堀口恭司と朝倉海が日米で試合を──という虫のいい話は、UFCは許さないと思う。ウェットな感じもあるので、ダナと会って話をしてきたい
――そういう状況下で、堀口恭司選手だったり、朝倉海選手の今後の見通しというのはどういう可能性が一番高いんでしょうか。
「どうなんですかね。本人たち2人は『UFCで戦ってみたい』ということを公に言っていますから。前も言いましたけど、本人が戦いたいからと言って、“わかった、じゃあ契約するよ”というほどUFCの軒先は低くないので。実際UFCサイドとも、RIZINとして、“2人のチャンピオンにこういう意向があるんだ”というのは、これは僕的には、ダナ・ホワイトと直接会って話をして来ようと思っているので、今回、渡米中にダナとも会ってそのへんの話ができたらいいなと思っています。
だから、RIZINとしてすごく難しい判断は、当然RIZINとしてのベルトを、タイトルを維持するというか、タイトルホルダーとしてRIZINを主戦場に戦ってもらいたいんですが、Bellatorのように、1回、2回の契約を買ったり売ったりみたいなことができる関係値に今、UFCとの中ではないので、UFCに行くとなると、ベルトを返上して、いち競技者としてUFCのレギュレーションに従って、ファイトマネーも大幅に下がると思いますし、いろいろな求心力も落ちると思いますけど“それでもやるんだ”ということになるのか。そこまでしてでも、ひょっとしたらUFCは契約を取ってくれないかもしれない。ちょっとUFCと腹を割って話してみようという風に思います。
その中で選手たちのチョイスに、“こういう2つのチョイスがあるよ”と(言えるか)。僕らは一方的に契約で縛ったり、“RIZINでチャンピオンなんだから、もうRIZINでやれよ”とかっていう気持ちもないというか。それが本当に一個人として、“本当にRIZINにも感謝をしているし、RIZINのファン、日本のファンの前で戦いたいけども、1回、UFCでやってみたいんですよ”というのであれば──2つの重さってたぶんいろいろな意味で違うと思うんです。経済的なこととか、当然自分の試合に対する注目度とか、対戦相手もレベルも違うと思うし。その中でUFCでいきなりタイトルマッチに挑むことはないので、2人がそれぞれベルトを持ってUFCに行ったところで、ランカーを何人か倒した先に初めてUFCの頂きが見えてくるというくらい、群雄割拠の中で。
でもアスリートで競技者で、腕に覚えがあれば、そういう思いが優先するかもしれないので、そこはいろいろなケースを全部客観的にいろいろな要素を材料を集めて、再度、朝倉海と堀口恭司と話をしたいと思いますし、“もうRIZINをやめてUFCに行けるか行けないか分からないけどチャレンジします”ということでは全くないので。堀口とも海とも年明けに会って話しましたけど、当然一番いいのは、RIZINの中でタイトルを持っている中で、RIZINにも出ながら、UFCにもチャレンジしたいという──そんな虫のいい話は、たぶん、僕ら的にはいいけど、UFCは許さないと思うので、いろいろな思いとかも含めて──こういうのはたぶんちょっとウェットな感じもあるので、ダナと会って話をして来ようという風に思っています」
──神戸大会は、今回のカード発表で全試合決定でしょうか。また、2月大会、3月大会からいい活躍があったら、4月大会に出られるということもあるのでしょうか。
「全対戦カードがこれで揃ったということではなくて、神戸は今最終調整をしているカードを含めて、キックの試合になる可能性が高いのですが、追加でキックの試合を1、2試合追加できるといいかなということで、最終調整をしてます。いずれにしても2月、3月のこの『LANDMARK』の2連戦で、怪我もなく、K太郎とサトシの試合もそうですけど、この2024年シーズンを2大会の結果いかんでは占うような、このシーズンを引っ張っていくような選手が誕生してくれると嬉しいなと思いますし、その結果いかんでは、4月とかその先、今年も10大会くらい予定をしているので、そういう大会にどんどん参戦をしていただくような機会が増えるかなと思います」