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インタビュー

【K-1】職業・船乗り「4カ月とか船に乗って海にいます。対戦相手よりも海の方が、全然怖いですよ」ヴィクトル・アキモフ

2024/06/19 13:06
 2024年7月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX』にて行われる、「K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント」の決勝戦に進出したヴィクトル・アキモフ(ロシア)のインタビューが主催者を通じて届いた。 “ロシアンアドベンチャー”ヴィクトル・アキモフは、3月20日に行われたMAX世界開幕戦でボクシング出身の中島玲を大技バックブローでKOして注目を集めた。日本在住のロシア人は船乗りで、妻を追って来日したという。決勝ラウンドでも、あっと言わせることができるのか。 妻を追って日本へ来ました ――K-1初参戦で勝利しました。 「ありがとうございます。僕も有名になれたので、めちゃくちゃ幸せです」 ――開幕戦は、中島玲選手からバックブローで派手にKOしましたが、あれは狙っていたのでしょうか。 「はい。たまたま出して当たったというラッキーじゃなくて、最初からやろうと思っていた技です」 ――しかも、2回もバックブローが当たりましたね。 「準備していましたからね」 ――開幕戦は直前の試合オファーだったと思います。 「大会の3日前に試合オファーがあったんです。その10日前にも試合があって、休もうとしていた時にダニロ・ザノリニ先生からメールで連絡がありました。夜遅くだったので、ちょっと時間をちょうだいと言って、朝まで考えました」 ――試合をしたばかりで、K-1という大きな舞台の世界トーナメントですから、考えて当然ですね。 「ケガとかは何もなかったんですけど、朝までどうするか考えて、出場することにしました」 ――初めてのK-1の大舞台はいかがでしたか? 「前に出た日本の試合とは全然違うレベルでした。K-1は映画みたいな感じでしたね」 ――アキモフ選手は日本での試合経験もありますが、格闘技のキャリアを教えてください。 「12歳からボクシングを始めました。僕はウラジオストクで育ったんですけど、子供の頃から住んでいたところは街とかではなく、すごく小さな村で、ボクシングジムしかなかったんです。ボクシングの先生は、みんな男の子に技術を教えていました。僕は16とか15歳の時までそこでボクシングを習い、あとはK-1をテレビで見て、キックボクシングを始めるために街まで出て通っていました」 ――プロになろうと決めたのは、何歳ですか? 「練習が好きなので、プロになるとかは夢でした。ただ、一生懸命に練習をしていただけです。でも26歳になって初めてタイに行って、キャンプをやって試合をしました。向こうはプロも多かったですが試合に勝つことができて、プロになるのも悪くないと思いました」 ――デビューは遅かったんですね。 「プロになるつもりはなかったんですが、時間は今しかないので、やってみないと分からないからやったという感じでしたね」 ――日本在住と聞いていますが、どんな経緯で来日されたのでしょうか? 「ロシアのウラジオストクと日本は近く、日本のことはよく知っていて好きでした。妻も日本が好きで、先に日本へ行っていたんです。それで僕も、妻を追って日本へ来ました」 ――仕事は? 「ずっと海の仕事です。4カ月とか船に乗って海にいます。大きな船でガソリン関係の船になります」 ――いわゆるタンカーですね。また海に出るのでしょうか? 「今は行ってないです。でも、これからもいつ何があるか分からないので、いつでも行けるようにしています」 ――船に乗ってしまっていたら、トレーニングはどうしているのでしょうか? 「船には、サウナもあって、テレビもジムもあります。仕事外は、船の中で練習していました」 [nextpage] K-1は試合とかじゃなくて本当に闘い、戦争 ――最初に日本に来た場所は、富山県と聞いています。 「そうですね。ずっと富山です。富山でもずっと練習はしていたのですが、さらにキックボクシングのレベルを上げるために、岐阜に移住しました」 ――そこでダニロ先生に出会い、キックボクシングの試合経験を積んでK-1に参戦することになったわけですね。人生は何があるか分からないですね。 「本当にそうですね。K-1が、僕につけてくれたニックネーム『ロシアンアドベンチャー』は気に入っているし、完璧だなと思いました(笑)」 ――たしかに『アキモフの大冒険』という感じですね。アキモフ選手が考えるこれがK-1だという闘いはどういうものですか? 「K-1という舞台は、単純に闘いだけを見せるのではなく、子供の頃から習ったこと、その技術や思いをリングまでの花道、前日の計量、すべてを通してみんなに見せることだと思っています。全てがプロという感じがK-1にあります」 ――それを3月の開幕戦で感じましたか。 「ええ。すべてがエモーションであり、人生で一番嬉しかったです」 ――決勝トーナメント一回戦は、ロマーノ・バクボード選手に決まりました。抽選会では選ばれる形になりました。 「受け入れて楽しもうと思いました。最初から戦いたいと思っていた相手だったので、よかったです」 ――バグボード選手は、アキモフ選手の試合を美しいと思い、対戦に名乗りを上げたようです。 「それは嬉しいですね。ありがとうございます」 ――どんな展開になると予想されていますか? 「チャンピオンになりたいので、最後まで頑張るしかないですね。自分の強いところは今は言わないので、試合で見てください」 ――トーナメント出場選手で気になる存在はいますか? 「好きな人とかは言えませんけど、みんなプロの選手なので同じです。今は、次の相手に集中しています」 ――初戦のバグボード選手もそうですが、ブラジルのデング・シルバ選手は長身で攻撃力もあります。他の選手を見て怖さとかないですか? 「怖いとかは全然ないですね、僕はファイターとしては小さいけど行くしかないので。日本語で表現するのは難しいんだけど、K-1っていうのは試合とかじゃなくて本当に闘い、戦争ですね。勝つか死ぬかっていう感じです」 ――それでも怖くないと。 「海の方が、もっと怖いです。対戦相手よりも海の方が、全然怖いですよ。僕は、そこで鍛えられて強くなったのかもしれません」 ――最後に7月7日の大会への意気込みを教えてください。 「『ロシアンアドベンチャー』の活躍を楽しみにしてください。これからも、何歳になっても好きなことをずっと続けていれば、幸せになれることを証明していきます」
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