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【NJKF】武田幸三プロデュース大会の全対戦カード決定、ONEで勝利したエース大田拓真がPRO-KARATEDO王者と暫定王座決定戦

2024/01/30 22:01
 2024年2月11日(日)東京・後楽園ホール『NJKF CHALLENGER 東西対決』の全対戦カードが決定した。今大会は武田幸三プロデュース大会となり、関東のジムvs.関西のジムで勝利チームには賞金100万円が贈られる。  メインイベント(第12試合)はNJKFフェザー級暫定王者決定戦3分5Rで、大田拓真 (新興ムエタイジム/同級1位)と笹木一磨 (理心塾/同級3位)が対戦。  大田は内外でNJKFをアピールし、強さを示して「NJKF2023年度年間表彰」にて最優秀選手=MVPに輝いた。昨年は5月にメキシコ『IRON FIST』でムエタイ世界王座を2R TKOで奪取、7月は新日本キックで王者・瀬戸口勝也を撃破、9月のONE Championshipデビュー戦では従来のイメージを一新するハードな戦いを見せ、乱打戦の末勝利した。23年最終戦(11月)ではNJKFに凱旋、タフな難敵ルークワンを迎えたがボディを効かせ、4Rにローキックで沈めた。  対する笹木は“素手で闘う空手”を標榜する理心塾で腕を磨く選手。サウスポーから左の強打を角度と軌道を変えて打ち分け、三日月蹴りなど空手の蹴りも使いこなし、NJKFと並行して出場するPRO-KARATEDOでも昨年11月バンタム級(-58.5㎏)王者に就いている。  多くベルトを獲得しながらこれまでNJKF王座には縁のなかった大田が遂に悲願を果たすのか。あるいは笹木が下剋上でその名を轟かせるのか。  第11試合はNJKFスーパーバンタム級王者決定戦3分5Rで、一航 (新興ムエタイジム/同級1位)と真琴 (誠輪ジム/同級3位)が対戦。  今や兄の大田拓真とともに、NJKFをけん引する存在となった一航は2023年も精力的に試合を積み重ねた。年明けに保持するBigbangスーパーバンタム級のベルトを防衛(1月)、Krushでは晃貴に苦杯をなめさせられたが(3月、初回KO負け)「もっと勉強と努力して絶対に追い越す!」と気持ちは折れない。7月も前田大尊に黒星を喫したが、10月はTKO勝利、12月は判定勝ちでBigbang王座を再び守り、後半巻き返して1年を終えた。 「倒す選手を目指している」という一航は10月をTKO、12月もダウンを奪って判定勝利し「少しずつ倒せるようになってきたと思います」と手応えを掴んでいる。今回は4冠王の威信を示し、KOで5冠目を手にしたいところだ。  対する真琴は2020年7月のデビューから、この階級では恵まれた175㎝の上背から繰り出す前蹴りやミドルといった蹴り技を武器に戦い、ここまで12戦9勝(1KO)2敗1分。昨年9月、初のタイ人戦となるカオパン・ゲッソンリットとの試合を判定でクリアすると、20日後の24日にはDEEP☆KICK-55kg暫定王座決定戦に臨み、鷹介(魁塾)を判定で降しベルトをものにした。  19歳、若さと可能性溢れる真琴だが、ここでスーパーバンタム級日本屈指の実力者・一航が立ちふさがる。試練か、あるいはジャンプアップの好機とできるか。  第10試合のNJKFバンタム級王座決定戦3分5Rでは、嵐 (KINGgym/同級3位)と甲斐元太郎 (理心塾/同級2位)が対戦。  2023年11月、NJKFに新加盟したTAKEDA GYM武田幸三会長が選手をリングに上げ東西対決を発表。その中で最も火花を散らしたのがNJKFバンタム級王座を争う嵐と甲斐元太郎だった。  嵐は甲斐と向き合うなり中指を向け、「初めて相手の顔を見たけどすごく弱そう」と挑発。甲斐は嵐を突き飛ばし、あわや乱闘寸前、NJKFでは珍しい場面が繰り広げられた。  5歳から名門KING gymで練習を開始した嵐は、アマチュアベルトを獲得するなど早くから才能を発揮。世界王者を目標に掲げており、18歳にして初のタイトルマッチとなった。KING gymで学んだムエタイスタイルだが好戦的で、ボディブロー、ハイキックと多彩な技と倒せる力を併せ持つのが強み。関係者の期待も高い。決戦を前に、昨年11月30日にはラジャダムナンスタジアムで試合に臨みボディストレートで初回KO勝ちを上げている。  これに対する甲斐はNJKFの第14代バンタム級王者で、メインに出場する笹木一磨と同じく理心塾に所属。やはりPRO-KARATEDOにも出場して強さを見せており(全日本PRO-KARATEDO選手権2019無差別級王者)、サウスポーから放つパンチと蹴りは威力があり、ヒジ・バックブローも使いこなす。HOOST CUP、RISEとアウェーに乗り込んでの戦い、ベルギー選手を迎えてのISKAタイトルマッチと経験も豊富で、嵐に対し異名である“左の殺し屋”ぶりを発揮したい。  戦前の熱がそのまま試合に燃え移るのが期待される一戦、嵐の初戴冠か、甲斐が王座返り咲きを果たすか。  第9試合はスーパーライト級3分3Rでジャムワンスック・ゲッナァーウィー (タイ/ゲッナァーウィー/ジッムンノーンスタジアム認定スーパーライト級王者)と真吾YAMATO (大和ジム/元NJKF同級王者)が対戦。  2023年はタイ・ルンピニースタジアムで行われる『ONE FRIDAY FIGHTS』を舞台に激闘を繰り広げた真吾がNJKFに帰還。ジッムンノーンスタジアム・スーパーライト級王者のジャムワンスック・ゲッナァーウィーと対戦する。  183㎝の長身でキャリア初期から期待を受けた真吾は21年末にNJKF暫定王座を戴冠。翌22年には当時新日本キックのエースであった重森陽太を敵地でTKO、その後WMC日本王座も獲得と飛躍した。ONEではオープンフィンガーグローブを着用してのムエタイマッチに臨み、ヒジと左右フックを振るって猛攻、1勝2敗の星を残した。  今回迎えるジャムワンスックはサウスポーから繰り出すミドルとストレート、左の攻撃を主武器とし、のこされている試合映像では左ミドルを受けた相手が右腕にダメージを見せTKOとなるものもあった。 組んでも体幹の強さを感じさせ体を折られず、逆に相手を組み倒していく。組み際にも縦・横とヒジを飛ばすため、真吾とのヒジ合戦も見られるかしれない。  昨年9月、ONEでの前戦では初回KOに沈んだ真吾。タイの現地王者を迎える一戦で持ち前のラッシュを炸裂させ今年の行く先を切り開きたい。多方面へのアピールはなるか。  第8試合は66.6Kg契約3分3Rで、吉田凜汰朗 (VERTEX/NJKFスーパーライト級王者)と青木洋輔 (大和ジム/WBCムエタイ日本ウェルター級王者)が対戦。  昨年9月、NJKFスーパーライト級タイトルマッチに臨んだ吉田は王者・畠山隼人と対戦。5年に渡り王座を保持する難攻不落のチャンプに対し、吉田は3連敗中であり不利の下馬評が多数を占めたが、KOでベルトを奪うと、この試合はNJKF昨年の年間最高試合に選ばれた。合わせて年間表彰で殊勲賞も手にした吉田だが、「昨年は3戦して1勝2敗でしたので、悔しい気持ちの方が大きい」と気を引き締め闘志を燃やしている。  対する青木は2020年にNJKF王座を得た後、2023年7月にはWBCムエタイ日本統一ウェルター級王座も獲得。この試合ではINNOVATION同級王者の梅田勇一に対し、組んでの展開で優位に立ち、5Rを粘り強く戦い判定勝利した。続く12月は地元・名古屋で行われたホーストカップで試合に臨み、カーフキックで2R KO。心地よく年越しを果たしている。v  スーパーライトの吉田に対し、青木寄りの契約体重で行われる一戦。キャリアと体格で上回り、先輩王者の意地がある青木にはプレッシャーの掛かる試合となる。対して吉田は戴冠初戦、常々目標として掲げる“本物”であることをこの戦いで示さなくてはならない。  昨年、大会プロデューサーの武田幸三は「2kg、3kg、それぐらいの差でチャンピオンがいっぱいいる。この状況をなんとか打破したい」と話したが、互いにチャンピオンとしての強さ、そして存在感が問われる一戦だ。
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