約1年ぶりの復帰戦、107戦目を勝利で飾った国崇(C)拳之会
ニュージャパンキックボクシング連盟
NJKF拳之会主催興行22nd「NJKF 2024 west 2nd」
2024年4月21日(日)岡山コンベンションセンター・コンベンションホール
▼WメインイベントII NJKF 59kg契約 3分5R ※ヒジあり
〇国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
TKO 4R 2分57秒 ※3ノックダウン
×佐藤 亮(NJKF健心塾/NJKFスーパーフェザー級3位)
近年は年2回開催されている拳之会主催興行だが、今大会で22回目となった。メインはエース・国崇の復帰戦。昨年、2度のダウンを奪われながらヒジで大逆転TKO勝利を収めた同所でのジェイソン・トラン戦でアゴを骨折。下アゴの骨が真っ二つになる重傷で10月大会も欠場を余儀なくされたが、晴れてリング復帰となった。
その相手となったのが、NJKFスーパーフェザー級3位の佐藤亮。国崇がNJKF内の選手と対戦するのは、2021年9月の前田浩喜戦以来2年半ぶり。しかも今回は一つ上の階級のタイトルマッチ経験者とあり、107戦目で1年ぶりの復帰戦とは思えない実力者との激突となった。
1R、ジャブとローでの探り合いで始まった試合は、後半になるにつれて前に出て圧をかける国崇と、距離を取る佐藤という展開に。徐々にローを当て始めた国崇は、追いかけてローを入れる場面も。
2Rには、ローやジャブ、ミドルで応戦してくる佐藤に、国崇は右クロスを当て、ヒジも見せる。後半はジャブをヒットするなど、パンチが当たり始めるが、得意の左ボディは少なめ。
3Rになるとボディも当たり始め、突破口が見つかってきたかと思われた矢先、佐藤の左ヒジで国崇がダウン! 立ち上がった国崇は明らかに効いている様子で、佐藤は勝負をかけてロープに詰めるが、国崇はクリンチも使ってラッシュを逃れると、終盤にはバックヒジも繰り出す。このラウンド終了時のオープンスコアは、三者とも30-28で佐藤。
窮地に追い込まれたかと思われた国崇だが、4Rに入ると大逆襲を開始。パンチの交錯の中で右ストレートを叩き込んで最初のダウンを奪うと、ほぼこれで勝負あったと見え、立て続けに右でダウンを奪い、最後も右で倒して勝利。1年前の同所での試合を彷彿とさせる逆転勝利に、渾身のガッツポーズを見せた。
試合後のマイクでは「国崇と言えばピンチ。ピンチから生き返るのが国崇」と笑いを取りつつも、「まだまだこれからも頑張っていこうと思うので応援よろしくお願いします」と締めると、場内からは大きな拍手が巻き起こった。
いかにも大逆転勝利の後らしい言葉と思われたが、控室に戻って佐藤の挨拶を受けた国崇は、ここで初めてダウンを食らっていたことを認識。「え、ダウンしたん?」と驚愕の表情を見せ、さらにインタビューで3ダウンでの勝利と聞かされるとまたも驚愕。「右一発でガーン!と仕留めたと思ってました。『俺の右すげえ、まだまだやれるな』と思ってたんですけど……」と、リング上で会心の笑顔だった理由が勘違いだったと分かってややションボリ。
試合については「相手がうまくステップを踏んでくるので『これは面倒だな」と思ったんですけど、ローをスカされたりしたので、いつもの『行っけ~!』作戦で」としつつ、「ジャブはよく当たったんですけど、距離が遠かったので、ジャブというよりは踏み込んでの左ストレート的な感覚になったので、その後につなぎにくかったですね」と振り返った。
だが勝利については「最高です」と再び笑顔に。「試合前には1年前のことを思い出して、『ああ、帰ってきたな』といろいろ考えましたけど(笑)、これでもうちょっといけるかなと思いました。決まった試合はどんどん勝っていきたいし、試合も組んでほしいし、後楽園ホールで勝ちたいですね」と、2014年以来の後楽園ホールでの勝利に意欲を見せた。