風間は課題の打撃を克服できるか、ともにUFC初白星を目指す
▼バンタム級 5分3R
風間敏臣(日本/和術慧舟會HEARTS)10勝4敗(UFC0勝2敗)
ハラランボス・グリゴリオウ(キプロス)8勝4敗(UFC0勝1敗)
当初、3月16日のUFC APEX大会で検討されていたカードが、5カ月間を経て、同じカードで実現する。
風間は、柔道・柔術をベースとし、2020年にMMAデビューし、10勝(3KO/5一本)4敗の27歳。2021年のPANCRASEネオブラッドトーナメントで優勝すると、2022年1月の石渡伸太郎引退興行でも雅駿介をハンマーロック、上田直毅を三角絞めで極めるなど優勝。同年6月からの『ROAD TO UFC』バンタム級でケレムアイリ・マイマイチツォヘチに判定勝ちすると、準決勝はキム・ミンウの計量失敗で不戦勝。決勝で中村倫也の左ストレートでKO負けするも、UFC本戦での試合で契約となった。
8月のUFC前戦ではギャレット・アームフィールドに打撃で攻め込まれ、右ストレートからのパウンドで1R TKO負けで負傷。怪我を治療して、今回が1年ぶりの試合となる。
対するグリゴリオウは、コスタ・フィリッポゥ以来2人目のキプロス人UFCファイター。空手と柔術で黒帯でキプロス、ギリシャ空手王者となり、WKN欧州キックボクシング3位。コンバットFC王者。MMA8勝4敗。現在はニューヨークのロンゴ&ワイドマンMMAを拠点としている。
2023年8月のコンテンダーズシリーズで、1R右ストレートでダウンを奪いパウンドでTKO勝ちすると、2024年3月のUFC初戦でチャド・アンヘリガー(UFC3勝2敗)に判定負けしている。
オーソドックス構えから、空手家らしく右の後ろ廻し蹴り、スナップを効かせた蹴りなども歩くように突いて、右バックフィスト、右オーバーハンドに加え、踏み込んでの右ストレートではカメロン・スムーサーマンからダウンを奪っている。
アンヘリガーとの試合では、相手の組みを切り返してテイクダウン。自らダブルレッグに入りテイクダウンに固執するなど組みを厭わず、しかし後半に疲弊し、右カーフ、ボディを効かされ失速し判定負けした(※写真右)。
UFCで課題の打撃で距離を制され、敗北を喫した風間にとっては、白星の75%がKO・TKOのグリゴリオウとの対戦は、その進化が問われるところだが、空手出身の遠間のグリゴリオウは、その踏み込みに注意しつつも、立ち合える相手。
さらに、自ら組むことも好むグリゴリオウの寝技はトップコントロールからのパウンドで極めが無いため、風間の寝技が活きる場面も出てきそうだ。しかし、一本勝ちは無いものの、一本負けも無いグリゴリオウは、腰の強さも持つため、風間相手にボクシング勝負を挑むことも考えられ、風間が立ち合いで譲らず、いかにいい形で組めるかにも注目したい、1年ぶりの復帰戦だ。