MMA
インタビュー

【UFC】ローブローのストップを制して“石の拳”を打ち抜いた“ポアタン”アレックス・ペレイラ「作戦がハマる距離を掴んだから流れを止めたくなかった」。フィニッシュ後の仕草は「彼に“学ばせ”たかった」

2024/04/15 14:04

ペレイラ「俺は自分に言い聞かせた。『この男は自分に敬意など持っていない』と」

──『UFC300』のメインイベントを終えた率直な感想を。

「自分の試合に集中していたけど、みんなが『UFC300はすごいイベントだ』と言ってるよね? たくさんの期待を集めてもいたと思うし、その(メインイベントとしての)価値はあったんじゃないかな」

──1R、3分14秒のKO勝利。特に怪我などもなく終えましたか。

「小指がちょっと痛い。何ががあったかちょっと分からないけど、多分なんでもないと思うからすぐに戻ってきたい」

──今回の試合前に、グローバー・テイシェイラがキャンプを早めに切り上げたと言っていたのですが、どうしてですか?

「献身的に頑張ったから。練習を落とすことはしないし、責任感と、規律をもって取り組んでいる。そういう心持ちが全てを変えるっていうことが分かると思う。常に勝利を思い描いてる。常に、自分がタイトルを持っていたいと思っているし、そのための献身性と自分自身の知性を高めることでより良いファイターになれると信じている」

──試合後のコメントで「正直なところ、ケージの中ではチャンピオンだと思って戦っていない」と言ったのは?

「ベルトを初めて獲るのと防衛に違いはない。オクタゴンに入ったらチャンピオンであることなど忘れているから。自分はチャンピオンで防衛しなくては、と思う人もいるだろうけど、それはやりすぎないようにするだとか、戦い方が変わる。俺は勝ってベルトを獲るためにやるのであって、『防衛する』という意識で臨んだら、戦いが別のものになってしまうんだ。長期戦になったりするかもしれないし、もちろん自分は常に5R、戦えるようにしているけど、もしノックアウトだったり、フィニュシュの場面になったら、5Rの前にそうなったらなったで嬉しいし」

──フィニュシュの場面を振り返っていただけますか?

「自分は距離を探っていて、ジャマールへの蹴りがうまく行ってなくて、やっぱり彼は強いのとチームも一流だから、自分が蹴りで作戦を組み立てていることを分かっていて、でも自分は蹴りにこだわるつもりはなく、いつも拳で決める機会はうかがっていて、実際そうなったわけだけど」

──ローブローを受けながら、レフェリーのストップを制したことについては?

「あの通り、ローブローが起きたところで自分の作戦がハマるような距離を掴み、そこは彼が警戒していたはずで、彼は少し下がって蹴りを出した。自分はそこで行けると思ったから、この作戦が通じる流れを止めたくなくて、彼に考える時間を与えたくなかったんだ」

──(U-NEXT格闘技アカウントに寄せられた日本の視聴者からの質問で)あのフィニッシュブローはスマッシュ(アッパー)気味のフックでした。当てるコツがあった?

「どうだろう。クロスになったのは、とにかくパンチで仕留めたいというのがあって、キックをしながら、もちろん自分はオーソドックス構えだから、オーソ同士で戦うなら当然、前足(を蹴る)がいいけど、(サウスポー構えのヒルの)蹴りはちょっと警戒しつつ、彼の拳は重くてやっぱり彼はすごく強いから、慎重に(ヒルの)パンチをたくさん外させて、距離感を探っていた。そのときのクロスだから、ということかな」

──KO後に両手の掌を上にして見せたポーズの意味は?

「そうだな……(試合前に)ヒール的に彼がやったことっていうのは、ファイトウィークの間、彼を見ているといつもすごく馬鹿げていて、からかったりして彼流のジョークで、そういう自分を嫌がらせるジョークをいっぱいしていただろう? 試合がどうなるかっていうより、自分が蹴って様子で彼が作ったビデオとかを見て、自分が(試合で)当てたことで彼が倒れたのを見て、同じことをしたまでだと。“ザッツ・オール”つまり“以上”っていう感じだ。

 彼は自分を『リスペクトしている』と言っていたが、結局のところ敬意など持っていない。公開会見のときに彼がやったこと(※ヒルは会見でボロボロで鼻血も出ているモアイ像を持参し、ペレイラの敗北を揶揄)だったり、みんなが見ているなかでああいうこと(フェイスオフで顔を近づけて挑発)をした。だから俺は自分に言い聞かせた。“この男は自分に敬意など持っていない”と。みんなには分かってもらえていると思うけど、自分は皆に敬意を持っている。そういう人間だ。試合が終わったら駆け寄って称えて挨拶をして──彼に対しては違うやり方にしたかった。彼に“学ばせ”たかったんだ」

──試合後にヘビー級転向も示唆していたが?

「ヘビー級に転向とは言っていない。でもヘビー級の選手と戦いたいと言った。自分はライトヘビー級王者だ。誰と戦うかは気にしていない。ただ、試合がしたい。俺はファイターでいつなん時、誰とでも戦うんだ」

──この日、イリー・プロハースカもアレクサンダル・ラキッチをKOしました。プロハースカとの再戦も?

「答えは繰り返しになるけど、オレが決めることじゃないよ。ただ用意された人と戦うだけだ。ただイリーとの試合はそんなに自分にとって意味というか、妥当性はないんだ。みんながみんな、自分とやりたいと言っていることが当たり前のような状況だから、そういうなかで、一度戦っている相手とやるのは、あんまり自分はしっくりこない」

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