クレベル戦は、パッチー・ミックス戦前のファイトキャンプに似ている
──クレベルのようにあそこまで柔術に特化した選手はなかなかいないと思います。今回、柔術家対策をモロッコでできているのでしょうか。
「自分のキャリアの中では、全ての試合において“MMA”というものを高めるために、柔術も導入して練習してきたので、特に今回で言うと、パッチー・ミックスと試合(※2020年9月にアーチュレッタが判定勝ち)をした時のファイトキャンプに似てるのかなと思う。ミックスはあの当時、柔術しかなくて、その彼の強みを一個一個ずつ潰して、いかなる場合のシチュエーションの練習も反復でやっていた。そして、相手の柔術を封じ込めることができれば打撃が生きてくるから、それに向けた打撃の強化というのもミックス戦ではやっていたので、今回はそのミックス戦のキャンプに似てるかなと思う」
──柔術黒帯の選手とも練習を?
「当然今のファイトキャンプで一緒に練習している仲間の中にも柔術の黒帯がいるけど、今回の試合に向けて、特別に柔術の黒帯とだけ練習をしているというわけではなく、あくまでもMMAの能力を高める練習をしているよ」
──クレベルの寝技やグラウンドの展開になった際の対応については?
「最高のゲームプランは、金原がやったような戦い方が一番だ。グラウンドにも付き合って、逃げずに自分の柔術は自信を持って対応できるぞ、という部分を見せつけて、そのうえで圧倒的に勝つというのが完璧なゲームプラン。自分もそれをやりたい。ただ、今回はフィニッシュしないといけないと思っている。自分は何としてでも発言力を得なければいけないから。クレベルはタフだし、まず極められない。その中で元王者、タフな相手をあえてフィニッシュすることで自分の価値が上がると思っているし、発言権が上がると思っている。今回は自分がRIZINフェザー級で通用することを証明するためにしっかりとした勝ち方をしないといけないので、これがクレベルだろうが誰だろうが、フェザー級に転向しての一戦目。激しくて一番調子のいいフアン・アーチュレッタを見せたいと思っている」
──クレベル選手の寝技以外で警戒するところは?
「あまり自信過剰にとらえられたくはないけど、寝技以外の脅威はあまり感じない。動きもスローだし、打撃もゆっくりめな感じ。蹴りはどちらかというと寝技に繋げるためのもののように感じる。ちょっと打撃に自信がないのかなと感じるね。打撃をもらうとガチャガチャな打撃にもなってくる。自分としてはそこを利用して、自分の打撃に自信を持って、フットワークなどを駆使して戦えば行けるのではと思っている。彼のグラップリング以外は脅威には感じていない」
──クレベル攻略については金原選手と斎藤裕選手が、その攻略の糸口を示したと思われます。参考にしていますか。
「そうだね。金原の試合は特に参考になる。やはり寝技にビビってないという姿勢を見せることが非常に大事なのかと思う。今回モロッコに来てから、ザハビ兄弟やナスラット、それに打撃の方もGLORYやONE活躍したキックボクシングの選手とも練習しているんだ。今回のようにグラップリングが強みな2人の選手が戦う場合は、打撃戦になる可能性もある。互いの寝技を相殺して、打撃の勝負になることも十分あるので、そういった展開を狙ってキックボクシングの強化もしている」
──クレベル選手は、これまでの対戦相手のなかで何位に入る難敵でしょうか?
「クレベルはもうチャンピオンも経験してベルトと巻いている選手なので、当然リストのトップの方には入れなければいけない。トップ5には間違いなく入ってくると思う。というのも、やっぱりチャンピオンっていうのは経験があって“勝ち方を知っている”というのは間違いない。だからこそチャンピオンになれる。そして彼は40戦以上やっているし、経験もあるので、理論的には、彼は本当にトップの選手であろうと思っている。実際手を合わせてみて肌を合わせてみれば、詳細なランキングはできると思うけど、少なくとも今、書面上・理論上は、彼はトップ5に入る相手なのは間違いないと思う」