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【Bellator】パッチー・ミックスがマゴメド・マゴメドフとの再戦でスプリット判定勝ち王座防衛。元GLORY王者ドゥンベが初回TKO勝ちでペティスとフェイスオフ

2024/05/18 05:05
 2024年5月17日(金)25時から『Bellator Champions Series Paris』(U-NEXT配信)が、フランス・パリのアコー・アリーナで開催された(※プレリミナリーで矢地祐介が一本負け)。  メインはBellatorバンタム級王者パッチー・ミックス(米国)の防衛戦で、2022年のバンタム級GP準決勝で対戦したマゴメド・マゴメドフ(ロシア)の挑戦を受ける。 ▼Bellator世界バンタム級選手権試合 5分5R〇パッチー・ミックス(米国)王者 20勝1敗[判定2-1] ※48-47×2, 46-49×マゴメド・マゴメドフ(ロシア)挑戦者 16敗2敗※ミックスが王座防衛  前日計量では、両者バンタム級王座戦リミットの135ポンド(61.2kg)でパス。  スケール上ではバキバキの身体と目がキマっていたミックスに対し、マゴメドフも気合十分の表情。フェイスオフではいつものように笑顔のマゴメドフに、かつては練習仲間であるミックスも笑顔で返した。  MMA19勝1敗のミックスは、2019年のBellatorデビュー戦以降、フィニッシュできなかったのはGP一回戦の堀口恭司戦の判定勝ちと、2020年9月にフアン・アーチュレッタに判定負けした2試合のみ。  2023年11月のバンタム級王座統一戦では、セルジオ・ペティスを2R リアネイキドチョークで極めて正規王者となっており、ミックスが対戦したこの3者が、6月9日の 『RIZIN.47』に出場することから、日本のファンにとっても注目の5分5Rの王座戦となる。  ミックスとマゴメドフは、2022年12月以来の再戦。  初戦はミックスが2R ギロチンチョークでマゴメドフに一本勝ち。マゴメドフにとってキャリア初の一本負けだった。その後、マゴメドフは2023年7月にダニー・サバテーロを1R ギロチンチョークで極めて再起を遂げている。  互いにギロチンチョークを最大の武器とするが、ラフェオン・ストッツにヒザ蹴りをヒットさせるなど、リーチのあるミックスの打撃の進化は著しい。  組みも混ぜたその圧力に対し、テイクダウン&スクランブル、ギロチンチョークが武器のマゴメドフだが組んでも、頭を下げると180cmの長身のミックスのギロチンが待っている。  打撃から組みの際に注目の再戦を制するのは、ミックスかマゴメドフか。ミックスのセコンドにはパートナーのタチアナ・スアレスがつく。  1R、サウスポー構えのミックス。オーソのマゴメドフは右の三日月蹴り。スイッチも見せてオーソに戻すマゴメドフに、ミックスは左インロー、前蹴り。  右のダブルで飛び込むマゴメドフ。互いに前蹴り。ミックスは左インローを当てて前に。喧嘩四つで前手争い。ミックスは右関節蹴りも。マゴメドフは左前手フック右三日月蹴りが組んでヒザ打つも深く組まずに離れる。  右の前蹴りを腹に突くも、圧力をかけるミックスが右ジャブを内側から突く。マゴメドフの右のダブルをかわすが、右ストレートを当てたマゴメドフは前に! 金網に詰めて組むが、離れる。  左インローのミックス。ミドルハイで圧力をかけなおす。マゴメドフは左フックから右の蹴り、右フックはミックスがブロッキング。右ジャブ、左インローのミックスに右を当てたマゴメドフのラウンドか。  2R、圧力をかけるミックスは、右の蹴りをつかませてジャンピングのギロチンチョーク! 頭を下げず、前に落として首を抜くマゴメドフ。上になるマゴメドに、右で差すミックス。左小手のマゴメドフは離れる。  スタンド、右ストレートをダブルで突くマゴメドフ。足払いも。出入りのマゴメドフはカーフも。手数が減ったミックス。右で飛び込みも、マゴメドフは左前手のフックを合わせる。圧力をかけるミックスに、左に回るマゴメドフ。  サウスポー構えになり、ワンツー。左を突いてニータップも見せる。切るミックスにまたも左突いて、右の蹴りを上下に散らすマゴメドフ。スピードでミックスを上回るが、ミックスのギロチンの評価は?  3R、サウスポー構えで入るマゴメドフ。右ジャブ、右前蹴りを腹にさらに自ら低いシングルレッグに入ると、ここに得意のギロチンチョークをアームインで極るミックス!  クローズドガードの中に入れて絞るが、警戒していたマゴメドフは組手を万全にはさせなかったか。ずらして首を抜いて離れる。  ステップインして左前手を当てて、金網に詰めて右も当てるマゴメドフ! しかし、ここで組みに行くマゴメドフ。ミックスはオーバーフックで凌ぎ、マゴメドフは離れる。  オーソから右の前蹴り、アッパー、ボディ打ちのマゴメドフ。下がるミックスはインロー、前に押し戻すが、そこに左フック、右ボディストレートのマゴメドフ。右のかけ蹴りも突いてゴング。ミックスはケージに両手をかける。  4R、右の蹴りを突いて、そのまま前足を置いてサウスポー構えになるマゴメドフ。ミックスは右インローをヒット。マゴメドフの左に右を差して押し込むと、マゴメドフは左小手巻き、バックに回らせない。  左ヒジで突き放すマゴメドフ。右インローのマゴメドフ。サウスポー構えから左ストレートを突く。左フックをブロッキングするミックスも右を返すが、右ハイは空振り。マゴメドフは右の三日月蹴り。左から右アッパーで入り、離れて互いにインロー。返しの数はマゴメドフが多い。  左オーバーハンドから右を当てるマゴメドフ! 互いに前蹴り。ミックスは右前手のパンチのみに。左の蹴りにはマゴメドフが右ストレートを狙う。左を当てたミックスに首相撲で組んだマゴメドフ。ゴング。ここはマゴメドフが取り返したか。  5R、オーソから入るマゴメドフ。右インローから右ストレートで飛び込み、クリンチボクシングで離れる。ミックスの左インローがローブローに。股間を押さえるマゴメドフ。中断。再開。左フックから入りマゴメドフは右スーパーマンパンチも。ここはさばくミックスだが後手に。  ダブルレッグで組んだミックスは脇を差すが、小手に巻いたマゴメドフは崩されず。バックに回せず。さらにダブルレッグに両足をケージに平行に広げてディフェンス。上に上がると小手巻き。なおもシングルレッグのミックスを差し上げると、がぶるマゴメドフ、なおも押し込むミックスを突き放す。  高い左ヒザから詰めるミックスだが、さばくマゴメドフは右ストレート。ミックスは組んで右で差すが、左小手、正対し、突き放す。左インローのミックスに、マゴメドフは左ストレートから蹴りに繋ぎ、前に出て、バックフィストを放ってゴング! 息詰まる熱戦は判定へ。  リーチした打撃はマゴメドフだが、打撃数はミックス優勢とのスタッツ。2、3Rのミックスのギロチンチョークも評価されたか。判定は2-1に割れて、1者が49-46の3P差のマゴメドフを支持も、2者が48-47の1P差でミックスを支持。ミックスはブーイングの中、王座を防衛した。  試合後、ミックスは「3Rのギロチンでエナジーを使った。違うゲームプランになった。相手はレスリングで来るかと思ったけど打撃できた。キャンプもウエイトカットも良くなかった。ハイレベルなコンテンダーファイトだったよ」と語った。  また、ミックスのフィアンセで、UFC女子ストロー級1位のタチアナ・スアレスにもマイクが向けられ、「スプリット判定に驚いたか?」の問いに「そうね」と答えた。ミックスは「ママや彼女のためにも勝てて良かった。次はレアンドロ・イーゴと戦いたい」と語った。 [nextpage] 元GLORY王者ドゥンベが打撃でウィリスに圧勝、アンソニー・ペティスとフェイスオフ ▼175ポンド 5分3R〇セドリック・ドゥンベ(フランス)175.5lbs 6勝(6KO)1敗[1R 3分33秒 TKO] ※右フック→パウンド×ジャリール・ウィリス(米国)174.6 lbs 16勝6敗  元GLORYウェルター級王者セドリック・ドゥンベ(フランス)の前戦は、3月7日の『PFL Europe 1: 2024 Regular Season』のメインイベント。  ドゥンベは、前戦でビソングール・“BAKI”・シャンソウディノフ(フランス)と無敗対決に臨むも、3Rにドゥンベがレフェリーに向かって手を上げ、左足に何かが刺さったとして、ストップを訴えたが、レフェリーから戦意喪失と見なされ、シャンソウディノフがTKO勝ち。ドゥンベは6戦目にして初の黒星が付いている。  対するジャリール・ウィリスは、Bellator4勝3敗。デレク・アンダーソンの代役としての登場。2022年12月に当時ランキング8位のカイル・クラッチマーに判定勝ちも、2023年6月の前戦はラマザン・クラマゴメドフに1R TKO負け。  前日公開計量ではフェイスオフでウィリスと額を突き合わせて小競り合いとなったドゥンベ。掃除機を手に、木片などが刺さらないように花道を掃除しながらケージへと向かう。  1R、いきなり中央に出て前蹴り、ヒザで出るウィリス。さばいたドゥンベ。ウィリスのシングルレッグを切ると左フック。さらにシングルレッグのウィリスをスプロールして切ると離れ際に右ストレートを狙う。  スタンド、テイクダウン狙いに対して右アッパーのフェイントを見せるドゥンベ。ウィリスの右にバランスを崩したドゥンベだがすぐに立ち上がり、ウィリスの左ジャブをスウェイでかわす。  低い構えで顔を前に出すドゥンベ。互いに右が交錯するなか、ドゥンベは打ち合いでウィリスの左をかわして右を当ててさらに返しの左でダウンを奪うと、ウィリスに右のパウンド連打。  ウィリスの立ち際、さらに足を手繰るところをスプロールしながら、左を連打し、レフェリーが間に入った。  試合後、ドゥンベは、「ウィリスの打ち方を分析していた」とアグレッシブなファイトスタイルとは裏腹に、冷静にカウンターを打ち込んだと語った。  するとそこにアンソニー・ペティスがケージイン。「ここで、パリでお前と戦いたい」と対戦をアプール。ドゥンベは「ここで? いいね」と笑顔で11月パリ大会での対戦を承諾した。
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