巌流島
レポート

【巌流島】木村ミノルが63秒KO勝ち、渡慶次幸平がダウン奪う圧勝、ぱんちゃん璃奈がアプデルガリムの強打にプロ初黒星で涙、テコンドー江畑が怪力王にTKO勝ち

2024/05/03 21:05
巌流島バーチャルファイト2024年5月3日(金)映像公開※巌流島公式YouTubeチャンネルで配信 ▼第4試合 無差別級 ボクシング特別ルール 3分3R〇木村“フィリップ”ミノル(Battle-Box/キックボクシング)[1R 1分03秒 KO] ※左フック×アマドゥ・ディア(セネガル/セネガル相撲)  木村は2022年12月28日に両国国技館で開催された『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』で、巌流島に初出場。矢地祐介とMIXルールで対戦してKO勝ちしたが、RIZINでのドーピング検査で陽性となり矢地戦前にも使用していたことを告白したため、木村と矢地の試合は「ノーコンテスト=無効試合」となった。  出場停止処分になっていたが、ドーピング検査で陰性が証明されると2024年3月の『RIZIN』に出場。ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)をKO寸前まで追い込むも、2RにKO負けを喫した。  ディアは身長181㎝、体重95kg(木村は172㎝、75kg)で、身体能力のバケモノにして、痛みに対して全く恐怖心のないアフリカ・セネガル相撲の戦士。セネガル相撲では12勝2敗の戦績。ボクシングを学んだことはないというがパンチの破壊力は抜群とのこと。その上、セネガル人特有の手足が長く、パンチが想像以上に速いという。  1R、かなりスリムになった木村は動きも軽快。ディアが左右フックで前に出てきたところにバックステップしながらの左フックを合わせてダウンを奪う。再開後、組み付こうとしたディアに再び左フックを浴びせると、ディアは立ち上がることが出来ず木村のKO圧勝となった。  木村は「人生で100kgのヤツをぶっ倒すことってないので興奮しましたね。リングに上がるより楽しかった」と笑顔で試合を振り返った。 [nextpage] ▼第3試合 巌流島ルール 3分3R〇渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺/ミャンマーラウェイ)[判定3-0] ※30-27×3×ミケーレ・ベルギネリ(イタリア/カルチョ・ストーリコ) 渡慶次はMMAファイターとしてパンクラスなどで活躍後、ラウェイに参戦。2018年に本場ミャンマーのスタジアムで勝利し、ラウェイの世界チャンピオンになった。ラウェイ戦績は19戦8勝4敗7分。近年はRIZINにも出場していた。  ベルギネリは1973年2月2日生まれ、身長175cm、体重85kg。イタリアの古式スポーツであるカルチョ・ストーリコ(喧嘩フットボール)の歴史に名を刻む、同競技のリビング・レジェンドで、主将としてチームを幾度も勝利に導いた。これまで3度巌流島に参戦し、2016年10月のマーカス・レロ・アウレリオ(カポエイラ)との一戦は(ベルギネリが判定勝ち)、巌流島のベストバウトのひとつに数えられる。  1R、サウスポーの渡慶次は右へ回り込み圧をかける。ベルギネリはワンツーの連打で前へ出てくるがすぐに退く。渡慶次もベルギネリの右ストレートに退いてしまう。渡慶次は左三日月、左ハイ。ベルギネリは右ストレートでのアタックを繰り返す。それに右フックを合わせる渡慶次。ならばと今度は右ストレートをボディに放ったベルギネリは組み付いて渡慶次をテイクダウンし、パウンドを見舞ってフロントチョークも渡慶次は立ち上がる。スタンドに戻ると渡慶次は左三日月を2連発、右フックでダウンしたベルギネリにパウンドを見舞ったところでラウンド終了。  2R、前足を上げるフェイントを交えながら前へ出る渡慶次。ベルギネリは右ストレートを出すが、渡慶次の左三日月に後退する。渡慶次の蹴り足をキャッチしたベルギネリはテイクダウン、上から覆い被さるも場外でブレイクに。ベルギネリが入ってくるところに右フックを思い切り合わせる渡慶次。さらに左三日月の連打で畳みかける。明らかにダメージと疲労を感じさせるベルギネリは後退する一方。渡慶次は左ロー、左インロー、左ミドル。  3R、渡慶次は左インロー、左三日月。下がるベルギネリは右ストレート、右フックで前に出るもかなりの疲労ぶり。渡慶次が左三日月から左右フック、ベルギネリは右ハイを繰り出す。渡慶次の蹴りに後退していくベルギネリ。それでも時折、右ストレートで反撃を試みる。渡慶次は左三日月、左ロー。渡慶次の右フックがヒットするとベルギネリは後退し、渡慶次が前に出ると自ら倒れ込む。そこに渡慶次がパウンド。最後も渡慶次が蹴り、試合終了。  判定3-0で渡慶次の圧勝となった。 [nextpage] ▼第2試合 49.5kg契約 キックボクシングルール 3分3R延長1R×ぱんちゃん璃奈(フリー/KNOCK OUT-BLACK二階級制覇/キックボクシング)[判定0-2] ※29-29、29-30×2〇ルシア・アプデルガリム(アルゼンチン/キックボクシング)  ぱんちゃんは2019年2月にプロデビュー。無敗の快進撃を続け、2020年8月にREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。2022年3月には喜多村美紀を破ってKNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座に就き二階級制覇を達成。2023年9月にチャッキー、12月にケイスリィ・ヴァンスを連続KO。2024年3月にはK-1に初出場し、RISEの平岡琴に判定勝ち。戦績を17勝(4KO)無敗とした。  アプデルガリムはテコンドー出身の20歳。キックボクシング戦績は10勝2分とぱんちゃんと同じく無敗を誇っている。普段は52kgで試合をしている選手(ぱんちゃんの前戦は47.5kg契約)。  1R、両者右ローから入り、アプデルガリムは右ストレートで前へ出て左ボディ。ぱんちゃんは左右の連打で押し返しての右ロー。ぱんちゃんはタイミングよく前蹴りを放ち、右カーフを蹴る。ジャブと前蹴りで距離をとり、右ストレートをヒットさせるぱんちゃんだがアプデルガリムは下がらずワンツーを打って来る。ぱんちゃんの右ストレートに大きな左フックをスイングするアプデルガリム。ワンキャッチからのヒザも突き刺す。残り10秒、左右フックを被弾するぱんちゃん。  2R、右カーフを狙い撃ちにするぱんちゃんにアプデルガリムは左右フックで畳みかけ、綺麗なワンツー、ぱんちゃんの右に右のカウンターをヒットさせてぱんちゃんは一瞬グラリ。さらに前へ出るアプデルガリムにぱんちゃんも打ち返すが、右目が腫れていく。 左右フックで畳みかけるアプデルガリムにクリンチするぱんちゃん。ジャブで距離をとろうとするがアプデルガリムは構わずワンツー、左フックをヒットさせる。明らかにパンチの重さが違い、強烈なパンチに下がるぱんちゃん。  3R、すでに右目が赤黒く腫れあがっているぱんちゃんにアプデルガリムは容赦なくワンツー、左フックで襲い掛かる。ジャブ、前蹴り、右カーフで対抗するぱんちゃんは組んでのヒザ蹴りを見舞う。左右フックで襲い掛かるアプデルガリムにぱんちゃんはワンツー、前蹴り、右ミドル。アプデルガリムが入ってくると組んでのヒザに持ち込むぱんちゃん。 疲れが見えるアプデルガリムだが強烈なワンツーでぱんちゃんの顔を仰け反らせる。蹴りからパンチの連打を見舞うぱんちゃんだが力強さが感じられない。右ミドルから打ち合うぱんちゃんにアプデルガリムも打ち合い、試合終了。ぱんちゃんは鼻血で顏が真っ赤に。  判定はジャッジ1名がドローも、2-0でアプデルガリムが勝利。ぱんちゃんはプロ18戦目にして初黒星を喫した。ただし、リングではないなど公式試合ではないためキックボクシングの公式記録とはならない。ぱんちゃんは「アマチュアも入れて7年ぶりに負けた」と大粒の涙を流した。 [nextpage] ▼第1試合 無差別級 オープンフィンガー・キックボクシングルール 3分3R延長1R〇江畑秀範(フリー/テコンドー)[2R 2分10秒 TKO] ※レフェリーストップ×クリスティアン・エスクリグ(スペイン/怪力王)  江畑は198cmの長身を誇り、正道会館空手全日本大会2連覇、テコンドー全日本大会9連覇の実績を持ち、海外でも活躍する日本テコンドー界のエース。RIZINやDEEPなど他流試合にも積極的に挑戦し、2022年の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』では、マーカス・レロ・アウレリオ(カポエイラ)の場外ノーザンライトボムで屈辱の秒殺KO負けを喫している。2月の『BreakingDown 11』では松井健に判定勝ちしたが、試合後に松井陣営からの襲撃を受けたことが話題となった。  エスクリグは1991年10月25日生まれ、身長175cm、体重140kg。怪力コンテストのスペイン王者、パワーリフティングのスペイン王者の肩書きを持つ。  1R、軽快なステップを踏む江畑は左ミドルから左ハイ、さらに後ろ廻し蹴り、2回転廻し蹴りと蹴りを放つ。そのたびに転倒するも、ほぼ一方的に蹴り、後ろ蹴りをボディに効かせると前へ出てくるエスクリグに左ハイキックでダウンを奪う。  さらにハイキック、前蹴りと畳みかけるとエスクリグは突進もパンチを当てることが出来ない。江畑は前蹴り、ヒザ蹴り。何とかパンチを当てようと突っ込むエスクリグだがそこに蹴りを合わされ、組み付くのが精一杯。  江畑も身長差を活かしてエスクリグが懐に入ってくると上から覆いかぶさるようにして攻撃を止める。  2Rも始まってすぐに突進するエスクリグへ江畑は後ろ蹴り。距離をとって後ろ蹴り、前蹴り、左ハイを放つ江畑。エスクリグがパンチを放ってくるとバランスを崩して倒れる。エスクリグが突っ込む、江畑が上から覆いかぶさる、ガムシャラにパンチを出すエスクリグに江畑が転倒するという展開が続く中、エスクリグの左フックで江畑がダウン。  疲労がある江畑は蹴りを出すと転倒してしまい、レフェリー・角田信朗から注意を受ける。残り1分、江畑を左フックで転倒させたエスクリグだが、江畑のパンチがかすって右目上から流血。ドクターチェックでストップがかかり、江畑のTKO勝ちとなった。
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