何とも噛み合わない試合となってしまった井上(左)とベイノアの一戦
2024年4月29日(月・祝)東京・有明アリーナ『RIZIN.46』の大会終了後、榊原信行RIZIN CEOが総括を行った。
榊原CEOの口調が険しくなったのは、第5試合のRIZINライト級(71.0kg)5分3Rで行われた“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)vs.井上雄策(リバーサルジム川口リディプス/MAJESTIC)に触れた時だった。
試合は1Rから両者距離が遠く、2Rには両者消極的で注意を受け、3Rには試合中にブーイングも。
榊原CEOは「ベイノア選手と井上選手はこのままだったら2度と使わないです。何をしに来たのかなと。1年試合から離れてアメリカ行って練習して勝ちたかったと」と厳しい口調で話し始めた。
「僕らは常にルールミーティングで言うんですけれど、勝った負けたじゃなくて本当に最後の1分1秒まで一本・KOを狙えと。僕らは勝ち負けはこだわらないプロモーションだってことを口酸っぱく言っているのに、最後まで行けなかった。まあ、競技者ではないので分からないですけれども。でも、お客さんのブーイングは聞こえているはずだと思うんですね。
それを桜庭に触発された井上選手であるならば、桜庭はあんな試合はしないと思うんですね。リングの中にいてリングの外にいるもう一人の自分が今何をするべきかってことを常に桜庭は意識して、『もっと行け』ともう一人の自分が言うんだってPRIDEの時代に言っていた人だから」と、ブーイングが起こったならばなぜそこで勝負に行かなかったのかとする。
「3Rずっとグルグル回る展開を見せられて、ファンの人たちもそう思っただろうし、プロモーターとしてもああいう作品しか作れないのであれば2度と出番はないなと。この場で宣告したいと思います」と、同じ試合をするのであればもうRIZINには出さないとした。
しかし続けて「ただ、今日はそういうことだったけれど、もうチャンスをあげないというわけではないので、改心して負ける勇気を持って勝ちに行って欲しいなと、そう思っています」ともう1度両者にチャンスを与えたいという。
「他の試合もちょっとそれに近いものがありましたが、興行論で言うと全試合が甘い試合はないと思う。しょっぱい塩試合があった方が、スイカに塩をかけるように甘さが際立つ。そういう全体のトータルしての興行としては非常に終わり良ければ総て良しの形に結果なったので、そういう意味では満足していますけれど、今後の試合で言うと選手にはもう少しRIZINに上がってきた以上は魅せる試合をやって欲しいなと、そういう風に思う選手もいたという総評でございます」と、魅せる試合が出来なかった選手に奮起を促していた。