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インタビュー

【UFC】フライ級王者パントーハに挑戦する“アストロボーイ”スティーブ・エルセグ「最終的には“どっちがより勝利が欲しいか”の戦いになる。それは僕の方が求めている」

2024/05/02 11:05
【UFC】フライ級王者パントーハに挑戦する“アストロボーイ”スティーブ・エルセグ「最終的には“どっちがより勝利が欲しいか”の戦いになる。それは僕の方が求めている」

(C)Zuffa LLC/UFC/U-NEXT

 2024年5月4日(日本時間5日)ブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナにて、『UFC 301: Pantoja vs. Erceg』(U-NEXT配信)が開催される。

 そのメインイベントにて、MMA12勝1敗・UFC3連勝のスティーブ・エルセグ(豪州)が、フライ級世界王者アレクサンドル・パントーハ(ブラジル)への挑戦者に大抜擢された。

 ダビッド・ドヴォジャーク、アレッサンドロ・コスタに競り勝ち、3月に当時9位のマット・シュネルを2R TKOに下した28歳のエルセグは、地元・豪州でアマチュア選手のなかで練習し、自身の技術を磨いてきた。

 昨年末に米国デンバーから帰国した平良達郎は、『UFC 295』を機内で視聴し、印象に残った選手として真っ先にエルセグ、ジョシュア・ヴァン(※6.1『UFC 302』で平良が対戦)の名前を挙げており、ファイターからの評価も高い技術とハートを持っている。

 謙虚にハードにトレーニングする“アストロボーイ”は、本誌の取材に「最終的には“どっちがもっと勝利が欲しいか”って事になると思う。そしてそれは僕の方が求めている」と静かに、しかし、力強く語った。

多くのアマチュア選手が僕を支えてくれる。他では叶わないことだ

──オクタゴン無敗の3連勝で王者アレクサンドル・パントーハとの試合が決まりました。その話を聞いたときは?

「一番最初に決まった時の気持ちは、びっくりしたよ。こんなに早い段階でオファーがあるとは思わなかった。実は父親がこの試合を予想をしていて、それについて話した時があったんだけど、『馬鹿じゃないの?』って言ってしまったんだよね。謝らないと(苦笑)」

──お父様が正しかったと。あなたは2016年にMMAのキャリアをスタートさせて、Hex Fight SeriesやEternal MMAで8連勝でUFCとの契約を決めましたが、そもそものバックボーンは何だったのですか?

「僕はラッキーだと思うんだけど。ストライキングと柔術を同じくらいの頃に始めたんだ。だから自分のバックボーンは? って聞かれると困るんだけど、柔術かムエタイになると思うよ」

──西オーストラリア州パースでクロアチアとイタリア系の家族に生まれて、ムエタイの州タイトルとレスリングでも全国大会で優勝して、柔術も黒帯だと。それにしても、あなたの打撃に対する見切りと反応の良さには驚きます。

「自分の目の良さはどこからきているのか分からないけど。生まれ持ったものかもしれない。スウェイしたりする反応は、ジムで僕は16歳の頃からトレーニングを始めたんだけど。そんな若い頃から大人ばかりを相手に練習してきて自分の技術もまだないし、自分のベストを出すためには、大きな相手に常に避けて動いていないと自分の打撃が入らなかったんだ。そういう影響もあると思うし、自分のコーチは素晴らしいから。テクニカルディフェンスの指導やスリッピング、ダッキングなどのタイトなディフェンスをしっかり教えてくれていて、それが今に身についてきているのではないかと思うよ」


【写真】回線状況が良くないなか、ZOOMで蜃気楼のように映っていたエルセグだが、話を聞いていくなかで霧が晴れて、その素顔を知ることが出来た。完全アウェーでの試合に落ち着いた表情だった。

──なるほど……デイヴィッド・ウィルキスコーチが率いるWilkes MMAは、プロ選手が多くないジムかと思います。そんななかでティーンエージャーから大人たちを相手にスキルを磨いてきたのですね。

「確かにプロ選手は多くない。ただアマチュアからでもたくさんの人が集まっているんだ。試合に出ないような人たちでも自分をすごく支えてくれてきた。安定した素晴らしいチームメート達もいる。彼らが自分を本当に押し上げてくれていて、この旅路を支えてくれている。他では叶わないことだと思う。出稽古でも、レスリングはグラディエイターレスリングに行っているし、そこには世界レベルのレスラーたちがいる。柔術はたまにスクラッピーMMAにいってMMAトレーニングで他のパートナーとトレーニングをしたりもしているんだ」

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