キックボクシング
レポート

【RISE】大崎一貴が最強の挑戦者を撃退してV2「次はONE王座を狙う」、中村寛がピンチから残り2秒でKO勝ち、中野とメイソンは負傷判定でドロー、那須川龍心が過去2敗していた塚本にリベンジ、大雅がプエルタスから勝利もぎとる、田丸辰が35秒KOで志朗と9月決着戦をアピール、白鳥大珠がモラリに完勝、南原健太が「お決まりの逆転劇場」でKO勝ち

2024/06/15 12:06
RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA2024年6月15日(土)エディオンアリーナ大阪 ▼メインイベント RISEスーパーフライ級(-53kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R〇大崎一貴(OISHI GYM/王者)判定3-0 ※49-47、50-47×2×政所 仁(魁塾/RISE NEW WARRIORSスーパーフライ級トーナメント優勝/挑戦者)※大﨑が2度目の防衛に成功。  大﨑は2020年2月からRISEに参戦し、9月に田丸辰を破ってスーパーフライ級王座を奪取。2022年10月には「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」優勝者・風音に判定勝ちして53kg最強を証明した。2023年4月、ISKA世界王座決定戦でKO勝ちし、念願の世界王者に。2023年7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝で田丸辰に判定2-0で敗れ、19連勝がストップ。2024年3月にはジラリー・キャルービーを破り、ISKAオリエンタルルール世界フライ級王座の初防衛に成功している。戦績は43勝(22KO)6敗2分1無効試合。  政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表をつく技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。2023年7月には風音にリベンジし、8月にはルベン・セオアネをKO。2023年11月の「NEW WARRIORSトーナメント」の準決勝で花岡竜をKO、決勝で長谷川海翔を破り今回の挑戦権を手にした。戦績は21勝(7KO)10敗1無効試合。  両者は2020年7月に対戦し、大﨑が延長戦の末に判定勝ちしている。伊藤隆RISE代表は「53kgの国内最強決定戦。国内屈指のカード。勝者が田丸辰と絡んでいくこともあるし、RISEの53kgは激戦区なので素晴らしい戦いになると思う」とした。  1R、圧をかけていくのは大﨑。じりじりと距離を詰めて右ロー&カーフを蹴る。政所は大﨑が入ってくると左右フックと右カーフを蹴り返す。政所は強い左右フックを打つが、大﨑も左ボディを叩いてオープンスコアは10-10×3。  2R,政所は右ローに加えて、一度ヒザを上げてから落とす独特の蹴り方のローキック。政所のカーフに足が流れた大﨑だが、距離を詰めて最後にボディを打つコンビネーションパンチを繰り出していく。  3R、ヒザとパンチでボディを攻める政所だが、圧をかけて前に出る大﨑が左ボディと左ローを的確にヒットさせていく。次第にロープを背負う場面が増えてきた政所。さらに圧をかけて攻める大﨑に政所も左右フックとヒザで反撃する。  4Rも圧をかけて前へ出る大﨑に政所は下がる。ロープを背負ったところで大﨑が左右フックから左右ボディへつなげる。さらに左ローも蹴る。大﨑も打ち返すが、大﨑の前進は止まらず無表情で攻め続ける。  5R、劣勢の政所は勝負をかけての打ち合いを挑む。大﨑も真っ向から受け止めての打ち合い。しかし、回転力とボディへの打ち分け、そして圧力で優る大﨑が打ち勝つ。ラスト10秒、政所が意地で左フックを2度ヒットさせるが大﨑は下がらず、その場で打ち合う。激しい打ち合いは最後まで続いた。  判定は3-0で大﨑が激闘を制し、最強の挑戦者を退けて2度目の防衛に成功。  大﨑はマイクを持つと「マジで最高です。ここ最近調子悪くて今回の試合へ向けて会長やトレーナー、後輩もサポートしてくれて凄い勝たないといけない試合だったのでいい環境で練習させてもらって勝つことができて恩返しできました。ありがとうございます。こうやって今回タイトルマッチの価値を高めてくれたのは政所選手のおかげだし、勝つためにいい練習ができたのでありがとうございます。これで最強を証明できたと思うので、いま名だたる王者たちが負けてしまっているONEへ大﨑兄弟として乗り込んでONEのベルトを持ってくるので楽しみにしていてください」と、次は弟と共にONEのベルトを狙うと高らかに宣言した。 [nextpage] ▼セミファイナル SuperFight! ライト級(-63kg)3分3R延長1R〇中村 寛(BK GYM/RISEライト級王者)KO 3R 2分58秒 ※3ノックダウン×タリソン“Crazy Cyclone”フェレイラ(ブラジル/Champions Factory/SAIKYO GP優勝)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも称される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取。前戦は2024年3月にK-1ライト級王者・与座優貴に負傷判定で敗れている。戦績は15勝(12KO)6敗1無効試合。  フェレイラは2018年にブラジルで行われた『SAIKYO GP』を制覇。2019年3月に『RISE WORLD SERIES 2019』に初来日すると、スアキムから2度のダウンを奪う猛攻でKO勝利目前まで追い詰めるも逆転KO負け。4月の再来日では大雅を2RでTKOに仕留めている。2023年3月に4年ぶりの来日を果たすと、山口裕人とのOFGマッチで合計6度のダウン応酬となる大激闘を繰り広げ、2Rに逆転KO負けを喫した。  1R、中村は左の三日月と右カーフ。飛び込んでの右フックを縦横無尽に攻める。フェレイラはフックを打つが、中村がノーガードになってかわしてみせる。それでもフェレイラがフックを当てると、中村は左ハイを蹴る。  2Rが始まってすぐ、中村が右フックを空振りしたところへフェレイラが右フックを打とうとしてバッティングに。中村は鼻を切っての出血でドクターチェックを受ける。再開後、フェレイラの手数が急に増え、左右フックとハイキックで中村をコーナーへ追いつめる。疲れが見える中村だが左ストレートを打ち返すが、フェレイラの手数と回転力が優ったか。  3R、さらに回転力を増して手数で前へ出るフェレイラ。中村はかなり疲労が見えるが、ボディへヒザを突き刺すと下がったフェレイラに左フックを見舞って逆転のダウンを奪う。  さらなる打ち合いで渾身の振り回すような左フックでダウンを追加した中村。最後はロープを背負ったフェレイラに左ハイを見舞い、試合時間残り2秒でのKOに成功した。  中村はマイクを持つと「情けない試合をしてすいませんでした。でも、盛り上がったんじゃないですか。みんなにパワー与えるつもりだったけどめちゃめちゃもらいました。前回の試合は皆さんの気持ちを背負えなくて過去一番情けない試合をしたと思っています。すいませんでした。  まだ言えることではないですけど、自分の心、気の部分、メンタル面が整っているので。今までやった相手全員、今後やる相手全員敵と受け止めて倒し切ると決めたので倒し切ります。僕は水抜きで失敗して60kgを諦めて63kgでやったんですけど、61.5kgか62kgの階級を作ってもらって、ベルトを作ってもらいます。僕のことを応援してくれている全員の気持ちを背負って世界へ行くので僕についてきてくれれば絶対にいいことありますよ」と、ライト級とスーパーフェザー級の間の階級を作ってほしいとアピールした。 [nextpage] ▼第12試合 SuperFight! ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R△中野椋太(誠至会/RISEウェルター級王者)ドロー 負傷判定0-1 ※19-20、19-19、20-20△宇佐美 秀 メイソン(カナダ/Battle Box/ISKAインターコンチネンタル ウェルター級暫定王者)  中野は2018年12月にNJKFウェルター級王者になった左フックを得意とするアグレッシブファイター。2019年10月には65kg級のS1ジャパントーナメントで優勝。2020年2月にはRISEスーパーライト級王者・山田洸誓に判定負けを喫するが、2021年7月にWBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。2022年3月、5月の「第3代RISEウェルター級(-67.5kg)王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。8月にチャド・コリンズに初回TKO負けを喫したが、2023年7月にイ・ソンヒョンをバックハンドブローでKOする大金星。しかし、12月にペトル・モラリに判定負けを喫した。戦績は22勝(11KO)8敗。  宇佐美はアマチュアMMAで多数の優勝経験を持ち、2022年4月の『POUND STORM』にてプロMMAデビュー。昨年12月には、初のキックボクシングルールでK-1 WORLD MAXのレジェンド、アルバート・クラウスに勝利。今年3月にはKNOCK OUTで杉原新也に判定勝ち、9月には同団体でジャマル・ワヒィムを1RKOで沈め、キック3戦目でISKAインターコンチネンタル・ウェルター級暫定王座を獲得した。12月にはK-1に初参戦、海斗を2RでKOしてインパクトを残すと、今年3月のK-1では白須康仁も初回KOでマットに沈めた。戦績は5勝(3KO)無敗。  1R、中野は右ミドルからの右フック、メイソンの打ち終わりに左フック。サウスポーのメイソンは鋭い踏み込みから伸びる左ストレート。メイソンの左ミドルに中野が左フックを合わせる。メイソンの打ち終わりを狙って左右フックを打つ中野。メイソンはすぐに前へ出て強打のフックを打ち返す。最後は打ち合いとなり、メイソンが左フックをヒットさせた。  2R、関節蹴りとサイドキックで距離をとるメイソン。左ストレートで踏み込むと中野は左フックを合わせに来る。さらに右ミドルでメイソンの左腕を蹴る中野。左目が腫れた中野にドクターチェック。メイソンのインローがローブローとなって中断。ドクターチェックで中野に眼窩底骨折の疑いがあり、バッティングによるものだと判断されて負傷判定となった。  判定は1-0でドローに。メイソンとセコンドに就いた兄のパトリックは「バッティングはない」と猛抗議。VTR判定を行うと運営は約束した。 [nextpage] ▼第11試合 SuperFight!52kg契約 3分3R延長1R〇数島大陸(及川道場/第2代RISEフライ級王者)KO 3R 2分25秒 ※右ボディブロー×スドロー・ソージョートンプラシン(タイ/元タイ7ch 105P王者)  数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウン応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年10月に第2代王座決定戦を松本天志と争い、判定勝ちで王座に就くと2024年2月にはクンスックに延長戦で判定勝ち。戦績は12勝(6KO)2敗2分。  スドローは元7チャンネルの105ポンド王者で、数島の163cmに対して173cmの長身を誇る。戦績は60勝14敗5分。数島は「ガツガツ来て振り回してくるタイプ」と評している。  1R、右ミドル&ローを蹴ってくるスドローに、数島は早くも得意の左右ボディブロー。前蹴り、ヒザでもボディを攻める。中盤からは左奥足ローも蹴り、好調なスタート。  2Rになると前に出てくるスドローはヒザを一発蹴っては組みに持ち込む。数島は細かくパンチを当てていくが、スドローに組みつかれることが多く攻撃が続かない。スドローは右ミドルも蹴る。  3Rは手数を増やして前へ出る数島。左ストレート、右フックでガードを固めて前に出てくるスドローをかわして攻撃を入れていく。数島は右ストレートをヒットさせてスドローが下がると一気に前へ出て右ボディを叩き込むとスドローは苦悶の表情を浮かべて大の字に。数島がKOで仕留めた。  数島はマイクを持つと「前回不甲斐ない試合をしてしまい、今回は倒すことが出来たので違うところを見せられたと思います。那須川選手おめでとうございます。いろいろなメディアに出て注目されているけれど、そんなことしていたら僕に勝てないと思う。那須川選手、ぜひやりましょう。数島は一味違うところをお見せするので数島に期待してください」と、先に塚本に勝利した那須川の挑戦を受けると明言。  那須川もリングに上がり、「決定か分からないですけどここまで来てるってことは決定で大丈夫ですかね。いつやるか分からないですけれどしっかり数島選手をぶっ倒せるようにめっちゃ強くなって帰ってくるので期待していてください」と宣戦布告した。 [nextpage] ▼第10試合 フライ級(-51.5kg)3分3R延長1R〇那須川龍心(TEAM TEPPEN/同級1位)判定2-1 ※28-29、30-29、29-28×塚本望夢(team BONDS/同級3位)  那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れ、6月にアマチュア時代のライバルだった相沢晟に判定勝ちで再起。8月にはMA日本バンタム級王者のJINに判定勝ち、12月に龍太郎にTKO勝ち。さらに大晦日のRIZINでMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンにパウンドでTKO勝ち。2024年3月には当時フライ級2位の松本天志に判定勝ちして成長を示した。戦績は8勝(2KO)2敗。  塚本はジュニアキック出身で、2020年12月には那須川天心の弟・龍心と対戦して勝利を収めている。2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビューし、11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで初代王座に就いた。2022年4月の「RISE初代フライ級王座決定トーナメント」では1回戦で数島大陸とダウンの奪い合いの末に判定負けで初黒星。2023年2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」では決勝へ進出するも松本天志にTKO負け。7月の大阪大会では山川敏弘を右バックブローでリングに沈め再起を果たした。10月には酒井柚樹に判定勝ち。戦績は10勝(3KO)3敗。  1R、最初は見合いとなったが徐々に塚本がペースを上げていく。高い蹴りを蹴ってパンチにつなぎ、攻撃が単発にならない塚本。那須川はなかなか距離がつかめないようだったが、強烈な左ボディを打ち込む。  2R、塚本がボディを中心にコンビネーションを回転させ、那須川も応戦するが手数は塚本が優っている印象。那須川も強いヒザを2発。那須川の攻撃に対しての返しも塚本が一歩優っていたか。  3R、蹴りの相打ち、パンチの打ち合いとなり、ディフェンスでも高い能力を見せる塚本。那須川も手数を出し、ワンツーを繰り出す。塚本がハイを蹴れば那須川もハイを蹴り返す。至近距離で攻撃を出し合う両者だが、ヒット数では那須川が上回ったか。  判定は2-1の僅差。超接戦を那須川が制した。 [nextpage] ▼第9試合 SuperFight! -61.5kg契約 3分3R延長1R〇大雅(TRY HARD GYM/第6代RISEスーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×ダニエル・プエルタス(スペイン/Ultimate Fight School/元ISKAオリエンタルルール世界スーパーフェザー級王者)  大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。2018年9月からRIZINに参戦。RISEには2019年3月から参戦し、連敗を喫したが梅野源治、奥平将太に連勝して調子を取り戻すと2023年6月にはフランスでポール・カーポウィッツに判定勝ち。8月に常陸飛雄馬に延長戦で競り勝ちすると、2024年1月にRISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーに挑戦。絶対王者として君臨していたリーを判定3-0で破り、第6代王座に就いた。。戦績は28勝(6KO)13敗2分。  プエルタスはISKA K-1ルール世界-60kgと-65kgの2階級を制覇、2019年には武林風の-67kgワールドカップトーナメントで優勝。2018年9月にK-1に来日し、武尊と対戦して初回KO負けを喫したことがある(日本での名はダニエル・ピュータス)。2021年11月のONE初参戦ではパンパヤックに判定で敗れたが、2022年2月にジドゥオ・イブに勝利。2023年1月にはスーパーレックとONEフライ級キックボクシング世界王座決定戦を争い、判定で敗れるもスーパーレックを苦戦させた。  1R、サウスポーの大雅は左ストレートを伸ばし、足への前蹴り。左ミドルも鋭く決まり、中間距離を支配する。飛びヒザも発射。プエルタスはショートの距離でフックからアッパー、フックからボディとコンビネーションを回転させるが、大雅の中間距離でのパンチと蹴りが鋭く決まる。ボディに攻撃を集中させる大雅。  2R、圧をかけて前に出てくるプエルタスに大雅は左ストレート、右フックで距離を撮ろうとするが、プエルタスはどんどん詰めてくる。そこへ大雅が飛びヒザ蹴り。しかし、前に出るプエルタスの右ローをもらってバランスを崩す。  3R、プエルタスは前に出てワンツーと左右ボディを叩き、身体を丸める大雅のガードを突き破るようなヒザを突き上げる。しかし、ここで大雅が前へ出て左ストレート、右フックを見舞う。前へ出てパンチを繰り出し、ガードも堅い大雅が徐々に押していき、プエルタスを下がらせた  判定は3-0で大雅が勝利。マイクを持つと「めちゃめちゃ力が入ってしまいました。久しぶりに気合いが入りすぎて堅くなってしまいました。自分が世界で一番だと思っているので、もっと強い選手を当ててもらって。来年トーナメントやるみたいなので強い選手が出るなら僕も出ようかと思います。スーパーレックより強いと思っているので、これからも世界で一番ってことを証明します」とアピールした。 [nextpage] ~麻原将平引退セレモニー~  麻原は正道会館空手出身で、2008年4月にRISEでプロデビュー。RISEを主戦場にしながら2010年と2011年にはK-1 WORLD MAXにも出場した。2004年1月には挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き、4月にRISEライト級王座に挑戦。王者イ・ソンヒョンに判定2-0で惜敗した。2016年10月にはHOOST CUP初代スーパーライト級王座決定戦でTKO勝ち、初タイトルを獲得。2017年9月にはRISEライト級王座に2度目の挑戦も王者・不可思に敗れた。  2023年2月のRISE20周年記念大会に現役最古参として出場し、瑠夏に初回KO勝ちして華を添えた。同年5月、『KICK BOXING WORLD CUP』でテーパプット・シンコウムエタイに判定負け。これが最後の試合となった。生涯戦績は27勝(8KO)18敗1分。39歳。 [nextpage] ▼第8試合 SuperFight!スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R〇田丸 辰(TRY HARD GYM/RISE WORLD SERIES 2023‐54kg王者、RISEスーパーフライ級王者)KO 1R 0分35秒 ※左右連打×ジョン・ヒョヌ(韓国/BAEKRYEONCHAI/KTK 53kg王者)  田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。一時はスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成。「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では決勝でクマンドーイを破り優勝した。前戦は2024年3月に志朗が保持するRISE世界バンタム級王座に挑戦したが、偶発的なバッティングにより無効試合に。戦績は17勝(3KO)3敗2無効試合。  ヒョヌは12勝(8KO)2敗の戦績を持ち、KTK-53kg前王者。2023年10月、九州プロキックボクシング(KPKB)に来日し、KPKB初代INTERNATIONALバンタム級53kg王座決定戦で日畑達也を初回KO。12月の再来日でもKPKBでGang-Gを3RでKOしている。  1R、スピードのあるワンツー、ミドル&ハイを放ってくるヒョヌを序盤は見ていた田丸だが、狙いすました左三日月蹴りをグサリと突き刺すとヒョヌは腹を抑えて後退。田丸が畳みかけるとダウンし、そのまま10カウントを聞いた。  秒殺KO勝ちを飾った田丸は「ヒョヌ選手強いとわかっていたので、自分も仕上げました。3月ノーコンテストになってしまってメインイベンターとして不甲斐ない試合でしたがこれで一旦チャラにしてください。いい加減僕のことを認めてくれない方は認めてくれていいんじゃないかと思っています。3月、志朗選手とノーコンテストになってしまったので9月メインで決着をつけましょう」と志朗との決着戦をアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R〇白鳥大珠(TEAM TEPPEN/同級2位)判定3-0 ※30-28×3×ペトル・モラリ(モルドバ/Kickboxing fearless/WKU WORLD-65kg王者)  白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。2021年6月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では皇治らを破って優勝。2023年は3月にK-1との対抗戦で佐々木大蔵に勝利、6月のフランス遠征は無効試合、12月にザカリア・ゾウガリーをKOしたが、2024年3月はイ・ソンヒョンに判定負け。戦績は28勝(11KO)10敗1分1無効試合。  モラリはWKU世界-65kg王者で、戦績は8勝1敗。パンチ、蹴り共に思い切った攻撃を仕掛けるアグレッシブなファイタータイプ。2021年6月に、当時無敗だったヤン・カッファを後ろ廻し蹴りでKOした一戦が光る。2023年12月の初来日ではRISEウェルター級王者の中野椋太を判定で破った。今回は適正階級での参戦となる。  1R、白鳥はサウスポーから左インロー&ミドルを蹴っていき、モラリがパンチを繰り出してくると回転力で上回る連打を返す。さらに左の三日月を突き刺す。モラリの蹴りに合わせての蹴り、パンチの返しと白鳥の冷静な動きが目立った。  2R、右ストレートが来れば左ストレート、右ハイが来れば左ハイともらいっぱなしにならず必ず返す白鳥。モラリも右ストレート、ヒザで白鳥のボディに狙いを定めるが、白鳥はフックからアッパー、連打でモラリが頭を下げるとヒザを突き上げ、ミドルからパンチまたミドルとコンビネーションを改訂させていく。冷静かつ研ぎ澄まされた印象の白鳥。  3R、白鳥は前蹴りとミドル、ヒザでボディを痛めつけつつ、ショートのパンチコンビネーションを繰り出す。モラリは白鳥の蹴り足をキャッチしての崩しやパンチを狙うがボディのダメージを感じさせる。  判定は3-0で白鳥の完勝。攻撃の適格性や鋭さ、コンビネーションのスピードを見せつけて進化を発揮しての勝利となった。 「波のある戦績になっていますが僕はまだあきらめてないです。次は9月横浜で誰と組まれてもぶっ飛ばしてやるのでお願いします」と、横浜大会への参戦をアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 SuperFight!ライトヘビー級(-90kg)3分3R延長1R〇南原健太(極真会館/第2代RISEライトヘビー級王者)KO 3R 0分58秒 ※ヒザ蹴り連打×ジェシー・アスティル(オーストラリア/Strikeforce/WBCオーストラリアクルーザー級王者)  1R開始と同時に距離を詰めてフック&アッパーを打ち込むアスティル。左フックでダウンを奪われる南原だが、立ち上がると左右フックで猛反撃。右の三日月蹴りを突き刺し、アスティルをコーナーへ詰めて左右フックの連打を見舞う。  2R、序盤はアスティルのパワフルなパンチをもらって後退する南原だが、中盤を過ぎると左三日月を皮切りにボディへ攻撃を集めてアスティルにコーナーを背負わせる。  3R、左右フックを叩きつけて前へ出てくるアスティルだが、南原がサウスポーにスイッチして左三日月をグサリと突き刺してダウンを奪う。南原は後ろ蹴りからヒザ蹴りを連打し、アスティルが防戦一方となったところでレフェリーストップ。またしても南原の逆転KO勝ちとなった。  マイクを持った南原は「お決まりの逆転劇場いかがでしたか。たくさんの応援ありがとうございます。この会場は極真空手で2年前に日本一になった会場だったので頑張りました。押忍」と話した。 [nextpage] ▼第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ -65kg契約 3分3R×山口裕人(道化倶楽部/WPMF世界スーパーライト級暫定王者)KO 2R 1分45秒 ※3ノックダウン〇伊藤澄哉(戦ジム/ライト級2位)  1R、伊藤はジャブを突きつつ右カーフを狙い撃ち。さらにヒザ蹴りも突き刺す。右の打ち下ろしをヒットさせる伊藤だがすぐには行かず、ジャブとカーフから右をヒットさせていった。山口もジャブを打つ。  2Rは前に出る山口が左右フックを狙いに行くが、伊藤はカウンターの右ストレートをヒットさせてダウンを奪う。山口は前へ出ていくが伊藤はジャブでしっかり距離を取り、打ち合いになると左フックでダウンを追加。最後は連打を見舞って山口をグラつかせ、レフェリーがストップした。  伊藤はマイクを持つと「おとうさんとおかあさん、いつも心配をかけていますが成し遂げるまでこれからも格闘技で頑張るので尾上の願いします。あとひとつだけ、YA-MANいつまで冬眠させるんですか。自分も山口選手を倒したので次期挑戦者にお願いします」と、王者YA-MANへの挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ -63kg契約 3分3R×山口侑馬(道化倶楽部/ライト級7位)不戦勝〇山畑雄摩(心将塾/第3代DEEP☆KICK-63kg王者) 山畑の引退式として10カウントゴングが行われた。 [nextpage] ▼第3試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R〇憂也(魁塾/第2代DEEP☆KICKー65kg王者)KO 3R 0分36秒 ※左ボディブロー×シンパヤック・ハマジム(タイ/HAMA・GYM/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級2位)  1R、サウスポーのシンパヤックは左ロー&ミドル。ボディに狙いを絞った憂也が左右ボディを重ねていき、右フックでダウンを奪う。しかし、立ち上がったシンパヤックが逆襲に転じ、左フックで憂也が危ない場面も。  2R、憂也の右フックに左ストレートを合わせに来るシンパヤック。さらに左フックで憂也と打ち合う。憂也の左右ボディでロープを背負いながらも諦めず反撃するシンパヤックだったが、憂也の右ショートフックをもらって2度目のダウンを喫す。  3R、勝負をかけて打ち合いに行ったシンパヤックだったが、憂也のボディをもらって後退。最後は憂也の左ボディでシンパヤックは座り込むようにダウンし、憂也のKO勝ちとなった。  憂也はマイクを持つと「蹴りがめっちゃ重かったです。サウスポー対策でジムのみんなが協力してくれました。70kg王者の海人選手、そろそろ防衛戦をしないといけないのでしょうか。vs.世界に行くなら僕に置いていってください(笑)」と、控えめに海人への挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R〇拳剛(誠剛館/同級11位、第5代DEEP☆KICK-55kg王者)判定3-0 ※29-27、30-27×3×KING龍蔵(ROYAL KINGS/第3代DEEP☆KICK57.5kg王者)  1R、両者とも慎重な出足。ローを蹴り合い、拳剛はワンツー、龍蔵も右ストレートを打つ。  2R、拳剛は右カーフを狙い撃ち。龍蔵はそのカーフに右ストレートを合わせに行く。両者とも見合う時間が多く、パンチの交錯もすぐクリンチに。  3Rになると拳剛はジャブを使い始める。これで距離とタイミングが測れたか、得意の右ストレートが当たり始め、右三日月からの右ストレートでダウンを奪う。  これで吹っ切れたか龍蔵が打ち合いに行き、拳剛も応える。ラスト10秒は龍蔵が猛攻を見せたが時すでに遅し。ダウンを奪った拳剛の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第1試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R〇JIN(楠誠会館/MA日本バンタム級王者)KO 3R 1分47秒 ※DDT×野田 蒼(月心会チーム侍)  1R、野田は右へ大きく回り込み、それを追うJIN。野田は回り込みを止めると左右の大きなフックを振り回し、JINのワンツーの打ち終わりに踏み込んでの右オーバーハンドでダウンを奪う。クリンチになったところでJINがブレイク後にパンチを野田の顔面に見舞ったため試合は中断。JINにはイエローカード(減点1)が提示される。  2Rも野田は大きく回り込み、それを追ってくるJINにタイミングよく右フックを当てていく。しかし、野田はクリンチも多く警告を受ける。偶発的なバッティングでJINが右目のダメージを訴え試合は中断。野田に再三のホールディングにイエローカード。左右のフックを一発当てては組みつく野田にJINはいらだちを隠せない。  3Rが始まってすぐ、野田の左インローがローブローとなってJINが悶絶。インターバルが与えられて回復を待っての再開。野田はサウスポーに構えると左回り、オーソドックスになると右回り。JINが追ってくると左右フックを上手く当てるが、またも野田の左ローがローブローとなってJINが倒れる。ダメージが大きいため野田には2枚目のイエローカード。  再開後、JINは怒りの飛び蹴りからラッシュをかける。野田は回り込んでヒットを奪っていく。JINの右フックがヒットしたところで野田が胴タックル気味に組みつくと、野田の頭を抱えたJINがそのまま倒れ込み、DDTの状態で野田は頭部をマットに打ち付けた。野田は首にダメージを負ったか立ち上がることができず、JINのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼オープニングファイト4 フライ級(-51.5kg) 3分3R〇KING陸斗 (ROYAL KINGS)KO 1R 2分27秒 ※3ノックダウン×伊藤琉之助(EX ARES)  1R、圧をかけていく伊藤だが陸斗が回転の速いパンチでヒットを奪うと一気にラッシュ。左右の連打で一瞬棒立ちのような状態になった伊藤にダウンが宣告される。  その後も一気呵成にパンチで畳みかける陸斗に伊藤も応戦したが、蹴りに右オーバーハンドを合わせられて2度目のダウン。  最後はラッシュをかけた陸斗に伊藤が一方的に打たれ、レフェリーがストップした。 [nextpage] ▼オープニングファイト3 スーパーライト級(‐65kg)3分3R〇将太(KSS健生館/2022年RISE Nova 全日本大会 -70kg級トーナメント優勝)KO 2R 1分35秒 ※3ノックダウン×松本慶二(TEAM TEPPEN)  1R、将太はサウスポーからパワフルな左ミドルとヒザ、ショートの距離で顔面への前蹴りをタイミングよく放つ。松本もヒザを巧みに使い、ボディへの前蹴りで応戦。将太のパワーが目立った。  2R、将太のテンカオがグサリと突き刺さり、将太はヒザ、左ミドルとボディへの攻撃を集中。松本も蹴りで対抗するが、ロープを背負った松本へ将太がヒザを突き上げてダウンを奪う。  その後もヒザの連打で将太がダウンを連続で奪い、将太のKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼オープニングファイト2 フェザー級(-57.5kg)3分3R〇嘉武士(NJKF健心塾)判定2-0 ※29-28×2、28-28×門脇碧泉(正道会館戸田道場/Stand up King of Rookie 2023 -57.5kg 優勝)  1R、かなり荒々しく左右の強打を叩きつける門脇。ボディも含めて攻勢をかける門脇だったが、後ろ蹴りを空振りしたところに右フックを合わされてスリップ気味のダウン。立ち上がった門脇はスイングの大きなフックで猛攻を仕掛ける。  2R、組み際や離れ際にパンチを当てる門脇。ワイルドに攻めるが、中盤を過ぎると披露からか手数が減る。ここで嘉武士の左右フックが入り始めるが、門脇も一発の強打を出して前へ出る。  3R、嘉武士はミドルからのヒザ、ワンキャッチのヒザとヒザの有効打。かなり疲労が見える門脇は一発狙いの大振りを繰り返す。ラスト10秒では打ち合いを仕掛け、嘉武士もそれに応えた。  判定は2-0でダウンを奪った嘉武士の勝利となった。 [nextpage] ▼オープニングファイト1 アトム級(‐46kg) 3分3R〇山﨑愛琉(TEAM TEPPEN)判定2-0 ※29-28×2、28-28×上田樹那(山口道場)  1R、両者ミドルとローの蹴り合いからスタート。序盤は上田の蹴りを受けていたサウスポーの山崎だが、徐々にペースを上げると前蹴りを主軸にジャブ、左ストレートを当てて前へ出る。上田も左右フックで応戦。  2R、ロングの距離からジャブ、左ストレート、前蹴りを当て、近づくとコンビネーションを回転させる山崎。上田は待ちの姿勢となり、山崎が入ってくるところにパンチを合わせに行く。そのため山崎も容易には踏み込めない。  3R、ペースを上げる山崎が左ミドル、左ストレートから接近してのヒザと攻める。左ストレートで大きくのけ反った上田は右目上をカットして流血でドクターチェック。再開後、バックハンドブロー、バックスピンキックと回転系の技に加えて右の三日月も蹴る。  判定は2-0で山崎が勝利を飾った。
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