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インタビュー

【UFC】サンデニの辞書には『恐怖』と言う言葉がない──JTTエリー・ケーリッシュが語る“軍神”=3月10日(日)『UFC 299』

2024/03/10 11:03
【UFC】サンデニの辞書には『恐怖』と言う言葉がない──JTTエリー・ケーリッシュが語る“軍神”=3月10日(日)『UFC 299』

(C)Zuffa LLC/UFC/GONG KAKUTOGI

 2024年3月9日(日本時間10日朝8時)、米国フロリダ州マイアミのカセヤ・センターにて『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』(U-NEXT配信)が開催されている。

 コメインでは、ブノワ・サンデニ(フランス)がオクタゴン6連勝を賭けて、元UFC世界ライト級暫定王者のダスティン・ポイエー(米国)と対戦する。

 そのサンデニとフランスで練習場をともにした、ジャパントップチームのエリー・ケーリッシュコーチに、“軍神”サンデニの印象と、ポイエー戦の予想を聞いた。

ブノワを止められることとして想像しうるのはたったひとつ

──フランスで今MMAがすごく盛り上がっていますよね。コロナ禍が過ぎてから、大きなアリーナが満員札止めになっています。その中でUFCに参戦するようになったブノワ・サンデニは今週末元暫定王者のダスティン・ポワイエと対戦します。フランス出身のエリーさんは、ブノワ選手にどんな印象を持っていますか?

「ブノワ・サンデニ選手のことは好きですよ。フランスで、彼自身と彼のコーチのダニエル・ヴォワランと練習したことがあるんです」

──なんとご本人をご存知なのですね。実際に対峙した経験から彼がどんな人なのか是非教えてください。

「ブノワは、まさしく“別物”と言うにふさわしい存在ですね。もうとにかくスペシャルな、特別なものを持った人です。フランシス・ガヌーやコナー・マクレガーと同じ部類ですね。彼のメンタルはUFCの中でも、類稀な存在だと思います。だって、特殊部隊にいたんですよ? ものすごいタフな訓練も経験している。

 今なんて言ってしまえば(たかが)ケージじゃないですか、戦場と比べちゃったら(笑)。本当のルール無用の殺し合いの地にいた人にしたら簡単でしょう。彼の辞書には『恐怖』と言う言葉がないですね。常にフィニッシュしたいと思っていて、判定に委ねるつもりも当然ない。倒さなければ勝利ではないというのは彼にとっての現実世界の戦いそのままなのだと思います。

 レフェリーの存在すらも関係がないのでしょう。彼の練習を見学していたんですけど、“さあやるぞ”ってなったら、余計なことを考える頭は捨て去って、ただ本当に“やる”んです。非常に賢い人で当然スキルも研ぎ澄まされているわけですけど……もうね、目が(笑)。目がもう、野生味が剥き出しになって“殺しの本能”がほとばしっているんですよ。UFCの中でも稀だと言ったのは、ここですね。そうそういないでしょう。

 彼って世界中のファイトファンが好きなタイプだと思うのですよね。試合がとても盛り上がるし、盛り上がる理由はなぜかと言えば“ファイト”をするからなわけで。アメリカ人には『特殊部隊出身』ってすごく受けもいいと思うし、日本の人にとってはああいう侍魂のようなタフなメンタリティは受け入れやすいものがありますよね。全方位のエンターテイナーだからこうもトントンと人気が出たのだと思います」

──『UFC299』の試合はどう予想しますか。

「ダスティン・ポイエーに対してはブノワがもうプレッシャーをかけまくるでしょうね。そしてテイクダウンするチャンスを逃さないようにして、バックテイクしてチョークを狙う、と予想しています。ブノワを止められることとして想像しうるのはたったひとつです、それは、ブノワがたまにノーガードになるところを突くこと。ダスティンはボクシングがすごく上手いですからね。

 ブノワにとってサウスポー同士の対戦は初戦だけで、それ以降は全部オーソドックス相手でしたからレッグキックなどは有効だった。予想としては70パーセントくらいはブノワだと思っていて、判定になるか、チョークアウトするかです。残りの30パーセントはダスティンのカウンターパンチが炸裂してのKOです」

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