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インタビュー

【RIZIN】バンタム級四天王だけじゃない! ヘンリー「相手が誰であろうと自分の力を証明し続ける」、ケイプ「アサクラから伸びしろを感じた。また戦いたい」、スコッギンス「バンタムでベルトを獲りたい」、ガーダム「(後ろ三角絞めに)パニックになってタップしてしまった」=『RIZIN.18』

2019/08/21 13:08
【RIZIN】バンタム級四天王だけじゃない! ヘンリー「相手が誰であろうと自分の力を証明し続ける」、ケイプ「アサクラから伸びしろを感じた。また戦いたい」、スコッギンス「バンタムでベルトを獲りたい」、ガーダム「(後ろ三角絞めに)パニックになってタップしてしまった」=『RIZIN.18』

2019年8月18日、愛知県ドルフィンズアリーナで開催された『RIZIN.18』では、堀口恭司を頂点とするバンタム級で四天王(石渡伸太郎、扇久保博正、佐々木憂流迦、元谷友貴)以外のファイターたちが凌ぎを削り、存在感を示した。

現DEEPバンタム級王者で元谷友貴、大塚隆史らに勝利し、石渡伸太郎には敗れているビクター・ヘンリーは、トレント・ガーダムの意外な巧さ・力強さに苦戦したものの、最後は秘技・後ろ三角絞めできっちりタップを奪い「誰とでも戦う」と常在戦場の構えを見せた。

元UFCファイターのイアン・マッコールをヒザ蹴りでTKOに下し、一躍注目を浴びたマネル・ケイプは同じく元UFCの水垣偉弥と対戦。これまで堀口恭司相手に善戦し、朝倉海にスプリット判定負け、佐々木憂流迦にも判定負けしているが、実力者・中村優作には一本勝ちというケイプ。UFC5連勝の記録を持つ水垣に対し、死角からのアッパーを効かし、さらに右フックでマットに沈め、“RIZINの門番”の役割を果たした。

堀口戦ではバッティングがあったものの大いに苦しめ、朝倉海戦ではどちらに白星がついてもおかしくない接戦の末の判定負けだけに、ケイプは試合後、「一度“勝った”相手にもう一度戦って勝利したい」と豪語している。

ヘンリー、ケイプ以外にもバンタム級で渋い光を見せたのがジャスティン・スコッギンスとトレント・ガーダムだ。米国で独特のアメリカン空手を学び、UFCフライ級戦線で活躍したスコッギンスは、RIZIN初戦こそ元谷友貴のティピーチョークに敗れたものの、今回は肉体改造にも成功。打撃巧者の祖根寿麻を相手に、半身構えから後ろ手の左ストレートで見事ダウンを奪っての判定勝利を決め、「ベルトを獲りたい」とアピールしている。

またヘンリーに敗れたものの、1年前のS-cupでは健太相手に判定0-2で健闘していたトレント・ガーダムは、RIZIN初参戦で、タイガームエタイジム仕込みの首相撲&ヒジ打ち、さらに変則的なバックスピンキックも繰り出し、DEEP王者に肉薄。強い腰からテイクダウンも奪ったが、最後は際の勝負でバックに回られ、後ろ三角絞めにタップした。会見で涙を流したガーダムだが、再来日が期待される選手だ。

朝倉海が堀口恭司を下すという番狂わせが起きたRIZIN名古屋大会。「バンタム級をシャッフルする」という榊原CEOだが、海外勢はどのように絡んで来るか。注目の階級となりそうだ。

ビクター・ヘンリー「(後ろ三角絞めは)みんながスリーパーを極めたがるから僕は違うことをしたかった」

――トレント・ガーダム選手と対戦した感想からお願いします。

ヘンリー 腹が減ったからゴーゴーカレーに行きたい(※ヘンリーはゴーゴーカレーのマニア)んだよね。でもここ名古屋のローカルフード内から、ステーキでも食べたいな。彼(ガーダム)は日本に来て日本のコミュニティを怒らせたかったのだと思うけど、というのも彼はここに負けにくると分かって来ていたわけだから、自分たちの能力をお互いに最大限発揮して、ベストを尽くしたと思うから、敬意を表したいと思う。

──RIZIN初参戦で勝利し、今後の展望は?

ヘンリー 今後の展望は、同じだよ。ジムに戻ったらすぐに再びワークに戻り、トレーニングを続け、仕事をする。またすぐにRIZINに戻ってきて試合をしたいね。

──元谷戦でのケージと異なり、リングで戦ってみて、違いは何か感じましたか?

ヘンリー リングで戦ったことはあるんだけど、違いとしては、唯一、1Rにかなりタイトにボディをしっかりロックしたところで、でも偶発的にロープの隙間ではなく縦のロープを囲んでしまったことかな。それで俺は彼を引こうとしたんだけれど、ただ腕がきつくて彼を後ろに戻し、そしたら彼はトップロープを1、2回掴んだりしていて、彼はそれでもディフェンスできていたと思うのだけれど……戦略的には何ら違いというものはない。自分の方に少しエラーが出た、というようなことにすぎない。

──バンタム級が盛り上がっている中で、今日のメインの試合結果を受けて、計画は狂いましたか? 次の対戦相手としてタイトルマッチをしたいですか?

ヘンリー プランはいつも同じだよ。ベストな試合をすることであって、相手が誰であろうと自分の力を証明し続けることであって、RIZINが誰と試合を組もうと、それは誰だっていい。相手が誰であれ精一杯戦うだけさ。

──フィニッシュについて。最後、後ろ三角絞めで、リアネイキッドチョークを狙わなかったのは背中に乗りすぎていたから、あるいは相手のRNCのデフェンスが上手かったからですか?

セコンドのジョシュ・バーネット 俺が答えを知っている、それは! 船木誠勝スタイルだからだ!

ヘンリー 違うよ!(笑)。なぜそうしなかったかって? それは、みんながスリーパーを極めたがるから。僕は違うことをしたかった。ここで違いを見せて、自分を印象づけたかったんだ。足はスキニーだけれども腕よりも力強い。足を使ってチョークを取るということは、腕を使うことよりも効果的だったということさ。

マネル・ケイプ「一度“勝った”相手にもう一度戦って勝利したい」

──水垣偉弥選手との試合の感想からお願いします。

ケイプ 予想していた戦いだった。よかったよ。

──水垣選手の印象は?

ケイプ いい選手だった。硬かったね。最初の内はうまくいかず、途中で作戦を変更したのが功を奏したと思っています。

──今後の展望は?

ケイプ もともと対戦相手には狙いをつけていたけど、結果が変わったが、一度“勝った”相手にもう一度戦って勝利したいと思っているよ。

──いま、モニターに映っている朝倉海選手(vs堀口戦が会見場モニターに映りだされている)とケイプ選手の試合は、ケイプ選手の動きもよかったと思いますが、それを踏まえて、どう試合を見たか?

ケイプ (朝倉戦は)トレーニングから思い描いていたことがあるので、そこからは外れてない。厳しいこともやったけど、試合には遊び心もあって、振り返っても、いい試合ができたと思っているよ。

――「堀口選手と戦いたい」と言っていたが、今回の試合結果を受けて、変わってくる?

ケイプ そうだね。アサクラとは戦ったことがあるけれど、強くなったと思うし、伸びしろを感じたので、また戦いたいね。

ジャスティン・スコッギンス「以前はバンタム級では小さ過ぎたけど、フィジカルを強化しバンタムでベルトを獲りたいと思えるくらいになっている」

──祖根寿麻選手と対戦した感想からお願いします。

スコッギンス この気持ちをどう表現したらいいか、分からないな。ここ数試合、それはつまり数試合の敗戦っていう後に、諦めずにこの世界最高峰のすごい大会に戻って来れて、日本の素晴らしいファンたちの声援に心も温まり、またここに来る日が待ちきれないよ。

──祖根選手と実際に戦った印象は?

スコッギンス 試合前から相手がタフだとは分かっていたし、ハードな試合になるということも分かっていたけど、できる限り自分の距離を保って、巻き込まれないようにする、というようにゲームプラン通りに進めていったよ。

──今後の展望は?

スコッギンス 目標は常に同じで、世界の頂点になることであり、そしてRIZINでタイトルを獲るということだ。

──RIZINにはバンタム級の選手が多くいますが、戦いたい相手はいますか? 元谷選手とリマッチなども?

スコッギンス もちろんモトヤとリマッチをしたいとは思うけど、彼の今後の予定は知らないから、とにかく自分としては誰とでもいいからまた早く試合を組んでほしいということを(柏木)シンゴ(RIZIN海外事業担当)には伝えていて、自分の要望を言えるのなら、もちろんタイトルに挑みたいということもあって、誰とでもやるし何よりすぐにここに戻ってきたいと思ってる。

──輝かしい戦績がありますが、UFCではフライ級で戦っていました、バンタム級で続けたいですか?

スコッギンス フライ級でやれと言われれば、そうしたいという感じだけど、素晴らしい新しいフィジカルコーチのコーディー・フリーランドと出会い、サウスキャロライナ州のグリーンビルで筋力トレーニングをして、パフォーマンスも進化している中で、バンタム級には小さ過ぎたというのもあったけれども、今では強くなっていてバンタム級でベルトを獲りたいと思えるくらいになっているというのを見せられたと思う。

トレント・ガーダム「若さゆえの過ちを犯した。過ちを乗り越えてリベンジをしたい」

──ビクター・ヘンリー選手と対戦した感想は?

ガーダム (涙声で)とても落ち込んでいます。みんなに謝りたい。RIZINにも、家族にも、友人にも……。(後ろ三角絞めに)パニックになってタップしてしまい、どうにかならないか、もがいてはみたけどどうにもできなかった。とても残念です。

──ヘンリー選手の印象は?

ガーダム スマートな選手だと思います。私を捉え仕留められる場所を的確に見つけた。僕がこれまで負かされた誰よりも良い選手で、僕は若さゆえの過ちを犯した。この過ちを乗り越えてリベンジをしたい。

──今後の展望は?

ガーダム トレーニングを積み重ねてミステイクからの学びを次に生かし、また再戦をしたいけれど、とにかくもっといい試合をして……そうですね、この試合のように(モニターで堀口vs朝倉のビデオが映し出され)、世界にショックを与えるようになりたいと思います。

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