2024年2月23日(金・祝)東京・後楽園ホール『RISE 176』にて、アトム級(-46kg)3分3R延長1Rで対戦する同級3位・百花(魁塾)と小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)のインタビューが主催者を通じて届いた。
百花は40戦を超えるキャリアを持つベテランで、現在もアトム級のトップ戦線に君臨。2021年9月と11月にはRIZINに出場し、ぱんちゃん璃奈には判定負けも未來に判定勝ち。2022年は2月に宮﨑小雪、6月は平岡琴に敗れて終えたが、2023年2月に初代KROSS×OVER KICK女子-45kg王者・松本徐倫、8月に小川紗南を破ってベテラン健在ぶりを示した。戦績は23勝(1KO)20敗3分。
期待のホープである小林は、幼い頃から空手とキックボクシングを学び、高校・大学時代はボクシング部に所属。高校生の時には「第17回全日本女子ボクシング選手権ジュニア(高校生)の部ピン級」(2018年)で準優勝、全日本女子ジュニアランキングでも1位にランキングされていたアマチュアボクシングの強豪選手。グローブ空手のJAPAN CUP 2022 女子-50kgトーナメントでも準優勝している。
2022年10月の『RISE 162』でプロデビュー戦を行い、3戦目では同じく女子ホープとして期待されている西原朱花との無敗対決に挑み、判定勝ちでライバルよりも一歩先へ。2023年8月の4戦目ではキャリアのある坂田実優と初の引き分け。11月のFIGHT CLUBで初のOFGマッチに挑むも平岡琴に判定負けで初黒星を付けられた。
百花「ババアの意地を見せるのでかかって来なさい」
――半年ぶりの試合になりました。
「結構空きました」
――6カ月もインターバルを空けたのは何か理由があったんですか?
「最強になるための準備期間として準備をしていました」
――公開練習ではオープンフィンガーでMMAスタイルの公開練習でしたけど、それは今後に向けて示唆めいたものが何かあるんですか?
「全然そういうのはないですけど、やっぱフィジカルとか体幹トレーニングとか大事だと思うのでそういうのも取り入れていきました」
――半年前と比べて体幹の方はかなりアップしている自負はある?
「パワーはかなり上がっています」
――半年間溜めた思いを今回の小林穂夏戦にぶつけますか?
「思いっきり爆発させます」
――9歳年下の小林選手はどんな印象ですか?
「私も結構長いので、対戦相手が基本みんな若い選手ばかりなのでそんな若いからとか別にそういうのは何もないです。若い子が上がってきたなっていう感じです」
――百花選手は身長150cmで、小林選手は145cmと百花選手より5cm低いです。今まで百花選手は背が高い人とやる機会が多かったですが、背が低い相手とやるのはいつ以来ですか?
「多分紅絹さん(2020年11月)が最後ぐらいです」
――やりやすいですか?
「大きい人はちょっとやりにくいですけど、ちっちゃい選手に関してはやりにくいとか一切ないです」
――最近の小林選手の試合ぶりはどう見てますか?
「オープンフィンガーの時は思うようにいかなかったのかなって感じで、グローブの時はボクシング経験者っていうのもあってパンチも上手いし思ってたより蹴りも蹴ってるので上手な選手だなという印象です」
――その小林選手と自分が対峙したらどんな試合になると予想しますか?
「多分みんなも思ってる通り噛み合うのですごい面白い試合になるんじゃないかなって思います」
――すでに対策はバッチリですか?
「もうずっとしてるので。魁塾のメンバーがパーソナルでやってくれてるのでバッチリです」
――小林選手をKOする場面もイメージできてる?
「もう何通りも作ってるので楽しみにしててください」
――2024年の百花選手は去年までと一味も二味も違う感じですか?
「去年は試合数が少なかったんですけど勝ちで終われたので、今年はさらに勝ちを積み上げて。先に聖愛にRISE QUEENを取られたので、私もしっかりRISE QUEEN目指します」
――今も話に出ましたけど魁塾の後輩である聖愛選手がRISE QUEENになりました。昨年12月にはテッサ・デ・コムとの王者対決も制してものすごく活躍してますけど、やはり先輩として大きな刺激になっていますか?
「もちろんです。先に取られて悔しいって気持ちもあるんですけど、自分が引っ張っていくとか最近言い出したので負けてられないです(笑)」
――従兄弟の政所仁選手も活躍していますがこちらはどうですか?
「ここのジムの練習してる限りは全然かっこよくもないしいつもふざけてるんですけど、試合になったらかっこいいし練習もしっかりやってるのでそれも刺激になります」
――周りからの刺激が今はものすごく大きい感じですね。
「練習も濃い練習ができてるのでいい環境です」
――今回の小林戦をきっかけに2024年はどんな1年にしますか?
「今の目標がRISE QUEENなのでしっかり一つ一つ試合を勝って、普通に勝つんじゃなくて皆さんに百花選手って面白いなと思ってもらえるような試合をして、しっかりベルトに近づきたいです」
――今まで百花選手を応援してきたファンは今回の試合でどんなところに一目したらよろしいですか?
「今まではパンチのイメージだと思うんですけど、いろいろ練習してるので『こんな攻撃もできるんだな』っていうのを見て下さい」
――最後に百花選手のファン、RISEファンの皆様に熱いメッセージをお願いします。
「試合間隔が空いてしまったんですけど、SNSなどで私の試合を見たいって言ってくれてる方もいて一生懸命練習してきたので、次の試合はしっかり勝って皆さんに笑顔を見せれるように頑張ります。応援よろしくお願いします。小林選手は(平岡)琴さんの時もババアとか言ってたんですけど、ババアの意地を見せるのでかかってきてください」
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小林穂夏「まだまだ試練をたくさんください」
――昨年11月の平岡琴戦でOFGマッチをやって以来の一戦となります。結果はちょっと残念な結果に終わりましたけど平岡戦で得たものは?
「負ける怖さを知りました。負けるのが怖いって思ってなくて、負けるとも思ってなかったんですけど」
――実際にやってよかったと思いますか?
「やってよかったです。負けて一から気持ちを作れたので出て良かったです」
――一から気持ち作ることができたっていう話がありましたけど、そこに至るまではやっぱり時間がかかりました?
「めちゃめちゃかかりました。まずFIGHT CLUBのオファーを頂いた時に「オープンフィンガーかぁ」とか『ランキング2位の選手かぁ』とか、最初からビビってしまった部分があったので、そこはうーんって感じでした」
――もうすでに気持ちの整理はついてますか。
「そこはもう大丈夫です」
――所属してるNEXT LEVEL渋谷は女子の選手が多いですが、周りの選手からアドバイスや温かい励ましとかありました?
「いっぱいありました。オープンフィンガーのオファー頂いたのが1ヶ月ちょっと前ぐらいで、準備する時間も短い中で『あの舞台でよく頑張った』と言っていただきました」
――OFGをやろうとしてる小林愛三選手は何か言ってました?
「愛三さんもやっぱり同じことで、愛三さんも今練習してるので『1カ月でこれを作るのはすごいよー』って言ってくださってます」
――実際にやってみたら通常のボクシンググローブとOFGは全然違いますか。
「全然違いました。拳も痛くなるし、打ち方間違えると親指痛かったり全然違いました」
――今回はアトム級の百花選手との一戦になりましたが、このランキング戦はどういう風に自分では位置づけてますか?
「自分今6戦目で前回も負けちゃってるのでランカーの人と出来ると思ってなかったので、毎回RISEさんからの試練だなと思いながら、今回は試練を乗り越えようって気持ちです(笑)」
――前回の平岡琴戦から「小林穂夏試練の何番勝負」って路線がスタートしたってことですかね。
「自分的にデビュー戦からほぼ無敗の辻井和花選手でいきなりそこ!? って最初も思ったし、2戦目も西原朱花さんでずっと無敗って言われてたので『まじか?』って。毎回毎回試練です(笑)」
――デビュー戦からずっと試練が続いてるわけですね。
「本当に『今回はイージーだよ』とか『今回は格下だから自分のやりたいことやろうよ』みたいな試合がなかったので、試合に向けて必死に必死にって感じです。
――でもそれはRISEが小林選手に期待してる裏返しでもあると受け止められますけどね。
「そうですね、ここを乗り越えて強くなってねって言われてるのかなって」
――百花選手はキックボクサーとしてどんな評価をしてますか?
「百花選手は自分が高校生の時から紅絹さんと戦ってたり、自分がアマチュアの時からGIRLS POWERに出てる選手で、ずっといるベテラン選手でもう突進突進みたいな感じで、いつかやりたいなと思ってたのでこんなに早くチャンスを頂けると思わなかったです」
――すでに分析は終わってますか?
「分析は完璧です。ばっちりです。もうこれ入れてこれ入れてパーン!」
――何ラウンドぐらいに期待したらよろしいですか?
「うまくいけば2ラウンド目で今やってる大技出そうかなぐらいです」
――大技も狙ってるんですね。
「大技練習してますね」
――ここで勝って年内にでもチャンピオンの宮﨑小雪選手を見据えたいって気持ちもありそうですね。
「年内…もうちょっと試練をいただきたいところではあります(笑)」
――数戦は必要ですね。
「確実に勝てるって自分で思った時がいいので、まだまだ試練をたくさんください」
――今小林選手は大学生ですよね?
「3月25日に卒業式で、昨日卒業は確定しました」
――おめでとうございます。
「ありがとうございます(笑)」
――4月から肩書きはキックボクサーになるんですか?
「4月からはキックボクサーですね。やりたいことがあるのでバイトはしながらになるんですけど」
――やりたいこととは何ですか?
「自分料理がめっちゃ苦手なので調理師の免許が欲しくて、ちょっと給食のおばちゃんのバイトをしながら。
――もう決まってるんですね。
「料理できたほうがいいかなって」
――調理師の免許も取るんですか?
「取りたいです。何か意味があるとかではないんですけど、料理できる方がキック終わった時結婚できるかなって(笑)。本当にできないので料理できるようになりたいです」
――今どんなレベルですか?
「卵焼きギリギリぐらいですね(笑)」
――卵焼きギリギリ?まあまあのレベルですね(笑)。
「この間グラタン作ったら硬いって言われちゃいました」
――硬い?グラタンに硬いとかあるんですね。
「やばいですよね(笑)」
――3月のRISE ELDPRADOのオープニングマッチに出るTAKU選手と大学は同期なんですか?
「そうなんです!『RISE’s PRIZE』の時にTAKU選手から声かけていただいて、同じ大学同じ学部でした」
――同じ授業を受けたとかそういったことはないんですか?
「自分の同じ授業の子がTAKU選手と一緒で『RISE出てる子いるよ』みたいな話は聞いてたんですけど、自分が授業に全然出てなかったので(笑)、会ったことは多分ないです」
――世間は狭いですね。
「びっくりしました。言われて『えっ!?』みたいな(笑)」
――最後にファンの皆様に向けて熱いメッセージをお願いします。
「いつも応援してくださる皆様ありがとうございます。自分はまだまだ未熟なところがたくさんあるんですけど、前回は気持ちが折れてしまってなかなか面白い試合を見せれなかったので、今回は気持ちと心技体全部ぶつけて面白い試合、勝つ試合をしますので、これからも応援よろしくお願いします」