2024年9月8日(日)神奈川・横浜BUNTAIで開催された『RUF presents RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA』のメインイベントで、挑戦者・田丸辰(TRY HARD GYM)を判定3-0で破り、RISE世界バンタム級王座の初防衛に成功した王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が9日(月)都内で行われた一夜明け会見に出席した。
伊藤隆RISE代表は「昨日の5R、非常に玄人好みの試合だったと思います。欲を言えばRISEはたくさんの方にキックボクシングを、RISEを見てもらいたい部分があって。もっと攻防があればよかったのかなと思いました。ジャッジは4Rまで10-10。ほぼ攻防がなく5Rに僅差が出た。お互いタイトルを持っていて守るものが重要なのかなと見えてしまったんですけれども。それでも攻防があって、そこで白黒つけるのがRISEなので、欲を言えばそういう部分で決着をつけて欲しかった部分もあります。今後は志朗自身もこのベルトの価値を上げていきたいとの想いがあるので、対戦候補も考えたり、彼のストーリーもいろいろ考えていきたい」と評した。
志朗は応援のお礼を言うと「玄人好みの戦いになってしまったけれど、満身創痍の中でやっていたので、その中で出来る範囲のことはやったし、けっこういろいろなものを試せていたので収穫はありました。5Rだけど1Rからしっかり攻防を出さないといけないと改めて思いましたし、ここからさらに強くなりたいなと思いました」とコメント。
周囲の反応は「負けなくてよかった、自分が負けたらRISEの時代は変わったなと思われちゃうから勝ってよかったねって感じでした」というものだったと言い、試合後は「そんなに変わらず4~5時間眠れました」と試合前と変わらなかったとした。
恒例となっている試合翌日のパン屋巡りは「まだ行ってないです」と笑う。
満身創痍とはどういうことかと聞かれると、「前々回(の試合)くらいから拳に違和感があって。踏み込んで右を打つと傷みがあったので、前回の試合くらいから病院に行ったら拳に穴が開くボクサーズナックルだと言われて。(試合を)キャンセル出来ないじゃないですか。そこで試合1カ月前にスパーリングメインに変えて、今回は急な練習メニューを変えって感じでしたね」と、利き腕の右拳を痛めていたことを明かす。
「拳に穴が開くことがあるんですが、開いている疑惑があったんですよ。練習していくうちに右を打つと痛みが出たり、前回の試合もめちゃくちゃ晴れてしまって折れたんじゃないかってくらい。それで聞いたら切開して縫わないといけないみたいな感じなので」
しかし、プラスに捉える部分もあり、「いい意味では右手を使わない練習があったから左手の練習が多く出来たので前手の差し合いでも勝ったんじゃないかなと思いますし、精神的に疲れましたね。ニックさんも言ってましたけれど、スパーリングを左手だけでやったりして最初は勝てなかったんですよ。それを見て不安になったらしいんですけれど、自分自身も最初は不安だったので、それで精神的にも強くなった試合でした」と笑顔。
手術する予定はあるのかと聞かれると「12月出なくて大丈夫ですか?」と伊藤代表に確認し、「次は万全な状態で出てもらいたい」との言葉をもらい「今週の金曜日くらいには手術する予定ですね」とした。
【写真】一夜明けには(左から)國枝悠太、中村寛、志朗、鈴木隼人、塚本望夢も出席 今後については「クマンドーイとやりたいと思います」と、2023年8月の『RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament』準決勝で敗れたクマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ)の名をあげる。
「クマンドーイは最近ムエタイで勝ってないですよね。戦績がよくないので、どうなのかなって。やりたいのはありますし、タイミングですかね。サウスポーに本当に弱いんだなって。多分サウスポーに4連敗しているので、彼はムエタイよりキックボクシングの方が合っていると思うのでリベンジしたいと思います」
これに伊藤代表は「今初めて怪我していると聞いたので、万全の状態でクマンドーイと組みたいですね。リベンジになりますし。昨日の志朗は本当の志朗じゃないと思っているので、完全な状態が作れたら組みたいと思います」と、志朗が万全の状態になったタイミングでクマンドーイとの再戦を組みたいとした。
また、敗れた田丸の今後について聞かれた伊藤代表は「僅差だったので、本人的には延長があると思ったみたいで。でも彼はチャレンジャーですからね。彼は53kgがベストだと思うので、今後は53kgに主軸をおいてやっていかせる予定です」と、本来の階級である53kgに専念させたいと語った。