キックボクシング
レポート

【GLORY】原口健飛の世界王座奪取ならず、ペッチが大差で勝利V8。ベスタティ強し!一階級上でも華麗な技術で元王者を破る、ボアペアがボケメを返り討ち、タイフン・オズカンがダウン奪い白星GLORYデビュー、トリンダーデが1位を撃破しペッチと原口に宣戦布告

2024/07/21 02:07
GLORY 932024年7月20日(土・現地時間)オランダ・ロッテルダムTopsportcentrum※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント スーパーファイト ウェルター級 3分3R×エンディ・セメリア(キュラソー/オランダ/元GLORY世界ウェルター級王者、現同級1位)判定0-5 ※28-29×2、27-30×3〇ティジャニ・ベスタティ(オランダ/GLORYライト級世界王者)  セメリアは2016年『キング・オブ・ザ・リングトーナメント』で優勝すると、2017年からは『Enfusion』に参戦。2017年にEnfusion -72.5kgトーナメントの決勝戦ではあのスーパーボン・バンチャメークに勝利して優勝した。『GLORY』には2022年9月に初参戦。11月の王座決定戦でアリム・ナビエフを判定3-2の大接戦の末に勝利して王座に就いた。  2023年4月にマーセル・グローエンハートを判定で破り初防衛、6月にジェイ・オーバーメールを判定で破り2度目の防衛、そして12月にアンワル・オウルデ・チャイブを102秒でKOして3度目の防衛に成功し、10連勝を飾っていたが、2024年4月の4度目の防衛戦でチコ・クワジにTKOで敗れ王座から陥落。今回が再起戦となる。戦績は36勝(18KO)2敗。  ベスタティは2016年からGLORYに参戦し、 ストーヤン・コプリヴレンスキー、シッティチャイ・シッソンピーノン、マラット・グリゴリアンには敗れるも高い勝率で、2021年9月には王座決定戦でエルビス・ガシを破りGLORY世界ライト級王座に就いた。同王座は2022年5月にジョシュ・ジャンシーをKO、同年10月にコプリヴレンスキーにリベンジを果たして2度の防衛に成功。  2023年3月には同時二階級制覇を狙ったGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンの挑戦もKOで退け、3度目の防衛、8月には海人を判定で破り4度目の防衛、そして2024年3月にエンリコ・ケールに判定勝ちで5度目の防衛に成功した絶対王者。現在7連勝中で、今回はウェルター級に階級を上げての挑戦。戦績は26勝(9KO)4敗。  1R、ジャブの突き合いから左ミドルを蹴るのはベスタティ。右ローも蹴る。ジャブでしっかりと距離を作るベスタティにセメリアはなかなか近付けない。右フックで切り込むセメリアだがベスタティはやわらかい上半身で鮮やかにかわす。ベスタティは右ストレートで前に出ると左ボディ、左右フック、さらにヒザ。セメリアが前に出てくると前足を払って転倒させる。ベスタティはジャブを突き、右アッパーやヒザにつなぐ。右でもジャブのようなパンチを出すベスタティ。前蹴りに攻めあぐねるセメリア。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。  2R、右ローを蹴るセメリアにベスタティも右ローを返して大きな右フック。セメリアは左右フックで前へ出る。ベスタティも前へ出るがセメリアの右フックを浴びた。ベスタティは右フックを上手く当て、ジャブで距離をとって前蹴りと右ロー。圧をかけていくセメリアだあ、ベスタティは絶妙な距離を保ってジャブと蹴りを当てていく。そして得意の突き刺すような前蹴り。OPスコアはベスタティに10-9×3、セメリアに10-9×2。  3R、セメリアが前へ出てジャブを当てていくが、ベスタティも左ボディ。ベスタティは徹底したジャブ、さらにワンツー。セメリアは左右フックを打って行くが、ベスタティは頭を振ってかわす。右手でもジャブのようなパンチを放つベスタティは、前へ出て攻めようとするセメリアにジャブを突き刺す。セメリアは強引に詰めて左右フックを打って行くが、ベスタティは上半身のムーブで鮮やかにかわす。ベスタティは前蹴り、左ミドル、そして右ストレート。試合終了のゴングが鳴ると、ベスタティはコーナーに登って勝利をアピールする。  判定は5-0でベスタティが勝利。ウェルター級に上げてもその高度なテクニックは通用し、元王者・現1位を破って見せた。 「ウェルター級で実力を見せられたと思う。次が楽しみだ。階級も威力も関係ない。上手く戦うのが俺だからな。次はチコ・クワジだ。どこにいる? 戦いたい」と、ベスタティは次の標的をクワジに定めた。 [nextpage] ▼コー・メイン GLORY世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R〇ペッチ(=ペットパノムルン・ギャットムーカオ/タイ/王者)判定5-0 ※50-46×2、49-45×3×原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/挑戦者)※ペッチが8度目の防衛に成功。  ペッチことペットパノムルン・キャットムー9はサウスポーで、2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。  2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝く。2021年11月にRISEに初来日を果たして原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王に。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。GLORY世界王座は10月にダビド・メヒアの挑戦を退け、7度目の防衛に成功しているが、RISE世界王座は2023年12月の初防衛戦でチャド・コリンズに敗れて失った。戦績は170勝(27KO)40敗3分。  原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。2020年1月にRISEライト級王座に就き、2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。  2022年6月の『THE MATCH』では第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に2R0分33秒、TKO勝ち。しかし、9月のペットパノムルンとの再戦では延長戦で敗れRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座を逃した。12月に元GLORYフェザー級王者のセルゲイ・アダムチャックに圧勝すると、2023年3月にはジェレミー・モンテーリョをKOしてISKA世界王座を獲得。7月にはGLORY推薦選手のアンバー・ボイナザロフを初回KO、12月にはGLORY世界フェザー級1位エイブラハム・ヴィダレスも右フックでKOした。戦績は26勝(17KO)3敗1分。  前述の通り、両者は2021年と2022年にRISEで対戦しており、いずれもペットパノムルンが辛くも判定勝ちを収めている。3度目の決着戦で、原口は日本人初のGLORY世界王座奪取の快挙を達成することが出来るか。  1R、サウスポーの原口は左カーフを連発、ペッチも右ローを蹴り返す。右の三日月も蹴る原口に同じくサウスポーのペッチがジャブから左ロー、左ミドル。ガードを下げる原口にペッチが左フックを打つ。ペッチはジャブを当てていき、右ミドル。原口は右の三日月と左カーフ。原口の右フックでペッチが尻もちをつく。ペッチが組んでのヒザを蹴ると原口もすぐにヒザ。左右フックを当てるペッチに原口は飛び込んでの左ストレート。オープンスコアは10-9×3がペッチ、原口が10-9×2。  2R、顔面前蹴りをヒットさせた原口にペッチは組んでのヒザ、離れると前蹴り。ペッチは右カーフを蹴らせないためか前へ出て行き、前蹴りと組んでのヒザを突き刺す。距離を詰めるペッチがパンチから組んでのヒザでペースを握り始める。原口はペッチの首相撲を嫌がるような素振りを見せるため印象が悪い。さらに左ストレートをもらってしまう原口。ペッチはどんどん組んでいきヒザを突き刺す。原口は左フックを打つが消耗しているのは明らか。ペッチは原口のフックをブロックして組んでのヒザを突き刺す。OPスコアは10-9×5でペッチ。  3R、原口は前蹴り、左カーフから左フックを狙うが空振り。ペッチはこのラウンドもパンチから接近して頭を抱えてのヒザ蹴り。ペッチの前蹴りも嫌がる原口。続く組んでのヒザ蹴りには身体を丸めてしまう。ペッチが細かいパンチから組んでのヒザを突き上げ、離れても前蹴り。原口はフックを放つが力がなく、ペッチにブロックされる。原口は左カーフを蹴り続け、ワンツーをヒットさせる。ペースを取り戻しつつあるかのような原口だが、ペッチの首相撲に頭を下げさせられて印象が悪い。OPスコアは10-9×5でペッチ。  4R、ペッチは右ミドルと右前蹴り、原口の左カーフには強い左ローを蹴る。ペッチの左ミドルの音に場内からどよめきが起こる。原口はハイキック、顔面前蹴りを放ち、右ストレートを繰り出すが、ペッチに捕まってヒザをもらう。捕まると頭を深く下げられてしまう原口。飛びヒザ蹴りを放つも起死回生の一撃にはならない。左ミドルを蹴っていくペッチに原口は右フック。右ミドルにはオーソから右ストレートを打つ。ポイントリードしているペッチは早くも逃げ切り態勢に。OPスコアはまたも10-9×5でペッチ。  5R、原口は左フック、顔面前蹴り、飛びヒザで逆転を狙うが、ペッチは崩れない。右ミドルを蹴り、首相撲に持ち込むと原口の頭を下げさせてヒザを蹴る。強い左ミドルを蹴るペッチに、原口は一発を狙うつもりかペッチを見る。残り1分、ペッチは逃げ切り態勢に。左ミドルを蹴り、原口が近付くと組んでしまう。原口は左ハイを蹴るも不発。前へ出る原口だが守りに入ったペッチに決定打を与えることは出来ず、試合終了のゴングを聞いた。  判定は5-0でペッチが大差をつけての勝利。原口に3度目の黒星を与えた。  原口にカーフを蹴られた右足を引きずるペッチは「また勝つことが出来て嬉しい。健飛、オランダまで来てくれてありがとう。彼は経験を積んで強くなっている。最高に激しい試合だった。このベルトをどれだけ防衛できるか試してみたい」と勝利者インタビューで語った。 [nextpage] ▼第6合 ミドル級 3分3R〇マイケル・ボアペア(ガーナ/同級1位)判定5-0 ※30-27×5×ウリック・ボケメ(コンゴ/同級3位)  ボアペアはRINGS Holland Fighting Networkが主催する『Rings Gala』を主戦場とし、2022年3月には『Rings Fighting Network 2022』にてRINGSミドル級タイトルマッチを経験(ケビン・ヴァン・ヘッケレンに判定負け)。2022年8月からGLORYに参戦するも、2戦目でセルゲイ・ブラウンに判定負け。2023年3月には当時ミドル級3位のエルトゥールル・バイラックを判定で破り、6月にはウルリック・ボケメにTKO勝ち、8月にセルゲイ・ブラウンに3連勝を飾っていたが、11月のGLORY世界ミドル級タイトルマッチで王者ドノバン・ウィッセに判定で敗れた。2024年5月の再起戦ではセルカン・オズカグライヤンに判定勝ち。戦績は17勝(7KO)4敗1分。普段は棺桶作りの職人。  ボケメはサッカーのスイス代表チームでプレーしていたトップアスリートだったが、怪我のため引退。リハビリで始めたキックボクシングでプロになることを決意したという。キャリア初期はスイスの大会で連勝し、『Enfusion』を主戦場にするとオランダやフランスで活躍。『GLORY』には2019年10月に参戦し、初戦では敗れるも12月の2戦目で勝利。しかし、その後はリングを離れて2022年6月に約1年半ぶりに復帰して勝利を収めている。2023年6月にGLORY復帰戦でマイケル・ボアペアに初回TKO負けを喫したが、11月に当時2位のセルカン・オズカグライヤンを判定で破る番狂わせを起こした。2024年5月には王者ウィッセに挑戦したが、判定で敗れている。戦績は32勝(17KO)5敗。  1R、ボケメが右ミドルで先制、ボアペアはジャブを顔とボディへ打って行く。右ローを蹴るボアペアにボケメは左右フック、左ボディからの左フックダブルを多用する。前に出るボケメにボアペアが右フックを強打。ボアペアはジャンプしての二段蹴りを繰り出し、ボケメは前に出てヒザ蹴り。両者ともガードが高く、互いにボディを狙う。ボケメが組んでのヒザを繰り出せば、すぐにボアペアも組んでのヒザ蹴り。近距離でのパンチとヒザの打ち合いが続いた。オープンスコアはボアペアの10-9×5。  2R、ボアペアはボディを打ちながら右ロー、ボケメは前に出て左フックのダブルと右ローを放つが、ボアペアにかなり右ローを蹴られ続ける。手数を出すボケメにボアペアは右ローを何度も蹴っていく。右アッパーを突き上げるボアペア。ボケメは組んでのヒザに活路を求める。このラウンドもボアペアが10-9×5。  3R、前に出るボケメが左フックと右アッパーからの右ストレート。ボアペアは右ローを蹴り続け、右アッパーを突き上げる。ボケメは左のダブルから組んでのヒザ。しつこく右ローを蹴るボアペアにボケメは飛びヒザを放つ。両者は超接近戦でアッパーとフックを打ち合うが、最後はボアペアが右ローを蹴る。ボケメの右フックにはすぐボアペアが右フックを打ち返す。前に出るボケメだがボアペアが決定打を許さず、試合終了。  判定はテクニックを見せたボアペアが、ボケメに1ポイントも与えず30-27×5で勝利。「俺はいつも自分を信じている。GLORYで勝てないと言われたが、俺は1位だ。自分を信じ続けているからだ」と勝利者インタビューで語った。 [nextpage] ▼第5試合 キャッチウェイト73.5kg契約 3分3R〇タイフン・オズカン(オランダ)判定5-0 ※29-27、30-26×4×マジッド・アマルーシュ(フランス)  オズカンは2015年5月にEnfusion 2015 70kgトーナメントで優勝すると、9月にはEnfusion 72.5kg世界王座を奪取。その後、2016年4月にダビット・キリア、2018年2月にアンディ・サワー、同年6月にモハメド・カマル、2019年2月にはエンディ・セメリアに勝利。2016年に16人制で行われたEnfusion 70kg WORLD MAXトーナメントで優勝、2019年にはEnfusion -70kg世界王座も獲得している。『Enfusion』では敵がいなくなったため、2021年10月からは『ONE』に参戦し、シッティチャイ、グレゴリアン、スーパーボンには敗れたがエンリコ・ケールには勝利した。86勝(28KO)10敗3分の戦績を引っ提げてGLORYに初参戦する。  アマルーシュはフランス人ファイターで、『Dynamite Fighting Show』=DFSや『Fight for Honor』などに出場。25勝(10KO)2敗1分の戦績を引っ提げてこちらもGLORYに初参戦。オズカンを相手に番狂わせを狙う。  1R、アマルーシュが左ミドルで先制。オスカンは前蹴りで前へ出ていくが、アマルーシュがコンビネーションで押し返す。左ミドル、右ローを上手く当てていくアマルーシュは左インローも蹴る。ガードを固めて前に出るオズカンは右アッパーを突き上げ、右ローを蹴る。左右フックでもアマルーシュを圧倒するオズカンだが、アマルーシュは左インローを連発。パンチで前に出るオズカンに下がるアマルーシュ、オズカンは右ストレートで追撃した。オープンスコアは10-9×4がオズカン、10-9でアマルーシュ。  2R、圧を掛けるオズカンにアマルーシュは下がるが、左ミドル、ヒザ蹴り、左インロー、右ローを蹴る。オズカンは右アッパーを狙い撃ちにし、ワンツー、左右フックを繰り出す。アマルーシュは細かくパンチを打って左ミドル、右ローと手数は多く出る。その印象をかき消すような強打を放つオズカン。アマルーシュがヒザ蹴りから右フックを打ったところにオズカンが右フックを合わせ、ダウンを奪う。OPスコアは10-8×5でオズカン。  3Rも前に出るオズカンにアマルーシュはステップ、スイッチを使って左右ミドルを蹴る。しかし、オズカンが右ストレート一発でアマルーシュを下がらせ、右アッパーでグラつかせると右アッパーの連打で圧倒。コーナーに詰めてオズカンがパンチをまとめる。一矢報いたいアマルーシュは左右フックからヒザ蹴り、後ろ蹴りを放つとオズカンもすぐに後ろ蹴り。オズカンの右強打に下がるアマルーシュだが蹴りを放っていく。オズカンが右フックで攻め、アマルーシュが左ミドルを返したところで試合終了。  判定は5-0でオズカンが自身100戦目を勝利で飾った。勝利者インタビューでは「100戦もやったなんて信じられないよ。2Rでダウンを奪えると思っていた。GLORYで試合を重ねたい。まだ新しい領域だから。これから戦う相手、俺をナメてると痛い目に合うぞ」とGLORYで試合を重ねていきたいと笑顔で答えた。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 3分3R×エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ/同級1位)判定0-5 ※27-30×5〇ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル)  ヴィダレスは“ダイナマイトハンド”の異名を持つ強打者で、2018年11月からGLORYに参戦。4連勝を収めるもセルゲイ・アダムチャックにTKO負け。その後、2連勝で2022年10月にはペットパノムルンが保持するGLORYフェザー級王座への挑戦者に選ばれたが完封負けを喫した。2023年12月のRISEに初来日すると原口健飛と対戦、1Rに右フックでダウンを奪ったが2Rに逆転KO負けを喫した。戦績は16勝(13KO)3敗。  トリンダーデはWAKO欧州スーパーライト級王者、ISKA欧州同級王者、MFC-65kg級世界王者のタイトル歴を持ち、戦績は58勝(24KO)7敗。2023年9月に『ONE Friday Fights』に出場すると来日経験のあるシップムーン・シェフブンタンを初回KO。12月のGLORYではベルジャン・ペポシに判定で敗れたが、GLORY推薦選手として2014年3月のRISEに初来日を果たすと、チャド・コリンズを左ハイキックで初回KOする大番狂わせを演じた。戦績は58勝(24KO)6敗。  1R、右ローの蹴り合いから前へ出ていくのはトリンダーデ。ワンツーからの右ハイで場内を沸かせる。ヴィダレスは右カーフ、トリンダーデが右ローを蹴るとすぐに右カーフを蹴り返す。躍動感のあるトリンダーデは右ローを蹴ってすぐに回転してのバックスピンキック。飛び込んでの右フックをヒットさせたトリンダーデは続く右ストレートもヒットさせる。ヴィダレスも前に出てサウスポーからの左ミドル、オーソに戻ると右ストレート、またサウスポーになっての左ミドル。トリンダーデは飛び込んでの右を当てに行く。オープンスコアは10-9×5でトリンダーデ。  2R、右ローをどんどん蹴っていくトリンダーデ。ヴィダレスの左足ははっきりと分かるほど腫れあがる。躍動感のある動きで左フックから左ミドルを蹴るトリンダーデは、ステップでよく動きながら右ローを狙い撃ち。そして飛び込みの速いワンツー。ヴィダレスはスイッチを多用してサウスポーに構えての左ミドル、オーソに戻っての右ロー。スピードのある蹴りが交錯する。2Rも10-9×5でトリンダーデ。  3R、右ストレートから右ローを蹴るヴィダレスは、右ストレートをクリーンヒットさせて逆襲。トリンダーデは左インローを蹴る。下がるトリンダーデが左ミドルを蹴り、ヴィダレスは右ストレートを狙って前へ出ていく。ステップで下がるトリンダーデだが、右ストレート、右ローを当てていく。トリンダーデの右フックにはヴィダレスが左フックを合わせる。残り10秒になるとトリンダーデはステップを使って逃げ切り態勢に。ノーガードでヴィダレスのパンチをかわして試合を終えた。  判定は30-27×5でトリンダーデが完勝。ノーランカーが1位を破った。トリンダーデは「最高のパフォーマンスは出せなかったが勝ててよかった。ペッチと原口とも戦いたい。俺の時代を作るぞ!」と勝ち誇った。 [nextpage] ▼第3試合 ウェルター級 3分3R〇ロビン・シリック(オランダ/同級5位)判定5-0 ※29-28×2、30-27×3×ニコラ・トドロビッチ(セルビア)  シリックは『Enfusion』で活躍し、2019年4月にEnfusion -80kg世界王座を奪取。その試合を含めて11連勝を飾ったが、2022年6月にモハメド・タチャッシーに敗れた。GLORYには2022年11月から参戦し、4勝4敗。前戦は2024年4月にディアゲリー・カマラから判定勝ち。戦績を22勝(7KO)7敗とした。  トドロビッチはセルビアのキックボクシング王者で、『SENSHI』で活躍。2023年9月の『GLORY 88』でGLORY初参戦を果たし、カリム・ガージから勝利を収めた。29勝(16KO)3敗。  1R、ジャブで前に出るトドロビッチ。互いに左ボディを打ち合う。シリックは右ローを狙い撃ち。左フックから右ローにつなぐのはトドロビッチ、シリックは左ボディを返す。長身のトドロビッチはパンチの距離で打点の高い右ヒザを突き上げてくる。シリックは右ローだけでなく左インローも蹴る。オープンスコアは10-9×3がシリック、10-9×2でトドロビッチ。  2Rが始まると同時に右フックを打つシリック。トドロビッチは右ヒザを突き上げてすぐに右フックへつなぐ。シリックは前蹴り、左ボディ、後ろ蹴りでボディを攻めジャブもボディへ打つ。ボディを打ち合う両者は左ミドルも蹴り合う。ジャブ、ワンツーを当てていくのはシリック。さらにバックスピンキックを放って場内を沸かせる。手数を増やして前へ出たシリックが10-9×5でとった。  3R、シリックがローキックとパンチのコンビネーションで揺さぶりをかけ、ステップで出入りを繰り返す。シリックのワンツーに動きが止まるトドロビッチ。シリックは右アッパー、右フックと畳みかけ、バックスピンキックを放つ。焦りからか粗くなるトドロビッチにシリックはパンチを当ててはステップで離れ、最後はトドロビッチが右ストレートをヒットさせるもシリック優勢のまま試合終了。  判定5-0でシリックがランカーの実力を見せつけた。シリックは「タフな戦いだった。彼とはよくスパーリングしていたからどういう感じで来るかは分かっていたが手こずった。いい試合だったね」と試合を振り返った。 [nextpage] ▼第3試合 ウェルター級 3分3R〇メフディ・アイト・エル・ハジ(フランス/同級6位)判定5-0 ※30-27、29-28×4×ドン・スノ(スリナム/同級10位)  ハジは『SENSHI』の元ウェルター級王者で、2024年4月にGLORY初参戦。イスマイル・ウズグニに判定勝ちしている。戦績は32勝(8KO)4敗2分。スノはGLORYのリアリティーショー『HOUSE OF GLORY』出身で戦績は4勝(2KO)1敗とまだ浅いが、GLORYで2連勝している。 [nextpage] ▼第2試合 ミドル級 3分3R〇ジュリ・デ・ソウザ(ポルトガル/同級5位)判定3-2 ※28-29×2、29-28×2、30-27×フランジス・ゴマ(フランス)  ソウザはドイツ在住で、元々はフットボールプレイヤー。戦績は44勝(20KO)8敗1分でGLORYでは2連敗と勝ち星がなかったが、2023年5月のジョイルン・ラターバッハ戦で初白星。  初参戦のゴマは2022年にK-1フランス王者になり、『SENSHI』で活躍してきた。戦績は21勝(10KO)6敗。 [nextpage] ▼第1試合 ヘビー級 3分3R×ファブリス・グネドル(コートジボワール)TKO 1R 2分54秒〇アスドレン・ガシ(アルバニア)  1R、前に出るガシに対し、サウスポーのジョージは下がりながら左ミドルとヒザを蹴る。ガシの前蹴りに飛ばされるジョージ。左フックでダウン気味に倒れるジョージへガシは右ボディ、右フック、ヒザ蹴りから右ボディ、右フックでダウンを奪う。  ガシが右ミドル、ワンツーで前へ出て、左フックからの右フックで2度目のダウンを奪う。蹴りで対抗するジョージだったが、ガシのパワーに成す術なく左ボディでマットに沈んだ。
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