(C)GONG KAKUTOGI/RIZIN FF
2024年9月29日(日)『RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)が行われた。
第11試合のメインイベントでは「RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ」として、王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)と、挑戦者ルイス・グスタボ(EVOLUCAO THAI)が対戦。1R 0分21秒、サトシが右のショートから左フックでダウンを奪い、鉄槌でTKO勝ち。RIZINライト級3度目の王座防衛に成功した。
試合後、サトシは事前に予告していた打撃戦でのサプライズについて、さまざまなコンビネーションを用意していたこと。フィニッシュは、相手セコンドの声も聞きながら先に仕掛けたことなどを明かした。
また、4連勝で悲願の王座挑戦にこぎつけたグスタボは、試合後会見でフーディで頭を塞ぎ「より強くなって戻ってくるだけ」と声を絞り出した。
サトシ「35歳陥落説にプレッシャーはあった」
──試合後の率直な感想をお聞かせください。
「本当に嬉しい、本当に良かった。この試合すごいプレッシャーだったから、すぐ勝つことができて本当に嬉しいです」
──とても早いKOでしたが、ここぞというタイミングがあったのでしょうか。
「試合前に色々プランニング考えるけど試合(を実際にするなか)でたまに(プランは)変わる。今回は彼が絶対に一生懸命、来るから。ただ(グスタボのセコンドのアンドレ)ジダのアドバイスが聞こえて、彼はすぐに来ないから、私が行かないと良くない(と思った)。でもキックでフェイントして、彼がちょっと手を下げるから、ちょと蹴るとパンチできる。
でも、蹴って(右のショートの)パンチ打って、そんなに当たらないと思ったけど、彼がちょっと(体勢を)落としてたから、そのあとに、ああ、じゃあもう続けてできるからと、そのあとにもう1回(左)ストレートパンチ打って、彼を倒して。ストレートパンチを打ったあとに彼のサイドポジションに行ったら彼の目がちょっといないみたいだ(目が飛んでいたようだった)から、(でも)レフェリーがまだ止めないから、ちょっともう1回だけパンチ打って、そのあとレフェリーが(止めに)入りました」
──相手のセコンドの声がポルトガル語で聞こえたから、動きを切り替えた、ということですね。
「そうですね。ポルトガル語だからちょっと(日本語で)言うのが難しいけど、ジダが(グスタボに)言っていたのは、ちょっと彼の動きやってみて(サトシの動きを見て)、『最初はまだ行かなくてもいいすぐ入らない、まだ時間があるからゆっくりと』と。彼は私の動きが見たいというう感じだったから、私の考えは“じゃあ(彼が来ないのなら自分は)すぐ投げには行けないだろうから、(自分から)打撃を使わないといけないな”だったですね」
──実際に戦ったグスタボ選手の印象は?
「試合の前はすごいプレッシャーがあった、彼の目が強いから。彼の気持ちも知ってるから。RIZINの中で6年よく頑張って、よく武田(光司)、堀江(圭功)といい試合しているから、もちろんすごい強い選手だけど、私の今日のプランがすぐに出来ましたから、ちょっともう(どういう選手だったかは)分からないね。(相手の攻撃が)何も当たらなかったから。でももう知ってるね、もちろん強い選手です」
──思い切りのいいミドルキックを打ちました。ミドルはキャッチされることが多いですが、蹴って掴まれても「クレベルvs.アーチュレッタ」みたいにグラウンドに持っていけると考えましたか。
「そうですね。彼は多分グラウンド行けないけど、私とクレベルがよく言うのは、みんな癖がある。アーチュレッタは多分クレベルと、グラウンドやりたくないけど、彼はレスリング選手だから、彼はグラウンドのチャンスがあれば行く。私の気持ちは、グスタボは絶対グラウンド行きたくないけど、彼は打撃の選手だから絶対に何か打つから、手で足を抱えるとか、手を上げるとか。だから私は最初にちょっとフェイントして、彼の手が(テイクダウンディフェンスで)ちょっと下がる。じゃあこのタイミング、私は軽くミドルを蹴って、そのタイミングからフックを打つ、このコンビネーションを私は考えたですね」
──試合後に鈴木博昭先生とハグしていましたけれど、キャッチされても打つ、というコンビネーションもやってきたということですか。
「もちろん。いろんなコンビネーションやってるから。このコンビネーションは試合の時にちょっと考えた。怪物君が教え(てくれ)るポイントは“自信”。いつも練習の時のアドバイスで、自信を上げてる。打撃の練習する時、よく私にやられるから、怪物君がやられるから、この人(グスタボ)には私はやられないなって思って」
──鈴木選手に通用するなら、グスタボ選手にも打撃で負けないと。さて、3度目のベルト防衛に成功しました。今後の目標を教えてください。
「もちろん嬉しいね。ベルトを獲る時よく言ってました。『絶対に日本にベルトをそのまま残すから』と。もう1回その約束ができましたから、もちろん嬉しい。3回防衛して。選手がよく言うのは、『チャンピオンはベルトを獲るときだけじゃなくてディフェンスした時から、みんな魅せられる(認められる)。あなたは本当のチャンピオンだ』って。3回できましたね。だから、今たぶん問題ないな、私は本当に(真の)RIZINライト級王者です」
──35歳になってタイトルマッチの練習や厳しい試合を自分がやり切れるか、不安もありましたか。
「今はそのプレッシャーがあって、いろんな世界のイベントをよく見ているけど、みんな(王者が)33歳とか35歳で若い選手に負けてベルト無くなるんですよね。今年と去年もたくさんの35歳以上の人がベルト無くなったから、この試合はもちろんちょっとそれを頭で考えました。私35歳、彼まだ29歳。“ああ、できるかなプレッシャーだな”と。彼のモチベーションも私の頭に入ってるけど、私もまだまだできるからまだ頑張ります」
──まだまだ強くなれるということですね。
「もちろん、グラップラー選手だけじゃないです」
──リング上のマイクでは、35歳になって、不安があったところを、ジーザス・クライストを信じることで、もっとできるようになったと思ったという意味だったのでしょうか?
「もちろん、それで、試合の前に奥さんと話して、まだできるかなって思って。でもよく私と奥さんでジーザス・クライストの話をして“あなたの気持ちが分かる。一生懸命練習してるから、できるからまだ勝ってほしい”と。それで色々考えた。でも、試合の中では、全部忘れるみたい。ちょっと面白いけど、私の集中が勝つだけ。だからそれで、もちろん信じることが、まだ私をしっかり守っています」
──信じることができたから勝つことができたと言う感じですか?
「ポルトガル語で言うのは、ジーザス・クライストが心の中にモチベーションを入れるとか、自信を入れる、とか。試合の前はいろいろな、できる・できない? 勝つ・勝てない? って(思う)。でも試合のなかでは面白いけど、全部忘れるから。それをよく言っているのですね」
──サトシ選手の試合の前に井上直樹選手がベルトを獲りました。「チームRIZIN」ということでしたが、力になりましたか?
「ああ、もちろんそれで嬉しいね。彼が最初にちょっとパンチやられて、“あ! 危ないな!”と思って、そのあと(TKO)できてるから、彼が勝って私ちょっとプレッシャーだけど、良いプレッシャーだった。(自分も)“絶対に勝たないといけない”みたいな。彼がベルト獲って私がベルト無くなるの良くないなと思って(笑)。RIZINのベルトが、(鈴木)千裕もいて3つ、日本にいるからそれでとても良かったですよ」
──井上選手は「大晦日に防衛戦をやりたい」と。サトシ選手はいかがですか。
「それまだ考えない。この試合はプレッシャーが強い、久しぶりの防衛戦で、一生懸命練習したり、色々考えたから。今は本当に家に帰りたい。家族と一緒にバーベキューをやりたい。そのあと子供と一緒に遊びたい。自分がよく言うのは、試合をする時は、子供たちと奥さんが大変なタイミング。あんまり遊べない、試合の集中するから。今ちょっとこのタイミングは家族と(の時間を)やりたい、そのあと次のことを考えます」
──王座防衛に成功しました。ファンへメッセージをお願いします。
「本当にありがとう。今日、オープニングセレモニーのときは私の名前が呼ばれて、みんなの声が聞こえてから、本当に気持ちと力がすごい上がりました、だから本当にありがとう。まだ応援してくれるから、日本のベルト守りたいから、これからも応援よろしくお願いします!」