8月31日(土)、中国・広東省深セン市のユニバーシアード・スポーツ・センターにて、「UFCファイトナイト深セン」が開催される。日本時間の31日16時からプレリム開始で、メインカードは19時開始予定。
メインイベントでは、UFC世界女子ストロー級選手権試合・5分5Rが行われる。
前日計量では、先に地元の挑戦者ジャン・ウェイリが登場。右手で拳を握り、広げた左手に合わせる「包拳礼」で秤に乗り、115ポンド(52.16kg)のコールにガッツポーズ。そのまま中国国旗を受け取り、背中ごしに広げると大きな歓声が沸いた。
続いて赤のUFC Tシャツを着こんだ王者ジェシカ・アンドレジが登場。アンダーウェアになり秤に乗って、114.5ポンド(51.93kg)のコールにこちらも力強いガッツポーズ。深センのファンはブラジルの王者にブーイングではなく大きな拍手を送った。
ウェイリはアンドレジに対し、中国での対戦実現に感謝の言葉を述べた上で、「彼女はベルトとともに来たけど、ここに置いていくことになる」と笑顔でコメント。対するアンドレジも「ここ中国で(ブラジルの)エリゼウ・ザレスキとともに戦えて、最初の王座防衛戦を行なえることが嬉しい。私たちはほんとうに中国を愛している。でも、私がベルトを失って帰国すると考えているのなら間違い。私が触れた瞬間、彼女はダウンする。ベルトはブラジルに持って返る」と、余裕の笑顔で返した。
メインカードの第1試合に登場予定の魅津希(日本)は125ポンド(56.69キロ)で女子フライ級リミットをパス。対するウー・ヤナン(中国)は、王座戦以外の1ポンド・オーバー規約から3ポンド(1.36kg)も重い129ポンド(58.51kg)で計量失敗も、笑顔で両手を広げてみせる鉄のハートでフェイスオフ。
緊急オファーを受けて、1階級上でUFCデビューを決めた162cmの魅津希を、173cmの長身のヤナンが大幅体重超過の身体で見下ろして、公開計量は終了した。ヤナンはファイトマネーの30パーセントを魅津希に支払い、試合は行われる予定。
ダナ・ホワイト「ウェイリとは誰も戦いたがらなかった」
2013年からUFCで活躍を続ける王者ジェシカ・アンドレジは現在4連勝中、うち3試合でパフォーマンスボーナスを獲得しており、元チャンピオンのローズ・ナマユナスを撃破してチャンピオンに輝いた5月の試合ではファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを同時受賞している。
対する19戦連続負けなしの戦績を誇るウェイリは中国で最も優れた女子ファイターと言われており、UFCではわずか1年で世界トップ10入りを果たした。今回、中国初のUFC5分5Rのタイトルマッチで、UFC世界王座に挑む最初の中国人ファイターとなる。
UFCのダナ・ホワイト会長は「ウェイリとは誰も戦いたがらなかった。そこでジェシカに声をかけたところ、彼女は『自分が戦う』と言い、しかも、中国でやると! 2人とも本当に素晴らしいファイターだ」とコメントしている。
ウェイリは試合前に、「このチャンスを与えられたら逃すことなどできません。私のやるべきことはショーを見せることだと思っています」と語れば、アンドレジも「ウェイリは本当にタフなファイターだと思います。良い打撃も当てていますし、速くて力強いです。だからこそ、私は今回の試合に向けてしっかりと準備しなければなりません。彼女はすでに私も戦ったことのあるテシア・トーレスと対戦し、試合中に彼女が(トーレスに対して)何をしたのかも見ました(※ウェイリが判定勝ち)。ダナとUFCは今回の5分5Rのマッチアップに関して最高のチョイスをしたと思っています」と話している。
また、今大会のセミメインイベントも中国vsブラジル。リー・ジンリャンがエリゼウ・ザレスキ・ドス・サントスと対戦する。
中国で最も名の知れたファイターである北京出身のジンリャンは2014年のUFC参戦以来、最前線で戦い続け、中国で最も長きにわたってUFCで活躍するファイターだ。北京と上海で開催されたUFCファイトナイトではいずれも驚異のノックアウト勝利を遂げ、パフォーマンスボーナスを獲得している。
一方、ドス・サントスは7連勝中で、エキサイティングなファイトスタイルでファンを魅了し、これまでに3回のパフォーマンスボーナスを手に入れている。
メインカードの第1試合では、負傷したルアナ・カロリーナに代わり、日本の魅津希がウー・ヤナンとの女子フライ級戦に臨む(※ヤナンの体重超過でキャッチウェイト戦に)。
魅津希はInvicta FCでタイトルに挑戦したこともある実力派で、満を持して総合格闘技の最高峰の舞台に上がる。立ち技での試合経験もあるストライカーながら、アームバーで9回の一本勝ちを収めるほどグラップリングにも長けている。今回はこれまでのストロー級から1階級上のフライ級でのUFC挑戦となるが、対戦相手のヤナンが体重超過したため、バンタム級以上の体格差が予想される。
対するヤナンはこれが3度目のUFC戦となり、UFCファイトナイト北京ではローレン・ミューラーを相手に見事な逆転勝利を収めた。打撃で6勝を挙げているものの、ミューラーにアームバーで一本勝ちしているようにグラップリングゲームも強力なだけに、MMAの次世代を担う2人のバトルは好勝負が予想されていた。それがヤナンの計量失敗によりキャッチウェイト戦になったことは残念な限りだ。
UFCファイトナイト深センは、日本ではUFC公式サイト日本語版にて元UFCファイターの菊野克紀をゲスト解説に迎え、全試合がライブ配信される。プレリムは日本時間16時に始まり、メインカードは19時スタート予定。
【メインイベント】
▼UFC女子世界ストロー級選手権試合 5分5R
ジェシカ・アンドレジ(114.5ポンド/51.93kg)
ジャン・ウェイリ(115ポンド/52.16kg)
【セミメインイベント】
▼ウェルター級 5分3R
リー・ジンリャン(171ポンド/77.56kg)
エリゼウ・“カポエイラ”・ザレスキ・ドス・サントス(170.5ポンド/77.34kg)
【メインカード】
▼フライ級 5分3R
カイ・カラ・フランス(126ポンド/57.15kg)
マーク・デ・ラ・ロサ(125.5ポンド/56.93kg)
▼フェザー級 5分3R
リュー・チェンホン(146ポンド/66.22kg)
モフサル・エフロエフ(146ポンド/66.22kg)
▼女子フライ級 5分3R
ウー・ヤナン(129ポンド/58.51kg)※
魅津希(125ポンド/56.70kg)
※ウーは規定体重をオーバー。魅津希にファイトマネーの30%を支払い、試合実施
【プレリム】
▼ウェルター級 5分3R
ソン・ケナン(170.5ポンド/77.34kg)
デリック・クランツ(169ポンド/76.66kg)
▼ミドル級 5分3R
パク・ジョンヨン(186ポンド/84.37kg)
アンソニー・ヘルナンデス(185ポンド/83.91kg)
▼バンタム級 5分3R
ス・ムダルジ(136ポンド/61.69kg)
アンドレ・スーカムタス(136ポンド/61.69kg)
▼ライトヘビー級 5分3R
チョン・ダウン(206ポンド/93.44kg)
カディ・イブラギモフ(206ポンド/93.44kg)
▼ライト級 5分3R
ダミル・イスマグロフ(155.5ポンド/70.53kg)
ティアゴ・モイゼス(156ポンド/70.76kg)
▼バンタム級 5分3R
アラテン・ヘイリ(136ポンド/61.69kg)
ダナー・バットゲレル(136ポンド/61.69kg)
▼女子バンタム級 5分3R
カロル・ロサ(135.5ポンド/61.46kg)
ラーラ・プロコピオ(135ポンド/61.24kg)