MMA
インタビュー

【UFC】11カ月ぶり復帰戦で王者デュ・プレシに挑戦するアデサニヤ「そして今、準備は整った」「同じ動物だが、異なる獣だ」

2024/08/18 04:08

怒りは炎のようなもの。自分を助けるためにも使えるが、焼き尽くすこともある

──「感情的には落ち着いている」ということですが、その落ち着きはどこからくるのでしょうか。

「経験からだ。この11カ月で本当にいろいろなことがあった。自分の人生の中でたくさんのことを乗り越えなければならなかった。私生活はあまりソーシャルメディアには出さないけど、だからこそ、自分自身と向き合って、たくさんの自己探求をしなければならなかったんだ。“俺はこの仕事、そして人生から何を得たいんだ? どんなレガシーを築きたい?”そういった質問を自分に投げかけ、正直に向き合わなければいけなかった。そして最終的に、復帰したら新たな自分でありたいと思ったんだ。『Same animal, different beast(同じ動物だが、異なる獣)』(※コービー・ブライアントの“Different Animal, Same Beast”にかけて)さ」

──なるほど。あなたとドリカスのフェイスオフはかなり長く続いていましたが、記者会見自体は落ち着いていましたか。

「自分は何が起こるか分かっていたけど、彼が俺を脅そうとしたんだ。でも、そんな簡単な相手じゃないって、彼はすぐに気づいた。あの瞬間に、彼は俺の目を見て、俺が何者なのかを悟ったんだろう」

──王者であるドリカスがアンダードッグになっていることについては?

「俺が優位に見られているとは知らなかった。ドリカスに期待するのは、彼が全力を尽くしてくることだ。彼は『最高の状態だ』と言っているけど、俺が求めているのはまさにそれなんだよ」

──あなたが王者のときは、短期間で多くの防衛戦をしていましたが、今回勝てば同じようなペースで戦う?

「今は日曜日の試合だけに集中している。日曜日が終わった後に、次のことを考えるよ」

──日曜日にドリカスに勝てば、ランディ・クートゥアーに次いでUFC史上2人目の3タイムス・チャンピオンになります。その偉業については?

「特に考えていない。ただ、ドリカスに集中している。結果は後からついてくるものだ」

──ストリックランドが次のタイトル挑戦者になることが決まった時、「少し考える時間が必要だ」と言っていましたが、その後、何か考えは変わりましたか?

「未来のことを考えたくはない。全てをこの試合に集中させている。俺はベルトのために戦う必要はない。これまで一度もそうしてこなかった。今はただこの試合に集中して、ドリカスを倒してから、次のことを考える」

──あなたは映画『ソウ』のテーマソングを、入場曲にしている。ドリカスは前に進むタイプのファイターで、あなたは巧妙な罠を仕掛けるのが得意だ。この試合に向けて、映画『ソウ』と試合の間に何か共通点を感じている?

「『ソウ』についてはあまり考えていない。『ソウ』のテーマはただ、自分の肌に鳥肌を立てるようなトラックだから好きなんだよ。でも確かに、映画のように、すでに罠は仕掛けられている。試合が決まる前からたくさんの罠があったんだ。でも、きっと向こうも一生懸命罠を仕掛けようとしているんだろう。これが俺たちのゲームなんだ。コーチ対コーチも含めて、誰がより良いゲームプランを持っているか、どちらがより優れた戦略を持っているかを見てみようじゃないか。罠が仕掛けられ、その罠に仕掛けるために、さらに罠が仕掛けられる。ただ結局、時にはただ戦うしかない。そして今週末、俺たちは戦うんだ。待ちきれないよ」

──カスタムショーツの写真を見たけど、これまでで一番格好良いのでは?

「ありがとう。個性を少しでも見せることができるのはいいことだと思う。5カ月前くらいに、ハンター(キャンベルCBO)がそういうことができるようになると教えてくれたんだ。ゴールドグローブが登場する前から、ショーツをデザインして送っておいた。最初はゴールドグローブがあまり気に入らなかったけど、ショーツと合わせて見たら、意外と悪くないと思ったよ。ゴールドグローブは自分のショーツには合うけど、他のファイターにはあまり合わない場合もある。まあ、それは俺の問題じゃないけどね。黄色の稲妻のスピード感が気に入っているよ」

──あなたのドキュメンタリーでは、自分の中の怒りを解放するテーマがありました。怒りに代わるモチベーターは何か見つかりましたか?

「怒りは主なモチベーターじゃない。怒りはエネルギー源だ。炎のようなものだよ。料理に使えば役立つし、自分を助けるためにも使える。でも、家を焼き尽くすこともある。ただ、どうやってコントロールするかを学ぶだけだ」

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