鈴木千裕に「MMAやってほしい」なら「そこ、俺代わりますよ」
そして、そんなタフなスパーリングを超えた安保は24日、新たな挑戦をぶち上げている。
ストリックランドとのボクシングスパーを終えた上で安保が語ったのは、鈴木千裕の怪我により実現が不安視されているマニー・パッキャオ戦のことだった。
「今世間で、あの鈴木千裕選手がパッキャオ選手とボクシングやるっていうことで、まあなんか五味選手との試合のことも“X”見てる感じだと、なんかちょっとボクシング2連戦、パッキャオ選手との試合、あんまり(世間に)求められていないんじゃないかなと思って、ちょっと俺が声を上げさせてもらおうと思って」と、切り出した安保。
「鈴木選手がパッキャオ選手と戦うにあたって、世間では『ボクシングのエキシビション2連戦やるんじゃなくて、MMAのRIZINのチャンピオンなんやからMMAで見せてくれ』っていう声があるやん。俺自身鈴木選手のことはめちゃくちゃリスペクトしてる。キックでもMMAでも頂点になってめちゃくちゃすごいやん。結局“鈴木、オモンナイ”じゃなくて、ファンからの期待やん。“MMAやってほしい”って。やったら『そこ、俺代わりますよ』って」と、負傷を抱えた鈴木に代わり、自身がパッキャオと対戦すると名乗りを挙げた。
久保戦後、「総合格闘技に専念する」と宣言していた安保だが、スダリオとの無差別級のキック戦、そして今回のパッキャオとのボクシング戦の名乗りは、どの道に繋がるのか。
「俺はキックボクシングにけじめをつけたいっていう発言で、その俺がどう向かっていくのかっていう部分では、要するに濁して終わらしてる状態なんやけど、俺ん中ではプランはある。スダリオ戦もあのでかい選手と試合するって考えた時に、“あっ、この試合をしたら俺は何かやれるものが必ずあるはずや”と思ってやったわけ。ストリックラン選手ともそう。“UFCチャンピオンの拳を受けてみたい”それで“俺の拳が通用するんか、確かめたい”って。パッキャオ選手はボクシング6階級制覇チャンピオンで、もうボクシングを極めた人。その世界のボクシングに俺は、中尾(剛之)先生のボクシングが通用すると思ってるから。それを証明したいと思う。でそれを世間が求めてくれるんやったら、なおのことやりたいなって」と、安保のファイターとしての成長と進化への挑戦の過程にあるとした。
安保は、「最後は榊原(信行)社長が決めること。俺の願いとしては(周囲が)そういう(安保vs.パッキャオを望む)声をあげてくれたら、動くんじゃないかなって思ってたりもして、その辺ちょっとみんなにお願いしたいなと」と、スーパーマッチ出陣への後押しを願った。
榊原CEOは、『RIZIN.47』試合後の会見で『超RIZIN.3』についても語るなかで、「スダリオも安保も、BreakingDownに気持ちよく送りこんだことで、違う熱もついただろうし、取り込めるものはすべて取り込んで“貸したものは返してもらおう”かな」とも語っている。
すべては鈴木千裕の怪我の回復次第。木村“フィリップ”ミノルらほか選手も名乗りを挙げるなか、「安保vs.パッキャオ」はあるのか。安保は傷だらけの顔で「俺は準備できてるよ」と不敵な笑みを浮かべた。