ずっと引き出しを増やす練習をしてきた。寝技でも立ち技でも引き出しの数はこっちの方が多い
──さて、いよいよセルジオ・ペティス選手との再戦です。ATTでは仮想セルジオという形でのスパーリングパートナーもいたのでしょうか。
「そうですね。毎回(想定練習は)しますけど、ブラジルの方とか。キック出身の方とか、“ザ・キックボクシング”みたいなスタイルの方は多いですよ、こっちには」
──金太郎選手が出稽古に来ていて、対戦した金太郎選手から見た堀口選手の癖だったりを、フィードバックすることもありますか。
「うーん、金太郎君からのアドバイスはあまりないですね。こっちの方がしてますね(笑)」
──前回はBellatorが舞台で、今回はRIIZNでの再戦です。心境の違いは?
「心境は毎試合……なんて言うんですかね。“新しいもの”だと思ってるんで、なんかそんなに“前回こうだったから勝てるよね”とかそういうのはないですね。もう本当に違うものとして受け取ってますね」
──階級違いのほかにも、ケージとリングの違いがあると思うのですが、この点において有利・不利はいかがでしょうか。
「まあリングだとやりづらいですよ。やっぱり外に出るんで。その点でケージの方がやりやすいですけど……まあそんなことを言っててもしょうがないんで、やることは変わんないんで」
──リマッチは全部勝っていますが、リマッチ特有のやりやすさ・難しさはありますか。
「うーん、自分はやりやすいですね。だって相手のことが分かるし、研究しやすい。俺にとってはやりやすいですね。だいたい相手の手の内はもう知ってるんで、そこに何をするかとか」
──セルジオは前戦(2023年11月)でパッチー・ミックスに一本負けしましたが、パッチーのああいう戦い方も参考になりますか。
「そうですね。ああいう極め方もあるのか、とか、どうやって攻めているのかとか。自分の試合の組み立て方も出来ていますね」
──前回戦ったときとセルジオはどう変わって来ると考えていますか。
「うーん、あまり変わらないと思いますね。やっぱりなかなか自分のスタイル、芯の部分はあんまり変えられないんで」
──堀口選手の場合は?
「自分はずっと引き出しを増やす練習をしてきたので、寝技でも立ち技でも引き出しの数はこっちの方が多いんじゃないかなと思います」
──「やり返したい」のは、KO負けしているから余計にそういう感情になった部分もありますか?
「うーん、まあ負けてるっていうことがあるんで。KO負けとかそういうんじゃなくて、負けは負けなんで、そこでですかね」
──前戦で試合の直後は、一発もらってやられちゃったっていう感じだったのか、やっぱりちょっと悔いが残る感じだったとか、どんな心境でしたか。
「やっぱ負けた試合は全部悔しいんで。まあ“悔しいな”って感じですかね。いつかやり返そうと思ってこの話が来たんで、“やっと来たな”って感じですかね」
──試合展開では、堀口選手がテイクダウンとグラウンドで試合を有利に進めました。「引き出しが増えてる」という部分では、仮に同じような展開になっても、前回よりも違う展開をできる手応えはありますか?
「そうですね。もう全体的に幅が広がってると思うので、同じ展開でも違う動きも出来たりしますね」
──前回テイクダウンにブーイングがあってスタンドに戻しましたが、今回は勝ち方としてはとにかくもう漬けてもいいから勝つという思いも?
「うーん、そうですね。最初から漬けを狙っていかないんで、別に。しっかり勝つということを目標に。まあチャンスがあれば極めるし、KOを取るしっていうのを自分はいつも目指してやってますね」
──ところで前回の試合時、ペティス選手のセコンドに当時ペティスのジムで練習していた平本蓮選手がついて、ペティス選手は今回もセコンド入りを希望しています。その辺のゲン担ぎは意識されたりしますか。
「いや、全く気にしないですよね。別にやるのは俺とペティスであって、周りは関係ないんで、なんか別に何もないかなって感じですね」
──堀口選手が「本物の試合」を、今回のような大きな会場で、しかも日本のファンの前で見せるっていうことは、堀口選手が日本に参戦してきたことのひとつだと思いますが、そのことは改めてどう思いますか?
「そうですね。やっぱり本物の試合を見せて、何て言うんですかね、“うわ、こんなに強いやつ、人間でいるんだ”みたいな。そういうのを見せたいですよね。自分はそれが本当の格闘技だと思うんで。もちろん話題も大事ですけど、本物の格闘技を、PRIDEのときのように自分が見せたいなと思いますね」