミングで声をかけられてさすがだと思いましたね。魔裟斗さんを口説いていた人が口説いてくれるのは嬉しかったですよ。RIZINの紹介だったんですが、これが他団体なら出てなかった。憧れのプロモーターでしたよ」と、好きだったK-1のプロデューサーだった谷川Pから声を掛けられたのは嬉しかったという。
実際7月の芦澤戦後は「めちゃくちゃ遊んでましたよ。拗ねてたもん。寝技をやってきたのに何も寝技せんとあんな顔になって。格闘技をやめたいもやりたくないもなくてフラットな状態で、もういいかなっていうのもあったのでゆっくりしていました。ずっと海で遊んでいましたね」と、練習はほとんどしていなかったとする。
しかし、「感謝しているんですよ。芦澤戦で負けて海で遊んで。船を買うたんですね。それで海の上で、これも格闘技のおかげやなって思って。僕を必要としてくれているところがあるならちょっとでも盛り上げて、勝った姿で終わりたいのがあるので、中途半端なところを見せたくない」と、現役を続行することを決めたという。
K-1に出場したジェロム・レ・バンナからも刺激を受けたとする。「バンナが試合をしたじゃないですか。賛否両論あって、あんな姿を見たくなかったというのも分かる。でも、戦ったからこそ恥をかける。俺はカッコいいなと思いましたね」
今回はボクシングルールになったが、EXPOで他の競技にも挑戦したい気持ちはあるかと聞かれると「ないです。谷川さんは面白いのでね。僕も面白いことをやりたいのでいろいろ提案を出してもらって。出来るだけ応えたいと思うし、若い子に何かつなげられるようにしたい。ダサいことして勝つよりも、カッコいいことして負ける方がカッコいいと思う。カッコいいことして勝つのが一番カッコいいですけれどね」と、今後も谷川Pから面白い提案があれば応えたいとした。
そしてブアカーオ戦について「俺の心が折れることはないので心を折りに行く。向こうはガリガリのおっさんが来ると思ってナメていると思う。バチバチ打ち合うし、大したテクニックもないのでほんま殴り合いますよ。僕が倒れるか立っていられるかをみんな見てると思いますが、倒すか倒されるかですね。思い切りパワフルに戦うところを見せたい。僕は意外に、体重重い時がええ試合が出来るんですよね。バリバリやります。楽しみにしていてください。バダ・ハリ戦につなげるので見ていてください」と、激闘を予告した。
最後には、今大会が能登半島地震チャリティ・イベントとして行われることで「谷川さんがようけお小遣いをくれるそうなので俺もファイトマネーの一部を寄付したい。いろいろあると思いますが日本を盛り上げていきましょう」と、自分も寄付すると語った。