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【UFC】ゴムゴムの銃、カニ挟み、二段蹴り──リアル“ルフィ”が鮮烈デビュー! ダナ代表「この男はまさにビーストだ」

2024/05/05 21:05

アストロボーイは王者にあと1歩、及ばず

 この日のメインでは、このライト級戦と同じ「ブラジルvs.豪州」対決が行われ、王者アレクサンドル・パントーハ(ブラジル)に、“アストロボーイ”=鉄腕アトムのニックネームを持つスティーブ・エルセグ(豪州)が挑戦。

 5Rに渡る戦いで、5連勝中の王者パントーハを、UFCまだ3戦(3連勝)のエルセグが、ヒジ打ちで流血させるなど打撃で攻勢に立ち、組み技でも相手の得意なスクランブル戦を挑むなど、死闘を繰り広げた。

▼UFC世界フライ級選手権試合 5分5R
〇アレクサンドル・パントーハ(ブラジル)王者・28勝5敗(UFC12勝3敗)※UFC6連勝
[判定3-0] ※48-47×2, 49-46
×スティーブ・エルセグ(豪州)挑戦者・12勝2敗(UFC3勝1敗)
※パントーハが王座防衛

 判定は王者に軍配が上がったものの、2者が1ポイント差の接戦で“アストロボーイ”の今後に、大いに期待を抱かせる王座戦となった。

 ちなみにアストロボーイのニックネームの由来を本誌の取材時に、「コーチと当時の彼女がつけたニックネームなんだ。もう少し若い時は似てるところもあったと思う(笑)。彼は控えめな(Unassuming)ヒーローだろ? だから、うん、やっぱり少し似てるんじゃないかな」と語っていたエルセグ。

 今回の惜敗後、「パントーハはスクランブルが強かった。スクランブルには自信があるのに。判定でも目があると思ったけど覆った。5R、頑張れば行けると思ったけど、出来なかった」とアトムのように謙虚に語ったが、得意の打撃のみならず、王者の土俵の寝技でも勝負したところに、末恐ろしさを感じさせる、UFC4戦目だった。

 UFCの同階級には、日本からUFC5連勝中の平良達郎と、MMA9戦無敗の鶴屋怜が参戦しており、平良は『NARUTO』の大ファン。また、両者が頂きを目指すためには何が必要かが見えてくる、エルセグの挑戦だった。

 漫画・アニメの戦士の心技体をモデルに、格闘技の世界最高峰の舞台でも主人公となって頂点に立つファイターは、もう現実のものとなっている。

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