玖村選手はマルティノス選手との打ち合いで、ちょっとダメージが残るなかで──
──ここからは、難しいとは思いますが武居選手のトーナメント予想を聞いていきたいと思います。
「オス!」
──まず大久保琉唯vs.ジャオ・ジェンドン(中国)の一戦は?
「ジャオ選手の試合も見たんですけど、大久保選手がテクニックで勝ち切れるんじゃないのかなと思うので、1回戦目は大久保選手が突破すると思います」
──続いて玖村将史vsアントニオ・オールデン(スペイン)。武居選手は両選手との対戦経験がありますね。
「これ、けっこう難しいですね。たぶん玖村選手の試合の入り方によって展開が変わるんだろうなと思っていて。最近、玖村選手はけっこう足を止めて打ち合うスタイルですけど、オルデン選手は距離を取りながら戦うので。うーん、でも玖村選手はスピードでオルデン選手を倒すんじゃないのかなと思いますね」
──続いて璃明武vs.アンジェロス・マルティノス(ギリシャ)。マルティノス選手はスピードがありますね。
「そうですね。以前、軍司(泰斗)選手と戦って(2023年9月10日『ReBOOT~K-1 ReBIRTH~』判定0-2)、けっこうタフでパワーもあった選手なので。うーん、ここはちょっと、あえてマルティノス選手に勝ってもらいたいなって。全員日本人より外国人選手にも活躍してもらいたい気持ちもあるので」
──では最後に金子晃大vs.カン・メンホン(カンボジア)の勝敗予想を。
「これはもう金子選手ですね。金子選手は負けちゃいけないと思うんですよ、僕的には。絶対に負けないでほしいという思いもあるので、金子選手のKO勝ちで」
──引き続き準決勝の予想をお願いします。まず、大久保選手vs玖村選手は?
「そうですね……大久保選手も上手いんですけど、55㎏の体はちょっとまだできていないと思うので、やっぱり玖村選手かなぁと思います」
──続いて準決勝のもう1試合、金子選手vs.マルティノス選手は?
「これ、すごいバチバチに打ち合いますね。打ち合い、削り合いの試合になると思います。でも、 ここもやっぱり金子選手が打ち合いのなかで勝ち切るんじゃないのかなと思いますね」
──さあ、そして決勝戦です。玖村選手と金子選手の決勝はどんな戦いになりそうですか。
「これは……チャンピオンとしての気持ちで金子選手に勝ってもらいたいんですけど、(準決勝の)マルティノス選手との打ち合いで、ちょっとダメージが残るなかでの試合で、玖村選手が勝つというストーリーもちょっと面白いんじゃないかと思うので、玖村選手の優勝予想を今回はさせてください」
──玖村選手にとってはリベンジになりますね。
「リベンジですね。これで4回目ということですよね。それで、最後にもう1回、5回目を」
──今回、玖村選手が勝てば2勝2敗になりますからね。
「(5回目を)見たいという気持ちもありますけどね」
──難しい予想にお答えいただきありがとうございました! K-1出身のボクシング世界王者として、これからのK-1、そしてK-1選手に期待したいことは?
「やっぱり、もっともっとK-1が盛り上がってもらわないといけないなっていう思いもあるし、K-1ファイターみんなが、もっと…何だろうな。自分がいた頃って、埋もれないように自分の色をみんなが出していたんですけど、最近のK-1ファイターがある意味、他人任せ のようにすごく感じるので、みんながもっと、どんどん自分をアピールしていってほしいなと。そうすれば、あの頃以上にもっともっとK-1が盛り上がるし。自分的に、最近はKrushに出ている選手たちのほうが、ハングリー精神じゃないけど「やってやるぞ」という気持ちを感じるので、Krushの選手がK-1に上がってきて、またどんどん、どんどん、みんなで切磋琢磨してもらって、もっともっと盛り上がってくれたらなっていう思いがありますね」
──咤激励ですね。
「すいません!生意気に(笑)」
──とんでもないです。武居選手から見ると、今の選手たちがおとなしく見える?
「そうですね。あの頃のほうが…というのは、やっぱりちょっと感じちゃうんですよ。自分も(K-1を)出た身であれなんですけども。あの頃のほうがみんなが盛り上げようっていうのを感じたので、 もっと「みんなで」っていう気持ちがあればいいのかなって。あと、最近どのカードを見ればいいのかなっていう試合が多いのかなと思うので、みんなが見たくなるようなカードがどんどん増えていけばいいなと思います」
──ファンが見ていても「どちらが勝つんだろう」と予想するのが格闘技の楽しさ、面白さですよね。
「その点で、もっとみんなでどんどん、どんどん盛り上げていってほしいなと思います」
──武居選手のなかではボクシング世界王者となった今も、元K-1ファイターとしての誇りを持ち続けている?
「そうですね。K-1出身という誇りと、あと、僕はK-1愛がすごく強いので、「みんなで」という気持ちはありますね。K-1を出ていった人たちも、みんなでまた格闘技界を盛り上げていきましょうっていう気持ちかなと思います」
──再びご自身のお話に戻ると、現在バンタム級には武居選手を含めて世界王者が4人。その上のスーパーバンタム級には4つのベルトを独占している井上尚弥選手がいます。そんな環境のなかで、武居選手のこれからのボクシング界での目標は?
「日本人選手はみんな強いし、僕はバンタム級のチャンピオンのなかでも、まだ一番下なんだろうなという思いがあるので、上にいる人たちも食っていけるような選手になっていかなきゃいけないし、あとはやっぱり、どんどん、どんどん防衛して自分の価値も上げていかなきゃいけないとか。目標はいろいろ、たくさんありますね」
──最後に、K-1を支える多くのファンに武居選手からメッセージをお願いします。
「僕は今、ボクシングで頑張っていますけど、K-1ファイターみんなが頑張っていくと思うので、ぜひK-1も楽しんで見てもらいたいなと思いますし、ボクシングもK-1のほうも全部応援してくれたらなと思います」
──素敵なメッセージをありがとうございました。