キックボクシング
レポート

【RISE】メインの志朗vs.田丸辰は無効試合に、初来日トリンダーデがチャド・コリンズに衝撃KO勝ち!白鳥大珠がソンヒョンに敗れる、アクシデント絡みも与座優貴が中村寛にKO勝ち、金子晃大と齋藤紘也の勝利で対抗戦はK-1が3勝2敗で勝利、大森隆之介が山田虎矢太を失神KO!那須川龍心、YURAが勝利

2024/03/17 13:03
RISE ELDORADO 20242024年3月17日(日)東京体育館※ABEMAでLIVE配信 ▼メインイベント(第15試合)RISE世界バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R―志朗(BeWELLキックボクシングジム/王者)無効試合―田丸 辰(TRY HARD GYM/挑戦者)  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝でクマンドーイに敗れる。12月にブンロンを初回KOして再起。戦績は30勝(13KO)6敗4分(タイの試合は除く)。  田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。一時はスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成。「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では決勝でクマンドーイを破り優勝した。戦績は17勝(3KO)3敗1無効試合。  1R、互いにジャブを突き、サウスポーの田丸は右フック、志朗は右ストレートを放つ。ローも蹴る志朗。両者ペースの握り合いで終わるか。ラウンド終了直前、志朗の左手を払って突っ込んだ田丸に志朗が右を合わせにいったが、田丸の頭が志朗の鼻に当たってしまった。オープンスコアは10-10×3。  2Rが始まったところで鼻血が出ている志朗にドクターチェック。長い時間かけられて治療が続けられたが、志朗は鼻を骨折していたことが告げられ、試合続行不可能で無効試合となった。 [nextpage] ▼セミファイナル(第14試合)Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R×チャド・コリンズ(オーストラリア/Strikeforce/RISE世界スーパーライト級王者)KO 1R 1分35秒 ※左ハイキック〇ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル/Mamba Fight Club)  コリンズはタイ在住のオーストラリア人選手でこれまでにセクサン、パコーン、サックモンコンといったムエタイのスター選手を次々と撃破。2019年2月の『KNOCK OUT』で初来日し、KNOCK OUTスーパーライト級王者・不可思から右ヒジでダウンを奪い、判定勝ちした。4月にはSBに参戦し、海人にも判定3-0で勝利。RISEには8月の大阪大会に初参戦を果たし、RISEウェルター級王者・中野椋太から1RでTKO勝ちを奪うと、その後はRISEライト級王者・直樹、笠原弘希、ラーチャシン、チョ・ギョンジェに連勝。2023年12月には初代王者ペットパノムルンを破り、RISE世界スーパーライト級王座を奪取した。日本では負け無し。戦績は59勝(29KO)16敗2分。  GLORYの推薦選手で初来日のトリンダーデはWAKOヨーロッパ スーパーライト級王者、ISKAヨーロッパ 同級王者、MFC-65kg級世界王者のタイトル歴を持ち、戦績は58勝(24KO)7敗。2023年9月に『ONE Friday Fights』に出場すると来日経験のあるシップムーン・シェフブンタンを初回KO。12月のGLORYではベルジャン・ペポシに判定で敗れたが、今後GLORYでの活躍が期待される選手だ。  1R、トリンダーデが豪快な左右フックを放ち、左ミドルキック。コリンズは冷静に左ローで様子を伺う。すると、トリンダーデが右フックをクリーンヒットさせて、左ハイを当ててダウン奪取。立ち上がったコリンズに対してトリンダーデはパンチ連打、ヒザ蹴り、右フックを立て続けにヒット。よろけたコリンズにスタンディングが宣告される。そして、最後はトリンダーデが圧巻右ストレート、左ハイキック!トリンダーデのダメージを見たレフェリーがストップした。  トリンダーデが衝撃KO勝ちで、RISE現役王者のコリンズを破る大番狂わせを演じた。トリンダーデは「日本の皆さん、ありがとうございます。この場に出れて感謝しています。歴史に残る戦いが出来て感謝しています。またRISEに来て、11月の試合に出たいと思います。世界を制覇したいので、次は原口健飛選手と戦いたいです。ありがとうございました」と高らかに語った。解説を務めていた原口も「俺なら勝てる。ペッチに勝った後でやろう」と受けて立つと語った。 [nextpage] ▼第13試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R×白鳥大珠(TEAM TEPPEN/第5代RISEライト級王者)判定0-2 ※28-29、28-28、28-27〇イ・ソンヒョン(韓国/RAON/第4代ミドル級、第2代ライト級王者)  白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。2021年6月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では皇治らを破って優勝。2023年は3月にK-1との対抗戦で佐々木大蔵に勝利、6月のフランス遠征は無効試合、12月にザカリア・ゾウガリーをKOした。戦績は28勝(11KO)9敗1分1無効試合。 “コリアンモンスター“ソンヒョンは日本ではRISEで活躍、世界を股にかけて試合をするトップファイターで、戦績は67勝(17KO)11敗2分。トップファイターを次々と撃破し、2019年7月には松倉信太郎と第4代RISEミドル級王座決定戦を争い、第2代ライト級王座に続いての2階級制覇を達成。2023年3月、RISEミドル級王座の初防衛戦に臨んだが、海人に敗れて王座を失った。7月にウェルター級に階級を下げて中野椋太と対戦するもKO負けを喫している。  1R、サウスポーの白鳥は右へ動きながら、前へ出てくるソンヒョンをワンツーで迎え撃つ。入って来るソンヒョンに右フック、打ったらすぐに右へ回る白鳥。左ロー、左ミドルを蹴る白鳥にソンヒョンが間合いを詰めると、白鳥は左ヒザを突き上げる。しかし、ソンヒョンはもらいながらも右フック。これで白鳥がダウン気味に崩れ、ソンヒョンの足をつかんだため同体で倒れる。白鳥はそこで首が90度に曲がるように倒れてしまう。インターバルがとられ、試合続行を主張した白鳥。再開後、白鳥が左ミドルを蹴ってラウンド終了。  2R、ソンヒョンはワンツーで前へ。白鳥はジャブでけん制しての左ミドル。ソンヒョンが入って来るところに左右フック、左ミドルを合わせる白鳥。ソンヒョンのワンツーに対して白鳥は3~4発連打を返す。組みの状態でソンヒョンが白鳥を投げてしまい警告を与えられる。右フックから連打で攻め込むソンヒョン。右ボディもヒットさせたが、白鳥はヒザを返した。  3Rも右フックを打って右へ回る白鳥は、ソンヒョンが打って来ると3~4発の連打を返す。白鳥がワンツー・右ロー、ソンヒョンはガードを固めて入り込むが白鳥はクリンチで止める。しかし残り1分、ソンヒョンの右ストレートをかわした白鳥の動きが止まったところにソンヒョンが左フックを振り抜き、白鳥がダウンを喫する。詰めるソンヒョンに白鳥は左ミドル。白鳥の左ストレートで後退したソンヒョンに、白鳥が後ろ廻し蹴りを放ったところで試合終了。  判定は2-0でソンヒョンが勝利。年末に予定される12月のトーナメント出場へ一歩リードした。「今年初めての試合でしたが勝つことが出来て凄く嬉しいです。これからも頑張ってもっと強くなります」 [nextpage] ▼第12試合 ISKAオリエンタルルール 世界フライ級(-53.5kg)タイトルマッチ 3分5R〇大﨑一貴(OISHI GYM/王者)判定3-0 ※50-45×3×ジラリー・キャルービー(フランス/CARCHARIAS Gym/挑戦者)※大﨑が初防衛に成功。  大﨑は2020年2月からRISEに参戦し、9月に田丸辰を破ってスーパーフライ級王座を奪取。2022年10月には「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」優勝者・風音に判定勝ちして53kg最強を証明した。2023年4月、ISKA世界王座決定戦でKO勝ちし、念願の世界王者に。2023年7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝で田丸辰に判定2-0で敗れ、19連勝がストップ。12月の再起戦ではジャルンスックに延長戦の末に勝利した。戦績は42勝(22KO)6敗2分1無効試合。  対する初来日のキャルービーはまだ20歳と若く、戦績は11勝(3KO)2敗。アマチュアムエタイのIFMA世界大会で銀メダル、ヨーロッパ大会でも銀メダルを獲得している。幼少期にアルジェリアからフランスに移住し、アマチュアボクシングでも8戦無敗。昨年12月のK-1大阪大会でレオナ・ペタスを破ったレミー・パラとは同門。177㎝の長身で大﨑とは17㎝もの差がある。  1R、キャルービーがサウスポーで右ロー、大﨑は右ローをヒットさせる。ガードを固めて圧をかける大﨑に対し、キャルービーが左ストレート。大﨑は右ボディフックを強打、右ローから左フック。終盤、大﨑は左右のボディ打ちをクリーンヒットさせる。オープンスコアは10-9×3で大﨑。  2R、キャルービーは左ミドルやヒザ蹴り、前蹴り。大﨑はじりじり圧をかけ続けて、右ボディフック、左ボディから右ヒザ蹴り。組みが認めれたルールのため、キャルービーは組んで大﨑の連打を許さない。このラウンドも10-9×3で大﨑。  3R、どんどん前に出る大﨑は左右のボディ打ち、キャルービーは組んだ状態からヒザ蹴り、そして大﨑を崩していく。それでもプッシュする大﨑はキャルービーはを追いかけて右ローやハイキック。ボディ打ち、顔面へのストレートと攻撃を集めて、主導権を維持する大﨑だが近づくと組まれてしまい、ダウンを奪うまでには至らない。OPスコアはまたも10-9×3で大﨑のラウンドに。  4R、キャルービーは左ストレートを伸ばす。大﨑はガードを固めて左ボディフックから右ストレートと攻め込むが、キャルービーは組んで逃れる。キャルービーは右ジャブを伸ばし、大﨑は随所でパンチとボディと顔面へ集める。掴んでのヒザ蹴りを放つキャルービーだが、大﨑が前に出続けてバックブローも見舞った。このラウンドも大﨑がペースを維持する。  5R、逆転へ前に出たいキャルービーだが、下がっては組む展開を続ける。バランスを崩した大﨑に随所で左ストレートを浴びせるが、逆転を狙って倒しにはいかない。細かいパンチからヒザ蹴りを放つキャルービー。大﨑はブロッキングで前に出て、左右ボディを命中。キャルービーも随所でパンチを返すが、逆転を狙ったパンチではなく、大﨑のパンチの打ち終わりに組み付く。大﨑は後ろ回し蹴りも放ち、最後まで主導権を維持して、試合を終えた。  ジャッジ3者とも50-45で大﨑。大﨑が盤石な試合運びでキャルービーに完勝した。  大﨑はマイクを持つと「今日は会場、ABEMAで応援ありがとうございます。こんな試合はしてはいけなかったという試合で、もっと圧倒出来る試合ができるように明日から練習頑張ります」と納得のいかない表情で話した。  この勝利で、6月15日(土)エディオンアリーナ大阪で大﨑が持つRISEスーパーフライ級王座の防衛戦を行うことが決定した。  リングサイドで観戦していた政所仁(魁塾)はリングに上がり「大﨑選手、おめでとうございます。試合が長くて喋ろうと思っていたこと飛んじゃったけど、反省ですかね(笑)。5年前にRISEのタイトルマッチで負けたけど、その時の田丸(辰)選手にも勝って、リベンジし続けて、最後大﨑選手にたどり着きました。今の試合では(自分と)差が付いちゃったかな。一番レベルが高い試合ができると思います」とコメント。  それを受けて、大﨑は「こんな試合ですいませんでした。6月に向けて、もっと仕上げて最高の試合ができるようにしっかり仕上げます。絶対防衛するので、応援よろしくお願いします」と意気込んだ。 [nextpage] ▼第11試合 RISE vs. K-1対抗戦 ライト級(63kg)3分3R延長1R×中村 寛(BK GYM/RISEライト級王者)KO 3R〇与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1ライト級王者)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも称される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取。前戦は12月に20㎝もの身長差があるアフマド・アコーダッドを2RでKOした。戦績は15勝(12KO)5敗1無効試合。  与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月のK-1でいきなり朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。8月には篠原悠人をKO、12月にはエークピカートに判定勝ち。2023年3月の朝久との再戦で勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座に就いた。前戦は6月にアーロン・クラークから判定勝ち。戦績は16勝(7KO)2敗。  対抗戦はここまで2勝2敗で大将戦を迎えた。リングサイドでは、武尊が後輩・与座を見守る。  1R、じりじりと前に出る与座に対し、中村は軽快なステップを踏んで左右に回って行く。中村は左右のロー、与座もローと前蹴り。内廻し蹴りを放つ与座だが中村はブロック。中村は与座をガードの上から押し、体重をかけさせて右カーフを蹴る。与座も左ロー、左ミドル、さらに左フック。与座がどんどん距離を詰めて蹴りを放つ。前蹴り、後ろ蹴りで中村のボディを攻める与座。オープンスコアは10-10×3。  2R、前に出てくる与座に中村は左インローを連打、さらに自分から前へ出てのワンツー、左ボディ。中村はギアを上げた様子で1Rとスピードが違う。中村は左インロー、与座は左カーフを蹴っていくが、中村がハイキックから一気に距離を詰めての連打。左カーフを蹴っておいて左フックを打つ与座。中村もいきなり前へ出ての左ストレートを打ち、右アッパーを突き上げる。与座の左カーフにバランスを崩す中村だが、接近戦でパンチを打つ。OPスコアはジャッジ1名が10-9で中村を支持。  3R、中村は右足を上げてカーフを蹴られないようにして右のパンチを繰り出し、左ストレートを打つ。与座にローを蹴られると中村はすぐに2発、3発と攻撃を返す。与座にミドルやローを蹴られても、すぐに蹴り返す中村。与座はヒザを蹴るが中村が次々距離を詰めて手を出して来るため消耗も激しい。両者が揉み合って攻めている中、与座が後ろ蹴りを放つとこれが股間近くに当たったように見え(踵は右内股、つま先が股間辺りに当たったように見えた)、中村はローブローをアピール。しかし、レフェリーはダウンを宣告し、中村が立ち上がれなかったため与座のKO勝ちとなった。  しかし、与座も釈然としない表情。中村はローブローをアピール。審判団が協議に入り、その結果、与座のKO勝ちとなった。勝った与座も首をひねり、不満顔。レフェリーは「確かにラインは金的の部分です。僕も一瞬迷いましたが、僕は内股を取りました。もしかしたらVTRで覆るかもしれません。私は内股のローをとってKOとさせていただきました」と説明した。  与座はマイクを持つと「後味悪い試合になってしまってすいません。まあ、審議してもらってここまでの判定でもいいし、もう1回やってもいいと思うので。自分は格闘家なので強くなってもう一度帰って来ます」と、審議に任せると語った。対抗戦は3勝2敗でK-1の勝利となった。 [nextpage] ▼第10試合 RISE vs. K-1対抗戦 バンタム級(55kg)3分3R延長1R×鈴木真彦(フリー/第5代RISEバンタム級王者)判定0-3 ※25-30×2、26-30〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1スーパー・バンタム級王者)  鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てた。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大に判定勝ち。那須川天心に2度、志朗に2度敗れた以外は連勝も、2023年3月にK-1のリングに乗り込むも玖村将史にダウンを奪われて敗れた。8月にイマッド・サヒをKOして再起したのもつかの間、12月に大﨑孔稀に敗れ王座を失った。戦績は35勝(20KO)8敗。  金子は2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと連続KO勝利を収め、2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝してK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫したが、その後は6連勝。前戦は12月にラン・シャンテンに判定勝ち。戦績は20勝(11KO)2敗。  1R、お互いに左ジャブ、右ローを出す。ガードを固める金子に対して、鈴木は左アッパーを繰り出し、左ボディフック。金子は左ジャブから右ストレートをヒット。すると、金子がコンパクトな右フックをヒット、右フックを3連打してダウンを奪う。パンチを連打する金子は頭を下げた鈴木に右ヒザ蹴り。ジャッジは3者とも10-8で金子を支持する。  2R、鈴木が右ストレートで先制、金子は右カーフキック、左ボディフック。近距離でお互いにパンチを回転させる。鈴木は左ヒザ蹴りをボディへ、金子は左ジャブ。鈴木がフックで入ると、金子は右フックをコンパクトに当てて、ダメージを与える場面も。終盤に金子が左フックをヒットさせた。ジャッジは10-9×2で金子、1者が10-10のイーブンに付ける。  3R、後がない鈴木は右フック、左ジャブとパンチ勝負。金子は鈴木のパンチは頭を振って交わす。それでも鈴木は右アッパー。近距離になると、鈴木の打ち終わりに金子が右ストレートでダウンを奪う。ダメージの残る鈴木に金子は飛びヒザ、右ストレートやフックで追い詰める。最後は鈴木が右ストレート、金子が左フックをリターンしていった。  判定は25-30×2、26-30の大差で金子がリベンジに成功。  金子は「まずこの場を借りて僕を信じてくれたファンのみんな、トレーナーや仲間、本当にありがとうございました。2年前に自分の弱いところを見つめなおして、自分を信じて回りを信じてやってきたからかなと思います。K-1が弱いって思われたのは僕の責任なので、僕はずっと苦しくて、やっと前に進んで信じてくれた仲間を大事にすることを忘れずにこれからもやっていこうと思います」と語った。 [nextpage] ▼第9試合 RISE vs. K-1対抗戦 スーパーフライ級(53kg)3分3R延長1R〇花岡 竜(橋本道場/RISE同級5位)判定3-0 ※30-27×3×池田幸司(ReBORN経堂/Krushバンタム級王者)  花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月にINNOVATIONフライ級王座、2021年9月には初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座を獲得。2022年3月にはオープンフィンガーグローブ着用トーナメントで優勝。2023年は「NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント」で優勝を果たして“平成最後の怪物”と呼ばれている。前戦は11月に「RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント」1回戦で政所仁にKO負けを喫した。戦績は21勝(8KO)3敗1分。  池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。同王座は2度の防衛に成功。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。2023年12月にはRISEに殴り込み松下武蔵を判定で破った。戦績は14勝(7KO)4敗。  1R、池田が右ミドルで先制、もう一度右ミドルを蹴ると空振りしてそのままバックハンドブローを放つ。花岡は右へ動きながら右カーフ、右ストレート、右前蹴り。前足を上げてのフェイントからの右ストレートを当てる花岡。池田が頭を下げて右ボディストレートを繰り出すと、花岡が飛びヒザ蹴りを合わせて池田をヒヤッとさせる。徹底的に前足の内・外側をローを蹴る花岡。池田のミドルにはワンツーを合わせる。オープンスコアは10-10×3でイーブン。  2R、池田の右ストレートをもらった花岡はすぐに前蹴り。花岡が前に出てくると池田は前蹴りを多用するが、花岡は右へ回り込みながら右フックを打つ。池田が前に出てこうとすると花岡が前蹴り。花岡が後ろ蹴りを見せれば池田も後ろ蹴り。さらに互いに蹴りをキャッチさせてコカし合う。花岡は池田のローをかわしての右カーフ。池田は左右のストレートで前へ出るが、花岡が前蹴りで転倒させる。OPスコアは10-9で花岡。  3Rも花岡が右カーフを狙い撃ち。池田が前に出てパンチで勝負をかけるが、花岡がジャブのカウンターで池田をグラつかせる。すぐに前へ出る池田が、ロープを背負った花岡はジャブで池田を仰け反らせていく。池田のミドルをキャッチした花岡の右フックで池田が倒れたところでダウンがコールされた。  逆転を狙って前へ出る池田だが、花岡のパンチや蹴りのスピードが明らかに早い。手数やスピードで前へ出る池田にジャブ、右ストレートをヒットさせる花岡は左ボディ、左右フック、右ストレートで圧倒。気迫を前面に出す池田は『来いっ!』と打ち合いを要求、花岡も応えて打ち合って終了。  判定はジャッジ3者とも30-27の圧勝で花岡がRISEに勝利をもたらした。花岡はマイクを持つと「よっしゃ! 前回KO負けだったのでちょっと感情にできない喜びというか。対抗戦に勝ったのも嬉しいですけれど、池田幸司という強い選手に勝ったことが凄く嬉しいです。復帰戦をいい形で飾れたので、年内に長谷川選手と次期挑戦者でも何でもいいので試合したいと思います。まだまだ上に行きます」と、長谷川海翔との対戦をアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 RISE vs. K-1対抗戦 ライト級(63kg)3分3R延長1R〇陽勇(TEAM 3K/RISE同級11位)判定3-0 ※30-28、30-29×2×龍華(ザウルスプロモーション/K-1甲子園2019 2020 -65kg優勝)  陽勇は第7回JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権大会軽中量級優勝、第36回白蓮会館全日本空手道選手権大会一般男子軽量級優勝など空手で華々しい成績を収めてプロに転向。2022年9月に『Stand up』でプロデビューし、Stand up King of Rookie 2022 -65kg級優勝。前戦は2023年12月に基山幹太に判定勝ちし、デビュー以来無傷の5連勝を飾っている。  龍華も幼少期から空手を学び、数々の実績を残す。高校入学後にキックボクシングの道へ進み、K-1甲子園2019年・2020年連覇。2018年11月にプロデビューし、2019年6月から2021年9月まで8連勝を飾ったが、2022年2月に里見柚己に延長判定で敗れ連勝がストップ。2023年7月に約1年5カ月ぶりに復帰したが篠原悠人に判定負け。11月の再起戦では岩﨑悠斗をKOした。戦績は9勝(6KO)4敗。  1R、お互いサウスポー。リング中央を取るのは陽勇で左右ロー、龍華は距離を取って、右ジャブや左ローを返していく。陽勇は左ミドル、前蹴りや右フック。龍華も左右フック、前蹴りを放つ。陽勇はカーフキックを多用、龍華はスピードのあるボディ打ち、右ミドル。オープンスコアは10-9×2、10-10で1者が陽勇を支持する。  2R、陽勇が左カーフキックを放つ。龍華は中に入っての右フック。陽勇は距離を詰めての左フックを見舞う。やや圧をかける陽勇は前蹴り、そして左フックをヒット。龍華もパンチやハイキックを返すが、やや後手の印象だ。OPスコア10-9×2、10-10で2者が陽勇を支持。  3R、陽勇は左ローを強打、そして距離を詰めての左フック。後がない龍華は自ら右フック、左ローと手数を増やす。陽勇も左前蹴り、左ローを多用する。陽勇は左ストレート、フック。龍華はカウンターのハイキックも狙うが、陽勇はしっかりガード。近距離でヒザ蹴りを顔面へ突き上げる龍華。それでも、陽勇は左ストレートを被せて当てていった。  ジャッジは3者とも陽勇を支持。キック歴2年の陽勇がK-1で長年戦ってきた龍華を下した。  陽勇はマイクを持つと「今日は応援ありがとうございました。僕はまだまだ技術不足で弱かったです。せっかくこういう舞台に出て勝つ強さはあるけど、プロとして皆を盛り上げる試合は出来ていないので、それが出来るように練習して戻ってきます」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 RISE vs. K-1対抗戦 スーパーライト級(65kg)3分3R延長1R×田中佑樹(HAWK GYM/RISEライト級10位)KO 2R 1分19秒 ※左右連打〇齋藤紘也(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)  田中は新空手から2021年6月に『Stand up』でプロデビュー。Stand Up King of Rookie 2021 -63kg級で優勝を果たし、2022年7月からRISEに参戦。2023年2月にはシュートボクシングでも勝利を収めている。前戦は11月に石田迅を初回KOに仕留めた。戦績は6勝(2KO)1敗だが、1敗は不戦敗。  齋藤は2020年9月からK-1グループに参戦、3連勝したが4戦目で塚本拓真に初黒星。前戦は2023年12月に佐野天馬から判定勝ちを収めている。戦績は7勝(4KO)1敗。  今年のRISEvs.K-1対抗戦はこの2人による両団体の新鋭同士の戦いで決戦の火ぶたを切る。  田中は強い右カーフを2発、身長で優る斎藤は左ミドルを蹴る。ロープを背負う斎藤に飛び込んでのパンチを繰り出す田中だが、斎藤が右ヒザのフェイントからの右ストレートを当ててダウンを奪う。しかし残り30秒、田中がロープを背負う斎藤の左ボディを決めて左右の連打でダウンを奪い返す。すぐに打ち合いに行く斎藤に田中も打ち合いに応じるが、田中がダウンを追加。オープンスコアは10-8×2、10-9で斎藤。  2R、いきなりの打ち合いになり斎藤のストレート連打でコーナーに詰められた田中がダウンを喫する。右を打ちに行く斎藤に田中も応戦。斎藤は田中にロープを背負わせ、左右ストレートの止まらない連打。田中が右フックで崩れ落ち、レフェリーがここで斎藤のKO勝ちを宣した。  マイクを持った斎藤は「RISE対抗戦10試合あって、第1試合目だったので判定いって普通の試合してもインパクト残らないと思ったので、田中選手とバチバチの打ち合いが出来てよかったです。ありがとうございました。脳が揺れてあまり覚えてないんですが、対抗戦はK-1が1勝目、あとの4試合も全部K-1がいただきます」と高らかに宣言した。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級(55kg)3分3R延長1R×山田虎矢太(シーザージム/シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者)KO 1R 2分16秒 ※右バックブロー〇大森隆之介(EX ARES/同級4位)  山田ツインズの弟・虎矢太は2019年8月にデビューすると、心直、佐藤執斗、有井渚海らを破り連戦連勝。2023年2月には植山征紀をKOで破り、無敗のまま王座に就いた。2023年は6月にタンワレック・ルックサウンを1R KOで仕留めると、9月はパク・ヒョンウもKO、11月にはテーパプットに判定勝ちと13戦13勝と無敗街道を驀進中。  対戦相手はRISEバンタム級4位・大森隆之介(EX ARES)。大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は田渕神太、良星、京谷祐希ら格上を次々と撃破したが、2022年12月に加藤有吾に判定で敗れ連勝がストップ。戦績は7勝(5KO)2敗。現RISEフェザー級王者・門口佳佑と同門だ。  1R、長身の大森は右ローを蹴る。山田は左ジャブを突き刺し、右ローをヒット。スイッチも使う大森は前蹴り、左ジャブ。大森が遠い距離から右ストレートをヒット、やや腰が落ちかけた山田。  それでも冷静な山田は右フックを打とうと前に出たが、そこに大森がコンパクトな回転で右バックブローのカウンター!これが山田のアゴを捉えて、前のめり失神ダウン。大森が鮮烈の一発でKO勝ちを収めた。敗北した山田は担架送りとなった。  大森がシュートボクシング無敗の現役王者を衝撃KOで破った。  大森はマイクを持つと「帰ってきました。1年間加藤君に負けて、怪我して出れなくて、僕にとっては本当に長くてきつくて、ジムのみんなは成長して、置いてけぼりを感じていました。戻って来れて良かったです。1個だけ、20日ウチの大将(門口佳佑)がフェザー級で統一戦(軍司泰斗)をします。絶対勝ってくれると思うので、RISE皆で応援しましょう」とアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級(51.5kg)3分3R延長1R×松本天志(TARGET SHIBUYA/同級2位)判定0-3 ※29-30、28-30×2〇那須川龍心(TEAM TEPPEN/同級4位)  那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れ、6月にアマチュア時代のライバルだった相沢晟に判定勝ちで再起。8月にはMA日本バンタム級王者のJINに判定勝ち、12月に龍太郎にTKO勝ち。さらに大晦日のRIZINでMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンにパウンドでTKO勝ちを収めた。戦績は7勝(2KO)2敗。  対戦する松本はJAPAN CUP2021 -55kg準優勝で、2021年8月にRISEでプロデビュー。3戦目で初黒星を喫するが、2023年2月に行われた「RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント」で大方の予想を覆し、空龍と塚本望夢の優勝候補2人を下し下剋上を果たして優勝。7月には弾丸風太も初回KOに沈め、6連勝と勢いに乗っていたが10月の第2代RISEフライ級王座決定戦で数島大陸に敗れて連勝がストップ。8勝(4KO)2敗の戦績を持つ。今回より所属を変えて臨む。  1R、互いにジャブを放ち、サウスポーの松本は左インロー&右ローも蹴る。那須川は右ミドル、ジャブをボディにも打つ。ジャブからいきなり左フックを打つ那須川がヒットを奪う。右ボディも。左インローをしつこく蹴る松本に那須川は前足へ左右カーフ。那須川の右インローがローブローとなって試合は中断。再開後、すぐにゴング。  2R、右に回り込まず正面に立つ松本へ那須川はジャブを刺していき、前蹴りや飛びヒザにつなぐ。松本は左ストレートを放つが距離が合わない。那須川がノーモーションの右ストレートをヒットさせていき、左フックにつなぐ。那須川のジャブ&ストレートに松本は自分のパンチを当てられる距離に入れず、ハンドスピードでも那須川が優る。松本は鼻血。  3R、那須川は右へ動いてから左に移動しての右ストレート、左フック。松本は後ろ蹴りを多用し、左ミドルも蹴る。那須川はジャブを突き続け、右ストレート、左アッパーを回転させる。松本は前に出てパンチを打ちに行くが、那須川はすぐにバックステップで離れて長い距離のパンチを打つ。打ち合いを仕掛ける松本だが、コンビネーションを回転させてヒットを奪うのは那須川だ。  判定は3-0で那須川が上位の松本に勝利。雄叫びをあげて勝利を喜ぶとマイクを要求し、「今回下馬評が不利でこの相手に勝ったらすごいぞと言われて正直ムカついていたんですが勝ててよかったです。6月大阪で塚本選手、どうすかね。敵地で前回負けた塚本選手にやり返したい気持ちが強いので、挑戦者決定戦としてやりましょう。いい返事待っています」と、塚本望夢との再戦をアピールした。  リングを降りると、兄・那須川天心も勝利を祝福した。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級(55kg)3分3R延長1R×加藤有吾(RIKIX)判定0-3 ※29-30、28-30×2〇ジャルンスック・ブーンラナームエタイ(タイ/ブーンラナームエタイジム)  加藤は元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・石井宏樹の愛弟子でジュニア時代から石井の指導を受け、プロデビューすると持ち前の強打で頭角を現し2019年12月にWMC日本スーパーバンタム級王座を奪取。2021年1月には元山祐希と壱・センチャイジムを破って岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント優勝を果たした。2022年8月に翔真、12月に大森隆之介、2023年2月に京谷祐希も破り、6月には鷹介にも勝利して4連勝を飾ったが、8月の大﨑孔稀戦で判定負け。12月に有井渚海に勝利して再起した。戦績は25勝(11KO)6敗。  対するジャルンスックは身長168㎝(大﨑は160㎝)の17歳で戦績は44勝6敗3分。True 4Uの118ポンド王者。ペッティンディー興行に出場しており、推薦を受けて2023年12月のRISEに初参戦するとアグレッシブファイトとヒザ蹴りで大﨑一貴を相手に奮闘。延長戦の末に判定2-0で敗れたが関係者から高い評価を得て2度目の参戦となった。  1R、加藤がボディ打ちを中心に前に出る。ジャルンスックは距離を取りつつ、左ミドルキック。加藤が近距離で細かいパンチを見舞うが、ジャルンスックも左ストレートから左ヒザ蹴りを返す。加藤はジャルンスックのミドルに対して、左フックを合わせる。残り30秒、左ストレートから右ミドルを出すジャルンスック。  2R、一気に前に出る加藤はボディ打ち、ストレート、アッパー。ジャルンスックも冷静にミドルを蹴りつつ、右ボディフックを打ち返し、左ヒザ蹴り。加藤は右ローをヒット。近距離の攻防でもジャルンスックは左右フック、ストレートで譲らず。加藤は右ボディフック。ジャルンスックが右フックをヒット、加藤は右ストレートを出すが、思うようにヒットを奪えない。  3R、近距離でパンチの打ち合い。ジャルンスックは左ミドル、左ストレート。加藤のパンチを受けるジャルンスックは右フックのカウンターやボディ打ちを放つ。加藤は細かいパンチから飛びヒザ蹴り、離れ際の右フックはジャルンスック。加藤は右ローを強打、それでもジャルンスックのフックやミドルがコツコツ入る。ジャルンスックはヒザ蹴りから右フックでヒットを稼ぐ。加藤も積極的にパンチで打ち合うが、主導権を奪うことが出来なかった。  ジャッジは3者ともジャルンスックを支持。ジャルンスックが加藤に打たせずに打つ技術力も見せて、判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第3試合 スーパーライト級(65kg)3分3R延長1R×KENTA(HAYATO GYM/同級9位)判定0-3 28-29×3〇YURA(ダイアタイガージム/RISEミドル級15位)  KENTAは長身を活かした豪快な攻撃が武器で、2021年9月の山畑雄摩戦から4連勝を記録していたが2022年10月のRISE大田区大会で小川翔に判定負けを喫し連勝がストップ。『DEEP☆KICK』では3月にDEEP☆KICK-63kg王座を獲得し、12月には足利也真登を判定で下し王座を防衛している。2023年は安彦考真、山畑雄摩に勝利も8月に麻火佑太郎に敗れた。戦績は19勝(6KO)5敗1分。  YURAはK-1甲子園準優勝、プロで12勝(5KO)無敗のキックボクサー。これまで第4代IKCウェルター級王座、初代ジャパンカップ同級王座、突破70㎏以下級王座、RKSウェルター級王座を獲得。「一番手っ取り早く有名になるため」の手段としてBreakingDown出場を選び、2023年5月から出場。これまで3勝1敗の戦績を残し、2024年2月には西谷大成にもKO勝ちしている。2023年12月の『RISE WEST』に出場し、ねぎ魔神とダウン応酬の末に判定勝ちしてRISEミドル級15位にランキング入り。BreakingDown CEOの朝倉未来は「この階級で一番強い」とその実力に太鼓判を押している。  1R、両者ともまずはジャブ&ロー。YURAはワンツー、サウスポーにスイッチしての左ストレートを繰り出す。KENTAは左ミドルで対抗する。ジャブでけん制し、YURAが入ってくるところに左ミドルを合わせるKENTA。YURAはかまわずスピードのある左フック、右ストレートを打つ。KENTAは前足への左インローと右ロー、そしてカウンターの左ミドルでYURAを入りづらくさせた。  2Rもローの蹴り合いとなり、KENTAのローにYURAが右ローをしっかり返していく。ワンツーで前に出るYURAが左ボディからの右ストレートでKENTAをグラつかせると、一気にラッシュをかけて左右フックの連打でスタンディングダウンを奪う。再開後、KENTAも打ち合いに転じる。強烈な左ボディ、右フック、左フックを決めるYURAにKENTAは右ストレート、右ローで応戦。YURAのラッシュが止まるとKENTAは右ストレートと右ロー。テンカオからの右フックでYURAがバランスを崩すが右スレートとヒザで反撃。  3Rも前に出てくるYURAを左ミドルで迎え撃つKENTA。YURAはパワフルでスピードのあるワンツーでどんどん前へ出て行き、左ボディも打つ。左インローと左ミドルを蹴るKENTAだがYURAは下がらず前へ出る。KENTAの蹴りにYURAはよく伸びるジャブで対抗。残り30秒、KENTAは右ストレート、左右フック、ヒザでラッシュをかけるがロープを背負ったYURAも左右フックで応戦。激しい打ち合いとなったが、KENTAは逆転ならず。  判定3-0でダウンを奪ったYURAが本戦初出場でスーパーライト級のランカーを破った。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級(55kg)3分3R延長1R〇松下武蔵(GOD SIDE GYM/同級10位)延長R 判定2-0 ※10-10、10-9×2×伊東龍也(HAYATO GYM/同級13位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝)※本戦の判定は30-29、29-30、29-29。  松下は過去にはKNOCKOUTのリングで王者・古木誠也をKOするなど活躍し、RISEのリングへ。昨年12月にはKrush王者・池田幸司と接戦の末、判定負けを喫した。それ以来の再起戦となる。戦績は11戦8勝2敗1分(3KO)。  伊東はStand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝の経歴。朝倉未来をリスペクトしていることから、同じ「Battle Scars」で入場する。戦績は5戦5勝(2KO)無敗。  1R、伊東がサウスポーで左ミドル。右前蹴りを放つ松下はやや圧をかけて、左フックから右ストレート。前後にステップを踏む松下は前手を上下に動かしつつ、スピードのある左右フック、ワンツーを見舞う。伊東は左ミドルを強打。ロープを背負う伊東は後ろ回し蹴りを放つが、松下はこれをかわす。  2R、松下が右ロー、中に入って右ストレート。伊東も左フックを返す。やや距離が近くなり、右ヒザ蹴りから左フックで会場を沸かせる松下。ローの蹴り合いからお互いのフック、ストレートが随所で交錯。バックブローを放つ伊東に、松下は左フックを強打。バッティングが発生し、時間が取られる。松下が右バックスピンキックをヒット、負けじと伊東も左フックを返し、近距離でアッパーを繰り出す。  3R、伊東が左右フック、ストレートで打ち合いへ。松下は被弾するが、右ヒザ蹴りを返す。松下は右ローを放つが、伊東もヒザ蹴りをリターン。場内が沸く中、お互いに近距離でパンチの打ち合い。松下は右ヒザ蹴り、右ストレートから左フック。最後は松下の左フック、伊東の左ストレートを見舞っていった。  ジャッジは三者三様となり、延長戦へ突入する。  延長R、松下が右ロー、伊東が左ミドル。前に出る松下は右フック。ワンツーを見舞う松下は右ヒザを突き上げる。伊東も左ストレート、ヒザ蹴りを譲らず。近距離で松下が左フック。伊東のバックスピンキックを交わした松下は右フック。残り30秒、伊東の左ミドルに対して、松下が右フック、左フックを返していった。  ジャッジ1名はドローとするが、2名が松下を支持。松下が延長判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第1試合 エキシビションマッチ 2分2R―大﨑孔稀(OISHI GYM/第8代RISE王者)勝敗無し―横山典雄(不死鳥道場/元聖域ライト級統一王者)  当初、横山との対戦が決まっていた山科直史(極真会館)は計量時間になっても会場に現れず、本人と連絡がとれない状況となり失格。横山の不戦勝扱いとなった。  代わって横山は大﨑とのエキシビションマッチを行うことに変更。1R終盤に大﨑が左ボディでダウンさせるガチな展開で場内を沸かせた。両者はマイクを持つと、山科の安否を気遣った。 [nextpage] ▼オープニングファイト第3試合 ライト級(63kg)3分3R〇TAKU(TARGET)KO 1R×武 裕太(誠真会館所沢道場) [nextpage] ▼オープニングファイト第2試合 女子ミニフライ級(49kg)3分3R〇登島優音(NEXT LEVEL渋谷)判定2-0×紗彩(ドージョー☆シャカリキ) [nextpage] ▼オープニングファイト第1試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R〇所 風雅(Refre’K)判定2-0×奥村将真(TEAM TEPPEN)
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